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2011/05/29

シニアネット 『おいおい』 第1018号

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シニアネット『おいおい』    第1018号  (2011年05月29日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━ 
巻頭和歌 堺発信。与謝野晶子は「故郷を思い出すことにより日常生活の苦痛から逃れていた。」。    
社説要約 「2020年に、自然エネルギーを20%にする」をめぐる論説を集めました。
身辺雑記  与謝野晶子の和歌に魅かれて、「晶子文芸館」(堺市内)に行きました。
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━━ 巻頭和歌 ━━━━━━━━━━━━━
 ふるさとの潮の遠音のわが胸に
          ひびくをおぼゆ初夏の雲
                        与謝野晶子(1878-1942)
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 昭和17年(1942)5月29日に、歌人与謝野晶子死去。堺市出身でありながら、堺では疎んじられている。「晶子忌」または「白桜忌」。和歌だけでなく、詩も源氏物語の現代語訳にも尽くした。12人(1人は夭折)の子供を産んだ。意外と国際派でもある。与謝野鉄幹が落ち目になると、パリへ留学に出した。後からパリで落ち合あった。堺の地元としては、再評価したいものだ。すごく、ふるさと思いであり、反戦思想家でもなかった。
 歌意「初夏の青空に浮かぶ白い雲を見ていますと、いつしか胸の中にふるさとの潮音が響いて来るように思われます」(『与謝野晶子歌碑めぐり』より)幅広い分野での活動は、まだ明らかになってない部分がある。
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┏━━ 社 説 要 約 ━━━━━━━━
菅直人首相は26日開幕した主要8カ国(G8)首脳会議に先立ち、経済協力開発機構(OECD)設立50周年式典での演説で自然エネルギーを日本社会の基幹エネルギーにまで高める考えを表明した。発電量全体に占める太陽光、風力など自然エネルギーの比率を2020年代のできるだけ早い時期に20%とする。大幅に前倒した。 

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━
28日;(1)新エネ目標―太陽と風で挑戦しよう
『原発の新増設を計画通り進めるのは事実上不可能になった。温暖化対策を進める以上、石炭や石油にも戻れない。必要な電力を確保するには、自然エネルギーの飛躍的な活用が欠かせない。 政治の責任で、あえて高い目標を掲げることはあっていい。それでこそ、政策を総動員し、技術革新を強力に後押しすることができる。ただ、自然エネルギーの割合は現在、大型の水力を含めても10%足らずしかない。20%実現の道はたやすくはない。自然エネルギーは天候に左右され、安定性を欠くと指摘されている。コストダウンが進まなければ、電気料金の値上げという形で消費者の負担が増すことにもなる。 首相は1千万戸の屋根に太陽光パネルを設置するとも語った。政府の動きに呼応するかのように、ソフトバンクと全国の自治体が、休耕田や耕作放棄地に太陽光パネルを設置する「電田プロジェクト」を発表した。民間や地域の創意工夫を最大限に生かすため、大胆な規制緩和や奨励策を検討すべきだ。
 太陽光のコスト引き下げは、量産効果だけでなく、先端技術の進歩に負うところも大きい。あと10年余という目標期限を考えると、太陽光だけに頼っていては、目標達成は難しかろう。世界の趨勢をみると、太陽光より低コストの風力の広がりが顕著だ。風力の発電設備量は太陽光の4.5倍という統計もある。即戦力として、もっと風力に目を向けてもよい。 どのような分野に、どのようなてこ入れをして、目標達成を目指すのか。菅政権は、具体的な道筋を描く作業に急いで取りかからねばならない。一方、首相はフランスのサルコジ大統領との会談で、安全性を確保したうえで、原発を「活用していく」と語った。自然エネルギーへのシフトと原発の活用はどうつながるのか。 原発そのものを今後どうしていくのか、そろそろ本格的な議論を始めるべき時ではないか。事故の検証結果を待ってからというのでは、遅きに失しよう。 (787字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━
28日;(2)新エネルギー策 安全性高めて原発利用続けよ
『首相は、政府が昨年決めたエネルギー基本計画を白紙に戻し、太陽光や風力など自然エネルギーの拡大を加速する方針を示した。具体的には、「2020年代のできるだけ早い時期」に、総電力に占める自然エネルギーの割合を20%にする数値目標を掲げた。日本の総電力のうち原子力は3割を占め、日本経済を支えている。一方、自然エネルギーの比率は約9%にとどまる。原発事故の影響で、原発の新増設は難しくなった。自然エネルギーの利用拡大に活路を見いだす狙いは、ある程度理解できる。しかし、20%の目標達成時期は基本計画よりも、唐突に10年程度前倒ししたものだ。実現に向けた具体的な方策は示していない。
 そもそも自然エネルギーが普及しないのは、その質・量・コストに難があるからだ。風力や地熱開発は立地の厳しい制約もある。首相は最も有望とされる太陽光について、技術開発を促進させ、太陽電池の発電コストを現在の3分の1にする“夢”を語った。日本中の1000万戸にパネルを設置する構想も明らかにした。だが、技術革新が実現し、企業や家庭が利用しやすい送電網などを整備することが前提になる。過剰な期待は禁物だ。
 資源小国の日本が経済力を維持し、復興に確かな道筋をつけるためには、やはり、原発の安全性を高めて活用していくことが現実的な選択である。
 G8では、フランスが原発推進派で、米国も原子力を含むクリーンエネルギーを重視する。ドイツは「脱原発」に動き出したが、欧州大陸の送電網を利用して、フランスなどからいつでも電力を購入できる。それができない島国の日本とは事情が違う。世界各国は、二酸化炭素の排出量を減らす地球温暖化対策も迫られている。その点で原発はなお、有力なエネルギー源と言える。日本は原発を利用しつつ、石油などの化石燃料や、自然エネルギーも組み合わせる最適なモデルを目指さねばならない。(776字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━
28日;(2)自然エネルギー拡大の条件
『原子力発電所の新増設が難しくなるなか、太陽光や風力などの利用拡大は当然の流れだ。だがエネルギー政策全体でどう位置づけ、コストの高さなどをどう克服するか、具体策が欠かせない。日本の自然エネルギーは水力発電が中心で、発電量に占める比率は9%にとどまる。政府は昨年決めたエネルギー基本計画で30年までに20%に増やす目標を掲げたが、原発事故を受けて、これを前倒しする。EUは温暖化ガスの削減へ向けて自然エネルギーの利用を柱に据えている。発電量比では09年にすでに約2割に達し、20年には35~40%を賄う計画だ。日本の目標は前倒ししても控えめだが、国際社会に公約した意義は大きい。ただ、どんな手立てで達成をめざすのか。菅首相は住宅約1000万戸に太陽光パネルを設置する考えを表明した。しかし、09年に自民党政権が打ち出した「20年に太陽光発電を20倍に増やす」目標と比べ、どう違うのかはっきりしない。
 民主党政権は「自然エネルギー全量買い取り制度」の導入をめざし、3月11日に法案を閣議決定した。太陽光や風力などの電気を電力会社が高値で買い取り、普及を促す仕組みだ。ただ、くしくも同じ日に震災が起き、国会審議のめども立たない。
 菅首相はまずこの法案の早期成立に全力を注ぐべきだ。太陽光や風力のほかバイオマス(生物資源)、小規模な水力発電なども後押しするよう法案の中身を見直せば、目標達成へ展望が開けるかもしれない。自然エネルギーは天候に左右されて不安定なうえ、発電コストが高く、電気料金を押し上げる恐れもある。料金上昇をできるだけ抑えるには、発電会社の新規参入を促して創意工夫を引き出す必要がある。政府は東京電力による原発事故の損害賠償の仕組みづくりと併せ、電力会社による地域独占の見直しや発送電の分離も検討する。そこでは電力会社の経営形態だけでなく、自然エネルギーをどう普及させるかという視点も重要な論点になろう。(790字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━
29日;(1)エネルギー目標 国民合意形成に全力を
『事故の当事国として論議の「主役」を務めることになった日本は事故を厳しく検証し、教訓を伝えて世界と共有する責務がある。その一方で、原発への依存度を下げ、日本が自然エネルギーの実用化や技術革新の先頭に立って国際社会に貢献する姿勢も示すべきだろう。問題はそれを実行に移す綿密なプロセスと体制を首相がどこまで想定しているかだ。「30年までに20%」という目標でさえ実現は容易ではないと言われてきた。巨額のコストもかかる。首相は現行計画をいったん白紙に戻すとしているが、白紙にしたまま数値目標だけ掲げても絵に描いた餅に過ぎない。必要なのは「20年代の早い時期に20%」を達成するための具体的な工程表であり、それには基本計画を早急に作り直すべきだ。「残り80%」の中で原発の比率をどうするかも不透明である。事実上無理になったと考えられる「30年までに14基以上の原発新増設」計画をこれからどうするのか。また、既存の原発をどう位置づけていくのか。そういった点も併せて明らかにしていく必要があるだろう。
 エネルギー基本計画は新たなエネルギー社会実現のため「官民が明確な目標を共有し、一丸となって取り組みを進めなければならない」と前文でうたい、見直しの時には「国民各層から広く意見を聴取する」と定めている。エネルギーのありようは経済活動や国民生活に大きな影響を与える以上、当然の考え方である。にもかかわらず、今回の数値目標は政府や与党内で十二分に議論された形跡がみられない。ムード先行の政治決断だけでは官民一丸となって実現に取り組むことは難しい。「国家の総力を挙げる」と言い切った首相は、国民合意の形成に全力を挙げる熱意と覚悟を示すべきだ。(710字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━
29日;(1)G8と首相 疑念強めた問題解決能力
『信用を回復するどころか、各国首脳らと危機感の共有すらできなかったのではないか。首脳宣言で「日本への連帯と支援継続」が強調され、輸入制限は「科学的根拠に基づくべきだ」と風評被害に一定の歯止めがかけられたことは、評価したい。しかし、原発事故の収束や復興に向け首相が問題解決能力を具体的に示さなければ、失望は強まるだけだろう。首相には、国際社会から課せられた責務について認識を新たにしてもらいたい。首相は異例の冒頭発言の機会を与えられ、原発事故の来年1月までの収束を約したものの、具体性に欠け説得力は乏しかった。「自然エネルギーの発電割合を2020年代の早期に20%超にする」という将来エネルギー構想にも、首脳らの反応は冷ややかだった。同構想については、海江田万里経済産業相が「報道を通じて知った」と述べたように、政府内で綿密な議論が行われた形跡がない。首相は国際公約が言いっ放しに終わった場合、どれほど国益を損ねるか分かっているのだろうか。
 各国が首相の口から聞きたかったのは、原発政策であり、復興と経済再生への現実的な対処、そして、必要なエネルギーをこれからどうやって確保するかという足下の問題だったはずだ。今夏の電力不足や点検停止中の原発の再稼働といった、本質的な問題の解決策を率直に語るべきだった。巨額の復興資金がどうまかなえるかについても懸念が表明された。首脳宣言で「持続可能な財政の問題に取り組む」とくぎを刺されたことを忘れてはならない。 課題の先送りを続けるだけでは国際社会の信頼は得られない。首相は、自らの問題解決能力に世界からも疑念が持たれてしまったことを銘記すべきだ。(712字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━━
 与謝野晶子のにわか勉強がはじまった。3日坊主だが好奇心をくすぐられた。「晶子文芸館」に2日出向いた。最初は、単なる好奇心から。次は晶子の「和歌」に惹かれて。文庫本「みだれ髪」(280円)で買って来た。<古さとの小さき街の碑に彫られ百とせの後あらむとすらむ>(『春泥集』)。 歌意は、「私を指弾する堺の街に100年後には、私の歌碑が残り、私の名は忘れられないだろう。」。昭和36年に最初の歌碑が生家跡に立てられて、半世紀。
堺市は文化事業として推進しているが、目立たない。堺市のシンボルにしても、好い。白桜忌は「覚応寺」で開催。女性の自立を求めた「山の動く日」と「君死にたまふことなかれ」は、じっくりと味わってみたい。(300字)。

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2011/05/27

シニアネット  『おいおい』 第1017号

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シニアネット『おいおい』    第1017号  (2011年05月27日)
 
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━
 
鱚添へて白粥命尊けれ     石田波郷 (1913-1969)

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 1944年(昭和19年)に、31歳で結核に冒されて以後、病魔に侵される。昭和23年(1948)に都下の清瀬村国立東京療養所で胸部形成手術を受ける。1950年2月退院。1963年合成樹脂球摘出手術を受けたが、低肺機能となる。以後,入退院を繰り返す。昭和42年(1967)に再入院、2年後に死去した。
 入院中に食べ物を多く詠った。食べことは生きるこである。正岡子規も,病床にあり食べることが楽しみだった。作者も、食べることは自分のいのちとの対峙であった。
 白味の魚の鱚(きす)と白粥。美しい。「惜命」の俳人の作品である。
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┏━━『知恵の輪』(救援隊の派遣)━━━━
 東日本大震災の初期の救援活動の資料を見て愕然とした。日本に寄せられた救援人員の数だ。手元の1ヶ月後の資料によると国別の数字は以下の通り。
米国は米軍約1万8千人、救援隊144人、原発専門家39人、放射能被害管理の専門部隊450人。ロシアは救援隊161人。フランスは救援隊134人。韓国は救援隊107人。豪州は救援隊75人と救援犬2匹。英国は救援隊69人と救援犬2匹。ニュージランドは救援隊52人。南アフリカは救援隊45人。ドイツ救援隊は41人と救援犬3匹。トルコは救援隊32人。台湾は救援隊28人。スイスは救援隊27人と救援犬9匹。中国は救援隊15人。インドネシアは救援隊15人。メキシコは救援隊12人と救援犬6匹。モンゴルは救援隊12人。
中国の数字が極端に少ない。写真を撮りまくる救援隊員。今後の外交政策の参考にして頂きたい。外務省からコメントをお聞きしたい。

