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2011/07/31

シニアネット  『おいおい』    第1034号

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   シニアネット 『おいおい』    第1034号  (2011年07月31日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━━━ 
巻頭俳句 久保田万太郎の作。島崎藤村の忌日に、夕空に映える百日紅(さるすべり)を詠う。
社説要約 米朝協議と「北の核」(朝日・毎日)。中国の鉄道事故(読売)。円高と電力不足(日経)。「大正100年」(産経)。
身辺雑記  「場の提供」としての「隠居大学」(天野祐吉さん主宰)構想。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
夕空のまつたく澄めりさるすべり     久保田万太郎(1889-1963)

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 我が家の庭に、桃色だが赤に近い百日紅が空に向って咲いている。太虚の空間と呼応する様に。故郷から、母が送って来た時は小さな可愛い木だった。それが、大きくなり逞しい木に育った。毎年たわわな枝を広げて、長い期間咲きそろう。母の遺志を伝えて呉れるように。
 澄み渡った広く高い夕空に、百日紅が咲く。白い花だろう。夕陽に映えるなら、桃色でも良い。
「まつたく澄めりさるすべり」の「り」の繰り返しで、心地よいリズムが広がる。前書きに「7月22日大磯にて、藤村先生七回忌法要」とある。「人類が滅亡した後の夕方のような美しさがある。この取り合わせの緊張感に藤村の文業を偲ぶことができる。」(『万太郎の一句』小澤實著より)
 作者プロフィール;東京都生まれ。劇作家(戯曲・脚色・演出)であり小説家。俳句は余技。家庭的には恵まれず、私小説風の俳句。平明枯淡。洗練生れた都会の作風。
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┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━━━━━
31日;(2)北朝鮮の核―ウラン濃縮中止が先だ
『北朝鮮をめぐる問題が対話モードに入ったのは、いいことである。 韓国軍艦の撃沈と韓国の島への砲撃という、昨年続いた北朝鮮の許し難い軍事行動により、にっちもさっちもいかなくなっていたからだ。この状況転換に果たした韓国の貢献は大きい。二つの事件の追及と核問題の進展をからませない、つらい決断をした。北朝鮮の非核化を扱う6者協議の議長・中国は「南北対話を経て米朝、そして6者再開」の道筋を求めてきた。先日、まがりなりにも南北が実現し、今回の米朝となった。6者協議の再開までに曲折も多かろうが、核問題解決を目指す枠組みは、いま6者協議しかないのも事実である。
 優先せねばならないのは、ウラン濃縮を止めることだ。 北朝鮮が長崎原爆と同じプルトニウム型の核兵器開発に使ってきた施設は、いまは動いていない。だが、広島型に通ずるウラン濃縮の施設は、昨年11月に米国の核専門家にこれ見よがしに公開した。秘密裏の濃縮施設はほかにあるとも言われる。ウラン濃縮について、北朝鮮は平和利用だと主張するが、それは認められない。
 国際原子力機関をはじめ外からの監視を全く受けないまま、濃縮活動はやりたい放題だ。濃縮ウランを使う原発があるわけでもない。新たな核兵器開発だと疑われても当然だ。 平和利用を言うなら、核管理の国際的な枠組みのもと、ルールを守ってこその話である。 金正日体制を守るための武器であり、かつ交渉カードでもある「核」を北朝鮮は簡単に手放さないだろう。 ならば、6者協議にかかわる日米韓と中国、ロシアは、北朝鮮に核がない方が得だとわからせるゴールと、そこに至る道筋を描いていかねばならない。 米朝が少し動いた。南北も対話した。だが、日本の国内政治の現状がこんなでは、北朝鮮に手玉に取られるかもしれない。「核」を動かして拉致問題の解決にむけた道につなげる、骨太の戦略が必要だ。 (771字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━━━━━
 31日;(1)中国事故対応 隠蔽体質と人命軽視は重症だ
『中国浙江省温州で起きた高速鉄道の列車追突事故で、温家宝首相が現地に赴き、被害者を見舞って遺族を慰問した。首相自らが乗り出す方針に切り替え、早期の幕引きを狙ったものと見られる。事故現場で記者会見に応じた温首相は「安全を失えば信用を失う。速ければ良いというものではない。安全第一であるべきだ」などと述べ、調査の全過程を公開することを約束した。中国の高速鉄道は外国人も利用する公共輸送機関である。事故原因を徹底的に究明し、再発防止策とともに、最終調査結果を公表することが重要だ。中国政府の事故調査グループは、事故の原因について、「落雷で信号機が故障し、赤色を表示すべき区間の信号が、誤って青色を示した」などとする、当面の分析結果を明らかにした。
 信号系統や自動制御システムなどについて、改めて総点検し、安全確認に万全を期すべきだ。今回の事故では、中国政府の隠蔽体質と人命軽視の姿勢に、国民の怒りが爆発した。事故直後に車両を地中に埋め、国民から「証拠隠滅だ」との批判が起きるや、あわてて掘り出したり、事故発生から1日半で運行を再開したりした。捜索活動の打ち切り後に、車両から2歳の女児が救出された。人命軽視もはなはだしい、と批判を浴びたのは当然だ。
 鉄道省は1人当たり50万元(約600万円)の賠償金を遺族に提示し、さらに航空機事故並みの91万5000元(約1100万円)に引き上げた。早期の妥結で“口封じ”がしたいようだ。
 政府に対する批判の原動力となったのは、1億7000万人が使用していると言われる中国版ツイッター「微博」や、動画サイトだった。当局の検閲にもかかわらず大量の情報が流された。中国政府は国内メディアに対し、「微博」の転載や、独自取材を禁止し、国営新華社の記事を使用するよう指示したが、一部の報道機関は従わなかった。過去には見られなかった現象である。タブーとされる政府批判を展開した中国メディアに、言論統制の機関である共産党宣伝部がどんな対応を取るか、注視しなければなるまい。(849字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━━━
31日;(1)円高と電力不足を放置していいのか
