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2009/07/31

シニアネット 『おいおい』    第860号

━━senior citizen net━━━━━2009/07/31━

 シニアネット 『おいおい』        第860号
 
━━━━━━━━━━━━行動に役立つ情報紙━

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 通り抜けだけのデパート土用東風      鈴木真砂女

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31日は、「土用二の丑」の日。「土用東風」は夏の土用に吹く東風で、同じ頃吹く北風の「土用あい」に比べると夏らしい風が吹く。外は、「土用東風」が吹いているが、昼間は灼熱地獄。デパートの冷房は、寒い位に効いている。そのデパートの冷房にあたり、「通り抜けるだけの」通行をする。勿論、買物はしない。昼間は、お客がいないから、店員が挨拶をしてくれる。消費の落ち込みは急激である。
「土用東風」は気持ちよく晴れた雲一つない青空に吹きわたる東風を青東風とよぶ。高気圧の配置により季節風であり、盛夏の風である。日本人の繊細な美意識の証である。季語の選択眼のよさは、日常生活がつについいているためだろう。生活感覚の新鮮さと表現の切れ味の良さ。千葉県鴨川市生まれ。(1906-2003)。

┏━━(社説)18歳成人━━━━━━━━
◎民法上の問題は妥当◎
 法制審議会の民法成年年齢部会が、民法上の成人の年齢を20歳から18歳に引き下げることを適当とする最終報告書をまとめた。公職選挙法も改正して選挙年齢も18歳にそろえるのが望ましい、としている。

31日;朝日社説(2)18歳成人―実現へ課題克服の努力を
 http://www.asahi.com/paper/editorial20090731.html?ref=any#Edit2
『今回の報告書は民法に限っての検討をまとめたもので、妥当な判断だと思う。選挙権の年齢も引き下げることが前提になっている。こちらの方の検討も急いでもらいたい。 欧米など多くの国々では、選挙権や成人年齢は18歳となっている。こうした国と比べ、日本の若者の成長がとくに遅いとも思えない。憲法改正の判断はできるのに、国政選挙などの投票は認めないというのも無理がある。 少子高齢化が進む中で、税金や社会保険の負担は若い世代の肩に重くのしかかっている。彼らの声をより広く、政治に反映したい。ただ、世論調査では、こうした年齢の引き下げには反対論が結構多い。 まだ自立していない。未成熟。そんな印象が根強いのだろう。だが、20歳をとうに過ぎても子どものような態度が抜けない大人はいる。
 そもそも20歳を成人と定めたのは明治時代だ。それからの教育制度の発展や民主主義の成熟といった社会や政治の激変を考えれば、20歳という線引きがどこまで有効なのか、疑わしい。 成人しても親離れしない子ども、あるいは子離れしない親もいるだろう。成人年齢の引き下げをきっかけに、精神的にも経済的にも自立した個人を増やす社会につなげたい。それには、政府も国民もそれなりの費用と努力を払う覚悟がいる。家庭や学校で、18歳を目標に据えて、子どもたちの成長を促していく仕組みや制度を作り上げる必要がある。
 法制審部会の報告書は、悪質なマルチ商法などの被害者にならないよう、消費者教育と支援制度の充実を提言している。こうした手だてもしっかり講じなければならない。民法以外にも、成人年齢が関係する法令は300を超す。飲酒や喫煙も18歳から認めるのか。少年法の対象から18・19歳を除くべきか。年齢だけでは割り切れない事情も絡む。一律に整合性を求めることはないだろう。報告書は、いつから成人年齢を引き下げるかは国会の判断に委ねた。丁寧な合意づくりが大事だというのはもっともだが、実現に向けて課題を乗り越える積極的な努力を国会はすべきだ。

31日;毎日社説(1)成年18歳 じっくり合意目指そう
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090731ddm005070036000c.html
『「社会への参加時期を早め、若者の大人としての自覚を高めることにつながる」とする報告書の指摘に共感し、効果を期待する人は多いはずだ。国際化が進む折、先進諸外国が成年を18歳に引き下げていることも考慮されねばならない。一方で、内閣府の昨年の調査に約8割が反対したように、引き下げには根強い不安があることも確かだ。進学率の上昇に伴って18歳の大多数が就学中で親に扶養されているのが実情だから、親権から離れることに現実味がない面もある。最近の若者には、早い自立よりも親の保護下にいることを望む性行も認められる。
 成年を変更すれば300を超す法令に影響が及ぶというが、関係法令ごとの具体的な適正年齢の再検討が不可欠だ。法制審部会が婚姻年齢を男女とも18歳にそろえるべきだ、と結論づけたのは男女平等原理や最近の結婚観などには合致しているが、異論が生じる余地はあるかもしれない。成年を引き下げるとしても、喫煙や飲酒などの年齢要件を変更することが、社会の要請にかなうとは考えにくい。いわゆる年長少年を少年法の対象から外すことの可否も、少年の人権と非行の実態を踏まえつつ慎重に検討されねばならない。
 法制審部会が成年の引き下げには若者の社会的、精神的な自立を促すための公的な仕組みが必要、としたのも当然で、小中学校段階からの徹底した教育や指導が求められる。法制審部会は反対論を意識してか、法改正の時期は国会の判断に委ねるとしたが、本来、時期だけでなく成年のあり方なども、国会で特別委員会を設けて慎重に論議すべき課題だ。国民生活の根幹にかかわる一大改革となるだけに、拙速は禁物だ。将来的には18歳成年を目指して、じっくりと国民のコンセンサスを作り上げたい。

31日;産経社説(2)18歳成人 国民の合意形成に努力を
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090731/trl0907310311000-n1.htm
『成人年齢を2歳引き下げることになれば、多くの課題や問題点も出てくる。成人年齢の引き下げについては、これまで国会などで深く議論されてきたとはいえず、国民の意見もバラバラなのが現状だ。内閣府がちょうど1年前に行った世論調査でも、引き下げに否定的な意見が多数だった。特に70歳以上の高齢者に多く、年齢が低くなるほど引き下げ支持が増える傾向は見られたものの、それでも慎重論の方が大勢だった。法制審の部会が、成人年齢引き下げの議論を始めたのは、憲法改正手続きを定めた国民投票法が2年前に成立したことがきっかけだ。その中で投票年齢は18歳以上とされ、付則で、来年5月の同法施行までに公職選挙法と民法が定める選挙権や成人年齢の規定についても引き下げるよう検討を行うと定めたからだ。
 報告書でも指摘しているように、少子高齢化が進む日本にとって、成人年齢の引き下げによって若者の「大人への自覚」が芽生え、自立心の向上が期待できる。また、クレジットやローンなどの金銭的契約を独自に結べる年齢層が広がれば、経済活性化にもつながるだろう。しかし一方では、高額取引や悪質業者からの勧誘による消費者トラブルの被害拡大などを懸念する声もある。飲酒・喫煙など年齢制限を設けている法律は、政令も含めると300以上もある。少年法も20歳未満となっている。これらの法令と、どう連動させるのか。成人年齢の引き下げは、国民の社会意識や社会構造を大きく変える。国民の合意形成にこれまで以上の努力が求められる。

┏━━(社説)MSとヤフー提携━━━━━━
◎日本の対応は◎
米国のマイクロソフト(MS)とヤフーがインターネットの検索・広告事業で提携すると発表した。IT(情報技術)市場の中心がパソコンからインターネットに移る中で、先行するグーグルを両社で追撃する狙いだ。IT産業の主役の座をめぐる米企業の戦いは日本にもインターネット対応の見直しを迫っている。マイクロソフトのネット事業は赤字続きだ。最近は主力の「ウィンドウズ」の基本ソフト(OS)事業にも陰りが生じている。一方、グーグルは北米の検索サービス市場で6割以上のシェアを握り、事業を広げている。マイクロソフトとヤフーのシェアは合計で3割近くだが、マイクロソフトが資金や技術を提供し、ヤフーがネット広告の営業を担い、事業を拡大しようという戦略だ。

31日;日経社説(1)日本のネット対応問うMS・ヤフー提携
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090730AS1K3000530072009.html
『両社の提携により、グーグルの独走が目立つネットサービスに新たな選択肢が増すなら歓迎できる。グーグルは検索以外にも電子メールや地図、写真、予定表など個人にかかわる膨大な情報を蓄積しており、秘密主義への批判が少なくない。一方、両社の提携は日本が抱える問題点も浮き彫りにした。事実上の2強体制が生まれれば、ネット事業における米企業の優越性がさらに増す。今後、ネットでソフトやデータを提供する「クラウドコンピューティング」の技術開発などで日本企業が後手に回りかねない。
 ネットサービスで米企業への依存が一層強まれば、日本の情報がさらに米国に蓄積されることになる。2001年の同時テロを機に成立した「愛国者法」により、米政府は有事には3社に情報の開示を要求できる。だが日本の政府はそうした情報開示を求める権限がなく、利用者も検索手順などを知らされていない。ネット市場で日本が遅れた背景には様々な要因がある。自前技術にこだわる日本企業は、米国が開発したインターネットをなかなか受け入れようとしなかった。検索するには情報を取り込み、索引を作る必要があるが、日本の著作権法は最近までこれを違法コピーとみなしていた。多くの検索が米国のサーバーから提供されているのはそのためだ。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━
 年寄りに囲まれているせいだろうか、とみに年寄りくさくなった。まず、書く文章が、年寄りくさくいて、老人の主張。バランスが取れてない。若い人に接していた2006年の「おいおい」を開いてみた。文章に生気がある。内容が新鮮である。夢があり、未来がある。単に、肉体的な衰えだけではない。精神的に、老化してしまったのか。
 「社説をおちょくる」には、若さがなければならない。未来に希望を持ち、現在に満足してはいけない。未来を実現するために現在とのギャップをどう埋めていくか。そのためには、何をどうするかがの工程表を作成することだ。マネジメントである。このPDCAが、欠落している。
政治が閉塞状態になっているが、自分も閉塞状態になっているのに気付いた。展開がない。物分かりの良いジィーさんではいけない。良心にしたがわなければならない。出来るだけ、多くの人に会いたい。話を聞きたい。そして、話をしたい。そして、新しい未来を拓きたい。(400字)。

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2009/07/29

 シニアネット 『おいおい』      第859号

━━senior citizen net━━━━━━2009/07/29━

    シニアネット 『おいおい』      第859号
 
━━━━━━━━ ━━行動に役立つ情報紙━━━

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驟雨来ぬ蝉は両眼濡らし啼く       山口誓子

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昭和16年(1941)作。「驟雨」とは、夕立のこと。自選自解によると、「その驟雨の中の木で蝉が鳴いている。雨が激しいのに、声を断たず、鳴きつづけている。その声を聞いて、私は鳴いている蝉を想像してみた。蝉は、膛(みは)った両眼を、激しい雨に濡らしながら鳴いているようであった。雨にもめげず鳴いているのだ。それに、蝉は両眼を雨に濡らして、快感を貪っているようであった。」
昭和23年(1948)に、「天狼」を創刊した。「酷烈なる俳句精神を標榜し、即物具象による構成・構造の新風を樹立、ここから現代俳句の大きな流れが生まれることになる。」(『現代俳句大事典』より)。山口波津女は妻。下田実花は実妹。伊勢市に山口誓子の俳句館がある。京都市生まれ。(1901-1994)。