┏━━『マネジメント』(ドラッカー)━━━━━━
 ベストセラー「もし、ドラ」の教科書。NHK教育テレビで6月の毎週水曜日、午後10時から25分に放送。4回100分で名著を勉強出来る。テキスト(550円)を読むだけでも楽しい。講師は、上田惇生ドラッカー学会代表である。ドラッカーの日本語翻訳をすべて手掛けた。
 マネジメントは、非営利組織こそ大切である。組織を継続するためには、マネジメントが必要条件である。

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━
26日;(1)原発・東電調査―もっと権限を与えよ
『政府は、福島第一原発の事故調査・検証委員会をつくる。委員長は、東京大学名誉教授の工学者、畑村洋太郎さんだ。畑村さんが唱える「失敗学」は、どんなシステムであれ、小さな失敗の経緯を包み隠さず明らかにすることで大事故を防ごうという立場をとる。 国内外の原発で同じような災害を起こさせないために、畑村流の視点で調べる意義は大きい。 解明への鍵は「包み隠さず」だ。政府が発表した事故調のしくみに心配がある。 聴取や資料提出への協力を義務づける直接の法律がない。協力しない政府関係者は「公務員法上の懲戒の対象になり得る」(枝野幸男官房長官)というだけでは心もとない。 とりわけ今回は、同じ分野で強固にもたれあう「原子力村」である。
 1979年の米国スリーマイル島原発事故で設けられた大統領委員会は、原子力規制委員会のさらに外側で事故を検証しようとした。だが必要なデータはどうしても「原子力村」頼みになったらしい。 航空機や列車などの事故を調べる運輸安全委員会は、設置法で強い力が与えられている。これだけの大事故だ。今回の事故調には独立性と調査権限を保障する法律をつくるべきだ。 委員には「村外」から有能で強力な人材を集めなくてはならない。海外からも専門家の見解を得る。原発に批判的な専門家も参加してもらう。「村」の人々がどれほど解明に協力するか。 強い権限が必要なのは、東電の経営や財務内容を調べる委員会も同じだ。
賠償原資をできるだけ多くするために、経営の無駄や処分できる資産を洗い出すのが目的だが、多くの困難がある。電力会社の場合、外注が多い。実態を把握するためには、何層にもわたる下請け企業にも情報開示を求めなければなるまい。査定では、経験が豊かで交渉力にたけた弁護士や会計士を集める必要がある。未来の災厄を防ぎ、公平な賠償を早く進める。いずれも、中立で強力な委員会を築けるかどうかが成否を分ける。(784字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━
26日;(1)東北の水産業 大胆な改革で沿岸漁業再生を
『東北から関東にかけての太平洋岸の水産拠点は大打撃を受けた。この際、高齢化や後継者不足などで衰退する全国の水産業の再生モデルとなる改革に取り組むべきである。 巨大津波に襲われた地域では、約320の漁港、約2万隻の漁船が破損した。魚市場や流通加工施設といった基盤がほとんど失われたケースも目立つ。被害額は約9000億円にのぼる。宮城県・気仙沼や岩手県・大船渡などは、全国からカツオ、マグロ漁船を受け入れている。こうした遠洋、沖合漁業の中核漁港の再開を急ぐ必要がある。国や地元自治体が連携し、岸壁の修復工事や海中のがれき撤去などを加速すべきだ。多くの漁業者が従事する沿岸漁業の再建も重要な課題である。カキやホタテなどの養殖や、サバやイワシなどを取る定置網漁といった沿岸漁業は、家族単位の零細経営が大半だ。これが大津波の直撃を受け、養殖施設や船を失って廃業を迫られている事例が多い。
こうした沿岸漁業を再興するには、発想の転換が求められる。個人や企業の新規参入を促すため、地元漁協に優先的な操業を認めている現行制度を見直すべきではないか。宮城県が、政府の復興会議で打ち出した「水産業復興特区」構想は、検討に値するアイデアだ。まず漁業法などの関係法令を改正し、被災地に特区を新設する。特区では、漁獲や加工・販売を手がける民間企業に対し、漁業権の獲得を容易にする。外部の活力を導入することで、沿岸漁業を立て直し、若者の雇用拡大にもつなげるのが狙いだ。この構想に対し、地元漁協の一部には、自らの権利が侵されることを警戒し、「共同体としての漁村の良さが失われてしまう」などと反発する声もある。既得権に固執せず、意識を改革すべきだろう。行政と漁業者が将来を見据えて議論を尽くし、解決策を探ってほしい。日本の魚食文化を守り、水産業の復興に弾みをつける知恵が問われている。(773字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━
27日;(1)これでは原発情報への不信がまた募る
『東京電力は26日、東日本大震災発生の翌日に、福島第1原子力発電所1号機で冷却のための海水注入が中断したとされる問題で、実際には「注入は継続していた」と発表した。発電所長の独断で、本社には知らせていなかったという。21日にこの問題が表面化して以来、再臨界の危険性や海水注入の通報をめぐって、菅直人首相や班目春樹原子力安全委員長らが、言った、言わない、聞いていないと、自己弁護を繰り返した。谷垣禎一自民党総裁は国会で首相に引責を迫った。東電の内部、さらに東電と政府の間の情報管理のまずさやコミュニケーション欠如にはあきれるばかりだ。2カ月半が過ぎても、正しい情報を伝えられない。
  第1の問題は、東電が原子炉の状態をさらに悪化させかねない決断をいったんは下したことだ。官邸からの指示に基づかず、雰囲気を推し量っただけの無責任な判断だと言わざるを得ない。官邸の認識が誤っているなら、なぜ正さなかったのか。26日に明らかにされた発電所長の独断は、その結果の当否はともかく、本社との意思疎通を著しく欠くものだ。事故収束までの長い道のりや作業の困難さを考えると深刻な事態である。現場と本社の信頼関係を再確立することが必要だ。
 東電は「3月12日午後8時20分に注水を再開した」と説明してきたが、中断がなかった以上、「再開」は誤りだったことになる。これほど重要な事実をよく調べずに発表したのはどうしたことか。東電は国民に本当に正しい情報を伝えているのか。このままでは原発事故のどんな説明も疑わしく聞こえ、国民を不信の塊にするだけだ。東電と政府はメモや証言など証拠を示した上で経緯をいま一度つまびらかにすべきだ。所長本人の口から説明を聞きたい。日本の原子力利用は「自主・民主・公開」の原則の下で始まった。すべては国民の理解と納得が前提である。東電や政府はその原点に立ち返り、国民への情報公開のあり方を根本から改めるべきだ。(795字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━
27日;(1)電力使用制限 実態に即し柔軟な対応を
『政府は今夏の電力不足対策で大口需要家を対象とした電力使用制限から例外扱いとする30分野を決めた。東京電力と東北電力管内の病院や鉄道など国民生活への影響が大きい分野や、半導体など24時間の生産体制が必要な業界が中心だ。しかし、電力制限は生産活動を制約し、経済に深刻な影響を与えかねない。今回の例外措置についても経済を支える基幹産業への影響を最小にする環境整備が必ずしも図られているとはいえない。なにより、東京電力が積み上げた供給力は、老朽化した火力発電所のトラブルなどで見込みを下回る可能性があるからだ。全国で点検中の原発も、福島原発事故の余波で運転再開のめどが立たない。関西電力などから東電への電力融通に支障が出る懸念もある。
 例外措置については電力の供給と需要を常に検証し、実態に即した柔軟な対応が必要だ。政府は7月1日から電気事業法に基づく電力使用制限令を発動するが、当初は、大口需要家を対象に昨夏のピーク時に比べて一律15%節電するよう求めていた。しかし、産業界からの強い反発を受け、今回の見直しとなった。だが、輸出を支える自動車や電機業界が対象外となったのはどうしてなのか。海江田万里経済産業相は記者会見で「実態に応じてきめ細かく使用制限を緩和する措置を講じた」と強調したが、判断基準は明確にされていない。罰則の適用基準もあいまいだ。企業の側は独自に節電対策を進めている。自動車業界は工場の休業日を土・日から木・金に変更することを決めた。企業グループ内で生産設備の稼働時間を平準化する輪番操業も始まっている。生産の一部を関西に移す企業もある。電力の使用制限はある程度やむを得ないにせよ、震災からの復興の要である企業の生産活動まで停滞させてはなるまい。日本が一丸となった省エネ対策が必要なことは言うまでもない。企業も国民も創意工夫して夏を乗り切らねばならない。(782字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━━━━
 先週から、腰痛のリハビリを始めた。5年間、最低限の医療処置で誤魔化していた。隣の住区の医療センターまで、毎朝通う。1回2種約30分のリハビリ。快適である。歩行が楽になり、万歩計の数字が上がった。新生活の最大の効果である。1週間に1回、注射も助けて貰う。薬はなし。
 腰痛の病状はいろいろある。一様でない。治療方法もいろいろ。一見、リハビリは同じ様だが、治療の回数・強度・部位等により複雑な様だ。専門医師の目が光る。私の場合は、1週間最低3回以上のリハビリ。経過は良好だ。歩行中に、足が痛くなっていたが、それも収まった。このままに、障害が進むのが遅らせて貰えれば幸甚である。身体も、バランスを戻している様だ。(300字)。

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2011/05/23

(シニアネット)『おいおい』 第1016号

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シニアネット『おいおい』    第1016号  (2011年05月23日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━ 
巻頭俳句 加藤楸邨は東京都生まれ。父は国鉄の駅長だったので転地。苦学の経験。
『知恵の輪』 「知的環境の整備」が、「知価」を引き上げる。シニアの大きな任務ではないか。 
 
社説要約  朝日社説「原子炉」議論を深めよ。読売社説「子供と放射能」。産経社説「インフラ化
を」
身辺雑記 映画「阪急電車」の「おばちゃん軍団」と常識者の対決。こうした集団が多い。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━━
 
明易き欅にしるす生死かな       加藤秋邨 (1905-1993)

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 昭和20年(1945)5月24日の作。5月23日の深夜B29の大編隊が東京都を空襲。東京都の大半
は焦土化した。「5月24日、我が家も焼失、雲の峰八方焦土とはなりぬ」(自作自解)。5月23日
の句<火の奥に牡丹崩るゝさまを見つ>は余にも有名。23日夜、弟を背負い地獄の業火の中さまよ
った。作者は41歳。
「欅(けやき)にしるす生死(しょうじ)かな」。「生死」は仏教の言葉であり、「生」に重点がお
かれる。作者の一家は人命に損傷はなかったが、財産は全部焼失した。「命だけは助かった」が実感
である。それに、焼け野原に欅が生きている。樹皮は白味を帯びて文字を刻み易い。
苦学を経験した。1929年埼玉県粕壁中学教員として赴任。に春日部市での農苦の実態を見て、求心的
な作品を求めるようになった。代用教員からはじまり、1937年に水原秋桜子の勧めにより上京して、
東京文理大学入学。晩年は古美術へ関心を深めた。「生涯を通じての多様な作品の背景には、学生時
代よりの不断の芭蕉研究が横わっている。」。作者提唱の「歩行的感動」は、松尾芭蕉の研究から得
られた理念である。
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┏━━『知恵の輪』(「知的環境の整備」) ━━━━
 緑の美しい5月21日(土)に、地元の行事「みどりのつどい」が無事終わった。昨年は大雨の中で決
行。一昨年はインフルエエンザで中止。ついてない行事。今年は晴天に恵まれ、子供達も多く参加し
た。私達の堺市南区の50%は、里山である。
 会場の「西原公園」が、若葉青葉で美しい。薫風が心地よく流れる。「みどりのつどい」にふさわ
しい行事になった。泉北ニュータウンという地域は、子供たちが還っこない。居住環境は良いのだが
、大阪市の中心街への交通費が高く、通勤に時間がかかるためか。ソフトの生産性が極めて低い。ソ
フトの集積が出来にくいのかも知れない。
 「知的環境の整備」が出来れば、若い人が戻りくるように思う。この地域内で、「知的好奇心」を
満足させて呉れる「知的環境」の方向性が急がれる。「知価の向上」へも通ずる。

┏━━ 喫茶店のトースト ━━━━━━━
 総務省の家計調査によると、全国平均1世帯当たりの喫茶代は5231円。事業所・企業統計調査によ
ると、喫茶店は全国81062店。最近、大阪ではコーヒーを頼むと「トースト」のサービスが付く。調
べて見ると、地域により、サービスの内容が違うようである。皆様の店は如何でしょうか。

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━
23日;(2)青森知事選―原発論議を深めよう
『原子力発電と、これからどう向き合っていくのか。福島第一原発の事故で「安全神話」が崩れ去っ
た。先週から始まった県知事選で、原発が大事な争点のひとつになっている。 青森県で運転中の原
発は1基だけだが、建設・計画中は4基あり、国内で最も多い。それに六ケ所村に核燃料サイクル施
設を抱え、国の原子力政策に深く組み込まれている。選挙戦は自民、公明両党推薦の現職三村申吾氏
に、民主、国民新党推薦の山内崇、共産党公認の吉俣洋の両氏が挑む「与野党対決」の構図となって
いる。
三村氏は2期8年の在任中、国の原子力施策を積極的に支えてきた。「安全なくして原子力なし」を
スローガンに、専門家による県独自の検証委員会の設置を公約するが、建設・計画中の原発に対する
態度は明らかにしていない。これに対し、山内氏は原発の新設凍結を掲げ、安全基準の強化などを再
開の条件に挙げる。吉俣氏は、新規建設の中止だけでなく、運転中の原発の段階的廃止も主張してい
る。 青森県、とりわけ原子力施設が集中する下北半島では、自治体の財政も、地域の雇用も経済も
、原子力に大きく依存している。「脱原発」などと簡単に割り切れない現実がある。 一方、今回の
大震災は、ひとたび原発で深刻な事故が起きれば、途方もない被害が降りかかる現実もあらわにした