『急激な円高と電力不足の影響が何より心配である。この状態を放置したままでいいはずがない。6月の主要指標を見る限り、足元の景気は着実に持ち直している。鉱工業生産指数は3カ月連続、輸出数量指数は2カ月連続で前月を上回り、震災直前の94~95%の水準まで戻った。実質消費支出(2人以上の世帯)も前月比では増えている。企業部門と家計部門の正常化が進んでいることを歓迎したい。しかし円高の加速は景気回復の障害になりかねない。円相場は震災後につけた最高値の1ドル=76円25銭に迫りつつある。ここにきて80円に修正する主要企業が増えているが、現在の水準が続けば収益を圧迫するのは避けられない。米連邦債務の上限引き上げを巡る混乱が円高の主因である。この問題が決着しない限り、円高を止めにくいのは確かだろう。それでも円相場は看過できない水準にきているのではないか。政府・日銀は円売り介入も辞さない姿勢で臨むべきだ。
 電力不足に対する不安も大きい。経済産業省の予測調査によると、7~8月の生産の伸びは前月比2%程度で、5月の6.2%や6月の3.9%より低下する見通しだ。「今夏の電力使用制限が重荷になっている」との指摘は多い。政府は国内の原子力発電所がすべて停止した場合、来夏にはピーク時の電力が約1割不足すると試算している。電力供給の確たる方針を示さなければ、企業は生産や設備投資の拡大に二の足を踏まざるを得ない。
 海外経済の変調も気がかりだ。米国では個人消費の低迷が響き、4~6月期の実質成長率が前期比年率1.3%にとどまった。金融引き締めが続く中国やインドの景気にも減速感がにじむ。「部品や素材の供給網を修復できれば、輸出主導で立ち直れる」という日本のシナリオに狂いが生じる恐れがある。今の日本経済に政策の停滞や混乱を受け入れる余裕はない。政府は「V字型」の景気回復を確実にするため、円高や電力不足への対応を急ぐべきだ。中長期的な成長基盤の強化も要る。法人減税や環太平洋経済連携協定(TPP)への参加表明をたなざらしにすべきではない。(847字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━━
31日;(1)米朝協議 「北の核」交渉は慎重に 
『米国の北朝鮮担当特別代表ボズワース氏は、北朝鮮側に「行動」を求めたという。6カ国協議に誠実な姿勢で臨むことを「行動で証明」すれば、北朝鮮が望む米国との関係改善にも道が開ける、といった文脈だ。現在進行中の核開発活動を、一部なりとも実際に止めてみせよ、という意味のように思われる。北朝鮮の反応は明らかでない。今後は米国が日、韓に結果を説明し、対応を協議することになろう。そして、もしも6カ国協議再開を推進しようとするなら、慎重の上にも慎重を期してほしい。
 2年7カ月前の同協議中断は、ブッシュ政権時代の交渉担当官が平壌での口約束を信じ、北朝鮮をテロ支援国家リストから外したあげくのことだった。オバマ政権への移行後、北朝鮮は人工衛星打ち上げだとして長距離弾道ミサイルの発射実験を行い、2度目の核実験も強行した。昨年には多国籍調査団が「北朝鮮製魚雷による水中爆発」と断定した韓国の哨戒艦沈没事件や、韓国領の島への砲撃事件があった。北朝鮮が米国の核専門家を招き、秘密施設にウラン濃縮用の遠心分離機が多数並んでいるのを見せつけたのは、その砲撃の11日前だった。こうした経緯だけみても、慎重な対応が不可欠なのは明らかだろう。
 とはいえ北朝鮮の核開発を放置するわけにはいかない。特にウラン濃縮は施設を隠しやすく、高濃縮ウランによる核兵器製造はプルトニウム型より容易だ。米国はこの兵器や技術の拡散を特に警戒している。米国は、韓国と北朝鮮の厳しい対立が偶発的な軍事衝突につながり、朝鮮半島情勢が極度に悪化する可能性も懸念しているようだ。北朝鮮の「行動」を引き出すには中国の協力も必須だ。最近は「中朝蜜月」が目立つが、中国も北朝鮮の行動に困惑しているふしがある。6カ国協議の議長国としての責任もある。影響力行使を強く求めたい。北朝鮮が柔軟姿勢に転じるなら、日本は当然、拉致問題解決に動きたいところだ。しかし先日明るみに出たような不可解かつ責任の所在があいまいな日朝接触は、むしろ日米韓の協調を乱す恐れがある。これも慎重に推進すべき課題といえよう。(860字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━━━
31日;(1)「大正百年」 復興へ民力活用学びたい   
『今年は「大正百年」にあたる。明治45(1912)年7月30日、明治天皇の崩御により元号が大正と改められ、ちょうど百年目になるからだ。大正時代は大正15年12月25日まで14年と5カ月足らずで、前後の明治や昭和と比べ、短く終わっている。その一方で「戦間期」と呼ばれ、人々が比較的「平和」を享受できた時代だった。その結果、現代の民主主義の源流ともいえるデモクラシーがめばえ、軍閥や薩長閥に代わり政党が力を伸ばした。一般国民も自由に発言できるようになった。一方で第一次世界大戦の特需による好景気にも恵まれた。このため、音楽や文学などの文化や各種スポーツが花開いた。モータリゼーションや医学など技術革新も格段に進んだ。庶民の力がみなぎっているかのような時代だった。そうした庶民の力が発揮されたのが大正12(1923)年9月、10万人以上が亡くなった関東大震災からの復興だった。陣頭指揮をしたのは内務相で復興院総裁を兼ねた後藤新平だったが、国民もこれを力強く後押しした。震災直後、日比谷公園には400軒あまりの露天商が軒を並べ、被災者に物資を提供したという。地方から建築資材が流入、仮設住宅が次々に建てられていった。
 明治時代の日清、日露戦争で醸成された国のために一致団結する心も十二分に発揮された。1年後には東京だけで約20万戸の住宅を建設、当時の永田秀次郎東京市長は「一に市民の努力によるもの」(東京朝日新聞)と民間の力を高く評価している。現代に戻って東日本大震災から4カ月半が過ぎた今、復興はまだ道半ばにも達していない。がれきの除去、仮設住宅建設も政府の計画通りにはいっていない。大正時代と現代は、国民がもっている活力や団結心という点ではほとんど変わらないだろう。問題は政府がどう復興に活用できるかである。「脱原発」や増税など民間力をそぐような政策ではなく、いかに成長させていくかを考えなければならない。
 百年目を迎えた今、大正という時代から学ぶべきことである。(827字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━
 『おいおい』10周年記念懇親会から1週間が過ぎた。皆様の激励の言葉に侵って、ぼんやりと過ごした。学校も夏休みなった。その内に「孫」台風が荒れるだろう。リハビリで午前中出かける外は「仕事」はなく、怠惰な生活をしている。ならば小紙の編集でも。しかし、興が起こらない。老年者独特の心理状態だろう。自然の摂理には従おう。
 記念懇親会で、皆様の素晴らしい力をお借りして、「何かをしたい。」の気持ちになった。かつて、『千円塾』を夢見たことがある。多数の皆様に集まり頂いたが、ミッシヨンがはっきりせず、日のめをみなかった。ぼんやりだが、見えて来るおことがある。場の提供である。天野祐吉さんの主宰する『隠居大学』である。(300字)。