┏━━(社説)安心と不安━━━━━━━━
◎若い人への投資を急げ◎
高齢社会を支える土台はつねに現役世代である。その「支える力」の衰えが深刻だ。少子化で労働人口が減っているうえ雇用の不安定化が進み、若い人たちの所得は細るばかりだ。 派遣労働者など非正社員は、働く人の3人に1人を占めている。年収200万円以下の労働者は1千万人を超えた。これらの人々は中高年になっても、なかなか賃金が増えない。 不安定な所得のため健康保険の保険料が払えず、正規の保険証を取り上げられた世帯が100万を超す。国民年金の保険料未納は20代後半で5割だ。

29日;朝日社説(1)論点・安心と負担2―若者への投資を急がねば
http://www.asahi.com/paper/editorial20090729.html?ref=any
『社会保障の財源の多くは、現役世代が保険料や税金で負担している。日本の総人口1億2千万人は、半世紀ほどで9千万人を切り、4割が65歳以上になる。いま現役3人で1人の高齢者を支えているが、1.3人で1人を支えることになるという。 担い手の肩にきわめて重い負担がのしかかるというのに、若い世代の貧困化が進む。生活が不安定なために結婚や出産をためらう。そんな若者の増加が少子化に拍車をかけている。 このような負の拡大再生産を放置すれば、社会は早晩立ちゆかなくなる。社会保障の崩壊を食い止めるには、現役世代の「支える力」を高めるための策を今すぐ大胆に打たねばならない。日本では、若い世代への支出が不十分だ。社会保障給付費89兆円のうち7割が高齢者の年金や医療で、児童手当や保育などの子ども対策は3%。国内総生産(GDP)の1%に満たず、フランスの3分の1以下だ。
 今回の総選挙では、やっとこれらの課題に光が当たった。与党は、収入の低い世帯にも所得再分配の機能が働く給付付き税額控除や、幼児教育の無償化を提言する。民主党は子ども手当や高校教育の無償化を打ち出した。求職中の人々を支援する「第2のセーフティーネット」が今夏始まり、その充実や継続も重要な論点になりそうだ。 働く能力を高めたり、働く場を提供したりする政策の強化も必要だ。仕事を辞めずに子育てや介護を続ける環境をつくることも重要である。正社員と非正社員の給与格差を縮め、同じように働けば同等の賃金や待遇が保障される仕組みを導入することも早急に検討しなければならない。
 若者が「支える力」を持てるようになるには、この世代の困窮者を支える対策だけでなく、雇用のあり方を変え、保育や教育をもっと社会全体で担うといった総合的な取り組みが要る。若者への賢い投資。それができないと、確かな社会の明日は見えない。

┏━━(社説)働く高齢者━━━━━━━━
  ◎具体的な提案を◎
 麻生太郎首相が日本青年会議所主催の会合で「高齢者は働くことしか才能がない」などと発言した。高齢者の気持ちを逆なでしただけでなく、高齢者雇用問題への認識の浅さを露呈したものと指摘せざるを得ない。その後、麻生首相は「私が申し上げたいのは、元気で活力ある高齢者が多いということ。この方々には働く機会を与える。それが活力ある高齢化社会なんだ」などと釈明した。

28日;毎日社説(1)働く高齢者 首相は釈明より提案を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090728ddm005070028000c.html
『総論として「活力ある高齢化社会が日本のめざす方向だ」と指摘、これに成功したら「世界中、日本を見習う」と述べている。麻生首相は高齢者が安心して働くことができ、それが社会の活力を生み出すような施策を示すべきだった。目指すべき高齢社会を描き、その道筋を示すことが国の指導者の役割ではないのか。そもそも日本の高齢者の働く意欲は欧米に比べて格段に高く、働いている人も多い。内閣府の「高齢社会白書(08年版)」によると、60代前半層では男性の7割、女性の4割が、また60代後半層では男性の5割、女性の3割が働いている。生活費の確保も大きな理由だが、「健康維持」や「知識、技能を生かしたい」という人も増えている。65歳以上の人口は今後も増え続け同時に少子化も進む。高齢者は現在は総人口の5人に1人だが、2055年には2・5人に1人となる。
 今必要なことは、中長期の展望に立った長寿社会対策である。その重要な柱は高齢者の雇用対策だ。意欲ある高齢者が長く働き続けることを規制している定年制の見直しが当面の宿題だ。年齢差別が禁止されている米国では定年制がない。日本でも定年制廃止を主張する労働経済学者らもいる。高齢社会における定年制のあり方について議論を急ぐべきである。麻生首相の「活力ある高齢化社会」の提案に異論はない。必要なことは、国のトップとして、実現に向けた道筋を示すことである

┏━━(社説)竜巻被害━━━━━━━━
 ◎十分な警戒を◎
九州北部や中国地方西部では19日から記録破りの豪雨が続き、土砂崩れや増水などで25人を超える死者がでている。気象庁は「平成21年7月中国・九州北部豪雨」と命名した。27日には関東北部で新たな気象災害が起きた。群馬県館林市内で竜巻が発生し、約20人が負傷したほか、屋根が壊れたり、窓が割れたりするなど400棟以上が被害を受けた。

29日:産経社説(1)竜巻被害 荒れる気象から身守ろう
htp://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090729/dst0907290302000-n1.htm
『スーパーの駐車場では、何台もの車が横転し、風の強さを物語った。住民は「空が暗くなり、ジェット機が発するような音とともに風が旋回し、瓦やトタンなどが飛んだ」と証言した。この日は大気が不安定な状況になっていて、気象庁は群馬や栃木、埼玉の各県で「竜巻注意情報」などを出していた。そうした気象条件下での発生だった。竜巻注意情報は、昨年3月に始められた。積乱雲の下で発生する竜巻だけでなく、ダウンバースト(下降噴流)などの突風が起きそうなときに発表される。局所的な現象なので的中率は高くないが、十分な警戒が必要だ。予報で発生の可能性がある日には、天候に注意したい。上空が急に暗くなったときなどには外出を見合わせたり、外出中なら頑丈な建物の中で様子をみたりするといった用心深さが求められる。
 天気予報には敏感でありたい。近年の気象は、荒々しくなり、災害は激甚化の傾向を強めている。背景には地球温暖化による気候変動があり、異常気象はますます増加していくはずである。岡山県美作市でも19日に降雨の中、竜巻らしき猛烈な突風が走り抜けて住宅や倉庫が壊れ、住民が負傷している。車を100メートル先の水田に飛ばす威力だった。
 日本での大型竜巻としては、平成18年11月に北海道の佐呂間町で9人の命を奪った災害が記憶に新しい。このときは寒冷前線の通過で積乱雲が発達し、激しい雨とともに襲っている。梅雨前線の豪雨は、まだしばらく油断できない。洪水や土砂災害とともに、竜巻などの突風にも細心の注意を払いたい。竜巻は台風に伴っても起きやすい。今年は約5000人の犠牲者をだした伊勢湾台風から50年にあたる。防災技術は進んだが、気象災害もその猛威を増している。

┏━━(コラム)酒とコーヒー━━━━━━━━━
 29日;日経コラム「春秋」より
 http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090728AS1K2800328072009.html
『宗教を酒に、哲学をコーヒーに例えたのは寺田寅彦である。「宗教は人を酩酊させ、官能と理性を麻痺させる」から酒。「コーヒーは官能を鋭敏にし、洞察と認識を透明にする」から哲学。よほどのコーヒーびいきだったとうかがえる。▼仕事が行き詰まってしまった時、コーヒー茶わんの縁が唇と触れようとする瞬間に頭の中に一道の光が流れ込み、やすやすと解決の手掛かりを思いつくことがしばしばある。こう述懐した寅彦は物理学者だ。コーヒーの効能と酒の酔いは違うと言いたかったのか、「客観のコーヒー主観の新酒哉」と詠んでもいる。▼コーヒーにはがんや糖尿病などの予防効果があると言われているが、先日の本紙には認知症の予防にも有効かもしれないとの記事があった。アルツハイマーを病んだマウスにカフェインを1カ月摂取させると、迷路で迷わなくなったり、脳内にたまった病気の原因とみられるたんぱく質の量が減ったりしたそうだ。
▼これでコーヒーを飲む理由が増えた。といって万能薬でないのは、カップに唇を触れようが胃に流し込もうが、頭に光一筋流れ込んでこないこと再々の一事をみるだけでよく分かる。酩酊と主観の味にもひかれるから、一杯のコーヒーと新酒とどちらも大切。そう書いて、言い訳じみていなければいいのだが。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━
 すっかり、政治離している。「不満の自民党」と「不安の民主党」では、熱くなれない。マニフェストが、発表になっても興味がわかない。選挙期間中は、株価が上昇するだろう。経済の回復には興味がわく。選挙が終われば、政治の将来に不安が広がり、株価は下落するだろう。こんな図式が描かれる。
政治が安定に向かえば、株価も上がる。政治が安定して、政治に不安が伴わないことを願ってやまない。そうなれば、政治に興味も戻ってくることだろう。夏も終わり、秋が来る頃には、どちらになっているだろうか。
輸出依存の経済であるから、輸出の回復で決まる。内需の消費の力が弱く、すぐに回復するとは思えない。経済の明るい光りの兆しを願いたい。(300字)

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シニアネット 『おいおい』    第858号

━━senior citizen net━━━━━2009/07/26━

    シニアネット 『おいおい』    第858号
 
━━━━━━━━━━行動に役立つ情報紙━

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  風鈴や見馴れたれども淡路島       山本梅史

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大阪府の堺市から兵庫県の淡路島が、海の向こうに見えている。「見訓れた」淡路島が、今日は新鮮に見える。風鈴の音のせいだろうか。淡路島が、日常的に見えた時代の句で、内海を渡る潮風に風鈴が鳴っていたのだろう。作者の後を受けた神戸市の医師五十嵐播水は、<風鈴や刻々暮るる淡路島>と詠った、
「風鈴」の音を涼しく感じるのは、まことに東洋的である。金属、ガラス、陶器、貝殻などで作られる。南部鉄、江戸風鈴は有名。冷房で、風鈴を楽しむこともなくなった。
作者は、地元堺市の新聞の記者を経て、1911(明治44年)『堺新報』を独力で創刊。1916年。同紙に「白鳥俳壇」を設ける。191年2月堺市に高浜虚子を迎えて歓迎句会を開き、関西ホトトギス派結集の機運を作る。代表句は、<ひとときの時雨先立つ御幸かな>。『堺音頭』の作詞者。大阪府堺市生まれ。(1886-1938)。