 二つの現実のもとで、ふるさとの将来や未来の世代のことを考えなければならない。 原子力産業
への依存を続けるのなら、危機への備えを具体的にどう強化するのか。依存を減らす方向にかじを切
るなら、原子力に代わる地域の青写真をどう描くのか。知事選を機に、県民一人ひとりが真剣に考え
、見極めてほしい。核燃料サイクル政策も既に破綻していると指摘されており、見直しは当然のこと
だ。これからのエネルギー政策は専門家任せにせずに、国民的議論と幅広い合意形成が絶対に欠かせ
ない。青森県民の熟考が、その第一歩になる。(784字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━
23日;(2)子供と放射線 影響最小限に抑える手立てを
『福島県内の学校に子供を通わせる保護者たちの間で、原発事故により漏出した放射性物質に対する
不安が消えない。校庭の放射線量が国の示した基準を下回っていても、運動会などの屋外活動を自粛
する学校は多い。今夏、学校のプール使用を中止するところもある。放射線量を低減させるあらゆる
手立てを講じ、学校の安全・安心を回復しなければならない。文部科学省は先月中旬、1時間当たり
の放射線量が3.8マイクロ・シーベルト以上あった場合、校庭の利用を制限するという基準を公表し
た。子供の年間の被曝限度を20ミリ・シーベルトと設定し、逆算したものだ。「年間20ミリ・シー
ベルト」は、国際放射線防護委員会が示した原発事故収束時の一般人の被曝限度(年間1ミリ・シー
ベルト~20ミリ・シーベルト)を参考にしている。
子供は放射線への感受性が大人よりも高いとして、国の基準に不安を抱く学校関係者や保護者たちも
少なくない。放射線の専門家である内閣官房参与が、「年間20ミリ・シーベルト」の子供への適用は
許し難いとして抗議の辞任をしたことも、不安を拭えぬ一因となっているようだ。基準を決める際、
政府内で安全性について、どのような議論があったのか、文科省は国民が納得できるよう説明を尽く
すべきだ。その上で、子供の被曝量を確実に低減させる対策を実行していくことが大切である。
  放射線量を定期的に計測する学校の数を増やし、データを保護者に伝えることも不安の解消につ
ながるだろう。児童・生徒の健康診断の際には、放射線の影響の継続的なチェックが欠かせない。子
供たちが放射性物質にさらされる可能性があるのは、学校にいる間だけではない。帰宅後の屋外活動
を控えれば、放射線の影響は抑えられるが、家に閉じこもってばかりではかえってストレスがたまる
だろう。専門家から意見を募り、家庭や地域での過ごし方についての指針作りを進めたい。(778字)

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━
23日;(2)震災復興 インフラのシステム化を
『東日本大震災からの復興で、真っ先に設定すべきは復興計画を貫く道筋である。その太い一本を「
コンクリートからシステムへ」としてはどうだろうか。大震災は図らずも、インフラが矮小な点と線
によって分断されている戦後日本の致命的欠陥を露呈した。道路、港湾などの社会インフラ、電力な
どエネルギー・インフラのいずれも、一部の拠点が破壊されると他では補完できず、広い範囲の地域
経済や社会機能が麻痺してしまう。インフラは官庁による縦割りで分断、整備されてきた。官僚は天
下り先を確保するためのハコモノを張り付ける。乱立する地方空港にみられるように自治体も自前に
こだわり、政治家はそこに「口利き」の機会を見つけてきた。
インフラは国家の根幹なのに、有機的に結合させネットワークとして統合する仕組み、つまりシステ
ム化する視点が欠けていたのである。インフラをシステムとしてとらえると、コンクリートはあくま
でも付属物で、主はソフトウエアであることがわかる。これを民間主導で設計し、技術開発力、地域
間の連携を高めねばならない。さらに政府による規制を撤廃し、縦割り行政を解消すべきだ。電力事
業を例にとると、太陽光や風力、地熱など再生可能なエネルギーは原子力に比べて個々の発電規模は
小さい。また自然条件に影響されて、電力供給源としての安定性にも欠ける。だが、日本の先進技術
を使えば、電力供給が全国一体となった有機的なネットに転換させることも可能だ。すでに業種を問
わず多くの企業が、電源や送電のシステム開発に取り組んでいる。民間活力をフルに発揮させるため
にも、9電力体制を抜本的に見直すほか、発送電の分離、電力・送電事業の自由化など大胆な転換を
も視野に入れていいのではないか。
 高速道路、港湾、空港など多くのインフラも、システム概念を導入して非常時の相互補完機能を確
保すれば、民間資本の参入も現実味を帯びてくる。インフラのシステム化は新しい日本産業の機軸と
なって、復興と再生への見通しを確実なものにするだろう。(834字)

┏━━身辺雑記 ━━━━━━━
 映画「阪急電車」の電車の中の傍若無人な「おばちゃん軍団」がテーマの1つだ。乗客はこころよ
く思っていない。皆様は、何とかしたいと思うとていた。ラストシーン近く、宮本信子演ずる萩原時
恵が怒る。同乗の孫が、学校では電車では静かにする様にと教わったと。座席に鞄を投げて仲間の座
席を確保した。座ろうとしていた乗客は別の車両にうった。上品な婦人は、乗車駅から終着の宝塚ま
で、長い長い大演説。「おばちゃん軍団様」は唖然。
 少し、表現がオバーだが、似たような光景は街で見かける。他人の事には無関心。他人の痛みや悲
しみが理解できない。ボランティア活動している人に、こうした人がいる。ボランテイアの基本が見
えてないようだ。(300字)。

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2011/05/17

シニアネット 『おいおい』  第1015号 

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シニアネット『おいおい』    第1015号  (2011年05月17日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━━━ 
巻頭俳句 山口靑邨は岩手県盛岡市生まれ。鉱山技師をへて東大工学部教授。4Sの提唱者。
『知恵の輪』 原発推進の専門家集団に、エネルギー政策を任せておいて良いのだろうか。  
社説要約 東北大震災関連の話題を取り上げた。エネルギー政策、炉心溶融、計画避難、文化財保護等。
身辺雑記  三浦朱門さんの「我が人生、80代を生きる」の話。「年をとると言うこと」。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━━
 
牡丹散り白磁を割りしごとしづか    山口靑邨(1892-1988)

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 昭和14年(1939)ドイツ留学より帰国直後、自宅での作。蕪村は、<牡丹散て打かさなりぬ二三片>と牡丹の散った姿と詠った。絵画的な蕪村に対して、心象的な響きがある。「白陶を割りしごとしづか」は、大事な磁器を割った破片が地面に重なっている様子。白牡丹が、割れた白磁に見える心象が、強烈な印象を与える。
 1937年より2年余り、ドイツ留学して欧米を巡歴して帰国した。学生時代からドイツ語教授に文学上の影響を受けていた。自宅は雑草園として有名。1953年東大退官し名誉教授になる。故郷のみつのく風土を主題とした作品が多い。
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┏━━『知恵の輪』(原発議論)━━━━━━━━━
 原発推進は、「原子力エリート」の経産省、特殊法人、電力会社、原子炉メーカー等の幹部が中心。原発推進派の専門家集団は、主として、東京大学工学部原子力工学科卒業者。反原発急進派は、原発利権をむさぼる悪党一味という。推進派と反推進の対立構図では問題解決にならない。原発に代替出来るエネルギーが現実出来ない。だから、「脱原発」とか「廃原発」の正当論にはならない。
 大衆的な議論の場に、さらして、国民的な理解と共感を求めなければならない。太平洋戦争のあと、「戦争放棄」そして「平和憲法」のプロセスを経た。国策としての「原発議論」を望んでやまない。原発推進派の専門家集団のブラックボックスを透明にする所から始まる。(300字)。

┏━━ラジオ深夜便』(ブラジル発)━━━━━━━
 今夜(17日)と明晩(18日)連続で、ブラジル発。アンカーは明石勇さん。地球の反対側で現地は昼間。今夜と明晩の午後11時20分より翌朝5時まで。11時20分はサンパウロ点描。0時から3時のインタビューは「日伯の文化」、「移民1世の苦労話」、「祖国への思い」等。3時から4時は「にほんの歌こころの歌」。4時「明日へのことば」は、「ブラジルからにた日本人気質」と「環境交流―日本とブラジル」。今夜は眠れるだろうか。

┏━━今夜満月━━━━━━━━━━━━━━
 今夜は満月。俳句の季語では「名月」は陰暦8月の満月。また、「月」は美しさが極まる秋の月をさす。他の季節の月は、「春の月」、「夏の月」、「冬の月」で簡単に言い切る。仲秋の名月に、事細かな名称があるのに、実にそっけない。それだけ、仲秋の名月が美しいのか。
夏の雨が降る季節の「月」も「梅雨の月」だけ。「雨月」は仲秋の名月が見られないはこと。「雨名月」、「雨の月」、「月の雨」はすべて仲秋。「無月」も梅雨の月が見えないのでなく、雨に隠れた仲秋の名月を待ちわびること。満月に対する日本人の心象から生まれた季語だろう。