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2011/07/12

(シニアネット) 『おいおい』  第1030号

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シニアネット『おいおい』    第1030号  (2011年07月12日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━ 
巻頭俳句 宇多喜代子は山口生まれ。現代俳句協会の会長。読売新聞「読売俳壇」選者。   
映画紹介 “SUPER 8”とは何だろう。秘密主義が映画の醍醐味が味わえる。
社説要約 11日政府発表の原発の「統一見解」の不備を5紙が、一斉に集中砲火をあびせた。
身辺雑記  「国の在り方」と「国の行き方」を考えましょう。皆さん、発言をしよう。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━
 
 夏さむしここより奥に山の霊    宇多喜代子(1935-  )

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 ひんやりとした空気。ここより先には「山の霊」が宿っている。目に見えない存在が「ここより奥に」に感じる。こうした空気の変化をうまく捉えた。季語「夏寒し」は、夏期に低温が続く異常気象。北日本に冷たい「やませ」が吹きこむ場合と南から太平洋高気圧の張り出しが弱い場合がある。いずれも、冷害が心配される。
 小沢實は、「日本の根と向き合うひと」(『女性俳句の世界』より)と評した。季節の移り変かわりに合わせて生きて来た日本人の活力。季語の現場体験を意欲的に実践している。すでに俳壇最高の「蛇笏賞」を受賞した。平成14年紫綬褒章受章。
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┏━━映画『SUPER 8 / スーパーエイト』━━━━━━
 11日に映画を見た。題名から不思議。徹底した秘密主義で制作された。予告編の映像のみ。そして、5月下旬に、新しく発表されたポスターイラストのみ。それも、『僕たちは、ひとりじゃない。』には、男女2人の少年と少女が手をつないでいる。なにやら『未知との遭遇』を思いださせる。映画のストリーは秘密。題名から不思議な映画。映画の醍醐味を満喫させてくれる。
脚本監督がエイブラムス、製作ステーブン・スピルバーグ。題名の『スーパーエイト』は、当時の家庭用のカセット式の8ミリ方式のカメラ。1979年、6人の少年が映画作製に取り組み、列車事故に遭遇するところから始まる。子供が主役。予告編の隠された謎、ポスターイラストの暗示。映画に仕掛けられた舞台。楽しませて呉れる映画である。

┏━━社説要約━━━━━━━━━━
政府は11日、原子力発電所の再稼働の可否を判断する「統一見解」を発表した。「統一」とは名ばかりで、首相と経済産業相の間であらわになった閣内不統一を覆い隠すつじつま合わせにしか見えない。政府が原発の安全性を2段階で評価する新基準を、統一見解として公表した。定期検査中の原発は、各電力会社が再稼働に向けた1次評価を行う。大きな地震や津波など過酷な条件を想定し、どこまで耐えられるかを確認するものだ。この評価結果について原子力安全・保安院が「確認」し、さらに原子力安全委員会が「妥当性を確認する」としている。
 これとは別に、運転中の原発を含めた全原発を対象に、運転継続を認めるか、中止させるかを決める2次評価を実施するという。

