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2011/07/31

シニアネット  『おいおい』    第1034号

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   シニアネット 『おいおい』    第1034号  (2011年07月31日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━━━ 
巻頭俳句 久保田万太郎の作。島崎藤村の忌日に、夕空に映える百日紅(さるすべり)を詠う。
社説要約 米朝協議と「北の核」(朝日・毎日)。中国の鉄道事故(読売)。円高と電力不足(日経)。「大正100年」(産経)。
身辺雑記  「場の提供」としての「隠居大学」(天野祐吉さん主宰)構想。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
夕空のまつたく澄めりさるすべり     久保田万太郎(1889-1963)

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 我が家の庭に、桃色だが赤に近い百日紅が空に向って咲いている。太虚の空間と呼応する様に。故郷から、母が送って来た時は小さな可愛い木だった。それが、大きくなり逞しい木に育った。毎年たわわな枝を広げて、長い期間咲きそろう。母の遺志を伝えて呉れるように。
 澄み渡った広く高い夕空に、百日紅が咲く。白い花だろう。夕陽に映えるなら、桃色でも良い。
「まつたく澄めりさるすべり」の「り」の繰り返しで、心地よいリズムが広がる。前書きに「7月22日大磯にて、藤村先生七回忌法要」とある。「人類が滅亡した後の夕方のような美しさがある。この取り合わせの緊張感に藤村の文業を偲ぶことができる。」(『万太郎の一句』小澤實著より)
 作者プロフィール;東京都生まれ。劇作家(戯曲・脚色・演出)であり小説家。俳句は余技。家庭的には恵まれず、私小説風の俳句。平明枯淡。洗練生れた都会の作風。
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┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━━━━━
31日;(2)北朝鮮の核―ウラン濃縮中止が先だ
『北朝鮮をめぐる問題が対話モードに入ったのは、いいことである。 韓国軍艦の撃沈と韓国の島への砲撃という、昨年続いた北朝鮮の許し難い軍事行動により、にっちもさっちもいかなくなっていたからだ。この状況転換に果たした韓国の貢献は大きい。二つの事件の追及と核問題の進展をからませない、つらい決断をした。北朝鮮の非核化を扱う6者協議の議長・中国は「南北対話を経て米朝、そして6者再開」の道筋を求めてきた。先日、まがりなりにも南北が実現し、今回の米朝となった。6者協議の再開までに曲折も多かろうが、核問題解決を目指す枠組みは、いま6者協議しかないのも事実である。
 優先せねばならないのは、ウラン濃縮を止めることだ。 北朝鮮が長崎原爆と同じプルトニウム型の核兵器開発に使ってきた施設は、いまは動いていない。だが、広島型に通ずるウラン濃縮の施設は、昨年11月に米国の核専門家にこれ見よがしに公開した。秘密裏の濃縮施設はほかにあるとも言われる。ウラン濃縮について、北朝鮮は平和利用だと主張するが、それは認められない。
 国際原子力機関をはじめ外からの監視を全く受けないまま、濃縮活動はやりたい放題だ。濃縮ウランを使う原発があるわけでもない。新たな核兵器開発だと疑われても当然だ。 平和利用を言うなら、核管理の国際的な枠組みのもと、ルールを守ってこその話である。 金正日体制を守るための武器であり、かつ交渉カードでもある「核」を北朝鮮は簡単に手放さないだろう。 ならば、6者協議にかかわる日米韓と中国、ロシアは、北朝鮮に核がない方が得だとわからせるゴールと、そこに至る道筋を描いていかねばならない。 米朝が少し動いた。南北も対話した。だが、日本の国内政治の現状がこんなでは、北朝鮮に手玉に取られるかもしれない。「核」を動かして拉致問題の解決にむけた道につなげる、骨太の戦略が必要だ。 (771字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━━━━━
 31日;(1)中国事故対応 隠蔽体質と人命軽視は重症だ
