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2011/07/12

(シニアネット) 『おいおい』  第1030号

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シニアネット『おいおい』    第1030号  (2011年07月12日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━ 
巻頭俳句 宇多喜代子は山口生まれ。現代俳句協会の会長。読売新聞「読売俳壇」選者。   
映画紹介 “SUPER 8”とは何だろう。秘密主義が映画の醍醐味が味わえる。
社説要約 11日政府発表の原発の「統一見解」の不備を5紙が、一斉に集中砲火をあびせた。
身辺雑記  「国の在り方」と「国の行き方」を考えましょう。皆さん、発言をしよう。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━
 
 夏さむしここより奥に山の霊    宇多喜代子(1935-  )

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 ひんやりとした空気。ここより先には「山の霊」が宿っている。目に見えない存在が「ここより奥に」に感じる。こうした空気の変化をうまく捉えた。季語「夏寒し」は、夏期に低温が続く異常気象。北日本に冷たい「やませ」が吹きこむ場合と南から太平洋高気圧の張り出しが弱い場合がある。いずれも、冷害が心配される。
 小沢實は、「日本の根と向き合うひと」(『女性俳句の世界』より)と評した。季節の移り変かわりに合わせて生きて来た日本人の活力。季語の現場体験を意欲的に実践している。すでに俳壇最高の「蛇笏賞」を受賞した。平成14年紫綬褒章受章。
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┏━━映画『SUPER 8 / スーパーエイト』━━━━━━
 11日に映画を見た。題名から不思議。徹底した秘密主義で制作された。予告編の映像のみ。そして、5月下旬に、新しく発表されたポスターイラストのみ。それも、『僕たちは、ひとりじゃない。』には、男女2人の少年と少女が手をつないでいる。なにやら『未知との遭遇』を思いださせる。映画のストリーは秘密。題名から不思議な映画。映画の醍醐味を満喫させてくれる。
脚本監督がエイブラムス、製作ステーブン・スピルバーグ。題名の『スーパーエイト』は、当時の家庭用のカセット式の8ミリ方式のカメラ。1979年、6人の少年が映画作製に取り組み、列車事故に遭遇するところから始まる。子供が主役。予告編の隠された謎、ポスターイラストの暗示。映画に仕掛けられた舞台。楽しませて呉れる映画である。

┏━━社説要約━━━━━━━━━━
政府は11日、原子力発電所の再稼働の可否を判断する「統一見解」を発表した。「統一」とは名ばかりで、首相と経済産業相の間であらわになった閣内不統一を覆い隠すつじつま合わせにしか見えない。政府が原発の安全性を2段階で評価する新基準を、統一見解として公表した。定期検査中の原発は、各電力会社が再稼働に向けた1次評価を行う。大きな地震や津波など過酷な条件を想定し、どこまで耐えられるかを確認するものだ。この評価結果について原子力安全・保安院が「確認」し、さらに原子力安全委員会が「妥当性を確認する」としている。
 これとは別に、運転中の原発を含めた全原発を対象に、運転継続を認めるか、中止させるかを決める2次評価を実施するという。