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━
12日;(1)原発テスト―第三者の検証が要る
『新基準となるストレステストは、どの程度の地震や津波に耐えられるか、その余裕度をコンピューターで計算して確認する。設計時に一律に課される安全基準とは異なり、経過年数や地質構造など、それぞれの原発固有の条件を反映させる。「安全性」の範囲も、多岐にわたる。政府が参考にする欧州では、航空機の墜落やミサイル攻撃なども評価の対象だ。 具体的なテスト項目など、細部の設計はこれからだが、震災後の安全検査が名ばかりだったことを考えると、一歩前進に違いない。
 福島の事故を受けて、経産省の原子力安全・保安院が各電力会社に緊急対策を実施させた後の「安全宣言」では、評価の対象は短期的な措置に限られていた。周辺自治体を含む地元の意見も十分に取り込んだ項目づくりを急いでほしい。 もっとも、ストレステストは、あくまで「計算」だ。式にあてはめる数値いかんで、結果はいかようにも変わる。 また、ストレステストの本来の目的は、原発ごとに脆弱な部分を徹底的に洗い出すことであり、再開を前提とした試験でもない。テスト結果を確認する保安院が「はじめに合格ありき」の姿勢のままならば、同じことの繰り返しになる。
 政府は、テスト項目や結果の評価に原子力安全委員会を関与させることで客観性を保つ方針だ。しかし、安全委自体、福島の事故で期待された役割を果たしておらず、国民の厳しい視線を浴びている。地震やシステム工学といった原子力以外の専門家を含め、第三者が検証できるよう、できるだけ情報を公開することが望ましい。テロ対策などの安全保障上、難しい面もあるが、「原子力村」に委ねてきた安全チェックの態勢を変えるときだ。 同時に、国民の信頼を取り戻すには、保安院の独立を軸とした規制・監視当局の再編・強化を急がなければならない。 (735字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━━
12日;(2)原発の再稼働 混乱招くあいまいな統一見解
『これで原子力発電所の再稼働問題を巡る混乱を収拾できるのか、懸念を拭えない。欧州で実施中のストレステスト(耐性検査)を参考に、安全評価を行うこと自体は意味がある。だが、見解にはあいまいな点が多く、問題が少なくない。
一つは、テストの中身を具体的に示さないまま、再稼働の新たな条件としたことだ。テストでは、コンピューター上の模擬計算で緊急時の原発の状態を推定するという。欧州のテストは、原発を運転したまま実施しており、原発の再稼働問題とは結びつけていない。政府は再稼働の追加条件とした根拠をきちんと説明すべきだ。運転中の原発も、今後次々と定期検査に入り、停止する。このままでは電力不足が深刻化する。
 菅首相は最近、電力不足を補おうと、企業の自家発電の余剰分や、稼働していない火力発電所の調査を経済産業省に指示した。泥縄の対応そのものではないか。
 もう一つの問題は、原発の安全性と再稼働の是非を判断する責任体制が明確ではないことだ。法律上は、保安院に責任があるが、統一見解は、原子力安全委にも判断への関与を求めている。安全委の班目春樹委員長は「(我々が行う)安全性評価は、原発の再稼働の判断と関係ない」と述べ、個々の原発の判断に、関与することに難色を示している。具体性を欠き、かつ政府内の役割分担もはっきりしていない統一見解では、今後、新たな混乱が生じる可能性がある。そもそも、統一見解は、原発立地自治体に対する説得材料としてまとめられたものだ。だが、地元からは「テストの中身が不透明で、説明不足だ」などと不満の声が上がっている。国民の安心・信頼を確保するはずが、不安と不信を広げていると言わざるを得ない。(697字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━━━
12日;(1)この統一見解で原発は再稼働できるか
『原発再稼働について政府に揺るぎない方針があるのか。そこが明確でないと、原発立地自治体の不信も産業界の不安も消えない。統一見解は、枝野幸男官房長官と海江田万里経産相、細野豪志原発担当相の3人が話し合い、菅直人首相も了承したという。統一見解によると、再稼働の準備が整った原発が地震や津波にどの程度耐えられるかを調べる第1段階の安全評価と、全原発を対象にした総合的な評価の2段階で安全を確認するという。しかし評価項目や作業手順などはまだ決まっていない。電力会社はすでに経産省の指示に従い、非常用電源を増設するなど緊急安全対策を講じてきた。新たに設ける第1段階の評価は、これとどこが違うのか。「できるだけ早期に実施」というが、いつになるのかも明確でない。第2段階の総合評価は、事故調査・検証委員会の検討結果も踏まえて、長期的な視点から全原発を対象に実施するという。第1段階を通過して再稼働した原発もすべて2回目の評価を受ける。この総合評価が福島第1原発事故後も原発を動かし続ける「最後の関門」になるのだろうか。
 政府はEUが域内の原発に実施中のストレステストを参考にするという。EUは電力供給の不安を回避しつつ福島事故で得た教訓を生かすため、原発を止めずシミュレーション(模擬実験)で安全確認を目指す。電力需給が切迫する梅雨明けにようやく準備に入る日本政府の動きは、EUと比べあまりに時機を逸している。しかし、こうした政府の場当たり的な安全宣言や見解の発表が、地元の自治体からの信頼回復につながるとも思えない。不信の根本にあるのは、原発の再稼働に関し、政府に首尾一貫した方針があるのかが疑わしいことだろう。九州電力の玄海原発をめぐって起きた混乱は、首相の「指示の遅れ、不十分さ」だけでは説明できない。統一見解の決定後も、首相は自らの言葉で直接、国民や関連自治体に語りかけていない。首相は原発の安全確認と電力供給の安定確保に全力を尽くす姿勢をはっきりと国民に示すべきだ。(829字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━━━━━
12日;(1)原発安全評価 2段階の意味を明確に
『政府内には安全評価を原発再稼働の条件とするかどうかで不一致があった。統一見解は、異なる意見の双方に配慮した折衷案のようであり、1次評価は、もともと「再開ありき」と受け取られかねない。枝野幸男官房長官は、1次が2次より簡易になるわけではないとの見方を示しているが、不信を招かない明確な説明が必要だ。政府は、安全評価の項目や計画、評価結果を原子力安全・保安院が作成・確認するだけでなく、その妥当性を原子力安全委員会がダブルチェックする方針も打ち出した。東京電力福島第1原発の事故で、経済産業省に属する保安院に対する人々の信頼感は著しく低下している。最低限、独立した機関の評価が必要であり、安全委の役割は重要だ。ただ、安全委に対する信頼も揺らいでいることを思えば、さらなる独立性や信頼性を確保することも考慮した方がいい。EUが実施している原発のストレステストでは、他国の専門家を含めた相互評価が実施される。日本も外国人などを含めた専門家チームで判断するなど、工夫が必要ではないか。安全評価をめぐる役割について政府と安全委の間に温度差がみられるのも気になる。政府は安全委を積極的に関与させる姿勢を示しているが、安全委はあくまで保安院の評価法や評価結果の妥当性を「確認する」との立場だ。
 再稼働の可否については、政府が責任を持って判断すべき事項だろう。ただ、そのためのデータや各原発の安全評価については、安全委にも独立した立場から積極的に関与してもらいたい。2段階評価の妥当性を考える上では、電力需給の実情も重要な要素だ。ところが、立場によって「電力には十分な余力がある」という見方と、「このままでは日本の産業がだめになってしまう」という見方があり、はっきりしない。この夏はどうか。今年の冬や来年の夏はどうか。自家発電などの潜在力まで含めたらどうか。さまざまな条件に応じた現実の姿を、政府も関係機関も、はっきり示す努力をしてほしい。(810字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━━
12日;(2)原発統一見解 国民に不便強いるだけだ
『「新たな手続き、ルールに基づく安全評価」という形で、その位置付けなどがようやく示されたわけだが、内容の細目や実施時期などは依然、あいまいなままだ。明らかになったのは、玄海をはじめとする停止中の原発の今夏の本格運転は事実上、絶望的ということだ。日本のエネルギー需給にとって過酷な現実のみである。今回の安全評価は欧州諸国が福島第1原発事故後に行ったストレステストを参考に導入されたものだが、問題点ばかりが目立つ。まず、安全確認の評価手順が1次と2次の2段階からなるということだ。こうすることの効果のほどが分からない。1次評価は、定期検査で停止中の原発で地震や津波に対する設計上の余裕度を確認する。2次評価は、欧州での手法に準じた総合的な安全評価で、稼働中の原発の運転の継続や中止の判断に使われる。1次評価を済ませた原発も対象となる。
1次評価の内容は、今回の事故前から国内のすべての原発で確認されている。2次評価に相当する安全対策も経済産業省の指示で事故後の3月と6月の2度実施された。「安全性」強化は必要だが、これでは一般受けを狙った「安心感」の積み上げにすぎまい。再稼働が遠ざかるほど、電力不足による国民生活の不便や不利益は増す。とりわけ節電を迫られた今夏は厳しい。6月に熱中症で救急搬送された人は全国で前年比約3倍(総務省)に上り、命を失うお年寄りも相次いでいる。原発事故の発生リスクに気をとられ、エネルギー政策上の危機については、目をつむった施策である。原発が嫌いな国民でさえ、この夏をどうしのぐかに懸命だ。電力の安定供給に向けて、原子力発電への不安を解消するのが政府の役割である。場当たり的な脱原発路線は、社会や経済を不安と停滞の底に突き落とす。発表は枝野幸男内閣官房長官が行った。混乱を招いた菅首相が自ら説明すべきテーマである。(767字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━━
 日本の暑さも政治のせいだと思いたくなる。梅雨も早くあけた。早くも暑中見舞いを頂く。7月の世論調査では、支持率16%(NHK)、15%(朝日)。延命すれば日本の政治が壊れる。国の在りようが月刊誌にも掲載される。新書とか文庫本が続々と出る。遠吠えに過ぎないのか。
菅総理大臣には、国民の意思が届かない。現実は、国民の意思を踏み潰している。「独裁者の政治」とどこに違うのか。歴史上の独裁者と同じではないか。主権者の「国民」の意思を尊重する三権の長の責任者らしい振る舞いは見えない。国民も敬愛と尊敬の念は起こらない。
 「無言」は、信頼を失ってリーダーの延命施策に加担している事になる。「私がやります。御安心した辞任ください。」という政治家が見えないのは残念。私たちもぶつぶつ不満を言い合うだけでなく、「国の在り方」とか「国の行き方」に関する世論を作り上げよう。司馬遼太郎や井上ひさしが、目指した日本を読み直している。(400字)。