┏━━(社説)サイバーテロ攻撃━━━━━━
◎平素から、基本を守り、対策をして置こう◎
米国や韓国の政府系ウェブサイトなどが先日、大規模なサイバー攻撃の標的になった。日本では被害は報告されなかったが、対岸の火事だと高をくくってはいられない。  攻撃はDDoS(分散型サービス妨害)と呼ばれるものだ。何者かが韓国を中心とする2万台のパソコンにウイルスを感染させた結果、各パソコンがいっせいに標的のサイトに自動アクセスしてパンクさせた。 北朝鮮の関与を疑う声もあるが、介在するものが多数になると足跡が消され、首謀者にたどり着くのは難しい。

26日;朝日社説(2)サイバー攻撃―電子時代に身を守るには
http://www.asahi.com/paper/editorial20090726.html
『内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)は「DDoSを完全になくすのは難しい」という。今回の被害は、狙われたサイトへの接続が難しくなる程度ですんだが、重要な役割を担うサーバーが機能不全に陥ってしまうと、深刻な実害につながりかねない。しっかり対策を講じておきたい。すぐにでもできるのは、サイバー攻撃の「共犯者」にならないよう、パソコンを持つ一人ひとりが基本動作を怠らないことである。 政府の推計では、類似のウイルスに感染しているパソコンが国内の家庭やオフィスに30万台もあるという。ウイルス対策ソフトでこまめに点検したり、基本ソフトを最新版に更新したりして、発見や予防に努めたい。
 サイトをもつ官公庁や企業の防衛策は、さらに重要になる。 あらかじめサーバーを複数の場所に分散させる。サーバーの心臓部であるCPUを複数にしておく。こうした防衛策でリスクを減らす必要がある。悩ましいのは、そういう守りを厳重にするほどコストがかかることだ。攻撃の際に予想される被害の深刻さや復旧の難しさとの兼ね合いから、どの程度の防衛策が必要かを冷静に検討しておかなければならない。地震や新型インフルエンザなどを想定し、業務被害や復旧を考える事業継続計画(BCP)をつくる動きが官公庁や企業に広がっている。そこではサイバー攻撃も想定しておくべきだ。
 いまや私たちの生活は、ネットなしには立ちゆかない。 今後も政府は「i(アイ)―Japan戦略2015」で、行政や医療、教育など幅広い分野でデジタル技術の活用を図っていくという。自宅からいつでも役所の証明書や年金記録などを入手できるようにするものだ。 だからこそ、万が一の時の打撃が計り知れないことを肝に銘じたい。

┏━━(社説)科学五輪━━━━━━━
◎さらなる工夫した教育を◎
国際科学オリンピック(科学五輪)で日本の高校生が生物学で1つ、数学で5つ、物理で2つの金メダルを獲得した。生物学での「金」は今回が初めてである。若者の理数離れが懸念される中、うれしい快挙だ。特別の才能を伸ばす教育は日本が苦手としてきた課題だ。科学立国を支える人材を育てる教育を充実させる弾みにしたい。毎年、7月中下旬ごろ行われている。将来の科学者などになる才能を育てる目的で、教科書の内容を超えた問題が出題される。実験や解剖など実技もあり、得点上位者の一定割合にメダルが贈られる。

26日;産経社説(2)科学五輪 才能伸ばす教育の充実を
http://sankei.jp.msn.com/science/science/090726/scn0907260400000-n1.htm
『日本は数学五輪に約20年前から参加しているが、ほかは生物学が5回目の参加など経験が浅い。生物学五輪は日本で初めて開催され、4人の代表のうち千葉県立船橋高校3年、大月亮太さんが金メダル、ほかの3人も銀メダルの好成績だった。数学五輪でも筑波大付属駒場高校3年生が満点を取るなど合計得点の国別順位で過去最高の2位となった。ただ喜んでばかりもいられない。科学五輪は近年、中国が上位を独占し、今回の3分野も国別順位は中国が1位だった。韓国、インドなどアジアのライバルも上位を占め、日本は生物学で6位、物理は11位にとどまった。中国は優秀な生徒を選抜、特訓するなど徹底したエリート教育を行っている。国情は異なるが理数の人材育成は国力にかかわるものだ。文部科学省は5年前から科学技術振興機構を通じ大会参加者への助成など支援を始めた。
 科学五輪のような取り組みに熱心でなかった背景には、エリート教育を嫌う悪平等の体質が教育界に根強いことが挙げられる。生物学で金メダルを取った大月さんが通う高校では授業で資料集を教材にしている。進歩の早い生物学の分野では日本の教科書は内容が古く薄すぎるという。また教室で生徒が疑問を持てば、すぐ質問をし、教師と膝を交えて討論できる習慣づくりも徹底している。秀でた才能を見いだし、育てるには教師らの力も欠かせない。好奇心に応える教材や指導法、大学入試の改善など、偏差値優等生だけでない、未来の才能を育てる教育をさらに工夫すべきだ。

┏━━(社説)地上デジタルテレビ━━━━
 ◎遅れを取り戻せ◎
放送のデジタル化という国の大事業が、正念場にさしかかっている。テレビ電波をアナログから完全にデジタルに移行させる2011年7月24日まで、あと2年を切った。だが、一般の視聴者側の対応は遅れ、予定通りの移行に黄信号が灯っている。デジタル化は放送が高画質になるだけでなく、限られた電波の効率的な利用にもつながる重要な政策だ。国や関係業界、自治体は連携し、対策を強化すべきだ。

26日;読売社説(1)地デジ完全移行 アンテナ改修の遅れで黄信号
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090725-OYT1T01012.htm
『地デジに対応したテレビは、日本の6割以上の世帯に普及した。エコポイント制度の後押しもあって、このところ、出荷台数も前年より3割近く増えている。だが、テレビを買い替えるだけでは地デジ放送は見られない。自宅のアンテナで受信する場合、改修には工事費込みで2~5万円かかる。この方法でテレビを見ている2000万世帯のうち、400万世帯で工事が必要である。さらに大きな問題は、複数世帯が使う共同アンテナの改修だ。 ビルや高架線路に阻まれて電波が届きにくい地区では、住民とビルの所有者などが費用を分担してアンテナを立てている。マンションやアパート、山間部用も含めると、全国には200万本以上の共同アンテナがある。電波増幅器の付け替え費用も含めると、共同アンテナの改修に200万円以上かかる場合もある。だが、デジタル移行後にどのような形で受信障害が出るかわからないため、費用分担の話し合いすらできないケースが多い。
 これでは地デジ対応が進まないのも無理はない。国は受信障害対策の共同アンテナの改修に対し、世帯当たりの負担が3万5000円を超えた場合は一部を助成する制度を始めたが、まず重要なのは実態の把握だろう。どの地域でアンテナの改修が必要なのか。受信障害が予想される場合、原因はどこにあるのか。どうすれば費用は安く抑えられるのか。実地調査を進め、きめ細かい対応をすることが肝要だ。
 アメリカは予定より遅れたものの、6月にデジタル化を終えている。ドイツ、オランダなど欧州の主要国も移行を済ませた。民主党も2年後の完全移行に向け、政府・与党と同様、地デジ対策の強化を公約している。衆院選の結果がどうあれ、地デジ移行の流れに変わりはないということだ。政府はその意義や現状を根気よく説明し、視聴者の理解を得るよう努めてほしい。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━
 麻生首相の失言は、だびたびなので話題にならなくなった。このたびの「高齢者差別発言」は許せない。長寿国の総理としての発言とは思えない。本当に「生老病死」がお分かりですか。統計的には、満65歳以上70歳までを前期高齢者、満75歳以上を「後期高齢者」と定義する位もご理解されてない様だ。
 学習を開始するには年齢はなく、生涯学習には年齢は無いはず。80歳になっても生涯学習は必要である。また、シニアが働くことしか能がないとはひどい。シニアにもいろいろで、楽しい人生をおくられている高齢者は多い。麻生首相が、政治の世界の事をおっしゃったのなら理解できます。
今回の選挙にも、後期高齢者がおられます。中山太郎(84・自民)、綿貫民輔(82・国民新)堀内光雄(79・自民)、海部俊樹(77・自民)、渡部恒三(77・民主)、井上喜一(77・自民)、島村宣伸(75・自民)。この人たちの事を指摘されたのですね。それなら、失言ではありませんよね。(400字)

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2009/07/24

シニアネット 『おいおい』 第857号

━━senior citizen net━━━━2009/07/24━

    シニアネット 『おいおい』    第857号
 
━━━━━━━━━━行動に役立つ情報紙━━

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 河童忌の庭石暗き雨夜かな      内田百閒

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小説家芥川龍之介の忌日。昭和2年7月24日に自殺した。享年35歳。昭和10年(1935)に業績を永遠のものにするために、芥川が制定された。生前、好んで河童の絵を描いたから,忌日を「河童忌」という。夏目漱石の門下生。俳句は高浜虚子に師事し、小説と同様に洗練された典雅な作風を求めた。俳号は「我鬼」、別号「澄江堂」といった。その死を思うと暗さがつきまとう。はんもんした文学者の苦しみが、「庭石暗き雨夜かな」で表現されている。
作者は、漱石の門下生。小説家・随筆家・俳人。俳句はオーソドックスな作風。随筆に『百鬼園随筆』がある。文人俳句で挙がる、久保田万太郎、太宰治、室生犀星。岡山市生まれ。(1889-1971)。

┏━━2010年7月24日━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  当紙の創設は、2001年7月23日(文月のふみの日)。2年後は、テレビの地上波放送の終わる日である。その記念すべき日が、当紙の10周年記念日になる。あと2年、元気で発行を続けたい。5紙の新聞論説をおちょくりながら、生きながらえたい。
新聞の論説を読む人の読者数は、論説委員の数と同数と揶揄されている。小紙は、常に700人台を保持している。小紙の愛読者に支えられて、あと2年頑張りたい。変わらぬ御支持をお願いします。

┏━━(社説)民主党の外交━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎民主党の現実路線◎
本当に、悔い改めるのか。民主党が、曖昧さを残しながら、現実路線を展開した。自民党と歩調を合わせて、外交問題は責任を果たすのか。朝日、読売、毎日はノーコメント。
衆院選で政権交代を目指す民主党が、今月中のマニフェスト(政権公約)発表に向けた作業を活発化させている。マニフェスト原案としてまとめた「政策集INDEX2009」では、国連安保理決議に基づいて北朝鮮船舶に対する貨物検査を実施する方針も明記した。政権獲得後には、外交・安全保障政策で現実的な対応をとろうとする姿勢の表れと受け止めたい。だが、憲法改正問題をはじめ、どう取り組むのか不明確な課題はまだ多い。財政健全化は目標年を定めておらず、年金財源に充てる消費税は4年間、税率(5%)を引き上げないという。これでは政権全体の方向性が見えない。