┏━━ 社 説が 要 約 ━━━━━━━━━━
 夏の節電―朝日社説。炉心融解―読売社説。米のガソリン高―日経社説。被災地の文化財―毎日社説。計画避難―産経社説。日経以外は、東北大震災関連を紹介する。
┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━━━━
17日;(1)夏の節電―使い方改める契機に
『この夏の懸案だった首都圏の電力不足が、大きく改善される見通しとなった。ガスタービンなど緊急電源の増設に加え、震災で被害を受けた大型火力発電所の復旧作業が進み、操業のめどが立ったからだという。 これまで25%とされてきた政府によるピーク時の最大使用電力の削減目標も、15%へと改められた。経済活動への影響についおいても、緩和されるにこしたことはない。 ただ、供給能力の増強ではかなり無理をしている。廃止予定だったのに慌てて再稼働させた古い設備なども含まれておる。浜岡原発の停止で、中部電力管内の電力供給にも黄色信号がともっている。これまで余裕があった西日本が、玉突き的に苦しくなる可能性もある。家庭や中小企業の節電対策はこれからだが、大企業ではすでに様々な節電対策が打ち出されている。夏休みの長期取得、輪番操業など大がかりなものもある。働き方や事業態勢そのものの見直しにもつながる動きだ。経営の効率化や不断の見直しに役立ててほしい。
 菅政権は、これまでのエネルギー政策を見直す姿勢を見せている。であれば、節電についても中長期的な構造改革を視野に入れた取り組みが望まれる。過去に電力自由化をにらんだ新規事業者の参入や電力取引市場の開設などが図られたが、うまく機能していない。もっと発電業者が活発に電力を融通しあえる仕組みを整えるべきだ。 欧米では、省エネ設備や環境事業を債券化することにより、初期投資の負担を軽減したり、民間資金を活用したりできる金融手法も開発されている。今回は、冷房需要で電力使用がピークになる日中をいかにコントロールするかが、知恵の絞りどころだ。原発事故は、電気の大切さと利用者として私たちが負うべき責任の重さを示した。日差しが日々強まるこの季節、限りある資源を賢く使う契機にしたい。 (742字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━━━━
17日;(1)炉心溶融 漏水と放射能汚染対策を急げ 
『福島第一原子力発電所1号機で、原子炉内にある核燃料の大半が溶け落ちるメルトダウンが起きていた。東京電力が、1号機の中央制御室に残っていた炉の温度や圧力のデータを回収、分析して溶融の経過を推定した。核燃料の損傷は、3月11日の津波襲来から約4時間後に始まり、約15時間で原子炉圧力容器の底部にほとんどが落下したという。政府・東電はこれまで、溶融した核燃料は半分程度とみていた。原子炉を冷却する電源や水が失われると、核燃料が過熱して炉心溶融は急速に進む。その場合の東電の緊急対応策に不備があったことは間違いない。東電と、原発安全規制を担う政府は猛省する必要がある。こうした緊急対応策は、1990年代から、日本を含め世界の原子力利用国が、原発の安全性向上を目指す中で整備してきた。
 福島第一原発で実施された原子炉からの排気作業もその一つだ。冷却機能喪失時に、炉の圧力を下げて破壊を防ぎ、炉内への注水を容易にして炉心溶融を回避する非常手段とされる。福島第一原発でも、この作業を想定していたが、着手が遅れた。実施されたのは、炉心溶融が起きた後だった。二度とこうした事態が起きないよう、他の原発でも万全の緊急対応策を講じておくべきだ。1号機圧力容器の底部に落下した核燃料は、外部から注水を継続することで、冷却できている。当面は、大量の放射性物質が放出される危険性は小さい。だが、圧力容器が損傷し、冷却用の水が漏れ出していることも先週、新たに判明した。
 事故の収束に向け、政府・東電が先月まとめた工程表では、1号機の原子炉を水で満たして冷却する「冠水」を目指していた。それが不可能になった。漏れた水は、原子炉を覆う建屋の地階に流入している。漏水が何か月も続けば、放射性物質で高濃度に汚染された水が外部にあふれ出る恐れもある。1号機は爆発で建屋上部が壊れている。梅雨になり、そこから雨水が入ると、汚染水はさらに増える。今の注水方式に代わる新たな冷却方法を考えねばならない。2、3号機も炉心溶融の可能性が指摘されている。漏水は1号機よりも多い。(856字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━━━
17日;(2)米経済にガソリン高の試練
『米経済の先行きに対する不透明感がぬぐえない。ガソリン価格の高騰が響き、物価上昇と景気減速の懸念がともに浮上しているためだ。米当局の政策運営は世界経済や金融市場の行方を左右しかねない。日本も状況を注視する必要がある。米国ではレギュラーガソリンの平均小売価格が1ガロン4ドル(1リットル約85円)近くに達した。原油高の影響で2008年7月以来の高値圏にある。これを受けて物価の上昇圧力がじわじわと高まっている。4月の消費者物価指数は10カ月連続で前月の水準を上回った。物価の基調がよくわかる前年同月比の上昇率は3.2%で、2年半ぶりの高い伸びを示した。ガソリンを含むエネルギーの値上がりが大きい。
 原油高・食料高に伴う物価上昇は世界共通の課題だ。先進国では欧州中央銀行がすでに金融引き締めに動き、FRBは量的緩和の第2弾(QE2)を6月末で打ち切ることを決めた。米当局が物価の安定を目指し、危機対応に傾いた金融政策を修正するのは理解できる。一方、ガソリン高は個人消費の足を引っ張りかねない。4月の小売売上高は前月比で0.5%増え、10カ月連続のプラスを維持した。
 米国の実質経済成長率は昨年10~12月期の前期比年率3.1%から、1~3月期には1.8%に低下した。悪天候が響いたのは否めず、FRBのバーナンキ議長は「一時的な減速」とみている。民間エコノミストの間でも、4~6月期以降は3%台に戻るとの予測が多い。失業率は9%前後で高止まりし、住宅価格の下落にも歯止めがかかっていない。消費の停滞が鮮明になれば、米経済の下振れリスクはいやが応でも高まる。FRBがQE2を予定通り打ち切っても、事実上のゼロ金利政策は容易に解除できないだろう。日本は東日本大震災の爪痕が深く、欧州は域内の信用不安を抱える。今の世界経済も盤石とはいえない。FRBは米経済のかじ取りを誤らぬよう細心の注意を払ってほしい。(777字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━━━━━
17日;(2)被災地の文化財 地域の誇りも救いたい
『岩手県大槌町の避難所になっている体育館で、子供たちが地元の民俗芸能である「虎舞」に挑戦し、被災した人たちの拍手を浴びた。がれきの中から見つかった頭を使い、大人たちから手ほどきを受けて実現した。獅子舞ならぬ虎舞は三陸地方に伝わる芸能だ。虎は、航海の安全を祈ったとも、火伏せの力があるとされた虎にちなんで無火災の祈願をしたともいわれる。800年以上の歴史があるともいうが、それに見入る人々の姿は、地域固有の文化がいかに貴重かを物語っていた。無形、有形を問わず、文化財は歴史の結晶であり、土地の記憶であり、地域の誇りだ。再興のためにも、なくてはならないものだろう。それが大震災のために甚大な被害を受け、戦後最大の試練になっている。文化庁によると、被害が確認された国宝など国指定・登録の文化財は500件以上。自治体指定や未指定のものの被害は詳しく把握できていないのが現状だ。
 美術館や歴史資料を扱う機関など、それぞれのネットワークで情報を共有することができた。また、文化庁が呼びかけ、仏像や土器、古文書、民具などのレスキュー事業を始めた。専門家に現地へ行ってもらって収集し、博物館などに一時、保管してもらう。しかし、被害の深刻さに驚くことが多いという。梅雨時や夏は腐敗が進みやすいし、盗難も心配だ。迅速な活動が求められている。これら有形の文化財とともに、救いたいのが祭りや民俗芸能だ。文化財救出事業のための寄付金の窓口も設けられたが、集まりは芳しくない。大震災の記憶を示すものは多数あるだろう。今回の災害は、人々が地元の文化を自分たちのものだと再認識する機会でもある。人命や生活とともに、地域の心のよりどころも救いたい。(701字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━
17日;(1)計画避難始まる これ以上住民を泣かすな
『計画的避難区域に指定された福島県飯舘村と川俣町で、計画に基づく避難が始まった。村の全域が避難区域となった飯舘村では、住み慣れた故郷を離れる人々の目に涙があった。二転三転する行政の判断に振り回された住民の苦悩を軽減すべく、政府が責任を持って避難解除まで住民のケアに当たる必要がある。政府は4月22日、1年間の積算放射線量が20ミリシーベルトを超える恐れがあるとして、飯舘村の全域、川俣町など4市町村の一部を計画的避難区域に指定し、5月中をめどに避難を完了するように求めた。ただ、政府は「逃げろ」というばかりで、具体的な方策や手順は住民、自治体任せとした。その結果、人口約6500人の飯舘村では約2100人が既に自主避難し、計画避難の受け入れ先も福島市や二本松市の公務員宿舎や旅館などに分かれている。村役場の機能は福島市内に移るが、コミュニティーはバラバラになる。住民が「無計画避難」と憤るのも無理はない。
 放射能は目に見えないだけに、住民の反応は一様ではない。自宅を離れたがらない人がいる一方で、幼子を抱えた家庭では「今になって避難しろとは遅すぎる」といった声も聞かれた。放射線濃度が最も高かった事故直後は避難対象とならなかったのに、1カ月以上を経て計画的避難区域に指定された唐突感が混乱に拍車をかけた。政府は住民に懇切丁寧な説明すらしなかった。今後の問題も山積している。放射能汚染の心配が消えた段階で速やかに避難を解除しなければならない。解除は一律でなく可能な区域から進め、科学的根拠と道筋を早期に示す必要がある。
 旅館などへの避難は一時的なものにすぎない。中長期の生活を念頭に置いた避難先の確保も急務となる。就業、就学、補償問題や、無人となる避難区域の治安の維持など、市町村の手に余る課題は数限りなくある。復興構想会議で大所高所の議論が踊る中で、住民は常に明日の課題に直面している。これ以上住民を泣かさないために、政府は当面の問題について先頭に立って対処すべきだ。(824字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━━━━━
 17日の午前4時5分からの「明日へのことば」は、作家・元文化庁長官の三浦朱門さん。85歳の現在の心境を淡々と語った。「老年とは肉体が衰え、疲労する」と定義した。理解していて分かっている様だけど認識不足。しかし、精神力は衰えないと。
 挿話で興味を引いたのは、文化科学省と経済産業省とが、コンピュータの著作権をめぐる問題。前者が、窓口に成ることになった。日本の国内のコップの中の嵐に過ぎないと。コンピュータのプログラムの言語は言葉、著作権は辞書にあたる。文化とか文明もこうした事ではないだろうか。
 妻の曽野綾子さんは両足を怪我して炊事が出来ない。朝食事も、楽しく工夫をして毎朝違った料理をする。素晴らしい80歳台。(300字)。

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2011/05/16

シニアネット  『おいおい』 第1014号

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シニアネット『おいおい』    第1014号  (2011年05月14日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━ 
巻頭俳句  池内たけし。高浜虚子の兄。池内家は代々能楽振興の家系。虚子の父の生家。
『知恵の輪』知の集積により文明や文化が進む。知的価値とか知的生産性について考えてみたい。
社説要約 ちょっと長目の見方をした社説を紹介する。長期視点で思考する習慣をつけたい。
身辺雑記  「八日目の蝉」と「阪急電車」を観た。いずれも女性作家のベストセラー。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━━
 
筍の藪もきれいに寺領かな       池内たけし(1889-1974)

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 16日は、72候の第21候の「竹筝生(ちっかんしょうず)。竹の子が生える頃。寺領であるのだろうからか、藪が綺麗に掃除されている。筍もたくさんとれることだろう。藪以外に寺全体も掃除が行き届いている。作者の得意の「平淡にして滋味がある」(高浜虚子の評)。
 作者は能楽師をめざしたが、若くして断念した。24歳頃より、虚子門下に入る。客観写生に忠実に作品の上に実践した。また、定型へのこだわりは徹底していた。
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┏━━『知恵の輪』(「知」の集積を)━━━━━━
 東日本大震災で一番欠けているものはマネジメント。『強い現場、弱い司令塔』。前者は秩序と高作業水準の維持をした。後者は政府・与党中枢の混乱ぶり。現場の粘り強い沈着な行動は素晴らしい。一方、官民とも本部の判断や発言の内容の混乱ぶりは、不合格点。震災対応は、長期の戦略と政策立案が必要だ。知恵と工夫がなければ、P段階の施策も出来ない。マネジメント能力がなければP-D-C-Aのマネジメントサイクルは廻らない。
 戦後の日本の企業組織(営利組織)は、現場力により高品質な商品を効率のよい生産システムと司令塔が明確な目標を決断した。現場と戦略目標管理がチーム一丸になって高度成長を達成した。ところが、ボランティア組織には、こうしたシステムが出来て無い。むしろ、「非営利組織」では「営利組織の長所」に反発してきた。「営利組織」を誤解して来た。
 マネジメント思想の導入。日本の社会にこそ、『強い現場と強い司令塔』が求められる。だが、政府の司令塔機能が混乱している。司令塔の戦略と戦術の明確なマネジメントが待たれる。『もし、ドラ』がベストセラーになっても、マネジメントに関心を示さない「司令塔」やボランティアが多いことか。(500字)。

┏━━ 社 説 要 約 ━━━━━━━━
 今回の皇室の震災に対して、朝日社説が重い腰を上げた。産経社説の素早い評価にクレーム。本質を見てもらいた。読売社説は大学の「知」の集積の提案。日経社説は、原子炉輸出が駄目になった。この際、産業インフラの輸出に方針変えを提案。毎日社説は、原子炉の多様性を問題視。産経社説は、北鮮のスパイ逮捕の問題。

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━
16日;(1)皇室と震災『国民と共に』を胸に
『天皇、皇后両陛下が東北3県を訪問した。首都圏の避難所にも足を運ぶなどして、失意の人々を慰め、励ましている。 ひざをつき被災者の声に耳を傾ける。声をかける。手を添える。その映像に心を動かされた人も多いと思う。 雲仙、奥尻、阪神、中越と大きな自然災害のあった地には、必ず両陛下の姿があった。 困っている人と同じ目の高さに自らを置く。それが新しい時代の皇室の生き方であり、主権者である国民の思いにも沿う。お二人のそんな確信を感じる。計画停電のときには、対象外の御所でも自主的に電気のブレーカーを落とした。これも同じ思いに基づく行いだろう。 「国民と共に」との姿勢を機会あるごとに示す陛下を、「皇室は祈りでありたい」との考えをもつ皇后さまが支える。皇室の将来やその基盤となる国民との関係を見すえながら作り上げてきた“平成流”といえる。
 皇室と今回の震災を考えたとき、印象深いのは地震発生の5日後、原発事故への不安がピークにあったころに放送された陛下のビデオメッセージだ。 異例の措置に事態の深刻さを感じた人も少なくなかっただろう。政治家の万の発言よりも、5分間余の陛下のスピーチの方が心に染み、説得力をもったということか。 期せずしてそこには、社会の「いま」が映し出されているように見える。
 迷走と不信を重ね、発する言葉が国民に届かない政治。一方で、主権者であり現人神とされたかつての天皇と現在の象徴天皇との違いを飛び越えて、終戦時の玉音放送と同視するような論評や感想も目についた。 しかし今回の放送も被災地訪問も、「公的行為」として内閣の補佐と責任において行われることを忘れてはならない。未曽有の災害に直面し、皇室に多くの目が集まる。そんな時だからこそ、両陛下の歩みに思いを致しつつ、天皇の地位や活動のありようをめぐって、国民の間で積み重ねられてきた議論を忘れないようにしたい。(777字)

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━━━
13日;(2)大学の役割 「知」集め被災地復興に貢献を
『東北地方の大学が、今月から授業を再開した。震災で直面した様々な困難を乗り越えて、大学は一刻も早く、活力を取り戻してもらいたい。東北や茨城の大学は、地震で建物が損傷したところも多かった。特に理工系の研究設備の被害は深刻だった。大型実験装置が壊れたほか、保存していた遺伝子サンプルなど貴重な資料が使えなくなった研究室もある。設備の修繕を急ぎ、研究機能を回復する必要がある。復旧が遅れると、世界の研究開発競争から取り残されるばかりか、優秀な人材の海外流出を招きかねない。政府も大学の研究レベルの低下を食い止めるために、必要な予算措置を講じるべきである。震災後には、外国人留学生が帰国したり、入学を取りやめたりする動きが目立った。大学が電子メールなどで冷静な対応を呼びかけたこともあり、留学生は戻りつつあるようだ。留学生が安心して授業や研究に専念できるよう、政府も大学も迅速で丁寧な情報提供を続けてほしい。今、被災地の大学には、それぞれの特色を生かして、復興に貢献することも求められている。
福島大学の放射線計測チームは、2キロ・メートル四方ごとの放射線の分布状況を調べた。データは地元自治体に提供され、避難対策などに役立っているという。宮城教育大学は被災地の教育委員会の要望を踏まえ、学校に教員志望の学生を派遣している。学生たちは教員のサポート役として、放課後の補習などで子どもの勉強の面倒を見ている。東北大学は、学部の枠を超えて様々な分野の専門家が協力し、防災や復興のあり方を研究する組織の発足を決めた。
 あらゆる「知」を集め、災害に強い街づくりや産業再生の具体的なプランをまとめ、政府や自治体に示すことが期待される。大学からの提案が実際の復興政策に生かされれば、「産学官協力」の新たなモデルになろう。首都圏の大学でも、学生ボランティアを被災地に派遣する動きが見られる。ボランティア活動への参加を単位として認定するなど学生が参加しやすい環境を整え、被災地を継続的に支えたい。(833字)