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━
12日;(1)原発テスト―第三者の検証が要る
『新基準となるストレステストは、どの程度の地震や津波に耐えられるか、その余裕度をコンピューターで計算して確認する。設計時に一律に課される安全基準とは異なり、経過年数や地質構造など、それぞれの原発固有の条件を反映させる。「安全性」の範囲も、多岐にわたる。政府が参考にする欧州では、航空機の墜落やミサイル攻撃なども評価の対象だ。 具体的なテスト項目など、細部の設計はこれからだが、震災後の安全検査が名ばかりだったことを考えると、一歩前進に違いない。
 福島の事故を受けて、経産省の原子力安全・保安院が各電力会社に緊急対策を実施させた後の「安全宣言」では、評価の対象は短期的な措置に限られていた。周辺自治体を含む地元の意見も十分に取り込んだ項目づくりを急いでほしい。 もっとも、ストレステストは、あくまで「計算」だ。式にあてはめる数値いかんで、結果はいかようにも変わる。 また、ストレステストの本来の目的は、原発ごとに脆弱な部分を徹底的に洗い出すことであり、再開を前提とした試験でもない。テスト結果を確認する保安院が「はじめに合格ありき」の姿勢のままならば、同じことの繰り返しになる。
 政府は、テスト項目や結果の評価に原子力安全委員会を関与させることで客観性を保つ方針だ。しかし、安全委自体、福島の事故で期待された役割を果たしておらず、国民の厳しい視線を浴びている。地震やシステム工学といった原子力以外の専門家を含め、第三者が検証できるよう、できるだけ情報を公開することが望ましい。テロ対策などの安全保障上、難しい面もあるが、「原子力村」に委ねてきた安全チェックの態勢を変えるときだ。 同時に、国民の信頼を取り戻すには、保安院の独立を軸とした規制・監視当局の再編・強化を急がなければならない。 (735字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━━
12日;(2)原発の再稼働 混乱招くあいまいな統一見解
『これで原子力発電所の再稼働問題を巡る混乱を収拾できるのか、懸念を拭えない。欧州で実施中のストレステスト(耐性検査)を参考に、安全評価を行うこと自体は意味がある。だが、見解にはあいまいな点が多く、問題が少なくない。
一つは、テストの中身を具体的に示さないまま、再稼働の新たな条件としたことだ。テストでは、コンピューター上の模擬計算で緊急時の原発の状態を推定するという。欧州のテストは、原発を運転したまま実施しており、原発の再稼働問題とは結びつけていない。政府は再稼働の追加条件とした根拠をきちんと説明すべきだ。運転中の原発も、今後次々と定期検査に入り、停止する。このままでは電力不足が深刻化する。
 菅首相は最近、電力不足を補おうと、企業の自家発電の余剰分や、稼働していない火力発電所の調査を経済産業省に指示した。泥縄の対応そのものではないか。
 もう一つの問題は、原発の安全性と再稼働の是非を判断する責任体制が明確ではないことだ。法律上は、保安院に責任があるが、統一見解は、原子力安全委にも判断への関与を求めている。安全委の班目春樹委員長は「(我々が行う)安全性評価は、原発の再稼働の判断と関係ない」と述べ、個々の原発の判断に、関与することに難色を示している。具体性を欠き、かつ政府内の役割分担もはっきりしていない統一見解では、今後、新たな混乱が生じる可能性がある。そもそも、統一見解は、原発立地自治体に対する説得材料としてまとめられたものだ。だが、地元からは「テストの中身が不透明で、説明不足だ」などと不満の声が上がっている。国民の安心・信頼を確保するはずが、不安と不信を広げていると言わざるを得ない。(697字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━━━
12日;(1)この統一見解で原発は再稼働できるか
『原発再稼働について政府に揺るぎない方針があるのか。そこが明確でないと、原発立地自治体の不信も産業界の不安も消えない。統一見解は、枝野幸男官房長官と海江田万里経産相、細野豪志原発担当相の3人が話し合い、菅直人首相も了承したという。統一見解によると、再稼働の準備が整った原発が地震や津波にどの程度耐えられるかを調べる第1段階の安全評価と、全原発を対象にした総合的な評価の2段階で安全を確認するという。しかし評価項目や作業手順などはまだ決まっていない。電力会社はすでに経産省の指示に従い、非常用電源を増設するなど緊急安全対策を講じてきた。新たに設ける第1段階の評価は、これとどこが違うのか。「できるだけ早期に実施」というが、いつになるのかも明確でない。第2段階の総合評価は、事故調査・検証委員会の検討結果も踏まえて、長期的な視点から全原発を対象に実施するという。第1段階を通過して再稼働した原発もすべて2回目の評価を受ける。この総合評価が福島第1原発事故後も原発を動かし続ける「最後の関門」になるのだろうか。
 政府はEUが域内の原発に実施中のストレステストを参考にするという。EUは電力供給の不安を回避しつつ福島事故で得た教訓を生かすため、原発を止めずシミュレーション(模擬実験)で安全確認を目指す。電力需給が切迫する梅雨明けにようやく準備に入る日本政府の動きは、EUと比べあまりに時機を逸している。しかし、こうした政府の場当たり的な安全宣言や見解の発表が、地元の自治体からの信頼回復につながるとも思えない。不信の根本にあるのは、原発の再稼働に関し、政府に首尾一貫した方針があるのかが疑わしいことだろう。九州電力の玄海原発をめぐって起きた混乱は、首相の「指示の遅れ、不十分さ」だけでは説明できない。統一見解の決定後も、首相は自らの言葉で直接、国民や関連自治体に語りかけていない。首相は原発の安全確認と電力供給の安定確保に全力を尽くす姿勢をはっきりと国民に示すべきだ。(829字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━━━━━