24日;日経社説(1)あいまいさを残す民主党の政策集
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090723AS1K2300223072009.html
『民主党が月内にも衆院選のマニフェスト(政権公約)を正式発表するのに先立ち、21分野の重点項目を列挙した政策集「インデックス2009」を公表した。「官僚支配の打破」という主張に沿った方策を盛り込み、外交や安全保障では現実路線にカジを切る姿勢も打ち出した。ただ、全体としては数値目標を避けたあいまいな表現が目立ち、政権を目指す党としてさらに議論を深める必要がある。政策集は消費者、政治改革、税制、厚生、環境などの分野ごとに、個別テーマへの基本的な立場を明らかにした。マニフェストを補完する位置づけで、分量はA4の紙で50ページに及ぶ。
(1)行政改革では「与党議員が100人以上、大臣・副大臣・政務官等として政府の中に入り、中央省庁の政策立案・決定を実質的に担う」と明記した。与党の税制調査会を廃止し、財務相の下に政治家による政府税調を新設する方針も打ち出した。
(2)目玉政策である高速道路の無料化は「原則として無料」としつつ、渋滞路線は「社会実験(5割引き、7割引き等)を実施して影響を確認しつつ無料化」との手順を示した。
温暖化ガスの削減問題では「2020年までに1990年比25%、2050年までのできるだけ早い時期に60%超の排出量削減」と意欲的な目標を掲げた。
(3)財政運営への基本姿勢は、依然として踏み込み不足の印象が強い。消費税率の引き上げは、年金改革や社会保障目的税化の必要性を強調する一方、「引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受け、具体化する」との言及にとどまっている。
(4)財政健全化では、国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を図り、債務残高の国内総生産(GDP)に対する比率を着実に下げるとしたが、具体的な目標の達成時期には触れなかった。
(5)外交や安全保障では、反対してきたインド洋での給油活動への対応を明示しなかった。海賊対策でも自衛隊の派遣を容認するなど、政権獲得後をにらんで対外政策の継続性を重視する姿勢は歓迎したい。とはいえ、外交・安保は党内に様々な意見を抱え、いまだに議論が生煮えの印象は否めない。憲法改正も「慎重かつ積極的に検討する」というだけではいかにも迫力不足だ。
 自民党はマニフェストの検討作業が大きく遅れている。政権の座を争う二大政党の公約が出そろわなければ、政策論争は深まらない。少しでも早く公表することを求めたい。

24日;産経社説(2)民主党政権公約 現実路線選ぶなら歓迎だ
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090724/stt0907240336000-n1.htm
『この国をどうするのかを、自民党と鋭く論じ合うために十分な内容を、マニフェストに盛り込んでおく必要がある。貨物検査特別措置法案は、解散により廃案となった。国会終盤、民主党は早期成立に協力せず、国連や国際社会に厳しい対北朝鮮制裁措置を求めておきながら、日本の法整備ができない状況を招いた。民主党が態度を明確にしたのは評価できなくはないが、まず廃案にした責任を総括すべきだ。
 このほか、民主党は海賊対処法に反対していたが、ソマリア沖での海賊対処活動は継続する姿勢を示した。インド洋で補給支援を行う海上自衛隊を「即時撤収する」との従来の方針も引っ込めた。また在日米軍の裁判権などに関する日米地位協定について、従来は「抜本的改定に着手」としていたものの、「改定を提起」にとどめ、米国との対決色を薄めた。ただ、党内向けの説明では、日米地位協定を含めて「従来の方針に変わりはない」としている。沖縄・辺野古地区への移転で日米が合意した米軍普天間飛行場を県外へ移設する考え方も不変だ。
 日米同盟の維持・強化は、マニフェストの文言をいじってすむような軽い問題ではない。同盟強化には集団的自衛権の行使容認問題も絡む。憲法改正への姿勢をあいまいにしたままでは、民主党が日米関係をどれだけ真剣に考えているのか疑問を残すだろう。一方の自民党は党内混乱のあおりで作業が遅れている。一部の幹部が水面下で作業する手法にも批判が出ている。麻生太郎首相は遊説先を考える前に、解党的出直しにふさわしいマニフェスト作りの陣頭指揮に立つべきだろう。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「それはないだろう!」。民主党の外交問題に関する現実的転換だ。厚い顔の面の皮をひんむいてやりたい。自民党政権が、総裁を4人もかわる遠因の外交問題である。衣の下の鎧を出した。朝日新聞より引用する。
「民主党は23日、衆院選マニフェスト(政権公約)の土台となる2009年版政策集を公表した。6月当時の原案にあったインド洋で給油活動を行う海上自衛隊の撤収を削除し、期限内の派遣を容認。マニフェストにも反映する。政権交代が視野に入り、現実路線にかじを切った。民主党は自衛隊海外派遣について、これまでインド洋での給油活動に反対。原案段階にあった「海自の給油活動を終了」も削った。 民主党が政権についた後も、期限内の派遣は容認した形だ。今後は給油活動の根拠である補給支援特措法の期限の、2010年1月以降も続けるかどうかが焦点となる。北朝鮮対策として、原案にはない「国連安保理決議にもとづく貨物検査の実施」を明記。先の国会で、民主党が貨物検査特措法案の審議に応じず、廃案になったという麻生首相らの批判をかわし、衆院選後に法整備を目指す姿勢を示した。」
 外交問題を、「政策でなく」、「政局に利用していた」ことだ。卑劣な「国を売る政党」といえる。外交問題を、政局に利用して、いかにも政府がゴタゴタしているように見せかけたのは民主党ということになる。自民党は、「無視する」方針かも知れないが、責任政党として許してはいけない。選挙の争点だ。(600字)

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2009/07/23

シニアネット 『おいおい』   第856号

━━senior citizen net━━━━━━2009/07/23━

    シニアネット 『おいおい』        第856号
 
━━━━━━━━━━━━━行動に役立つ情報紙━━

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  青竹に空ゆすらるゝ大暑かな    飴山實

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23日は大暑。この後、「立秋」までの15日間は暑さが最も厳しく、盛夏とも酷暑とも言う。自然界のエネルギーがみなぎる季節である。大暑の「大」の1字には、人間を圧倒する自然の力がみなぎっている。「大暑」は、力強い印象を受ける。青竹の先がゆらぎ、青空をゆすっているかのように見える。
作風は、「晩年は珍奇なという意味での新しさでなく、新鮮とう意味での新しさに関心を持って、古格を視野に入れつつ現代に探りをいれるようになっていった。」(『現代俳句大事典』より)。石川県小松市生まれ。(1926-2000)。

┏━━(社説)山口県豪雨━━━━━━━
◎「危険区域」とは、「災害情報の伝達とは」が問われる◎
21日に中国地方を豪雨が襲い、山口県防府市の特別養護老人ホーム「ライフケア高砂」を土石流が直撃した。高齢者7人が死亡・行方不明となっている。なぜ、これほど多くのお年寄りの命が奪われたのか。防府市の雨量は1時間に70.5ミリ、24時間で257ミリという、すさまじいものだった。一般に1時間で20ミリ、降り始めから100ミリを上回ると、土砂災害に警戒が必要とされる。今回の豪雨は、その水準をはるかに超えていた。

23日;読売社説(1)中国地方豪雨 危険区域に特養ホームとは
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090722-OYT1T01230.htm?from=any
『あまりに痛ましい惨事だ。ライフケア高砂は1999年に開設された。約100人の入所者は、車いすが必要な要介護度3以上の高齢者である。問題は、この特養ホームが立っている場所だ。防府市郊外の山あいにあり、山口県が昨年3月、土砂災害防止法に基づく「土砂災害警戒区域」に指定した。特養ホームが開設されたのは警戒区域に指定される以前だが、施設を建てるにふさわしい立地だったかどうか、疑問が残る。
 警戒区域内では、高齢者や障害者などが利用する施設には、市町村から災害関連情報が伝達されることになっている。ところが、当日は県などが数回にわたって土砂災害警戒情報を発していたのに、防府市は特養ホームに伝えていなかった。市の災害対策本部がこの地区に避難勧告を出したのは、被害発生から5時間近くも後だった。なぜ、情報が伝わらず、対応が遅れたのか、原因を詳しく検証する必要がある。ただ、警戒情報が円滑に伝達され、避難勧告が早く出ていたとしても、特養ホームの惨事が防げたとは言い切れない。 自力では避難できない100人もの高齢者を豪雨の中、警戒区域外に移すのは困難だったろう。山口県は周辺に砂防ダムを建設する予定だったが、間に合わなかった。
全国には、土砂災害の危険がある老人福祉施設や病院などが約1万3800か所もある。このうち防災工事が進められているのは4300か所に過ぎない。一段と危険度の高い「特別警戒区域」では、都道府県知事が建物の移転を勧告し、そのための資金支援を行う仕組みがある。警戒区域でも、特養ホームのような施設には弾力的に適用し、積極的に移転を促すことも検討すべきではないか。

23日;朝日社説(1)土砂災害―的確な情報が命を守る
http://www.asahi.com/paper/editorial20090723.html?ref=any#Edit2
『全国に52万カ所ある土砂災害危険個所のうち、高齢者など防災上の配慮が必要な人たちが利用する施設が立地している事例は約1万4千カ所もある。しかし、砂防ダム建設など災害予防のための整備を終えているのは、このうち3割に過ぎない。防府市の土石流が起きた川の上流では、来年度中に砂防ダムが着工される予定だった。高齢者の福祉施設などは市街地に土地を確保できず、中山間部など危険なところに建てられるケースも多いだろう。危険度の高い場所を「土砂災害警戒区域」などに指定し、住宅建設などに一定の制限をかける土砂災害防止法が8年前に施行された。指定作業が終わった地域は全国でまだ4割に満たない。今回の特養ホームの一帯は昨年3月、警戒区域に指定されていた。 警戒区域については、市町村が地域防災計画の中で避難態勢を定めることになっている。ところが、防府市内の警戒区域は600カ所近くあり、特養ホームの一帯は未策定のままだった。
 近年、局地的な集中豪雨による水害や土砂災害などが各地で相次いでいる。今回も、防府市では災害発生前の1時間雨量が観測史上最大の72.5ミリを記録した。国土交通省はこれまで把握が難しかった「ゲリラ豪雨」を予報できる観測体制を強化している。今回は、土砂崩れの危険を予想する警戒情報が県や気象台から3度出されていた。ところが、想定外の雨量のために防府市の対応は混乱し、その情報を特養ホームに伝えていなかった。防災情報などが的確に伝わらなければ、避難準備も遅れる。市が落ち着いて機敏に対応していれば、犠牲はもっと少なくてすんだのではないか。 自治体による避難勧告や避難命令のタイミングは常に難しい。だが、自治体は普段から住民とも話し合って準備し、過去の災害例を参考に早め早めに判断してほしい。これから台風シーズンを迎える。被害が広がる時期を前に、自治体には防災対策の総点検を求めたい。