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━━
16日;(1)大震災後もインフラ輸出の火を消すな
『官民を挙げて取り組んできた原子力発電プラントの海外への輸出が壁にぶつかっている。福島第1原子力発電所の事故への対応が最優先になっているほか、原発推進の政策を見直す動きが、一部の国に広がってきたことが原因だ。米国では、東芝が受注した原発2基の建設計画実現が危ぶまれている。やはり日本勢が最有力とされてきたトルコの原子炉商談では、交渉が事実上止まってしまった。ベトナムでも、すでに日本が受注している原発の計画に東京電力が加われなくなる可能性が高まり、態勢の立て直しが避けられない状況だという。政府は昨年まとめた新成長戦略で、電力などインフラ輸出を戦略分野に位置付けた。今後10年間に19.7兆円の市場を獲得する高い目標を掲げ、雇用の創出を目指しているが、最も期待された原発輸出は事故の影響がしばらく続く。政府は早急に見極める必要がある。
 仮に、原発が厳しいなら別の分野に重心を移すべきだ。成長戦略では高速鉄道や上下水道、工業用水施設、高効率の次世代火力発電所、スマートグリッドなども重点分野に位置付けている。地球温暖化への対応が国際的な課題となる中、先進国でも公共交通網や、送電、水処理施設など大型インフラ整備のための投資が活発だ。日本も官民が一体になり、こうした分野にも積極的に取り組むべきだ。スマートグリッドや電気自動車を使った交通システムを7カ国で展開し、民間約20社で計7千億円の受注と、2万人の雇用を創出する。鉄道も有望だろう。日立製作所は3月に英国で6千億円規模の車両を納めることで合意したほか、他の企業も中東、北アフリカなどで大型案件を相次ぎ受注している。
産業の構造転換は震災後も重要な課題だ。自動車産業だけに大きく依存したままの状態では新興国の伸びを日本経済の成長に取り込めない。それには業界再編を通じ、インフラ関連企業を強くすることも重要だ。これまではJRや電力会社などとの商売に頼り切った企業が多かった。日本企業同士で海外の商談をばらばらに競うようなやり方も改めたい。欧米や韓国は国を挙げて総力戦で臨んでおり、被災したからといって日本に配慮してくれるわけではないだろう。(887字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━━━━
16日;(2)視点・震災後 少数派にこそ耳傾けよ
『「多重性」はあったのに、「多様性」がなかった。原発事故発生後、複数の専門家から聞いた反省の弁である。たとえば、福島第1原発には停電に備え非常用ディーゼル発電機が13台あった。一部が壊れても予備があるという「多重性」の考え方だ。ところが、そのほとんどが地下に置かれた同じ仕組みの発電機で、津波で12台が壊れた。違う仕組みの発電機を高台に置くなど、「多様性」があれば結果は違っただろうというのだ。当たり前の対策に思える。実際、一つの要因で設備が同時に壊れる「共通要因故障」の危険性を訴えていた研究者はいる。浜岡原発の運転差し止め訴訟でも指摘されていた。それなのに、なぜ、「現実のリスク」として考慮しなかったのか。
 遠因として考えられるのは、原発を推進する集団もまた、多様性に欠け、排他的だった。政府と電力会社、メーカー、大学などが原発推進の一大グループを形成している。「原発に大事故は起きない」という建前に支えられてきた共同体だ。危険を訴える少数派には「反原発」のレッテルを貼り、「極論」と退けてきた。原発の安全性はリスクを扱う科学の問題であり、イデオロギーの問題ではない。科学に「絶対安全」はありえない。にもかかわらず、「推進派」対「反原発」の構図が作られた。その結果、合理的な安全対策にも目をつぶってしまったのではないか。今後は、原発政策の根本的な見直しや、既存の原発の危険度の判定に、多様な意見をくみ上げる仕組みが必要だ。そのためには、少数意見を排除しがちな日本的意思決定の在り方を見直した方がいい。
 たとえば、米国では、審議会方式をとる場合も、メンバーの選び方や運営方法などを厳しく規制しているという。報告書に少数意見が添付される習慣もあるようだ。英国には、あらかじめ政府が作成した政策案に対し、あらゆる関係者から意見を募って公開し、それを吟味して決定する制度がある。そうした手法を参考にしつつ、安全確保や政策決定の仕組みを変えていく必要がある。国内だけで決めず、国際的な検証にかけるのもひとつの方法だ。第二の福島原発を出さないために、組織の「共通要因故障」にも注意を払いたい。(889字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━━━
15日;(2)米軍資料収集 北スパイの暗躍を許すな
『北朝鮮からの不正輸入事件で逮捕された在日朝鮮人の自宅から、在日米軍に関する資料が押収されていた。背後関係も含め、徹底した解明と再発の防止が求められる。この資料は「米軍軍事郵便」と書かれた封筒の写真などを印刷した文書類で、「軍事機密書類」を示す記号もあった。郵便物は見つかっていないという。別の容疑者の自宅からは、北朝鮮の秘密警察にあたる国家安全保衛部の幹部と容疑者らが一緒に写った写真も押収された。逮捕された在日朝鮮人らのグループが郵便物をこの幹部に渡していた疑いが強い。このケースは氷山の一角とみられ、北との関係や組織的な諜報活動について、容疑者らを厳しく追及すべきだ。
 北朝鮮は昨年、韓国哨戒艦撃沈事件を起こし、韓国領の延坪島を砲撃した。日本に向けたミサイル発射訓練も繰り返しており、一部は米国にも向けられた。「先軍政治」の北朝鮮が特に狙っているのが、日米韓3カ国の防衛・軍事機密であることは明白である。平成18年1月には、陸上自衛隊の最新型地対空ミサイルシステムに関するデータが朝鮮総連傘下の在日本朝鮮人科学技術協会に流出していたことが発覚した。3年前にも、韓国で脱北者を装った北の女性工作員が韓国軍将校らに近づき、情報を入手して北に送っていた事件が明るみに出た。今回の東日本大震災で自衛隊と米軍が共同で行った大規模な救援・復旧活動の詳細な情報なども狙われている可能性がある。
 在日朝鮮人らの直接の逮捕容疑は、経済制裁で禁止されている北朝鮮からの衣料品を輸入した外為法違反である。日本製の生地を北朝鮮で加工し、中国・大連の企業で「中国製」と偽装したうえで日本に持ち込んだとされる。2年前も、核開発に使える磁気測定装置を東南アジア経由で北に輸出しようとした都内の貿易商社や、ミサイル運搬に転用可能な大型タンクローリーを中国の貿易会社を通じて北朝鮮の商社に輸出した京都府の会社が摘発されている。こうした核・ミサイル技術の流出には、とりわけ徹底した監視が必要だ。(828字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━━━
 1日で映画を2本見てきた。「八日目の蝉」と「阪急電車」。私は予備知識なしに、まず映画館で作品の映画をみた。原作は両作品とも女流作家のベストセラー。映画を純粋な目で見られた。小説が男の作家主流の時代は、男の身勝手は男の勲章となった。女の作家は「女性のサガ」をずばりテーマにする。女性は妊娠により、一方的に重い責任を背負う。
 2つの作品の原点は「男の身勝手」。前者は、女大学生になった主人公が現在と過去の狭間を揺れ動きながら1つのなる話。後者は、「電車内」という劇場風の舞台で、コミック風に展開される。身勝手な男に対する女性が復讐の鬼になるところから話は始まる。
 原作を買って来た。現在、両原作ともベストセラー上位。原作と映画を比較して考えてみたい。映画の企画の意図がなぞらえる様に思える。原作にない、映画的な表現が素晴らしい。映画を創る側の意図が楽しい。好奇心が疼く。映画館で買ったカタログの内容が生きる。(400字)。
 

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2011/05/12

シニアネット 『おいおい』  第1013号

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シニアネット『おいおい』    第1013号  (2011年05月12日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━ 
巻頭俳句  石寒太。静岡県生まれ。毎日新聞社入社。加藤楸邨に師事。
『おでかけ老人』  まわりへの配慮が落ちるのが,加齢の特徴ですね。 
社説要約   米中戦略対話。人権問題は平行線、踏みこめず。
身辺雑記  「五感」を生かして、日常生活をしたいですね。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━
 
震災や木の芽流しの土黒し       石 寒太 (1943-  )

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 2005年4-5月号「俳句あるふぁ」の歳時記365日の5月12日の掲示。東日本大震災の句ではない。一瞬、ドキッとした。
「平地が新緑に輝く初夏。春遅い高冷地に吹く芽吹きを促す暖かい南風を木の芽流しといいます。震災後の地にも、新しい生命をもたらします。」(同雑誌より)。「土黒し」に、自然に対する畏敬の喜びがある。
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┏━━『おでかけ老人』(意見)━━━━━━
 印刷をする為に、ボランテイア相談センターの2階へ行った。1階で清算しようとて、バッグがない。もう一度、2階に上がってみたが、見つからない。いくら探しても私のバッグがない。良く見ると、後から来た人の大きな荷物の下に隠れている。まさか。まさか。
 隣の会議室で、大声を出している「大人」の無神経の犠牲になったらしい。普通、他人の荷物の上に自分の物を置くだろうか。こころしたいところである。

┏━━『サライ 6月号』(雑誌)━━━━━━━
 5月10日発売の6月号。(1)日本の「森」紀行。母親が、「緑の中で深呼吸をしなさい。」が口癖だった。オゾンを胸一杯に吸い込めと。「森紀行」の5企画。(2)琵琶湖路「祈りの里」を訪う。特集第1部 「琵琶湖路」祈りのすがた。仏像と神像の魅力を紹介。

┏━━『語感トレーニング』(文庫本)━━━━━━
 岩波新書1305(4月20日発売)。\720。副題が「日本語のセンスをみがく55題」。Q&Aで「語感」の能力を確かめられる。一気に読み進められる。中村明(1935- )。山形県鶴岡市生まれ。早稲田大学名誉教授。興味のある人は、『日本語 語感の辞典』(岩波書店)。辞書になっているので、日常生活に役立つ。 

┏━━ 社 説 要 約 ━━━━━━━━
ワシントンで開いた第3回米中戦略・経済対話は、終わった。中国の人民元と人権問題が争点になると見られたが、いずれも突破口を開くには至らなかった。ただ、アジア太平洋地域の安全保障に関する米中協議を始めることで一致した。今回も、人権問題は平行線だった。

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━━━
12日;(2)米中戦略対話―「人権」進展なかったが
『初の「戦略安全保障対話」など、米中協調を内外に発信する対話の場としての存在感は強まったといえよう。 経済対話の成果としては、持続可能な成長をめざす「包括的な枠組み」が発表され、米中をグローバル経済に重要な影響力を持つ「世界最大の二つの経済体」と位置づけた。大国の責任を自覚していると中国がみずから認めたものとして、これを受けとめたい。
 人民元については、中国は為替レートの弾力性を高めることを約束した。米国からすれば、人民元の着実な切り上げ表明として受け入れられるものだ。 これに対し、米国は為替レートの過度の変動を警戒すると応じた。膨大なドル資産を持つ中国は急激なドル安展開を恐れていた。米中は双方の通貨に言及することで、対立の激化を何とか回避したとはいえる。 しかしながら、米中間のトゲである中国の人権問題で進展がなかったのは、極めて遺憾だ。米側は中国の人権状況に警告や懸念を表明したが、中国側はまともに受けとめなかった。 中国は人権を多岐にわたる米中間の問題の一つに抑えこみたいのだろうが、それでは米国民の信頼と理解は得られまい。
 一方で、初めて開いた「戦略安全保障対話」は、誤解に基づく衝突などを防ぐための信頼醸成を目的としていて、国防・外交当局者以外に軍幹部も参加した。クリントン氏は「両国関係を計り知れないほど強化するものだ」と高く評価した。 そのうえで、南シナ海の海洋権益をめぐる対立などを念頭に、アジア太平洋地域の共通の利益と課題についての協議を始めることになった。
 米中はこのほかにも、バイデン氏訪中や習近平・国家副主席訪米など外交日程がぎっしりつまっている。月内には日本で日中韓首脳会議がある。フランスではサミットが開かれる。大震災や原発事故への対応に追われる菅直人首相だが、これらを日本復興への決意を示す、外交再起動の契機としてもらいたい。 (773字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━
12日;(1)米中の対話が広がるのは歓迎だが…
『クリントン米国務長官が述べたように、両国軍の武力衝突につながるような「危険な計算違い」を避けるのに役立つとみられ、歓迎できる。今回の対話では初めて両軍の制服組が加わった。そのうえでアジア太平洋に関する第1回の協議を年内に開くと決めた。南シナ海をめぐる対立や北朝鮮の核問題など、この地域には深刻な火種が多い。米中がここに焦点をあてた話し合いを継続的に進める意義は小さくない。ただ、具体的な成果がなければ「会議は踊る、されど進まず」になる。実際、米側が強い関心を示した中国の人権問題に関する話し合いは今回も平行線に終わった。足元で中国の人権状況はむしろ悪化している。安全保障対話が具体的な成果を生むのか、先行きは注視が必要だ。
 経済分野では、焦点の人民元について中国が「相場の弾力性を引き続き高める」と約束した。一方で米側は過度のドル安を防ぐ構えを示した。米国の圧力によるのでなく、中国自らの判断として人民元高が進むことを演出したといえる。中国では4月の消費者物価指数が前年同月比5.3%上昇し、インフレが進行している。4月の輸出が過去最高を記録し、貿易黒字が再び拡大する可能性も浮上している。人民元高は中国の国益に資する。世界的な貿易不均衡の拡大を抑え、世界経済の安定回復にも役立つ公算が大きい。米国が望むほど大幅な人民元高を予想する声は少ないが、中国が柔軟な為替政策に踏み出すことを期待したい。
米側が中国への注文で重視したのが、貿易と投資に関する分野だ。中国は「技術の国産化」を優先的な政策目標に掲げ、外国企業が中国に直接投資する条件として高度技術の移転を求めることが多い。こうした政策は非関税障壁だと米企業は反発してきた。今回、中国が事態の改善を約束したのは成果だろう。ただ、中国で知的財産権の侵害がいつまでも絶えないように、中国の約束はなかなか具体化しないことがある。今後を注視したい。
 中国への技術移転問題は日本企業にとっても悩みのタネだ。貿易・投資の面での日中間の枠組みは、米中に大きく後れをとっている。日本政府は、日本企業が直面する問題に即して、日中間の政策対話や交渉の枠組みづくりを急ぐべきだ。(899字)。