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2011/07/07

シニアネット  『おいおい』 第1029号

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シニアネット『おいおい』    第1029号  (2011年07月07日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━ 
巻頭俳句 正岡子規は松山市の生まれ。野球用語を訳すのに熱心。打者、走者、直球、死球、
満塁、飛球等と漢字で表した。日本語はいまも使われている。「ベースボール」を広めた。
社説要約 原発をストレステスト(耐性調査)する。朝日、読売、日本経済の3紙が論説。
身辺雑記  七夕の笹に、短冊を下げた。聞いて頂けるとは思わないが、楽しい。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━
 
うれしさや七夕竹の中を行く    正岡子規(1867-1902)

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 七夕は秋の季語。元来は旧暦の7月7日。今年は8月6日。立秋が例年8月7日か8日であるからである。仙台の七夕祭りは8月7日。短冊に願い事を書いて笹に吊るす。日本の古来の神の出現を待つ作法や穢れを祓う行事が習合した。
 「うれしさや」が作者の七夕に対する感情を吐露した。「七夕の竹の中を行く」で締めた。明治26年の作。『寒山落木』巻2の中の作品。高浜虚子編による『子規句集』は2306句選んで年次別に編纂された。全7冊の俳句稿になっているが、『子規全集』を年次別に従っている。
この句には前書きに「旅中」とある。前年12月に『日本新聞社』へ入社した。明治26年1993頃から浅井忠、中村不折、下村為国等の画家と知己になり、写生に眼を開かれて、俳句に応用始める。明治26年には、<毎年よ彼岸入りに寒いのは>とか<薪を割るいもうと一人冬籠>の代表作がある。
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┏━━暦━━━━━━━━━━━━━━━
 7日は、24節季の「小暑」。日脚は短くなるが、本格的な暑さが始まる。小暑の前後に梅雨が明ける。夏の太陽が照りつけ始める。しかし、年によっては梅雨がなかなか明けないこともある。

┏━━社説要約━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
全国の原発で、新たに安全性評価をすることが決まった。海江田万里経済産業相が6日、全国の原子力発電所でストレステスト(耐性調査)と呼ぶ追加的な安全検査を実施すると表明した。地震や津波に襲われたとき、原発の設備が安全基準で定めた水準に対し、どの程度の余裕があるか調べる検査だ。いま、原発が安全かどうかを判定するには、福島第一原発の経験を踏まえた検証が必須だ。原発の安全に万全を期すことは重要だ