23日;毎日社説(1)山口豪雨 生活環境の点検を急げ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090723k0000m070138000c.html
『ホームは土砂災害警戒区域内に立地し、危険性が指摘されていただけに、何か救う方策がなかったものかと悔やまれてならない。この惨事は、山国日本では決して対岸の火事でない。同様の災害は全国各地で繰り返される危険がある。というのも、地球温暖化の影響か、「短時間強雨」の発生が増加を続けているからだ。気象庁の全国のアメダス観測地点で1時間に50ミリ以上の雨量が観測された回数は、昨年は250回。最近11年間の平均は239回で、86年までの11年間に比べ、1.5倍に増えた。台風や熱帯低気圧の強度も増大し、洪水などの危険は年ごとに深刻化している。
 高齢化は自然災害が発生しやすい過疎地域ほど切実で、06年の国土交通省調査によると過疎地域の約6万2000集落の1割強で住民の過半数が65歳以上となり、約4300の集落では住民全員が高齢者だ。内閣府の調査では中山間地の約1万7000の集落は自然災害があれば道路が寸断され、外部からのアクセスが困難になるという。2000年の東海豪雨の際、高齢者世帯が避難に要した時間は平均2時間半で、若い世代と同居する世帯より1時間余計にかかったとの報告もある。過疎地域に住む高齢者らには危険が切迫している。
 自治体などは早急に管轄内の危険地区を再点検して、ハザードマップを作製したり、きめ細かな避難誘導計画を立てることが急務だ。「短時間強雨」に備え、首長による避難勧告、命令は空振りも覚悟で早めに出し、そのことへの共通認識を広げる必要もある。砂防ダム建設などの対策には限界があるだけに、危険性が高い地区については集団移転なども視野に入れた思い切った施策を検討し、人的被害を全力で防止したい。

23日;産経社説(1)山口県豪雨 想定外の災害にも警戒を
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090723/dst0907230340001-n1.htm
『日中の惨事で、昼食後、部屋で休んでいたお年寄りが逃げ遅れた。入所者の3分の1が90歳以上という同施設では、マニュアルをつくり避難訓練を年に数回、行っていたという。だが施設理事長は「一気に襲われ助けることができなかった」と話す。防府市などには地方気象台から21日朝、「土砂災害の危険度が非常に高い」と警戒情報が出されていた。午前には1時間で観測史上最大の降雨を記録、夕方までの24時間に1カ月分とほぼ同じ量が降った。専門家も「250年に1度の豪雨」と認めている。施設周辺は法律に基づき県が土砂災害警戒区域に指定していたが、自治体が避難を呼びかける前に土砂が襲った。
 山間地に建つ高齢者福祉施設は少なくない。短時間に大量の水や土砂が押し寄せる土石流災害への対応に油断はないか、災害が起きやすい気象時などの自治体からの連絡を含め、防災や避難態勢の再点検が急務だ。また災害発生の際、避難先になる学校や病院などの施設についても、周辺の状況を含め再点検を速やかに行ってほしい。梅雨前線の活発化などによるこの時期の豪雨災害は、過去にも各地で起きている。局地的なゲリラ豪雨や記録的な豪雨の背景には、地球温暖化がある。また土砂崩れが多発するのは、山林の荒廃で保水力が落ちてしまう環境悪化が要因だ。今回の山口県などのように、豪雨災害の経験が少ない地域ではどうしても災害への危機感が薄く、対策は遅れがちだ。自治体などは予想を超えた自然災害が増えているとの認識を新たにし、総合的な防災への取り組みを進めねばならない。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━
  人間生きている限り、学習を継続するとことだ。年齢の高低は問わない。生きている限り、生涯学習の姿勢を崩さないことだ。シニアが学べる場所は増加している。趣味とか、習い事は充実している。講師も生徒も多い。カルチャー・センターの延長で、公共の講座も盛り沢山だが、生活の知恵を学習の場が少ない。例えば、ボランテイア活動のマネジメントとか、NPOの経営問題とか。
 知性を伸ばす、「知を学ぶ」場としてのアカデミックな場である。単に知識の蓄積ではなく、知恵の蓄積である。21世紀は「知の時代」とか、「知性の時代」と期待されているが、見えてこない。創造性を涵養する場がない。「形式知」でなく、「暗黙知」の学習である。
「適塾」のように、先輩が後輩を指導しながら、人格を鍛える「集団学習」方式が、理想の様だ。「めだかの学校」かもしれない、誰が先生か、生徒だかわからない。知性豊かな講師の話を、1コイン位で学べたら素晴らしいだろう。

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2009/07/22

シニアネット  『おいおい』   第855号

━━senior citizen net━━━━━2009/07/22━

  シニアネット 『おいおい』      第855号
 
━━━━━━━━━行動に役立つ情報紙━━━

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 新しき蚊帳さらさらと鳴りにけり    長谷川櫂

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平成19年作。「蚊帳(かや)」を知らない世代が増えている。夜寝るときに蚊を防ぐために部屋に吊る。麻や木綿製であるが、殺虫剤の普及により使われない。「蚊帳」には懐かしさがある。あの夏の夜の郷愁は伝えにくい。部屋に吊られた小さな空間の楽しさがあった。子供たちは、蚊帳に入るとわくわくした。夏の必需だったが、家庭から消えてしまった。「新しき蚊帳」が、「さらさらと鳴る」は、蚊帳を吹く夜風の涼しさが伝わる。
作風は、「眼前の風景を的確にいいとめ、言葉や季語を生き生きと働かせる鋭利な感覚は生得のものであるが、第3句集『果実』の頃から、人々との交流の中から詠む句が多くなった。」(『現代俳句大事典』より)。朝日新聞俳壇選者。熊本県宇城市生まれ。(1954- )。

┏━━(社説)総選挙━━━━━━━━━━
  ◎政党の対立軸が曖昧だ◎
衆院が21日解散された。衆院選の日程は、8月18日公示、30日投開票だ。戦後の日本政治を率いてきた自民党政治になお期待を寄せるのか、それとも民主党に国を託すのか。この国の統治の立て直しを誰に託すか。これが最大の焦点だ。しかし、単に政権の争奪だけに目を奪われてはなるまい。投開票までは40日間という長丁場だ。有権者はその間、各党の政策を十分吟味してもらいたい。内も外も大転換期である。

 22日;朝日社説(全)衆院解散、総選挙へ―大転換期を託す政権選択
http://www.asahi.com/paper/editorial20090722.html?ref=any
『■失われた20年を超えて■ 小泉首相の郵政選挙から4年。衆参のねじれで思うにまかせぬ国会。かつて日本の強みだった「一億総中流」とは似ても似つかぬ格差と貧困、雇用不安、疲弊する地方。そこに世界的な大不況がのしかかり、社会はきしみを深めている。 「自民党を壊す」ことで自民党の延命を図った劇薬も、それなりの効用はあったが、賞味期限は短かった。 官庁縦割りの政策や予算。政官業のなれ合い。行政のムダ。霞が関への中央集権。温存された矛盾を何とかしなければ経済危機への対応も難しい。それを国民はひしひしと感じている。 日本が寄り添ってきた米国の一極支配はもうない。多極化した世界で、G20や米中のG2が重みを増す。中国の国内総生産は今年中に日本を追い越しそうだ。
■堂々と政権公約選挙を■世界の経済秩序、アジアの平和と繁栄、地球規模の低炭素社会化に日本はどう取り組んでいくのか、日本自身の構想と意思を示してほしい。 民意が今の流れのままなら、民主党政権誕生の可能性は高いだろう。確かに、政権を代えてみたいという期待は強い。だが懸念や不安もある。民主党の言う「脱官僚」の政策決定の仕組みができれば、永田町や霞が関は大変わりだろう。経済界や民間にも影響が及ぶ。混乱は最小限に抑えられるのか。この変革の先にどんな民主主義の姿を展望するのか。ばらまき政策に財源はあるのか。外交政策もあいまいなところが多すぎる。
一方の自民党が踏みとどまるには、みずからの長い政権運営の歩みを総括し、生まれ変わった「政権担当能力」を示すことだ。マニフェストづくりを急ぐ各政党に強く訴えたい。政権を選ぶ材料として、取り組む政策の優先順位を明確にしてもらいたい。 なすべきことは多く、資源と時間は限られている。公約の説得力を有権者の前で競う「マニフェスト選挙」にしなければならない。それを政権選択選挙の当たり前の前提にしたい。
■民主主義の底力を示せ■ 選挙後の勢力図次第で、政局は予断を許さない。自民党内からは政党再編論が早くも聞こえてくる。自民も民主も基本的に差はない、危機には国を挙げて、という理屈だ。しかし、政権交代しやすい小選挙制度を導入して15年。民意が政権公約に基づく選択でそれを機能させようというところまできたのに、いきなりその選択を無にしようという発想はいただけない。複雑な大変化の時代だからこそ、選択の結果を大事にしたいというのが有権者の思いではなかろうか。本紙の世論調査では、政権を与えた党の実績が期待はずれなら次は他の政党に、という人が6割にのぼる。政党間の不断の競争と緊張。民意によって与党にも野党にもなる。重要政策で妥協が必要ならば、開かれた国会の場を使うことだ。有権者もこの間、多くを学んだ。
一時のブームや「選挙の顔」よりも、政権公約の内容、実行の態勢、指導者の資質を堅実に判断することの大事さだ。口に苦くても必要と思えば受け入れる覚悟がいることも。 この選挙で課題がすべて解決するわけがない。だが、まずは民意の力で「よりましな政治」へかじを切る。日本の民主主義の底力を示す好機だ。2009年の長い夏、目を凝らして日本の明日を定めたい。

22日;読売社説(全)衆院解散 政策本位で政権選択を問え
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090721-OYT1T01049.htm
『◆政治の安定をどう築く◆ 民主党優位が伝えられている。民主党の鳩山代表は「第1党で政権交代」を目標に掲げている。民主党は、衆院で過半数を制しても、参院で単独過半数を確保していないため、社民党や国民新党と連立政権を組むという。これで安定した政治を行うことができるのかどうか。一方、自民、公明の与党はこれまで、衆院の3分の2以上の多数による再可決で、「ねじれ国会」をしのいできた。今回の選挙で、これだけの議席を確保することは不可能だろう。いずれにしても、衆参両院による意思決定をいかに円滑に進めるかという難題が、政治に突きつけられることになる。
◆明確な国家像を示せ◆ 今、多くの国民は、不況に苦しみ、少子高齢化社会への不安を募らせている。対外的には、軍事大国化する中国や核武装を急ぐ北朝鮮など、我が国周辺の安全保障環境の悪化を懸念している。各党は、国民の不安解消に向けた処方箋を示す必要がある。確かに、政権公約で政策の達成期限や数値目標を示すのはいい。だが、より重要なのは、日本をどのような国にしていくのかという「国家像」の提示である。鳩山代表は、21日の両院議員総会で、「明治維新以来の官僚主導政治」からの転換を強調した。 だが、「政治主導」を実践するといっても、官僚を説得して動かすだけの政治力が伴わなければ、混乱するだけだろう。
◆政策に財源の裏付けを◆ 岡田幹事長は「財源なくして政策なし」と語っている。民主党は、財源を明示し、国民の合点が行く政権公約を作り上げるべきだ。政権公約は、各党とも有権者の歓心を買うものになりがちだ。だが、そのツケはいずれ有権者に回る。大衆迎合的な公約を競うことは、避けなければならない。民主党は、最近になって、鳩山代表は、給油活動を当面、継続する考えを表明した。政権交代を視野に入れ、外交の継続性から現実的方向に政策転換するのは当然のことだ。一方、自民党は、政権公約作りが遅れている。党内の混乱と政策上の路線対立からだ。
一部に、独自の公約を掲げて選挙を戦う動きもくすぶっている。麻生首相は、21日の両院議員懇談会で、自らの失言や政策をめぐる発言のぶれについて、反省の意を表明し、東京都議選など地方選の連敗についても、陳謝した。自民党にとっても、肝心なのは政策だ。世界同時不況の下で、政府・与党が打ち出した矢継ぎ早の経済対策の検証が重要である。首相は、衆院解散を決定した閣議で、「安心で活力ある社会を実現しなければならない」と決意を表明した。
◆「責任政党」が試される◆「責任政党」を標榜するなら、消費税率引き上げなどについて、明確な方針を打ち出すことが必要だ。「4年間は消費増税しない」としている民主党との対立軸の一つになるだろう。年金、医療など社会保障や、新たな日米関係をはじめ、対北朝鮮など安全保障問題についても、政策論を戦わせてほしい。自民、民主両党のどちらに「政権担当能力」があるかは、そこから自ずと見えてくるはずだ。