┏━━『身 辺 雑 記』━━━━━━━━
  10日間のGWは終った。樹木は緑を濃くして、鳥や獣は子供を産み育て始める。自然の摂理は素晴らしい。人間らしい生活を戻している。5年間、人間らしい感覚が鈍くなっていた。「サライ」を読み、ラジオを聴き、映画を見る。じっくり、読書をする。10日間は、日常の生活を取り戻して呉れた。
 都会と田舎の情報の格差を痛感した。新刊書を田舎の本屋では時間がかかる。都会の本屋は、求めたい3冊の本を3分で見つけて持って来てくれた。日常の生活の拠点を都会に移し、現在の田舎を職場と考えれば、合理的である。
田舎には自然がある。五感で料理は食べる。五感で遊ぶ。五感で学ぶ。しかし、老人は五感も衰えて来た。残された感覚を大切にしたい。(300字)。

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2011/05/06

シニアネット 『おいおい』 第1012号

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シニアネット『おいおい』    第1012号  (2011年05月06日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━ 
巻頭俳句 稲畑汀子は高浜年尾の次女。日本伝統俳句協会長。自然を守るボランテイア活動推進。
社説要約 「こどもの日」の社説。ソニーの個人情報流失事件。
身辺雑記 夏風邪をひきました。生活が乱れて来たせいでしょう。 
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━
 
原色にだんだん近く夏に入る       稲畑汀子(1931-  )

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 5月6日は24節気の立夏。5月は昼間の時間も長く、1日当たりの日当たりの光の量が一番多いい月。暑さのピークは先だが、太陽からの光は「光る夏」とも言われる。 
 夏は生命力とかエネルギーの極に達する。生物が、自己表現をする夏でもある。「原色にだんだん近く」なるという表現が見事である。暑くなるでない季節感覚に注目したい。生きものだけでなく「原色に」は森羅万象を包含する。例えば、夏の雲の積乱雲の白さ。海の色の青さ。向日葵の黄色等。
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┏━━ 社 説 要 約 ━━━━━━━
 本日は新聞休刊日。こどもの日に関する社説(朝日、読売、毎日、産経)。ソニーの事件(読売)

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━
5日;(2)こどもの日―守ってあげたい
『津波被災地の3県で両親をともになくした子は百数十人。どちらかの親を失った子はその数倍に上ろう。いなくなった友達もいる。現実を受け止められるまで長い時間がかかる。親をなくした子は、出身地近くで親族や近しい人と暮らすのが好ましい。岩手県などはふるさと納税や企業寄付をもとに震災孤児基金を設け、支援をするという。様々な人が見守り「ひとりじゃないよ」と伝え続けることが大事だ。孤児に限らない。不自由な生活の中での通学。進学、就職、故郷の再建。震災のために夢をあきらめるような子どもを出すまい。私たちはそう誓おう。
 気がかりなのは、福島の子どもたちのことだ。 校庭の利用基準を「年間被曝量20ミリシーベルト以下」と決めたことを巡り、内閣官房参与の専門家が「とんでもなく高い数値だ」と批判し辞任した。政府は、科学的根拠に基づき丁寧に説明を重ねるべきだ。子どもの安全はなにものにも優先する。線量測定を密にする、校庭の表土を除去する、といった対策もとってほしい。
 震災の日から、各地の子どもたちが心に不安を抱えて過ごしている。こんな時こそ、学校の役割は大きい。先生がいて授業がありクラスがあって仲間がいる。日常にゆっくり戻ることが心の回復につながる。福島では学校の再開がかなわず、散り散りに転校した所がある。津波では多くの校舎が流され、別の学校に間借りしたり避難所が同居したりと、困難は多い。施設復旧や教員配置で支援を惜しむまい。心のケアでは特に手厚く態勢を敷こう。 そして震災を機に、子どもに何を教えてゆくかを考えたい。危険から身を守るすべは。様々な情報をどう判断するか。社会の中での自分の役割は。伝えるべきは「生きる力」と言ってよい。大人すべての宿題だ。被災地の空を、支援のこいのぼりが泳ぐ。きょう、いとおしい存在を抱きしめる日だ。 (757字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━
5日;(2)こどもの日 被災児の将来を思いやる日に
『健やかな成長を願う日を、被災した子どもたちの将来を考える日にしたい。 東日本大震災後の子どもたちを取り巻く環境は厳しい。高校生以下で480人を超える死亡が確認されている。両親を共に亡くした子も132人にのぼった。岩手県と文部科学省の間で、震災孤児向けの全寮制小中一貫校を作る構想も出た。孤児を引き取って育てたいという里親の申し出も全国に広がった。親類宅などに身を寄せることになった子どもが多い。児童福祉司などの専門家が、一人一人の状況を把握して、最適な環境で生活できるよう支援してもらいたい。
 遺児に対する支援活動を続けている「あしなが育英会」は、震災後に特別一時金制度を新設した。未就学児から大学院生までに10万円~40万円を支給する。対象者は600人を超えた。あしなが育英会は、東北地方での活動拠点を仙台市に作る計画という。震災の遺児が集い、胸の内をはき出せるような施設だ。神戸市でも運営の実績があり、2年以内の開設をめざしている。
 企業も、被災した子どもの支援に乗り出している。三菱東京UFJ銀行と日本ユネスコ協会連盟は、10億円規模の基金を設け、遺児に奨学金を給付する。支援のための情報収集を始めた企業もある。こうした取り組みをさらに広げたい。 被災地には、住まいをなくしたり、親が仕事を失ったりした子どもが大勢いる。遠く離れた県外への転校を余儀なくされたケースも少なくない。そうした子どもたちへの学習支援は、学校だけでは対応し切れまい。NPOや大学生グループなどが支援を続けることが大切だ。教職員やスクールカウンセラーなどが一丸となって、心のケアにも配慮したい。常に大人が子どもに寄り添って息の長い支援を続けたい。(708字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━
5日;(2)こどもの日 新しい文明を渡したい
『出身国の違う9人のサイボーグ戦士たちが、力を合わせて世界平和のために戦う物語だ。9人は別々の超能力を付与されていた。未来の予知、優れた聴力や視力、変身、火炎噴射、水中呼吸など、サイボーグならではの得意技を持っている。彼らが個性を生かしながら力を合わせて、悪と戦うのが魅力だった。忘れてはいけないこともある。サイボーグたちは小型原子炉を持っており、原子力で動いているのだ。この作品に限ったことではない。永遠のヒーローである鉄腕アトムも、銃弾より速く走るエイトマンも、実は原子力で動いている。英雄たちの動力源は、高度経済成長期の日本人が広島、長崎の悲劇を乗りこえて、いかに原子力の平和利用に夢を抱いていたかを示している。
 こどもたちの未来について考える時、文明のあり方に思いを抱かざるをえない。東日本大震災とそれに続く原発事故によって、私たちの文明は根っこから揺さぶられているように思えるからだ。戦後、日本人は科学技術の進歩を支えにした工業力で経済成長を実現し、いくつかの課題を抱えているとはいえ、豊かな国をつくりあげた。これらを可能にするために、電気は大きく貢献してきた。今後もその役割が消えることはないだろう。しかし、今回の原発事故で、私たちの生活が大きなリスクと裏腹に成り立っていることも明らかになった。築いてきた価値観も、見直すことが必要な時期かもしれない。今、新しい文明のあり方を構想することが求められており、こどもたちこそ、そんな世界の主役のはずだ。
 漫画やアニメのヒーローたちの姿は頼もしい。人命を重んじ、人を傷つけず、悪を憎み、弱者の味方をする。ユーモアを忘れず、友情を大切にし、悩みながら前へ進む勇気さえ、教えてくれた。これらの理想はぜひ、次世代に引き継ぎたい。しかし一方で、それを支える新しい文明の形を追い求める必要があるだろう。どうしたら、人間の幸福と安全なエネルギー確保を調和させられるのか。大人はこの問題をしっかりと考えて、バトンを渡したい。かつて夢中になった英雄たちが体現した夢を後世にリレーするためにも。(863字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━
5日;(2)こどもの日 みんなで一緒に上向こう
『「甍の波と雲の波」と唱歌に歌われるように、鯉が見上げる5月の空には例年と変わらぬ「雲の波」がある。が、見下ろす大地には、これまではあったはずの「甍の波」がなくなり、すっかり瓦礫に覆われている所も少なくない。それでも鯉は、被災地の子供や大人が上を向いてくれることを願って懸命に泳ぎ続けている。
 今日は子供の健やかな成長を願う「こどもの日」だ。しかし、震災で犠牲となったり親などの肉親を亡くしたりした子供があまりにも多く、胸の痛みを抑えきれない。原発事故で避難を余儀なくされた子供たちは戸外での遊びもままならず、「よく学びよく遊べ」と教えるのもためらわれる。人生を歩み出したばかりの子供の頃に早くも、このような過酷な環境に置かれてしまったのはとてもつらい経験だろうが、思うに任せない人生を受容することはどこかで、自らの成長につながるに違いない。逆境に立ち向かう彼らの今後の長い道のりを、日本国中のみんなで支えていきたい。
 今回の災禍では、子供らがむしろ大人を勇気づけたというニュースにもしばしば接した。宮城県気仙沼市の気仙沼小学校に設けられた避難所では、小学生を“編集長”とする手作り新聞「ファイト新聞」が、避難生活を送る人たちの励みになっているという。大人を助けて水などを運ぶ子供の姿も各所で見られた。「恩返しに、将来は故郷の復興のため頑張りたい」と話す児童や生徒もいる。助けあい感謝しあうことの大切さを知った子供たちが復興の担い手になるのは、日本の将来に頼もしいかぎりである。
 今日から始まる児童福祉週間の今年度の標語は「おいでおいで みんなで一緒に 遊ぼうよ」である。子供の世界でも今は、「みんなで一緒に」「一人じゃないよ」の思いの輪が広がっている。阪神大震災で被災した神戸市の小学校に通う児童は、福島県に届ける鯉のぼりにメッセージを書き、「神戸も助けてもらったから」と話した。全国の子供が手をつなぐ姿に鯉も、大空できっと大きな目を細めることだろう。(821字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━
5日;(1)ソニー情報流出 ハッカー対策の甘さ突かれた
『ソニーのインターネット配信ネットワークにハッカーが侵入し、世界で合計約1億人の個人情報が漏れた疑いがでている。ソニーはFBIに捜査を依頼したが、ハッカー侵入の経緯を自ら解明し、再発防止策を徹底しなければならない。ハッカーにサイバー攻撃されたのは、ゲームをダウンロードして遊べる家庭用ゲーム機「プレイステーション」向けと、映画・音楽を配信する「キュリオシティ」のネットワークだ。ほかに、別のゲーム子会社からも個人情報が漏れたようだ。ソニーは侵入に対する防御策を講じていたと説明したが、弱点を突かれた。結果的に、防御体制が甘かったと言えよう。利用者は北米を中心に約60か国・地域にも及ぶ。氏名、住所、メールアドレスのほか、ネット配信の利用に必要なパスワードなどが不正に持ち出されたようだ。ネット上でゲームや音楽を購入する際に使うクレジットカード情報の流出も懸念される。カード被害の拡大を食い止めなければならない。
 ソニーは再発防止のため、個人データ保護と暗号化などの安全策を強化するという。しかし、ハッカーの攻撃は年々、手口が巧妙になっている。それに対抗するには、企業側も防衛技術をさらに向上させていく必要があろう。ソニーの情報開示の遅れも、問題だった。米国でのハッカーの動きを確認したのは4月19日で、20日にサービスを停止した。だが、情報漏れの疑いを公表したのは26日と1週間も遅れた。ソニーは公表直前、先行する米アップル社を追撃する初めてのタブレット型端末を発表した。米議会は発表遅れを批判し、ソニーに質問状を送った。
 トヨタ自動車は昨年、リコール問題を巡る対応が遅れたとされ、米議会から厳しく追及された。ソニーはその教訓を生かし、迅速に対応できなかったのか。ソニーは月内にサービスを全面再開する方針だ。しかし、実態解明が遅れると、ユーザーの不信感は消えない。ネット事業を強化するソニーの成長戦略に影響が出るのは避けられまい。(812字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━━━━
 気が緩んだ為だろうか、夏風邪をひいた。厳冬の時には緊張していたせいか、風邪が避けて呉れていたのであろうか。日常生活に締りがなく予定無しの毎日。手帳が不要になって、月の予定は5指に入る。幼児の様な毎日。3食昼寝つきの毎日。長く見なかった映画も話題作は観る。昼間は好きに任せて歩きまわる。タクシーの利用が激減した。
 しかし、昼間寝て夜起きていることが増えた。NHKのラジオ深夜便も復活した。午前5時が、「おはよう」になる日もあり、「おやすみなさい」になる日もある。生活が乱れている。風邪をひく遠因になった。それに寒い日もある。気候の変化に身体がついて行かない為だろうか。死亡欄の高齢者の「肺炎」は気になる。(300字)。

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2011/05/03

シニアネット 『おいおい』 第1011号

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シニアネット『おいおい』    第1011号  (2011年05月03日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━━━━ 
巻頭俳句  石川柱郎は東京都港区生まれ。石田波郷に師事。「てめえの面のある句を作れ」。
社説要約 東日本大震災と憲法。公権と私権利(朝日)。生存権(毎日)。非常時の対策(産経)。
身辺雑記  憲法論議は、改憲派と護憲派の議論であった。現実対応出来れば法整備は不要か。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━
 
憲法記念日裏町長屋見透しに     石川桂郎(1909-1975)

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 昭和29年(1954)の作。自衛隊が発足し、憲法第9条をめぐる論議が始まった。主権在民、戦争放棄、基本的人権の尊重という憲法の柱がぐらつきだした年でもある。庶民の生活は開放的であった。
NHKの放送ドラマ「お父さんはお人好し」が、長屋から筒抜けに聞こえて来る。花菱アチャコの「ムチャクチャでござりますがな」で幕となる。テレビのないラジオと映画が娯楽中心で、今から見れば、平和な裏町風景である。作者が戦後住んでいた東京都町田市能ケ谷のことか。江戸っ子庶民の気風と家業の理髪屋の職人気質が生かされて、軽妙洒落な句である。
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┏━━ 社 説 要 約 ━━━━━━━━━
 3日は憲法記念日。昭和22年(1947)の64年前に憲法発布。東日本大震災で避けて通れない課題。公権と私権の凌ぎ合い。「想定外」では、対処しきれない憲法論議を紹介する。