『中国浙江省温州で起きた高速鉄道の列車追突事故で、温家宝首相が現地に赴き、被害者を見舞って遺族を慰問した。首相自らが乗り出す方針に切り替え、早期の幕引きを狙ったものと見られる。事故現場で記者会見に応じた温首相は「安全を失えば信用を失う。速ければ良いというものではない。安全第一であるべきだ」などと述べ、調査の全過程を公開することを約束した。中国の高速鉄道は外国人も利用する公共輸送機関である。事故原因を徹底的に究明し、再発防止策とともに、最終調査結果を公表することが重要だ。中国政府の事故調査グループは、事故の原因について、「落雷で信号機が故障し、赤色を表示すべき区間の信号が、誤って青色を示した」などとする、当面の分析結果を明らかにした。
 信号系統や自動制御システムなどについて、改めて総点検し、安全確認に万全を期すべきだ。今回の事故では、中国政府の隠蔽体質と人命軽視の姿勢に、国民の怒りが爆発した。事故直後に車両を地中に埋め、国民から「証拠隠滅だ」との批判が起きるや、あわてて掘り出したり、事故発生から1日半で運行を再開したりした。捜索活動の打ち切り後に、車両から2歳の女児が救出された。人命軽視もはなはだしい、と批判を浴びたのは当然だ。
 鉄道省は1人当たり50万元(約600万円)の賠償金を遺族に提示し、さらに航空機事故並みの91万5000元(約1100万円)に引き上げた。早期の妥結で“口封じ”がしたいようだ。
 政府に対する批判の原動力となったのは、1億7000万人が使用していると言われる中国版ツイッター「微博」や、動画サイトだった。当局の検閲にもかかわらず大量の情報が流された。中国政府は国内メディアに対し、「微博」の転載や、独自取材を禁止し、国営新華社の記事を使用するよう指示したが、一部の報道機関は従わなかった。過去には見られなかった現象である。タブーとされる政府批判を展開した中国メディアに、言論統制の機関である共産党宣伝部がどんな対応を取るか、注視しなければなるまい。(849字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━━━
31日;(1)円高と電力不足を放置していいのか
『急激な円高と電力不足の影響が何より心配である。この状態を放置したままでいいはずがない。6月の主要指標を見る限り、足元の景気は着実に持ち直している。鉱工業生産指数は3カ月連続、輸出数量指数は2カ月連続で前月を上回り、震災直前の94~95%の水準まで戻った。実質消費支出(2人以上の世帯)も前月比では増えている。企業部門と家計部門の正常化が進んでいることを歓迎したい。しかし円高の加速は景気回復の障害になりかねない。円相場は震災後につけた最高値の1ドル=76円25銭に迫りつつある。ここにきて80円に修正する主要企業が増えているが、現在の水準が続けば収益を圧迫するのは避けられない。米連邦債務の上限引き上げを巡る混乱が円高の主因である。この問題が決着しない限り、円高を止めにくいのは確かだろう。それでも円相場は看過できない水準にきているのではないか。政府・日銀は円売り介入も辞さない姿勢で臨むべきだ。
 電力不足に対する不安も大きい。経済産業省の予測調査によると、7~8月の生産の伸びは前月比2%程度で、5月の6.2%や6月の3.9%より低下する見通しだ。「今夏の電力使用制限が重荷になっている」との指摘は多い。政府は国内の原子力発電所がすべて停止した場合、来夏にはピーク時の電力が約1割不足すると試算している。電力供給の確たる方針を示さなければ、企業は生産や設備投資の拡大に二の足を踏まざるを得ない。
 海外経済の変調も気がかりだ。米国では個人消費の低迷が響き、4~6月期の実質成長率が前期比年率1.3%にとどまった。金融引き締めが続く中国やインドの景気にも減速感がにじむ。「部品や素材の供給網を修復できれば、輸出主導で立ち直れる」という日本のシナリオに狂いが生じる恐れがある。今の日本経済に政策の停滞や混乱を受け入れる余裕はない。政府は「V字型」の景気回復を確実にするため、円高や電力不足への対応を急ぐべきだ。中長期的な成長基盤の強化も要る。法人減税や環太平洋経済連携協定(TPP)への参加表明をたなざらしにすべきではない。(847字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━━
31日;(1)米朝協議 「北の核」交渉は慎重に 
『米国の北朝鮮担当特別代表ボズワース氏は、北朝鮮側に「行動」を求めたという。6カ国協議に誠実な姿勢で臨むことを「行動で証明」すれば、北朝鮮が望む米国との関係改善にも道が開ける、といった文脈だ。現在進行中の核開発活動を、一部なりとも実際に止めてみせよ、という意味のように思われる。北朝鮮の反応は明らかでない。今後は米国が日、韓に結果を説明し、対応を協議することになろう。そして、もしも6カ国協議再開を推進しようとするなら、慎重の上にも慎重を期してほしい。