22日;日経社説(全)政権選択選挙の名に恥じぬ政策論争を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090721AS1K2100121072009.html
『●独自公約は許されない● 昨年9月に「選挙の顔」として党内の圧倒的な支持で選ばれた麻生首相も、自らの発言のぶれや日本郵政社長人事などでの政権運営の迷走が相次ぎ、内閣支持率の大幅な低下を招いた。自民党にとってかつてない逆風の下での選挙戦となる。首相は21日の記者会見で自らの失言や党内の結束の乱れを陳謝した。そのうえで「景気の回復と安心社会の実現を約束する。総選挙は安心社会実現選挙であり、国民に問うのは政党の責任力だ」と強調した。
解散されたにもかかわらず、自民党は政権公約の骨格すら示していない。各党は事実上の選挙戦に突入したが、政権公約なしで、自民党候補は一体何を訴えるのだろうか。首相は早急に政権公約をまとめなければならない。首相がこだわる将来の消費税率の引き上げを公約に盛り込むことには、党内に異論が残っている。年金や医療制度などの社会保障改革は待ったなしだ。政調各部会の要望を並べたような政権公約では、有権者の支持は得られまい。首相に批判的な議員の間では、党とは異なる独自の政権公約を掲げて選挙を戦おうとする動きがある。これは政権公約と党首(首相候補)を比べて政権を選ぶという衆院選の趣旨に反する行為であり、容認することはできない。独自の政権公約を訴えるなら、潔く離党して新党をつくるのが筋である。
こうした動きが具体化したら、党執行部は公認取り消しなどの断固たる対応を取る必要がある。 民主党が候補者向けに配った主要政策のポイント解説集には、月額2万6000円の子ども手当、高校授業料の無償化、高速道路無料化、ガソリン税などの暫定税率廃止、農業の戸別所得補償制度の創設などの目玉施策が列挙されている。これらの新規施策をすべて実施するのに必要な財源は16兆8000億円と見込み、無駄遣いの削減で9兆1000億円、埋蔵金の活用で4兆3000億円ひねり出すなどとしている。
●ばらまき懸念ぬぐえず●  しかし無駄遣いの削減などで本当に巨額の財源を生み出せるかは不透明なままだ。選挙目当てのばらまきとなる懸念はぬぐえない。民主党は政権公約で財源の裏づけをくわしく説明する必要がある。子ども手当の創設に伴い、所得税の扶養控除や配偶者控除を見直す方針だが、増税などの負担増についても実のある論戦を期待したい。 
民主党政権が実現した場合の大きな不安要素は、外交・安全保障政策だ。インド洋上での海上自衛隊の給油活動については、小沢一郎前代表当時に「憲法違反」と断じて反対した経緯がある。日米関係などに禍根を残す判断だった。鳩山由紀夫代表は政権獲得後も即時撤退はしない考えを表明した。現実的な外交路線に修正する試みかどうかを注視したいが、社民党は反発し、波紋が広がっている。北朝鮮の核開発問題など選挙後に直面する外交課題は山積している。安定した政権を築くには、説得力のある外交・安保政策を示すことが不可欠だ。民主党政権ができた場合、共産党は一致できる政策には是々非々の立場で協力する「建設的野党」を目指す方針を打ち出した。与党の公明党や、民主党の連立相手に想定される社民、国民新両党も党の姿勢を明確にして選挙に臨んでもらいたい。

22日;毎日社説(全)衆院解散 総選挙へ=政権交代が最大の焦点だ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090722k0000m070118000c.html
『◆結束にほど遠い自民◆ 党内は結束とはほど遠い状態で、首相が陳謝しないと収まらないところに今の追い詰められた姿が表れている。圧勝した05年の衆院選から4年。なぜ、こんな事態に陥ったのか。郵政民営化のみを争点に掲げた前回は、反対を押しのけて進もうとする当時の小泉純一郎首相に多くの有権者が「政治が変わるのでは」と期待したのは事実だろう。ところが政治はさして変わらなかった。続く安倍晋三元首相は郵政造反議員を続々と復党させた。迷走はここに始まる。小泉改革路線を進めるのか、転換するのか。自民党は今に至るまできちんと総括してこなかった。 
そして国民に信を問うことなく次々と首相が交代し、場当たり的な対応をしてきたことが、現在の党内混乱の要因でもある。安倍氏は憲法改正路線に軸足を置いた。だが、その間に国民の暮らしに直結する「消えた年金」問題が深刻さを増して、07年7月の参院選で自民党は惨敗。福田康夫前首相も1年で政権を投げ出した。そして、経済危機を理由に解散から逃げてきた麻生首相が今、低支持率にあえいでいる。「首相の資質」まで問われる有り様だ。だが、「人気がありそうだ」と首相を交代させ、その後は選んだ責任を忘れ支えようとしない自民党そのものに多くの国民は「本当に政権担当能力があるのか」と疑問を感じ始めているのではないか。。
◆民主に問われるもの◆ 一方の民主党も政権担当能力と鳩山由紀夫代表の首相候補としての資質が当然問われることになる。「政治主導」をお題目に終わらせず、強固な官僚組織を変えられるのか。税金の無駄遣いをどこまで削れるか。子ども手当や高速道路無料化、年金制度の抜本改革は実現するのか。消費税率は4年間引き上げないというが、財源の手当てはできるのか。党としての統一感に乏しい安全保障政策はどうするのか。鳩山氏の政治資金問題もさらなる説明が必要となる。自民、公明両党はこれまでの実績を強調するだろう。だが、消費税率引き上げに関し、どこまで具体的に書き込むのかなどの課題が残る。自民党には反麻生勢力が独自のマニフェストを作る動きがあるが、これは政権公約とは言わないと重ねて指摘しておく。共産党や社民党、国民新党、新党日本、今後できるかもしれない新党も含め、大切なのはこの国をどんな形にするのかだ。
未来に向けたビジョンを示してもらいたい。有権者の目は一段と厳しくなっている。何よりごまかさず、正々堂々と政策論争を戦わせることだ。それがむしろ支持を集める時代なのだ。自民党は93~94年の細川護熙、羽田孜内閣時代に一度野党に転落した。しかし、引き金になったのは自民党の分裂であり、93年7月の衆院選は非自民各党が「細川氏を首相に担ぐ連立政権を目指す」と有権者に公約して選挙を戦ったわけではない。つまり55年体制ができて以降、私たちは衆院選で有権者が投票によって選ぶという形では、政権与党と首相を交代させた経験がないのだ。そんな選択に初めてなるのかどうか。異例の長い選挙戦となるが、いずれにしても政治の行く道を決めるのは有権者=主権者だ。こんなにわくわくする選挙はないではないか。

22日;産経社説(全)衆院解散 国のありよう競い合え 政権担当能力が判断の基準
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090722/elc0907220254003-n1.htm
『争点にすべきは、日本の基軸をどうするかである。問われているのは日本の国のありようであり、内政外交の懸案や難題をどう解決するのかという処方箋である。「政権交代」気分に浸っている余裕はない。政権担当能力の競い合いを通じ、日本の国家像を提示することこそが求められている。
 解散後の記者会見で、麻生太郎首相は「日本の未来に責任を持てる政党」の選択を有権者に呼びかけた。しかし、自民党がそれに値すると思わせる構想力を示してきたのか。4年前、小泉純一郎首相(当時)の「郵政解散」で、自民党は郵政民営化への賛否をめぐって分裂したが、小泉氏は反対派の選挙区に対抗馬を立てて民営化を鋭く争点化した。
■この国をどう守るか■ 麻生首相も反麻生勢力も、郵政民営化に匹敵するテーマは持ち合わせていない。自民党の最大の問題点がそこにある。外交・安全保障をめぐる民主党の国会対応は現実に日米同盟を損なってきた。インド洋で海上自衛隊が給油支援を行うテロとの戦いでは、民主党がテロ対策特別措置法に反対したため一時中断した。在日米軍駐留経費の日本側負担に関する特別協定にも反対し、空白期間が生じたこともあった。鳩山由紀夫代表は「すぐにやめるのは無謀な議論」と、政権交代後も給油支援を継続する考えを示したが、小手先の対応にすぎないといえる。来年1月に期限切れとなるテロ対策特措法の延長措置をこの秋に取らなければ、いつまた撤退するかわからないからだ。共に参加する各国に対しても、極めて不誠実な対応となる。
 沖縄の米軍普天間飛行場の県外移設の主張も、県外のどこに移すかを言わなければ現実の政策といえない。ごく最近も、国連安保理決議を受けた北朝鮮船舶に対する貨物検査特措法案の早期成立に協力しなかった。民主党の外交・安保政策の危うさを首相や自民党が突くのはもっともだ。この国をどう守るかという議論をさらに深めることは両党の責務である。
■増税論議を避けるな■  年金、医療、介護や少子化対策などの社会保障は、国民生活に直結する。不安の解消と将来の安心感を高めるものとして自民、民主両党とも柱としている。民主党はとくに年金制度改革の必要性を主張していたが、マニフェストでは公的年金の一元化による新年金制度の実施時期を、当初予定していた平成24年度から26年度以降へと先送りするという。無年金・低年金者救済のため創設する「最低保障年金」の財源には消費税の全額を充てるが、消費税率は4年間引き上げないという。自民党は景気回復を前提に、消費税を含む税制抜本改革を3年後に行うとしているが、どれだけマニフェストで徹底できるかだ。選挙には不利だとして増税論議を避けることは、もはや両党ともに許されない。
 民主党の教育政策を危惧する声は多い。日の丸、君が代問題などにみられる日本教職員組合(日教組)のイデオロギー闘争をさらに教育現場に持ち込むような発言を繰り返しているためだ。同氏の発言は党内でほとんど問題視されておらず、支持労組のイデオロギーには目をつぶる民主党の体質をうかがわせていないか。この国に責任を負う二大政党が身を切るような激しい政策論争をまず行うべきだ。国政の停滞を脱し、閉塞感を除去する政治体制は真剣かつ現実的な論争を経て、誕生するのではないか。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━
2009年の長い夏が始まった。日本の未来を決める総選挙。15年になる小選挙区制度の選挙は定着した。政権交代を可能にする選挙制度である。自民党か民主党かの選択肢ではない。もっと、重大な選択である。だが、残念ながら、マニフェストは選挙民が、選択しやすいように整理されてない。選択肢が曖昧である。また、新聞の論調の様に政権担当能力の問題でもない。
小選挙区制度は、個別で固有なものである。比例代表は政党名を書くが、小選挙区は個人名である。所属の党でなく個人名で選ばれる。地域に貢献できる人が選ばれるのは当然だ。しかも、1小選挙区1名の当選者。この選挙制度の意味を十分に理解しよう。選挙制度も考えてみる好機会でも
ある。(300字)