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━━
3日;(2)大震災と憲法―公と私をどうつなぐか
『日本国憲法が施行された64年前のきょう、日本各地にはまだ空襲の跡が残り、戦渦からの復興は緒に就いたばかりだった。いま東日本大震災に、原発事故が加わり、敗戦後最大の危機の中に私たちはある。被災者一人ひとりの暮らしを立て直し、支えていくことと、被災地を広域にわたって復興し再生していくこと。そこには、「私」と「公」の間にどう折り合いをつけるのかという難題が横たわる。憲法を踏まえた議論を避けて通れない。日を追って明らかになったのは、国民の生命と権利を保障する最後の守護者としての政府の役割である。たとえば、津波で家を流された人々の生活をどうするか。失われた私有財産を国が補償する仕組みはもともと日本にはなかった。阪神大震災や鳥取西部地震などを経て大論争の末に、最大300万円を住宅再建に支給する現行制度ができた。 今回、さらに増額を求める声が出ている。放射能で自宅に戻れなくなる人々は? 政府、ひいては社会でどこまで負担を分かち合うべきなのだろうか。
 重い問いはそれだけではない。すでに被災地では、がれきの中に自力でプレハブを建てる例が出ている。一方、地域再興や防災強化の観点からは、私有地の土地利用を一定程度制限するのもやむをえない場合がありうるだろう。政府は自治体とともに早急に青写真を描き、私権制限がどこまで必要なのか、どのような手法を採るのかを具体的に示し、被災者の理解を得るよう努めなければならない。 こうした公と私のぶつかりあいを、憲法改正で乗り越えてしまおうという議論も改めて出てきている。非常事態条項を新たに盛り込むべきだという自民党内などからの主張である。
 大規模災害時に政府の権限を拡大し、国民の人権を制限する。当然、日本有事への即応に役立てることも念頭にある。 しかしそれは、同時多発テロ事件後の米国で見られたように権力へのチェック機能が失われる危険をはらむ。民主主義体制そのものを浸食しかねない。現行法の枠内でも可能なことは少なからずあるはずだ。そのうえで今の憲法や法体系にどんな限界があるのか、しっかり見きわめる。非常時だからこそ、冷静な姿勢が肝要である。(880字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━━━
3日;(全)大震災と憲法記念日 生命を守る国づくりを
『福島県南相馬市の桜井勝延市長は3月下旬、動画投稿サイト「ユーチューブ」で窮状を訴えていた。高さ20メートルの津波が襲い、南北20キロの海岸から2.5キロ以内の家屋が全壊した。追い打ちをかけた原発事故で人口7万1000人のうち5万人が避難した。残された市民も「兵糧攻め」のような目にあっている。市長は伝統の相馬野馬追のポスターを背に原発事故をめぐる政府や東京電力の対応を批判。食料や物資を、ボランティアの協力を、と呼びかけた。
 ◇生存権と幸福追求権◇ 憲法施行から今日で64年。震災が示した課題について考えてみよう。憲法では13条「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」、25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」とする生存権を再確認する機会である。いずれも平時を前提にしているとされるが、緊急時にこそ国が「生命と最低限度の生活」を支えるのが憲法の要請だろう。次の復興・再生の段階になって一歩進めて被災者の幸福追求権、生存権を十分に生かすことが課題になる。現状を見れば政府のより強力な被災者支援が急務だ。何とか「最低限度の生活」を確保すべきである。同時に、来るべき大地震・大津波から国民の生命を守る備えを進めなければならない。災害に強い日本を作ることだ。
 緊急に必要なのが原発の安全対策だ。地震・津波対策を格段に強化しなければならない。将来、原発で電力の半分を担うという計画も、原発の増設が現実的に困難になっている以上、転換する必要がある。政治、経済はじめ多くの分野で東京に一極集中しているのは危険すぎる。東京が被災すれば日本が立ち直れなくなり、膨大な犠牲者が放置されてしまう。首都機能などさまざまな機能の分散を考える時期である。緊急時に政府が迅速に行動できる態勢を整えることも重要だろう。専門知識と行政手段を持つ官僚機構がフル稼働できるよう環境を整える必要がある。10万人規模の自衛隊出動、米軍によるトモダチ作戦は実績を上げた。しかし震災直後のガソリンや食料などの物資不足、電力不足に伴う計画停電の混乱、原発周辺地域への支援など課題も多く残している。
◇連帯の絆示された◇ 震災当日に原子力災害対策特措法による緊急事態が宣言された。一方で災害対策基本法による災害緊急事態は布告されなかったことには異論も出ている。憲法を改正して緊急事態の条項を入れるべきだとの意見もあるが、その前に現行法制と運用について議論する必要がある。日本は震災前からすでに閉塞的な状況にあった。少子高齢化の進行、巨額の国債、経済の停滞、社会保障の行き詰まり、そして打開の先頭に立つべき政治の機能不全だ。
 弱い政治とは裏腹に、国民の強い連帯の絆が示されたこと、被災地の自治体が首長を中心に力を発揮したことは不幸中の幸いだった。今回も活躍したボランティアがより有効に機能する枠組みも必要だ。経済界などさまざまな組織、団体の力も含め、民間のネットワークを育てていきたい。国のあり方と同時に社会のあり方も、広い意味での憲法の問題として考えていきたい。「この恐るべき強敵に対する国防のあまりに手薄すぎるのが心配」「戦争のほうは会議でいくらか延期されるかもしれないが、地震とは相談ができない」(「地震国防」1931年)。随筆家としても知られる物理学者、寺田寅彦は地震への備えを訴え続けた。「国民の生命を守る」という視点で、80年前の寺田の議論を改めてかみしめたい。(1408字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━━━━
3日;(全)憲法施行64年 非常時対処の不備を正せ
『憲法施行から64年を迎えたいま、戦後日本の国のありようが根幹から問われている。東日本大震災による死者・行方不明者は2万5千人を超えており、国家が国民の生命・財産を守る責務を果たしていないことをみせつけた。その大きな要因は、「想定外」は考えなくてよい、として非常時への備えを欠落させてきたことなどによる。現行憲法の非常時規定は、衆院解散中、「国に緊急の必要」があるときは参院の緊急集会を開催できるとしているだけだ。これでは国家として緊急事態に適切に対処することはかなわない。憲法を含め、国家緊急事態に関する不備の是正が喫緊の課題である。
●突破口は憲法96条改正● 同時に、菅直人首相が緊急時の規定を使おうとしなかったことも、事態をより深刻にしていることを指摘しておきたい。今回の震災でもわかるように、非常時に頼りになるのは自衛隊などだ。自衛隊の奮闘は国民の目に焼き付けられた。だが、自衛隊という国民の財産が十分に活用されているかというと疑問だ。「専守防衛」などのタガがはめられ、初動時の輸送や即応力などに問題を抱えている。憲法上、軍隊としてきちんと位置付けていないことも、自衛官の士気などを損なう結果になっていないか。これだけ必要かつ不可欠な組織を「国民の軍隊」として処遇することが何よりも重要である。憲法改正のハードルはなお高いが、改正を発議する衆参両院議員の「3分の2以上の賛成」を「過半数の賛成」に変える憲法96条のみの改正を求める動きもある。大震災は国のかたちをどう見直すかを国民に突きつけている。
 戦後日本が「想定外」としたのは大震災に限らない。戦争やテロなどもそうだ。4月28日に開かれた超党派の「一院制議連」では、「日本の憲法は都合の悪い事は起きないことを前提にできている」などと問題提起された。「都合の悪い事」を考えようとしない指導者もいる。国防に関する重要事項を取り扱う安全保障会議には、首相が必要と認める「重大緊急事態」への対処が定められている。大震災と東京電力福島第1原発事故はそうした重大事態といえるのに、議長の菅首相は安保会議を開こうとしなかった。開催すれば、議長の首相は関係閣僚のほか各省幹部も加えることができ、政府の各部門が情報を共有する場となる。既存の枠組みを活用しようとしないのである。また、災害対策基本法で定められている「災害緊急事態」の布告も見送られた。この布告により、生活必需物資の配給や価格の決定などが行われれば、今回の震災で問題になったガソリンなどの流通の混乱は是正できたろう。
●私権制限を避け続けた● それでも布告に伴う政令の制定は国会の閉会中などを想定しており、緊急時には機能しない仕組みだ。さらに、内閣府は布告しない理由について、国民の私権の制限を避けた旨を国会で答弁している。いずれの緊急事態対処も絵に描いた餅のようなものだ。なぜ、こうした不備が放置されているのか。一つには憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」との規定があるためだ。他国や国際機関任せにしてきた。
 もう一つは私権を制限する強制措置を避け続けてきたことだ。例えば今回、有事法制である武力攻撃事態対処法や国民保護法の適用は見送られた。その国民保護法では、「国民の協力」を得られるかどうかは「国民の自発的な意思」に委ねられており、私権制限を課すことになっていない。土地収用や物資供出など強制力をもって一時的に権利を制限しなければ、非常事態を乗り切ることができず、国民がより不幸になりかねないことを考えるべきだ。
 憲法論議は、自民党の憲法改正推進本部などが積極的に行っている。平成17年にまとめた党の新憲法草案に非常事態条項を導入することなどを検討している。憲法改正手続きを定めた国民投票法が昨年施行され、憲法改正を発議できる。にもかかわらず、改正原案を審議する衆参両院の憲法審査会はいまだに始動せず、憲法論議に入れないお粗末さだ。非常時を想定外とし、思考停止を続けることはもはや許されない。(1675字)。

┏━━身 辺 雑 記━━━━━
 憲法の改正は現実不能な事である。改正の法整備も安倍内閣という最近のことである。憲法発布から64年。憲法改正論議はされていたが、実際に法的な手続はなされた事はない。憲法論議は、改憲派と護憲派での立場での論議。それでは、どこの条文をどのように改正しようかという段階には至らない。改憲の国民投票の年齢が18歳だが、現在の投票権の20歳の折り合いも未整備だ。
 現実的な法解釈により、憲法は改正されないままに年月が過ぎている。例えば、自衛隊と第9条の問題でも、自衛隊の存在を否定していた共産党も認めている。長い年月の中で、妥当な法解釈により憲法は援用されている。
「想定外」であった大災害に対して憲法が脆弱である事だ。地割れがしたようにパクリと口をあけた。「法律の援用」の不要な「法の精神」で守られている。倫理性高い国民だから、法整備が無くても混乱が起こらない国家といえるだろうか。甘い対策では、大きな負債が待っている。(400字)。

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2011/05/02

シニアネット 『おいおい』   第1010号

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シニアネット『おいおい』    第1010号  (2011年05月02日)
 
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━━━━━CONTENTS━━━━━━ 
巻頭俳句  杉田久女は鹿児島市生まれ。卓越した言語感覚、感性、集中力を備えた天才型俳人。
『おでかけ老人』 高い「泉北高速鉄道」の回数券のばら売りの自働販売機が登場しました。  
社説要約 震災関連社説を並べた。
身辺雑記  GWの狭間で。喫茶店の点描。
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━━ 巻頭俳句 ━━━━━━━━━━━━━━
 
新茶汲むや終りの雫汲みわけて        杉田久女(1890-1946)

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 2日は八十八夜。「八十八夜の別れ霜」。種まきや茶摘みに最適な季節。新緑の季節である。「新茶」は、「走り茶」とも言う。初物を大切にする心使いがある。最後の一適まで「汲みわけて」と。「や」をわざわざ字余りにした。この字余りでリズムが出た。
 GWも明日から後半。毎年、新潟から「蓬餅のちまき」を頂く。蓬の香りを楽しんだ。兼業の多い農家では、このGW期間中に田植機で植え付けが始まる。南北に長い日本列島では、田植えの植え付けは、だんだん北上していく。
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┏━━『おでかけ老人』━━━━━━━━━━
 泉北高速鉄道は、交通費が高いのが有名である。ニュータウン内は安いが外へ出るのは高くつく。御堂筋線の南端の「中百舌鳥」駅を起点とする泉北高速鉄道は、深井―泉が丘―栂・美木多―光明池―和泉中央駅の5つの駅。中百舌鳥駅で、地下鉄御堂筋線と南海電鉄と乗り換え。そこで、「初乗り料金」を取られる。泉北高速鉄道内の交通費は200円台だが、乗り替えたら高い交通費になる。
 「きっぷ名人」なる自動販売機が、登場した。回数券のばら売り。使用期間は回数券と同じ3ヶ月。売れ残ると「名人」も「迷人」となる。設置場所が駅に近いが、なんとなく気持ちが悪い。成功するかどうかは、わからい。自販機の投資と資金繰りがバランスするだろうか。