12日;(1)原発安全評価 2段階の意味を明確に
『政府内には安全評価を原発再稼働の条件とするかどうかで不一致があった。統一見解は、異なる意見の双方に配慮した折衷案のようであり、1次評価は、もともと「再開ありき」と受け取られかねない。枝野幸男官房長官は、1次が2次より簡易になるわけではないとの見方を示しているが、不信を招かない明確な説明が必要だ。政府は、安全評価の項目や計画、評価結果を原子力安全・保安院が作成・確認するだけでなく、その妥当性を原子力安全委員会がダブルチェックする方針も打ち出した。東京電力福島第1原発の事故で、経済産業省に属する保安院に対する人々の信頼感は著しく低下している。最低限、独立した機関の評価が必要であり、安全委の役割は重要だ。ただ、安全委に対する信頼も揺らいでいることを思えば、さらなる独立性や信頼性を確保することも考慮した方がいい。EUが実施している原発のストレステストでは、他国の専門家を含めた相互評価が実施される。日本も外国人などを含めた専門家チームで判断するなど、工夫が必要ではないか。安全評価をめぐる役割について政府と安全委の間に温度差がみられるのも気になる。政府は安全委を積極的に関与させる姿勢を示しているが、安全委はあくまで保安院の評価法や評価結果の妥当性を「確認する」との立場だ。
 再稼働の可否については、政府が責任を持って判断すべき事項だろう。ただ、そのためのデータや各原発の安全評価については、安全委にも独立した立場から積極的に関与してもらいたい。2段階評価の妥当性を考える上では、電力需給の実情も重要な要素だ。ところが、立場によって「電力には十分な余力がある」という見方と、「このままでは日本の産業がだめになってしまう」という見方があり、はっきりしない。この夏はどうか。今年の冬や来年の夏はどうか。自家発電などの潜在力まで含めたらどうか。さまざまな条件に応じた現実の姿を、政府も関係機関も、はっきり示す努力をしてほしい。(810字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━━
12日;(2)原発統一見解 国民に不便強いるだけだ
『「新たな手続き、ルールに基づく安全評価」という形で、その位置付けなどがようやく示されたわけだが、内容の細目や実施時期などは依然、あいまいなままだ。明らかになったのは、玄海をはじめとする停止中の原発の今夏の本格運転は事実上、絶望的ということだ。日本のエネルギー需給にとって過酷な現実のみである。今回の安全評価は欧州諸国が福島第1原発事故後に行ったストレステストを参考に導入されたものだが、問題点ばかりが目立つ。まず、安全確認の評価手順が1次と2次の2段階からなるということだ。こうすることの効果のほどが分からない。1次評価は、定期検査で停止中の原発で地震や津波に対する設計上の余裕度を確認する。2次評価は、欧州での手法に準じた総合的な安全評価で、稼働中の原発の運転の継続や中止の判断に使われる。1次評価を済ませた原発も対象となる。
1次評価の内容は、今回の事故前から国内のすべての原発で確認されている。2次評価に相当する安全対策も経済産業省の指示で事故後の3月と6月の2度実施された。「安全性」強化は必要だが、これでは一般受けを狙った「安心感」の積み上げにすぎまい。再稼働が遠ざかるほど、電力不足による国民生活の不便や不利益は増す。とりわけ節電を迫られた今夏は厳しい。6月に熱中症で救急搬送された人は全国で前年比約3倍(総務省)に上り、命を失うお年寄りも相次いでいる。原発事故の発生リスクに気をとられ、エネルギー政策上の危機については、目をつむった施策である。原発が嫌いな国民でさえ、この夏をどうしのぐかに懸命だ。電力の安定供給に向けて、原子力発電への不安を解消するのが政府の役割である。場当たり的な脱原発路線は、社会や経済を不安と停滞の底に突き落とす。発表は枝野幸男内閣官房長官が行った。混乱を招いた菅首相が自ら説明すべきテーマである。(767字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━━
 日本の暑さも政治のせいだと思いたくなる。梅雨も早くあけた。早くも暑中見舞いを頂く。7月の世論調査では、支持率16%(NHK)、15%(朝日)。延命すれば日本の政治が壊れる。国の在りようが月刊誌にも掲載される。新書とか文庫本が続々と出る。遠吠えに過ぎないのか。
菅総理大臣には、国民の意思が届かない。現実は、国民の意思を踏み潰している。「独裁者の政治」とどこに違うのか。歴史上の独裁者と同じではないか。主権者の「国民」の意思を尊重する三権の長の責任者らしい振る舞いは見えない。国民も敬愛と尊敬の念は起こらない。
 「無言」は、信頼を失ってリーダーの延命施策に加担している事になる。「私がやります。御安心した辞任ください。」という政治家が見えないのは残念。私たちもぶつぶつ不満を言い合うだけでなく、「国の在り方」とか「国の行き方」に関する世論を作り上げよう。司馬遼太郎や井上ひさしが、目指した日本を読み直している。(400字)。

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