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━━
7日;(1)原発のテストー福島後の厳しさが要る
『 テストの実施は海江田万里経済産業相が発表した。テストを経て、真夏の電力需要がピークになる前に点検中の九州電力玄海原発2、3号機などを何とか再稼働したい思いのようだ。 だが、福島の事故を受けてEUが始めたテストは、地震や津波などの自然災害から、テロによる航空機衝突までを想定する厳しいものだ。そういうとき、原子炉を安全に冷却停止できるかを調べている。日本でも、客観的な安全性を高めるために導入するのならば賛成だ。むろん、本格的に取り組むには今夏に間に合わない。大事なのは信頼される安全の担保をどう得るかだ。 テストはおもにコンピューターによる計算で進める。全体として想定の災害にどれくらい耐えられるか余裕度を測る。原発施設や地質構造をどう適切に数値化するか、与える衝撃の想定が妥当かといった条件が重要になる。テストする主体は電力会社だという。データの多くは電力会社が握っているからだ。 福島事故の後、原子力安全・保安院は国内全原発に緊急対策を指示した。だが、それぞれの原発ごとに古さや立地条件の差があるのに、どれも早々に「安全」としたことが、むしろ周辺の住民の不信をつのらせた。
 新しいテストは結論だけでなく、使った仮定や経過もすべて公開して外部の目にさらす必要がある。さらに「安全」とみなす余裕度の最低水準をどう線引きするか。水準に達しないと判定された原発をどうするか。合理的な根拠と併せて説明しなければならない。 「どうしたら信頼されるか」を政府は真剣に考えなければならない。そのためには「誰が監督するか」が大事になる。原発を進めてきた経産省にある保安院ではなく、独立性と専門性があり、安全に徹する規制監督の主体を急ぎ、作る必要がある。EUのテストは、最終段階で他国の専門家集団の検証も受ける。 電力不足による社会の混乱を防ぐために、安全とみなせる原発を当面再稼働することが必要になってくる。そのために、住民からも、日本の対応に注目している国際社会からも信頼されるテストにする必要がある。 (839字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━━━
7日;(1)原発再テスト 運転再開へ安全確保を急げ
『政府がいったん安全に「お墨付き」を出した原子力発電所を、改めて検査することになった。菅首相は6日の衆院予算委員会で、国内の原発について、地震や津波による過酷な事故にどこまで耐えられるかを調べる「ストレステスト」を行う考えを示した。定期検査で停止した原発の運転再開に関する、新たな基準やルールを作成するとも述べた。原子力安全・保安院による従来の検査だけでは、運転再開に地元の自治体や住民の理解を得られにくいと判断したという。だが、首相の原発政策を巡る言動は、あまりに場当たり的で、原発の停止による深刻な電力不足に対する配慮も足りない。政府は、テストの具体的な手法やスケジュールを早急に詰めて実施に移し、原発の安全再確認を図るべきだ。
このテストは、従来の安全基準を超える地震など、厳しい条件にさらされた場合の影響を模擬計算する。電源やポンプ、配管など設備の弱点を洗い出し、安全性の強化に役立てるとしている。福島第一原発の事故を受け、欧州では6月からストレステストを開始している。IAEAも、加盟各国に導入を求める方針だ。テストは、原発の信頼性の補強材料となろう。懸念されるのは、九州電力玄海原発の運転再開が大幅に遅れかねないことだ。海江田経済産業相は6月中旬、国内の原発の安全対策が適切だとする「安全宣言」を出した。玄海原発の現地も訪れ、安全性に「国が責任を持つ」と確約した。佐賀県の古川康知事も再開に一定の理解を示していた。安全性に合格点をつけた政府が突然、“追試”を課すと言い出したことに、知事と地元町長が強い不信感を表明したのは当然だ。地元との信頼関係は、大きく傷ついた。他の原発に広がりかけていた再稼働の機運に水を差し、電力不足が全国的に長期化することも懸念される。
 この日の国会審議では、菅首相と原子力安全委員会の班目春樹委員長がともに、経産相の「安全宣言」の内容を事前に知らなかった事実も判明した。政府内の意思疎通は極めてずさんである。原子力政策の司令塔が一体どこにあるのかも不明確だ。政府はしっかり連携し、原発の安全確保を急がなければならない。(876字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━━
7日;(1)混乱に輪かける唐突な原発テスト表明
『福島第1原発の事故を受け、ほかの原発で安全性を念入りに確かめること自体は妥当だ。しかし、定期検査で止まった原発の再稼働をめぐり地元が厳しい判断を迫られているなか、唐突な追加検査の実施表明は混乱に拍車を掛けている。経産相はこれまで地元自治体に再稼働の要請を続けてきた。一方で、原発事故の発生から4カ月近くたっていきなりテスト実施を持ち出した。本来なら事故直後に始めるべきテストを、なぜ、この時期に実施すると発表したのか、理解に苦しむ。定期検査で停止中の九州電力玄海原発2、3号機では地元が再開を容認する姿勢だった。だが佐賀県知事は「テストを待って判断するのが妥当」と、結論を先送りした。地元の自治体や住民は困惑し、かえって不信感を募らせている。このままでは54ある原発すべてが1年以内に止まり、電力不足が深刻化して経済全体に影響が及ぶ。経産相は危機回避へ全力を尽くすというが、それを乗り越えるための具体的な手立てを示さなければならない。
 菅直人首相はテスト実施の理由を自ら丁寧に説明すべきだ。首相は中部電力浜岡原発について政治判断で停止を指示し、これが発端になってほかの原発の運転再開が遅れている面がある。首相は佐賀県知事との面会も先送りしているが、これではあまりに無責任ではないか。福島第1原発の事故を受け、EUは域内の原発で素早くストレステストに着手した。日本でも実施する以上、細目を早く示し、国民が信頼できる検査体制を整えることが欠かせない。国の原子力安全委員会が関与し、「ダブルチェック体制」を機能させる必要がある。原発の新設や運転再開では、まず原子力安全・保安院が安全性を審査し、それを安全委が重ねて点検する仕組みを取っている。班目春樹委員長はストレステストで大きな弱点が見つかれば「対策を実施するまで運転をすべきではない」と述べた。安全委は原発事故へ対応が後手に回ったことで批判を浴び、政府は原子力安全を担う組織を再編する方針だ。しかし今の事態は急を要する。ここはひとまず安全委が「原子力安全の番人」たる役目を果たさなければ、その存在意義はない。(876字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━━━━
 7日は七夕である。近畿大学付属病院の正面玄関には、大きな笹が立てられた。短冊は健康であれと祈願した。泉が丘の商業施設「パンジョ」の広場では、岡山県の美星町の星尾神社へ奉納する短冊を吊った。家内安全をお願いした。百貨店の和菓子売る場では、鎌倉の鶴ヶ丘八幡宮へ短冊を奉納するそうだ。七夕竹が、有り難く見えて来る。東京に住む2人の子供の一家の安全と健康を祈願した。
 七夕は罪のない行事である。短冊へ願いを書いて吊るせば、願いが叶えられるとは思わない。しかし、願いを短冊に書けば、なんとなく落ち着く。願い事を書いた内容も忘れる。短冊を吊るしたことも。今年は、願い事を沢山短冊に書いた。今年のお願いは多岐に渡る。(300字)。

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2011/07/04

(シニアネット)『おいおい』 第1028号 

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シニアネット『おいおい』    第1028号  (2011年07月04日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━ 
巻頭俳句 高野素十は茨城県取手市生まれ。「物に臍を向けろ」と写生を主張した。
社説要約 スパコン世界一(朝日)。小学生のデジタル読解力(読売)。独居高齢者(日経)。水害
サミット(毎日)。ホットスポット(産経)。
身辺雑記  独居高齡者の問題の対策は、難しい。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━
 
みちのくの朝の夏炉に子が一人      高野素十(1893-1976)