┏━━ 社説要約(朝日新聞)━━━━━━━
2日;(全)大津波の教訓―自分の命をだれが守るか
『東日本大震災の死亡・行方不明者数は約2万6千人。戦後から昨年までの日本の災害犠牲者をすべて積み上げても、5万数千人だ。その爪痕の深さ、大きさが改めてわかる。 午後2時46分の最初の揺れから津波到達まで30分前後。その間に生死を分けたのは何か。貴重な証言が集まりつつある。
■生死を分けたもの■ 気象庁は2時50分、最初の大津波警報で波高を岩手、福島3メートル、宮城6メートルと予想。防災無線で避難を呼びかける際、その数字を挙げた自治体がある。 「3メートルなら2階に逃げれば大丈夫」と考えた人がいた。気象庁の第一報は、揺れ始めのデータをもとに大急ぎではじき出したものだ。岩手と福島の警報が6メートルに引き上げられたのは3時14分。すでに最初の津波が街を襲いつつあった。 三陸地方は明治、昭和と、何度も津波被害を受けてきた。沿岸自治体はその記録をもとに、浸水の危険区域を示すハザードマップを作り、避難訓練を繰り返してきた。過去の津波の高さを超えた今回は、ハザードマップの浸水区域外にいた人の逃げ遅れが目立った。岩手県宮古市や釜石市では世界有数規模の防潮堤が崩れた。住民には「堤防があるから大丈夫」という過信もあった。
 ▼行政が出す情報▼経験による被害想定▼巨額資金を投じた堤防。それらに引きずられ、頼りすぎたため、想定を超える津波から逃れられなかった人がいたことがうかがえる。 ならば、その想定を見直せ。ハザードマップを作り直せ。堤防を高くし、あるいは津波が絶対来ない高さに街を移せ。気象庁は正確な予測を出せ、とだけ言っていればよいか。
■求められる自助 ■ すべての災害を予測し、封じ込めるのは不可能だ。技術や資金の壁もある。原発のような人工システムは別として、自然災害の想定とは、いわば防御の目標を示すシナリオだ。そうとらえた上で、想定を超えた事態でもギリギリ生き延びられるよう、人間の対応力をも鍛える。行政に過度に依存せず自らの命は自分で守る。できるだけ逃げる。それが、今回の津波の大きな教訓ではないか。
 日本の防災体制は、1961年制定の災害対策基本法で確立した。同法は、国民の生命・財産を保護する国や自治体の責務を明記。以来、公共事業による治水・治山・海岸防護が進み、毎年の犠牲者は飛躍的に減った。行政主導の防災に効果があったといえる。 だが近年の日本は、震災前から「想定外災害」の時代に入っていた。温暖化の影響とされる局地的豪雨の急増だ。避難勧告の間もなく水かさが増え、住民が的確な行動を取れていない。
 1年前、防災専門家が集まった内閣府の検討会で、大雨災害での避難のあり方をめぐる報告が出された。そこでは、防災は行政がやるものとの潜在意識が広がっていると指摘。行政の責任を重要としつつ、「住民の自発的な自助・共助意識の醸成が求められる」と提言した。
■教訓を受け継ぐ ■ 津波から懸命に逃げ、多くの人が自ら命を守ったことにも、目を向けておきたい。 死者・不明が1300人を超えた釜石市では、小中学生約3千人はほぼ全員無事だった。 ある中学は、ハザードマップの浸水域外にあったが、先生の指示を待たずに生徒が「津波が来るぞ」と叫びながら走った。最初の避難場所が危険と分かると、さらに高台を目指した。 釜石市は数年前から群馬大の片田敏孝教授を中心に、実践的な防災教育に取り組んできた。子どもたちに教えたのは次のことだ「揺れたら、とにかく逃げろ。ハザードマップだけに頼らず、状況を見て判断しろ。」。次の世代に教訓を受け継いでゆく責任が、私たちにはある。
 もちろん、行政がすべきことがたくさんある。自助が難しい高齢者が増えていて、その安全確保には特別の支援が必要だ。高台への駆け上がり階段や、海近くの避難タワー整備のように住民が逃げやすくする工夫も要る。より安全な街をつくる手法は、様々に考えられる。 そのために避難行動の検証は欠かせまい。死者の無念の声にも耳を傾ける。あの日、なぜ逃げられなかったか。災害に強い社会への出発点である。 (1640字)。

┏━━ 社説要約(読売新聞)━━━━━━━
 2日;(1)社会保障改革 震災復興と連動して推進を
『大震災が目前の危機なら、少子高齢化による社会保障の制度疲労は中長期的な危機だ。どちらにも、真正面から立ち向かわなければならない。菅首相を議長とする「社会保障改革に関する集中検討会議」が、大震災で中断していた公式会合を再開した。首相は、震災が発生する前に設定した予定を変えず、社会保障と税の一体改革案は6月中にとりまとめる、との方針を表明した。「東日本大震災復興構想会議」も、やはり、6月中に復興プランを打ち出す。社会保障改革と震災復興を、同時並行の形で推し進めるということだ。震災の影響は、社会保障改革に必要な財源確保の道筋作りにも及んでいる。被害額は政府推計で最大25兆円に上る。復興費用の捻出が最優先となる。だからといって、復興にめどがつくまで社会保障の議論を先送りにはできない。安心できる社会を再構築する点で、両者は別物ではなく、むしろ共通している。復興費用の多くは国債で調達することになろう。。
 国民が広く薄く負担するべきものとすれば、消費税率の引き上げを中心に検討せざるを得ない。使途を復興目的に限定した別会計を設けることで、国民の理解を得る手法が考えられる。社会保障改革においてもまた、福祉目的に特化して消費税率を引き上げ、高齢化で膨らむ巨額の費用をまかなうすべはない。そうした観点で震災復興と社会保障改革を進めれば、両者の財源は十分に両立するだろう。ただし、消費税率引き上げのタイミングについては、景気動向に目配りする必要がある。
 被災地では、医療や介護、雇用などを、緊急に再生していかなければならない。その過程で、医師や病院の計画的配置や、やりがいのある雇用の創出、多様な世代が生き生きと暮らす地域づくりなど、社会保障改革に求められる具体像が、おのずと浮き彫りになろう。被災者の生活再建や被災地の復興から得る経験を反映させつつ、社会保障改革を進めるべきだ。(784字)。

┏━━ 社説要約(日本経済新聞)━━━━━
2日;(全)(新しい日本を創る)経営も産業構造も次の成長モデルに
『大震災と福島第1原子力発電所の事故は、日本の産業が抱える構造的な問題を浮かび上がらせた。(1)震災後の輸出が自動車や電子部品の落ち込みで急減したように、稼げる分野がこれら特定の業種に偏っている点だ。(2)日本の製造業が大量の電力を消費し、いまだにエネルギー多消費型から抜け出せていないことである。
●自動車依存から脱却を● 戦後の日本を支えてきた自動車や電機分野に依存した産業構造をいよいよ転換する必要がある。限られたエネルギーで成長できる経営モデルをつくり上げることも欠かせない。サプライチェーンの寸断の影響はとりわけ自動車産業で大きい。トヨタ自動車など完成車メーカーでは向こう6~8カ月間も止まる生産ラインがある。サプライチェーンのすべてで部品の流れをつかむ仕組みをつくる必要がある。同時に重要なのは、経済の成長をけん引する分野をいくつもそろえた多軸型に産業構造を改めることだ。
 日本の産業の主役は1970年代初めの石油ショックを境に、鉄鋼など燃料を大量に使う産業から自動車や電機に移った。日本の自動車、電機メーカーは生産技術や品質管理力を磨いて製品を世界に供給し、国際競争力を高めた。21世紀に入ると自動車メーカーがものづくりの技術を支えに世界で生産拡大。2010年の対米輸出額は自動車・部品が3分の1を占める。だが近年は、鉄道や水道などのインフラ需要が旺盛だ。自動車産業の重要性は今後も変わらないが、自動車に依存した産業構造のままでは日本経済の成長に十分生かせない。経済産業省が昨年まとめた産業構造ビジョンはインフラ輸出、環境、医療などを「戦略5分野」に挙げ、生産額を20年に07年比で約150兆円増やすとした。企業は事業再編や新事業の開発に力を入れ、多様な分野を育ててほしい。
 電力を効率的に使う次世代送電網用の蓄電池や、省エネ型の家電、産業用モーターなど、節電効果の高い製品の市場は一段と有望になる。ビルの空調や照明の電力消費を抑えられるよう機器を遠隔制御するなどのサービスも需要増が見込める。できるだけ少ない工程で生産するなどで設備稼働に使う電力を減らせば、企業のコスト競争力も高まる。
 海外でも原発の新増設に慎重になる国・地域は電力の効率利用を迫られる。省電力型の製品や設備の供給を増やしていくことが国内の空洞化防止と雇用の確保にもつながる。個人消費も省エネ・省資源型に変わり始めた。過剰にモノを買い込まず、簡素な生活のなかで人や社会とのつながりを確認し、安心も手に入れる。近年、主に若者や女性の間で芽生えていたそうした生活様式が、震災を機に共感を広げそうだ。
●個人消費の変化も加速● 石油危機は「無印良品」という世界ブランドを生んだ。企業にとって今の消費者の変化は成長の種だ。モノを持たず、利用だけを楽しみたい人に向けた新サービスが伸び、会員制で自動車を共有する「カーシェア」利用者は1年間で4倍に増えた。「シェアハウス」は5年間で10倍に拡大した。出費は減り、高級車や高機能家電を使え、単身女性は安心、子育て夫婦は互助も得られる。昨年、ネット企業などを通じて中古品売買を経験した20代、30代は7割を超えた。消費者は売却や交換を前提に、長く使え、高く売れるモノを選ぶようになりつつある。新興国と競合しない高付加価値商品を拡販する好機でもある。
 首都圏では「消費を通じ積極的に社会に貢献したい」人が震災を挟み4割から7割へと急増した。被災した県の食品を進んで買う人も多い。環境保護や産地・職人の維持などに配慮する買い物を欧米ではエシカル(倫理的・道徳的)消費と呼び、新たな社会参加と位置づけられる。震災で多くの人が地域や郷土、人との絆の価値を再発見し、生活に本当に必要なものは何かを問い直した。一家に1台から1人1台へ、安く大量に、といった戦後の市場戦略の転換も企業は求められている。(1580字)。

┏━━ 社説要約(毎日新聞)━━━━━━
2日;(1)東北新幹線全通 地域の鉄道の復旧も
『東北新幹線が全区間で運行を再開した。東日本大震災による被害を修復し、段階的に運行区間を拡大してきたが、1カ月半遅れとなったものの、震災の翌日に全面開業した九州新幹線の分を含め、本州の北端の新青森から九州の南端の鹿児島中央まで、新幹線がつながった。阪神大震災の教訓が生かされたことが、短期間での修復につながったのは間違いないだろう。阪神大震災の際には、山陽新幹線の高架橋が倒壊し、復旧に多くの時間を要した。そのため、JR東日本は橋脚に鉄板を巻くなど、倒壊を防ぐための措置をとってきた。その結果、高架橋のほか、橋りょう、トンネル、駅舎の崩落を防ぐことができた。また、地震発生時に初期微動を感知し、本格的な揺れが始まる前に停止動作に入るシステムも有効に働いた。運行中の列車はすべて安全に停車した。在来線でも、津波が到達する前に列車の乗客は避難できた。東北新幹線の列車が安全に停止し、早期に復旧を遂げたことは、世界にもアピールできる点だ。
 東北新幹線の全面運転再開によって、人の移動がよりスムーズになり、被災者の支援や復旧・復興にも大きく貢献するはずだ。また、今回、新青森から鹿児島中央までが新幹線でつながったことは、出はなをくじかれた形となった九州新幹線にとっても、改めて全面開業をPRできる機会となるはずだ。
 新幹線の復旧の一方で、次の課題となるのが被災した在来線の復旧だ。JR東日本の路線だけではない。より深刻なのは、かつて旧国鉄から切り離され、第三セクターで運営されている路線だ。収益基盤が弱く、流された線路や橋りょうなどを自前で復旧できるだけの体力はないからだ。地域を走る鉄道の姿は、復旧・復興を象徴し、人々の心の支えにもなるだろう。被災した地域の復興をどのように進めるのかが大きな課題だが、その中で鉄道をどう位置づけ、復旧を支援するのかについても、真剣に取り組んでもらいたい。(788字)。

┏━━ 社説要約(産経新聞) ━━━━━━━
2日;(1)安藤の世界一 誰かのために戦う強さを
『東日本大震災の影響で開催地を東京からモスクワに移したフィギュアスケートの世界選手権で、安藤美姫選手が優勝した。彼女を世界一に押し上げたのは、「日本のために滑る」という強い気持ちだった。安藤選手は大会前から、「日本の、被災地のために滑る。一人でも多くの人に笑顔になってもらいたい」と話していた。昨年の覇者、浅田真央選手がジャンプの不調に悩み、久々の競技会だった。ショートプログラムの2位から逆転で優勝した安藤選手の演技には、会場を魅了する祈り、癒やし、希望があった。世界選手権の勝因を、安藤選手は「日本のことを考えて滑った。それが今までと大きな違い。強い気持ちでリンクに立てた」と語った。
  プロ野球の楽天が田中将大投手の力投で地元での初戦を勝利で飾り、Jリーグの仙台は、これまで一度も勝ったことがない浦和に快勝した。楽天の嶋基宏選手会長は試合後、スタンドのファンに「何のために僕たちは戦うのか、はっきりしました。この1カ月半で分かったことがあります。それは、誰かのために戦う人間は強い、ということです」と語りかけた。安藤選手の優勝は、嶋選手会長の言葉を実証する快挙でもあった。スポーツの世界だけではなく「誰かのために戦う人間は強い」という言葉をかみしめたい。
 大震災から、50日を超えた。だが、被災地の傷跡はあまりに深く広範囲で、復旧、復興には相当の時間を要するだろう。不自由な避難所生活を送っている被災者も数多い。震災直後の、被災者のことを思う気持ちは薄れていないか。誰かのために戦うことは、自らも強くする。そう信じて国難に立ち向かっていきたい。(671字)

┏━━身 辺 雑 記━━━━━
  GWの真中の2日は週日。朝から郵便局に振り込みや年賀状はがきの交換をして来た。21日の地元の「みどりのつどい」の連絡に、隣の駅に出かけて昼食をした。中華料理を食べた。店の中は繁盛している。一人の老人が多い。子供連れの家族はわずかに1組。街が高齢化しているのだろうか。食後,馴染みの喫茶店に寄る。ここも、老人が7-8人たむろして大声で話している。
 話の内容はタイガースが中心。日本の現状についての深刻な話は出ない。男子も女子もいる。どういう集団かは分からない。想像力を旺盛にして、いろいろ空想をしていた。人数が多すぎる様だ。そこへ、一人の老女が入って来た。注文しないのにコーヒーが配ぜんされた。常連の様だ。(300字)。
 
 

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