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2009/07/14

シニアネット   『おいおい』   第854号

━━senior citizen net━━━━━━2009/07/14━

    シニアネット 『おいおい』       第854号
 
━━━━━━━━━━━━━行動に役立つ情報紙━━

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 鉾の稚児帝のごとく抱かれけり      古館曹人

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昭和57年作。7月17日の京都祇園祭の山鉾巡行。長刀鉾を先頭に進む山鉾巡行が、クライマックスに
なった。その中に、着飾った稚児が抱きあげられた。その稚児を下関の壇ノ浦で入水した安徳帝に重
ねた。可愛くて、品格があつたのだろう。平家一門の悲劇と祇園祭。平家物語の冒頭の部分である。
「帝(みかど)のごとく」が、祇園祭にふさわしい。抒情詩である。
祇園祭は7月1日から29日まで諸行事がある。7月17日の神幸祭と24日からの還幸祭が最も賑わう。山
口青邨系。佐賀県生まれ。(1,920- )。

┏━━(社説)「8.30選挙」━━━━━━━━━
  ◎政策策定と政権担当能力◎
連休明けの今月21日にも衆院を解散し、8月30日を投開票日とする衆院選日程が固まった。 麻
生首相が13日、自民、公明両党の幹部らと会談して合意した。

14日;読売社説(全)8月30日総選挙 問われる政策と政権担当能力
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090713-OYT1T01182.htm
『首相は、東京都議選直後の早期解散を模索していた。しかし、都議選での自民党大敗を受け、党内
で「麻生降ろし」の風圧が高まる中、投票日の先延ばしを求める与党内の大勢と妥協を図ったという
ことだろう。民主党など野党が13日、内閣不信任決議案や首相問責決議案を国会に提出したことも
影響した。
 ◆最後の機会にかける◆ これでいよいよ衆院選が具体的に動き出すことになる。昨年来、世界同
時不況が進行し、日本の景気も、底をはうような厳しい状態が続いている。北朝鮮は「核ミサイル」
開発・実験を強行し、国際社会の警告を無視したままだ。超少子高齢化社会が進行する中で、年金、
医療、介護の将来に対する不安感が国民の間に増大しているのに、確かな設計図や安定財源は、いま
だ示されていない。各党は、衆院選が公示される予定の8月18日を待たずに、党内論議を活性化さ
せ、できるだけ早期に、明確な国家ビジョンと体系的な政策を固めて、有権者に提示してもらいたい
。これほど低い内閣支持率で解散に打って出る首相は、あまり例がない。衆院選は、自民党と民主党
の2大政党が有権者に真正面から「政権選択」を問う戦いになる。
 ◆論戦を通じて対立軸を◆ しかし、問題は、両党ともに、国民の審判を受けるための政策づくり
が遅れていることだ。首相は、これまで民主党との政策の違いを際立たせ、民主党の「政権担当能力
」をただすことにこだわりをみせてきた。社会保障財源としての消費税率の引き上げ問題もその一つ
で、景気回復を前提に将来の税率アップに取り組む姿勢を示している。
これに対して、民主党の鳩山代表は、党首討論で「我々が政権を取っても4年間、消費税は増税しな
い」と明言している。民主党は海上自衛隊によるインド洋での給油活動やソマリア沖の海賊対策の根
拠法に反対した。北朝鮮に出入りする船舶を検査する貨物検査特別措置法案も、民主党など野党が、
問責決議案可決後、すべての国会審議に応じないとしていることから、今国会成立は難しくなった。
国連安全保障理事会の決議を受けた法案を廃案にするなら、民主党が内外から「責任放棄」と批判さ
れてもやむをえまい。有権者が民主党に不安を覚えるのは、民主党政権が誕生した際、内政、外交両
面で、混乱なく日本の舵取りが出来るのかということだ。こんな懸念をいかに払拭するかが民主党の
課題になる。
 ◆政界再編の可能性◆  一方、自民党はこの4年間で、小泉純一郎氏から安倍晋三、福田康夫、
麻生太郎各氏へと、政権のバトンをつないできた。頻繁なリーダーの交代は、長く政権を担当してき
た自民党の「統治能力の衰え」を示したものとの指摘もある。派閥の人材育成機能、政策立案能力の
低下、リーダーの求心力の欠如など、党内に数々の構造的問題を抱えている。自民党はこれを機会に
、解党的な出直しを図り、党改革を進める必要があるのではないか。2007年参院選で、民主党が
参院第1党になって以来、衆参のねじれ現象の下、国会の機能不全が指摘されてきた。これが今回の
衆院選で解消に向かうのかどうか。選挙後の政界再編の動きも含めて総選挙のゆくえが注目される

14日;産経社説(全)8月30日総選挙 自民は解党的出直しを 首相は逆風をはね返せるか
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090714/stt0907140350001-n1.htm
『問題は、首相が総選挙で国民に何を問うかである。首相はこれまでの経済対策を踏まえ、景気の浮
揚に全力を挙げる姿勢を示している。しかし、現在の日本が抱える内政外交の懸案に対し、指導者と
しての解決の指針を明示することこそが求められている。昨年9月に首相に就任して以来、いまだに
明確にしていないことに国民は失望感を抱いている。国民の信頼と支持を得る政党として、今後も存
続していくためには、解党的出直しを行う最後の機会と位置付けるべきだ。この1カ月余りの期間に
民主党との二大政党対決に臨める態勢を整える必要がある。首相がその先頭で逆風に立ち向かうこと
ができるかどうかが問われている。
 ●立党精神へ回帰を● 解党的出直しにあたり強調したいのは、昭和30年の立党時の精神に立ち
戻ることだ。この時に掲げた憲法改正は、いまだに実行されていない。祖国愛に基づいた国家観の確
立など、今日的に見ても国のありようにつながる大きな意義を持つテーマが少なくない。それをやり
抜くことが、自民党を立ち直らせることにつながるのではないか。どのような観点で指導者を選出す
べきかについて、安易さがあった点も見過ごせない。小泉純一郎元首相を引き継いだ安倍晋三、福田
康夫の2氏は、1年おきに首相の座を途中で投げ出した。政策的に大きなミスを犯したわけではない
が、指導者としての責任感や資質に欠けた人物を、自民党が相次いで担いだという印象は拭いがたい
。麻生首相は就任後、米国発の金融危機や景気後退への対応に追われる間に民主党との党勢の差が開
き、結果的に解散の時機を失したといえる。
 ●筋違いの審議拒否● 郵政民営化への基本的姿勢や厚生労働省分割構想など、重要政策で首相自
身の発言のブレが目立ったほか、内閣改造に関する判断も揺れ、重要な局面で決断力に乏しいという
イメージを露呈した。民主党への「風」を吹かせた大きな原因が自分にあることを、どれだけ認識し
ているのだろうか。党内で求心力を失っている原因も、そこにある。一国のトップには、時代にかな
ったテーマを選ぶ先見性、政策の重要性を国民に伝える発信力、政策を実施に持ち込む突破力を兼ね
備えていることが必要である。この点、「改革の本丸」として郵政民営化で一点突破を図り、政治・
経済の閉塞感を打ち破るようなリーダーシップを演出した小泉元首相との違いが際立った。「小泉後
」に構造改革路線の推進派と修正派が党内に混在し、対立を続けたのに対し、指導者が鮮明な立場を
示してこなかったことも、政権政党の経済政策の信頼性を損なった面が大きいだろう。
 都議選で大幅に議席を増やし、第一党に躍進した民主党も、同様に国家像を示せていない。指導者
の失態や政策運営で停滞する自民党への失望感が、民主党への風を強く吹かせていることを忘れては
なるまい。首相の解散決断に対し、内閣不信任決議案と首相問責決議案を衆参両院に提出したのは、
今後の法案審議を拒否する狙いがあるのだろう。国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議を受けた貨
物検査特別措置法案は衆院で審議中だが、国連中心外交を掲げる民主党は今国会成立を拒否する意思
決定をしたことになる。不信任決議案は14日、否決される見通しだが、参院の問責決議案は可決さ
れる。民主党は審議を拒否することで、鳩山由紀夫代表の政治献金問題を幕引きしたいように見える

14日;日経社説(1) 「8.30衆院選」へ首相は政策の旗を示せ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090713AS1K1300513072009.html
『首相は今度こそぶれずに、党内をまとめてもらいたい。遅れているマニフェストの取りまとめを急
ぎ、政策の旗を明確にして信を問う責任がある。首相は昨年9月の自民党総裁選で「選挙の顔」とし
て選ばれている。選挙に不利という理由で1年もたたずにまた党首を代えるのは筋が通らない。首相
が自らの手で解散する考えを示したのは当然だ。首相は、自民党役員人事見送りなど相次ぐ政権運営
の迷走が、内閣支持率の低下を招き、選挙に悪影響を与えたことは確かだ。首相は選挙戦で就任以来
の経済対策の実績を訴える意向だが、それだけでは不十分である。年金、医療などの社会保障改革の
中期プランや、今後の成長戦略を示してほしい。首相は景気回復後の消費税率の引き上げに意欲を示
すが、税制改革についても党内で議論が尽くされているとは言い難い。
 不信任案を提出した野党側は今後の国会審議には応じない方針だ。鳩山由紀夫代表の政治資金問題
で与党側から追及されるのを避ける思惑もあるとみられるが、不信任案を突きつけることで、首相の
解散の決断を早めたといえる。民主党は政権公約に月額2万6000円の子ども手当の創設や高速道路料
金の無料化などを盛る方針だが、財源の裏づけは不明確だ。党内の意見が割れている外交・安全保障
政策を不安視する声も多い。都議選勝利に浮かれることなく、政策に説得力をもたせる詰めの作業が
要る。