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 昭和26年(1951)の作。「みちのく」は広義では東北地方。「夏炉」は夏も使う炉。田植の時期にな
っても肌寒いことがあるので、炉を塞がずそのまま用いる。「子が一人」は学齢以前の幼児が朝取り
残されて人影がない。
 苗代寒さとも言える家族はにぎやかに朝食を済ませて、それぞれ出かけてしまった。幼児がぽつう
と残されている。東北大震災に舞台をかえても通じるような作品である。作者の幼児に対する思いや
りが主題。連想の広がりを豊かにできる。幼児一人のおかれた「場」がきっちりと詠まれている。真
髄を掴み、それ以外のものはすべて省く作風。
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┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━━━━
4日;(2)スパコン世界一―成果もトップめざして
『日本のスパコン「京」が計算速度の世界ランキングでトップになった。国産スパコンがトップにな
るのは、2002年6月から04年6月まで世界一の座を守った「地球シミュレータ」以来だ。京は
、その名の通り、1秒間に1京(1兆の1万倍)回の計算ができる能力を持つ。来年夏の完成をめざ
し、理化学研究所と富士通が共同開発している。総事業費は1120億円だ。 電話ボックスほどの
計算機864台をつなぎ、並列に計算を進める。まだその8割程度しかできていないが、今回、毎秒
8千兆回を超える計算能力を達成してトップに躍り出た。
この分野の競争は厳しい。 昨年秋、中国製スパコンが米国を抑え、初めて世界一になった。アジア
勢に後れを取った米国だが、京と同等以上の能力を持つ複数の開発計画が進んでおり、近く首位の座
に返り咲くことは確実な情勢だ。 だが、スパコンはあくまで道具である。肝心なのは、その能力を
存分に使って、科学や技術、産業を飛躍させるような研究成果を生み出すことだ。
 京レベルの高い能力によって、とりわけ注目されるのは複雑な生命現象の解明だ。病気の治療や薬
の開発などにつながる成果が期待される。また、太陽電池の新材料開発や防災など、日本が直面する
課題も多い。うまく使いこなすために、研究者の知恵を広く集めてほしい。 一方、これからの科学
技術にとってコンピューターの重要性がますます高まることを考えれば、最先端から産業利用までを
視野に入れた、コンピューターの国家戦略が必要だ。京の次のスパコンは、どんな目的でどんな性能
のものをめざすべきか。 京は、行政刷新会議による09年秋の事業仕分けで、蓮舫・現首相補佐官
に「2位じゃだめなんでしょうか」と問いつめられた。そのやりとりを通して、こうした戦略や説明
が不足していたことも浮かびあがった。 震災からの復興の中で科学技術が果たすべき役割は大きい
。「やっぱり1位じゃなくちゃ」と言えるめざましい成果を次々に上げて、次世代を担う若者たちを
鼓舞してほしい。 (828字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━━━
4日;(2)デジタル読解力 情報を見極める目養う指導を
『OECDが、義務教育を終えた15歳を対象にした2009年の「国際学習到達度調査」(PIS
A)で、こうしたデジタル読解力を測る調査を初めて実施し、このほど結果を公表した。日本の生徒
の平均得点は519点で、参加した19か国・地域中、4位だった。1位の韓国には49点の差をつ
けられたが、OECD平均は20点上回った。日本の子供たちの能力が高かったことは、ひとまず安
心だ。問題はすべてパソコン上に表示された。関係のあるサイトから必要な情報を探し、自分の言葉
でまとめて解答をキーで打ち込む、といった力が試された。興味深いのは、日本では学校でコンピュ
ーターを利用している生徒の方が利用していない生徒よりも得点が高かったが、利用時間が長ければ
点数も良くなるわけではなかったという点だ。 この調査では、読書活動の活発な生徒の方が、そう
でない生徒より得点が高いとの結果も出た。
 これらから浮かぶのは、コンピューターをやみくもに使うのではなく、読書の時間もしっかり確保
して、読解力を養うことの大切さだろう。コンピューターで何を学ぶかを明確にした授業を学校現場
が工夫することが必要だ。例えば、中学社会の授業で、自分たちが住む県のホームページから地元の
産業政策を調べたり、ネットの掲示板を使って他校の生徒と意見を交換したりしている。文部科学省
は、こうした実践事例を数多く集め、ネット上での公開を進めて、広く学校現場で参照できるように
してもらいたい。全公立学校の教員を対象にした文科省の調査では、「子供がコンピューターを活用
して情報を収集・選択できるよう指導する能力が自分にはない」と回答した人の割合が全体の3割に
のぼった。教員の指導力向上は急務だ。日進月歩で科学技術が発展する時代である。子供に既存の知
識を伝えるだけでなく、ネットなどを使って最新の知識を学び取る方法を教えることも大切だろう。
大学の養成段階や、教員になってからの学校内外での研修を通じて、授業方法の研究・開発を重ねて
いく必要がある。(835字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━━━
4日;(2)増える独居高齢者に支えを
『総務省が発表した2010年国勢調査の抽出速報集計結果は、日本の少子高齢化の深刻さを改めて浮き
彫りにした。65歳以上の人口の割合は23.1%、15歳未満のそれは13.2%で、前回の05年に続き世界最
高と最低を更新した。一人暮らし高齢者の増加だ。この割合は一貫して増えており、1995年の調査で
は65歳以上の人口に占める独居高齢者の割合は12%強だったが10年は16%弱に達している。65歳以上
の男性の10人に1人、女性では5人に1人が独居世帯だ。総数では457万7千人で30年前の実に5倍
になっている。これまで一人暮らし高齢者が目だったのは地方が多かった。ところが今後、急速に高
齢化が進むのは首都圏をはじめとした都市部だ。現在の高齢化率20%強の埼玉県、千葉県などは、35
年には30%台半ばに達すると予想されている。
 都会の一人暮らし高齢者をどう支えるかは、今後の高齢者政策の最大の課題ともいえる。地方には
まだ地縁が残り、隣近所の助け合いもある。しかし高度成長期に仕事を求めて都会に移ってきた人は