 2年7カ月前の同協議中断は、ブッシュ政権時代の交渉担当官が平壌での口約束を信じ、北朝鮮をテロ支援国家リストから外したあげくのことだった。オバマ政権への移行後、北朝鮮は人工衛星打ち上げだとして長距離弾道ミサイルの発射実験を行い、2度目の核実験も強行した。昨年には多国籍調査団が「北朝鮮製魚雷による水中爆発」と断定した韓国の哨戒艦沈没事件や、韓国領の島への砲撃事件があった。北朝鮮が米国の核専門家を招き、秘密施設にウラン濃縮用の遠心分離機が多数並んでいるのを見せつけたのは、その砲撃の11日前だった。こうした経緯だけみても、慎重な対応が不可欠なのは明らかだろう。
 とはいえ北朝鮮の核開発を放置するわけにはいかない。特にウラン濃縮は施設を隠しやすく、高濃縮ウランによる核兵器製造はプルトニウム型より容易だ。米国はこの兵器や技術の拡散を特に警戒している。米国は、韓国と北朝鮮の厳しい対立が偶発的な軍事衝突につながり、朝鮮半島情勢が極度に悪化する可能性も懸念しているようだ。北朝鮮の「行動」を引き出すには中国の協力も必須だ。最近は「中朝蜜月」が目立つが、中国も北朝鮮の行動に困惑しているふしがある。6カ国協議の議長国としての責任もある。影響力行使を強く求めたい。北朝鮮が柔軟姿勢に転じるなら、日本は当然、拉致問題解決に動きたいところだ。しかし先日明るみに出たような不可解かつ責任の所在があいまいな日朝接触は、むしろ日米韓の協調を乱す恐れがある。これも慎重に推進すべき課題といえよう。(860字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━━━
31日;(1)「大正百年」 復興へ民力活用学びたい   
『今年は「大正百年」にあたる。明治45(1912)年7月30日、明治天皇の崩御により元号が大正と改められ、ちょうど百年目になるからだ。大正時代は大正15年12月25日まで14年と5カ月足らずで、前後の明治や昭和と比べ、短く終わっている。その一方で「戦間期」と呼ばれ、人々が比較的「平和」を享受できた時代だった。その結果、現代の民主主義の源流ともいえるデモクラシーがめばえ、軍閥や薩長閥に代わり政党が力を伸ばした。一般国民も自由に発言できるようになった。一方で第一次世界大戦の特需による好景気にも恵まれた。このため、音楽や文学などの文化や各種スポーツが花開いた。モータリゼーションや医学など技術革新も格段に進んだ。庶民の力がみなぎっているかのような時代だった。そうした庶民の力が発揮されたのが大正12(1923)年9月、10万人以上が亡くなった関東大震災からの復興だった。陣頭指揮をしたのは内務相で復興院総裁を兼ねた後藤新平だったが、国民もこれを力強く後押しした。震災直後、日比谷公園には400軒あまりの露天商が軒を並べ、被災者に物資を提供したという。地方から建築資材が流入、仮設住宅が次々に建てられていった。
 明治時代の日清、日露戦争で醸成された国のために一致団結する心も十二分に発揮された。1年後には東京だけで約20万戸の住宅を建設、当時の永田秀次郎東京市長は「一に市民の努力によるもの」(東京朝日新聞)と民間の力を高く評価している。現代に戻って東日本大震災から4カ月半が過ぎた今、復興はまだ道半ばにも達していない。がれきの除去、仮設住宅建設も政府の計画通りにはいっていない。大正時代と現代は、国民がもっている活力や団結心という点ではほとんど変わらないだろう。問題は政府がどう復興に活用できるかである。「脱原発」や増税など民間力をそぐような政策ではなく、いかに成長させていくかを考えなければならない。
 百年目を迎えた今、大正という時代から学ぶべきことである。(827字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━
 『おいおい』10周年記念懇親会から1週間が過ぎた。皆様の激励の言葉に侵って、ぼんやりと過ごした。学校も夏休みなった。その内に「孫」台風が荒れるだろう。リハビリで午前中出かける外は「仕事」はなく、怠惰な生活をしている。ならば小紙の編集でも。しかし、興が起こらない。老年者独特の心理状態だろう。自然の摂理には従おう。
 記念懇親会で、皆様の素晴らしい力をお借りして、「何かをしたい。」の気持ちになった。かつて、『千円塾』を夢見たことがある。多数の皆様に集まり頂いたが、ミッシヨンがはっきりせず、日のめをみなかった。ぼんやりだが、見えて来るおことがある。場の提供である。天野祐吉さんの主宰する『隠居大学』である。(300字)。

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