、職場以外のきずなは希薄だ。夫婦のどちらかが亡くなれば一人で残される。まず考えるべきことは
、孤立を防ぐ手立てだ。行政やNPOを中心に、地域での見守りや居場所づくりに取り組む例も増え
ている。元気な高齢者は担い手に回ることもできる。こうした取り組みをさらに推し進めたい。
 高齢化の進展とともに深刻になっているのが認知症だ。厚生労働省の推計によれば認知症高齢者は
10年に208万人で、25年には323万人になる。判断能力が衰えた場合に支援する市民後見人の普及も必
要だ。心身が衰えても安心して暮らせるケア付き住宅の整備も欠かせない。4月の高齢者住まい法改
正では、安否確認や生活相談機能を備え、段差をなくした「サービス付き高齢者住宅」の増強が打ち
出された。高齢者住宅は北欧などに比べて遅れている。民間の力を活用し、できるだけ早く良質で手
ごろな価格の住宅を用意したい。24時間対応型の訪問介護など、介護体制の構築も急がなくてはなら
ない。(823字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━━━━
4日;(2)水害サミット 期待したい「横の連携」
『「水害サミット」が、この程開催された。今年で7回目だが、3月の東日本大震災を受け、自治体
間での支援のあり方やボランティアの受け入れ態勢などが主に論議された。大震災での犠牲者を増大
させたのは地震よりはるかに津波のほうだ。発起人でもある中貝宗治・兵庫県豊岡市長は「水害には
やれることがあるが、津波は逃げるしかない。この技をサミットで共有したい」と、問題提起した。
水害サミットを発足させた理由の一つは「多くの住民は災害を実感しないと、その場から逃げようと
しない。だから、いかに早く退避させるかのノウハウを自治体間で持ち合いたい」だった。避難勧告
、避難命令の発令は、自治体首長に課せられた責務。早過ぎても、遅過ぎても一大事だ。被害状況や
今後の水位、雨量をいち早く掌握し、適時に住民に伝えなくてはならない。今回の大震災でも日ごろ
の訓練が生かされ、少ない被害で終わった地域もある。その一方で、避難先が寒いと、より海岸に近
い場所に移動してしまった、というのだ。大震災の体験から、防災と共に、被害をより少なくする減
災への施策の重要さを、改めて痛感させられた。
 水害サミット参加自治体の多くが大震災の被災地に救援チームや建設機材を送り込んだ。中貝市長
は行政機能を失った自治体には、近隣自治体から集めた職員を県が組織し、派遣するよう提案。来住
寿一・兵庫県西脇市長は相手本位の支援を実現するには、複数の自治体が集まって行動するよう訴え
た。福島県から避難民を受け入れている久住時男・新潟県見附市長と国定勇人・同県三条市長は、自
治体間の支援協定を広げ、互いの首長間の信頼感を事前に高めておくことが必要と指摘した。安東美
孝・岡山県美作市長は遠方からのスムーズな支援を可能にするため、前線基地の設置を提案した。基
地が中継地となり、支援する自治体と被災地を結びつけようという。
津谷永光・北秋田市長はボランティアをコーディネートする部門を早期に組織するよう呼びかけた。
いずれも傾聴に値する提案だ。姉妹都市や災害協定を結ぶ自治体も増えている。国から県、県から市
町村という「縦割り行政」の限界が指摘されて久しい。その是正策として、自治体同士の「横の連携
」は、「地方分権」を進める上でも、大いに期待される。(932字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━━━
4日;(1)ホットスポット 過度に不安がらず冷静に
『東京電力福島第1原発事故により避難区域以外でも局地的に放射線量が高くなった「ホットスポッ
ト」への対策として、政府は福島県伊達市の113世帯を「特定避難勧奨地点」に指定した。避難を
勧めるものの、あくまで注意喚起として指定書が郵送されるという。事故から4カ月近くたって、こ
んな曖昧な指示を受け取っても住民は戸惑うばかりだ。不安解消のため、より詳細に情報を提供し対
策を講じてほしい。ホットスポットは、風向きや地形の影響で放射性物質が周辺よりも多く地面にた
まるなどして生じる。原発から約60キロ離れた福島県伊達市などで比較的高い線量が測定される地
点があり、自治体が国に対策を求めていた。指定されたのは、6月の調査結果から年間の積算放射線
量が20ミリシーベルトを超えるおそれがある伊達市の4地区の一部世帯だ。避難を希望する住民に
は、転居費用の支援などが行われ、毎月の調査で基準を下回れば指定が解除される。
 住民の不安は避難の必要性が分かりにくい点にある。政府は「生活圏全体が避難基準を超えている
わけではなく、居住し続けても差し支えはない」と説明しており、決断は住民に委ねられている。2
0ミリシーベルトという基準は、国際機関の安全基準を参考に学校の校庭の使用基準としても使われ
、健康への影響という点では余裕を持たせたものとされる。小さな子供などがいる場合は避難を考え
てもいいなどと、できるだけ具体的かつ、分かりやすく説明してほしい。線量を減らすための対策な
ども併せて示すべきだ。放射能への不安に対し、政府の説明はまだ不十分だ。事故から1カ月以上後
に「計画的避難区域」が指定されるなど、安全対策は一貫性がなく後手に回った。千葉や東京でも周
辺と比べ放射線量が高い地点があり、子供を持つ母親らが案じている。だが、線量ははるかに低く、
過度の不安は禁物だ。感情的になって行き過ぎた対応を取れば、かえって、心身にストレスなどの悪
影響が出かねない。科学的根拠に基づいて冷静に対応していきたい。(832字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━━━━━
 独居老人の問題を日本経済新聞が論説している。私の属する俳句の句会に90歳の男性と女性が参加
している。男性は夫婦で生活しているが、女性は独居。この女性は、俳句の句会以外は外出しなくな
ったそうだ。グランドゴルフの仲間が次々に亡くなり、疎遠になったようだ。紙と鉛筆があれば参加
できる俳句。毎月1回の句会には必ず出席している。
 先日も、帰りの電車で一緒になった。話し相手が無いので困っていると。元気であるから何処へで
も出かけられるのだが、その場所がない様子だ。仲間が生きているうちは良かったが、最近次々に、
仲間が亡くなった。意欲がある人だが、生きていた人が急に亡くなる事はこたえるらしい。「来月来
てね」と別れた。(300字)。

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