14日;朝日社説(1)8・30総選挙―ずいぶん待たされました
http://www.asahi.com/paper/editorial20090714.html?ref=any
『もう少し待てば、選挙で勝てる見通しが開けるかもしれない。そんな期待と、政権から自民党が滑
り落ちることへの恐怖。この二つに翻弄された10カ月でもあった。結局、就任直後の内閣支持率が
最も高かったというのは皮肉と言うよりない。今回の決断にしても、首相にとってのベストにはほど
遠い。党役員人事の頓挫、静岡県知事選の敗北、東京都議選の歴史的大敗と失点が続いた。 視野に
置いていた8月初旬の選挙には与党内の理解が得られず、かといって時機を待てば「麻生おろし」の
強風に倒されかねない。そんな不安にかられての窮余の策だったのではないか。 与党執行部の了承
を得たものの、この日程で自民党内の「麻生おろし」が鎮まるかどうかは定かでない。だが、総裁選
を前倒しし、「選挙の顔」を取りかえたところで、有権者の評価ががらりと変わるはずもない。2年
で4人目の首相というのは無節操に過ぎる。 ここは冷静に、腹をくくって政策で勝負するしかない
のだ。民主党も浮かれてはいられない。
 これまで一度も政権を担当したことがないのだから、政権交代が現実味を帯びれば帯びるほど不安
を覚える有権者は増えてくる。政策ばかりでなく、それを実行するための具体的な政権運営の仕組み
、姿を説得力ある形で示さねばならない。有権者にとっては、待ちに待った政権選択の機会がやっと
見えてきた。これからの各党の一挙一動に目を凝らし、しっかりと吟味していきたい。

14日;毎日社説(1)8・30総選挙 やっと選択の日が来る
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090714k0000m070116000c.html
『首相は異例の「予告解散」をすることで「解散するのは自分」と宣言したかったのだろう。そこに
は自民党内に強まる「麻生降ろし」の動きを封じる狙いがある。ところが、驚くことにそれでもなお
、「麻生降ろし」は消えないという。党内には解散前の首相交代や、首相は代えないまでも党総裁は
交代し、新総裁が党の顔となって衆院選を戦い、与党が勝てば選挙後の指名選挙で首相になるという
「総・総分離」論までささやかれているほどだ。「国民に信を問う」といって解散した首相が選挙後
には代わるというのはやはり邪道だ。表紙さえ替えれば国民の目をごまかせるかもしれないとばかり
に何度もトップを代えてきた無責任さに国民は不信を募らせているのだ。麻生首相の下では戦えない
というなら、自民党を離党し新党を結成した方がよほど国民の理解を得られるというものだ。
 民主党など野党は13日、衆院に内閣不信任決議案を、参院に首相に対する問責決議案を提出した
。既に長い選挙戦が事実上始まったといっていい。総選挙が8月末になったことで有権者が各党の政
策をじっくり吟味できる利点はある。各党はマニフェスト作りを急ぎ、早く提示すべきである。有権
者の選択から逃げ続けてきた麻生首相と与党はもはや奇策に走らず、堂々と政策で争うことだ。民主
党など野党も政権交代すればどう日本は変わるのか、より具体的なマニフェストを作ってもらいたい

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━
 総選挙が、8月30日に決まった。夏の猛暑の中の長丁場。盂蘭盆を挟んでの1ケ月以上の選挙運動
。「不満の自民党、不安の民主党。」の構図は変わらない。国民の多数は、「総理は麻生でも、鳩山
でもない。」。やりきれない閉塞感。
 お2人とも、リーダーシップが欠如している。大切な時のかじ取りが下手である。リーダーはリス
クマネジメントに優れていなければならない。麻生総理は、あまりにも無防備で、取り巻きがお粗末
すぎる。「裸の王様」になった。鳩山代表も、万屋の番頭にしか過ぎない。右は自民党より右翼、左
は極左。労働組合依存。小沢氏という化け物を飼いならせない。
 食べたくない食事を並べられて、どちらかを選べとは厳しすぎる。一方は、腐りかけの食事、一方
はどんな食べ物か中が見えない。毒が盛られているかも知れない。困るのは、どちらを選んでも、食
中毒になりそうだ。とかく、夏料理は食中毒になり易い。吟味して夏料理を選びたいものだ。(400
字)

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2009/07/09

シニアネット 『おいおい』   第853号

━━senior citizen net━━━━━2009/07/09━

    シニアネット 『おいおい』      第853号
 
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 ひるすぎの町音にいて心太       桂信子

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昭和55年作。心太(ところてん)を食べた。ところてんは、冷たい水で冷やしておき、食べる直前に
「ところてん突き器で容器に突き出す。江戸時代から庶民に好まれた。酢や密や醤油をかけて食べた
。つるとした食感とのどごしがさっぱりしている。
「町音にいて」とはどこなのだろうか。ところてんをどこで食べたのだろう。甘味店とか氷店か。昔
ながらの葭張りの店の縁台だろうか。店から聞こえてくる「町音」が楽しい。「ひるすぎ」の時間が
静かに流れていく。「町音にいて」は、美しい表現である。師の日野草城の<ところてん煙のごとく
沈みをり>は有名。大阪市生まれ。(1914-2004)。

┏━━文藝春秋8月号━━━━━━━━━
  10日発売。「鳩山邦夫 大いに吼える」(94頁)の特集は、賞味期限切れ。「奇跡のピアニスト
」母の手記(170頁)は、「全盲のピアニストと呼ばないで」で、「ピアニストが全盲だった」と。
早くから、才能を見出した。現在は「親離れと子離れ」の段階にきた。素晴らしい母親の手記。鳩山
兄弟にあやかり、特別企画「日本の兄弟67人」も新鮮味のない平凡。
 「総力特集」さらば「アメリカの時代」(130頁)は政治、経済、外交、映画に限られるが、それ
ぞれを代表する「書き手」による論文で、読むにたえる。雑誌の主流は、「民主党政権下」どうある
かの見方になっている。「自民党」か「民主党」かのレベルは通過したようだ。

┏━━(社説)JR西社長起訴━━━━━━━
 ◎安全裁判による原因追究を◎
107人が亡くなったJR宝塚線の脱線事故を起こした刑事責任はだれにあるのか。惨事から4年余
、神戸地検はJR西日本の山崎正夫社長を業務上過失致死傷という罪で起訴した。 鉄道事故で経営
幹部の刑事責任が問われるのは異例だ。この事故では運転士は死亡している。だれも起訴されないま
ま、これだけの大事故の捜査が終わるのは理不尽だという被害者の感情もあった。地検はぎりぎりの
判断で社長の起訴に踏み切ったのだろう。起訴を受け、山崎氏は社長辞任を表明した。

9日;朝日社説(1)JR西社長起訴―安全への道を突きつめよ
http://www.asahi.com/paper/editorial20090709.html?ref=any#Edit2
『 地検が着目したのは、96年に事故現場の線路を半径600メートルから304メートルの急カ
ーブに付け替えた工事だ。完成後は快速電車の本数が増えたのに、カーブの手前で減速させる自動列
車停止装置(ATS)を設置しなかったことが「過失」にあたると判断した。当時、鉄道本部長とい
う安全対策の最高責任者だった山崎社長には、運転士がミスをする可能性も含めて事故を予見し、対
策を取っておくべき責任があったという論理だ。 激しいやりとりが予想される公判は、鉄道の安全
水準の目安が示される場として重要だ。事故原因の究明と今後の安全対策の強化にも役立つ場であっ
てほしい。
 兵庫県警が書類送検した歴代幹部8人と遺族が告訴した井手正敬氏ら歴代社長3人は、いずれも「
嫌疑不十分」として不起訴になった。だからといって、JR西日本は山崎社長の個人責任だけが問わ
れていると考えてはならない。安全の責任者が起訴されたことは、安全より経営効率を優先した企業
体質も問われたに等しい。事故の直接の原因は、運転士が制限速度をオーバーして急カーブに突っ込
んだことだ。だが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(当時)が2年前に出した最終報告書は、
事故の誘因としてJR西日本の懲罰的だった日勤教育を指摘している。
 事故後、JR西日本は懲罰的な教育方法を改めた。昨春、鉄道会社では初めて「リスクアセスメン
ト」を導入した。事故や事故の一歩手前の事象を職場できちんと報告し、優先順位を決めて対策を講
じるという取り組みだ。職場の風通しをよくする狙いもある。こうした改革への取り組みはこれから
も推し進めてほしい。JR西日本は未曽有の不況の影響などで利用者が減り、苦境に立たされている
。しかし、経営効率よりもまず安全対策を最優先すべきことを、悲惨な事故は突きつけたはずだ。
その教訓をJR西日本はもちろん、人の命を預かるすべての企業が生かさなくてはならない。

9日;毎日社説(1)JR西社長起訴 安全を裁判で問い直せ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090709k0000m070130000c.html
『現場のカーブは96年に、半径が約半分の急な曲線に付け替えられた。新型高速電車が投入され、
速度超過すれば脱線する可能性が高まった。人為ミスも想定して、このカーブにATSを優先的に設
置すべきだったというのが地検の判断だ。山崎社長は当時、鉄道部門の最高責任者であり、安全対策
を全面的に任されていた。さらに、JR函館線の脱線事故で「ATSがあれば防げた」との報告も受
けていたのに、ATS設置を指示する注意義務を怠った、とされた。山崎社長は直ちに社長辞任を表
明した。鉄道事故で経営トップが刑事責任を問われるのは異例で、今回の処分は重大な意味を持つ。
起訴事実は鉄道本部長としての過失責任に限定されるが、これからの公判の過程で、刑事罰の対象に
できない組織責任に踏み込むことが予想されよう。審理の中で、経営姿勢や企業風土の問題点を徹底
的に糾明して、その教訓を再発防止に生かすことを期待したい。
 地検は被害者や遺族への説明会を開く予定だ。処分決定は世論や被害者の声に支えられた結果でも
ある。遺族が告訴した歴代トップ3人を不起訴としたことに、なお不満は根強く、その根拠や法解釈
を詳細に開示することが求められる。JR西日本は改めて、組織の立て直しと信頼回復への取り組み
を迫られることになる。山崎社長は事故当時子会社に移っていたが、「安全対策の専門家」として副
社長に復帰し、06年2月には社長に就任した。刑事責任を問われる可能性は認識できたはずなのに
、安全徹底の旗振り役を任せた、身内に甘い体質は批判を浴びて当然といえる。鉄道全体への影響も
大きい。今回の判断は、鉄道事業者に安全確保義務を極めて厳密に課し、人為ミスがあっても事故を
防げる対策の徹底を求める内容だ。 鉄道各社は今後、危険の想定される個所を洗い出して、実効性
のある安全対策を施し、利用者からの信頼を高める努力が不可欠である。

9日;日経社説(2)社長を起訴したJR西事故
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090708AS1K0800608072009.html
『現場の曲線路を建設した当時、鉄道本部長で安全管理を統括していた山崎社長は、ATSを設置し
なかった不作為について「業務上必要な注意を怠り、人を死傷させた責任」を負う、というのが検察
の判断だ。鉄道の運行に直接たずさわらない経営者が事故の刑事責任を追及されるのは極めて異例で
、検察も今回の刑事処分は迷ったようにみえる。ATSを設置しなかったのを注意義務違反に問える
のか微妙だからだ。事故調査委の報告も両論併記のような書き方をしており、ATSを設置していな
かった無理からぬ事情があるとの見方を「曲線の速度超過による事故は(中略)死傷者は出ていない
。国の規制もなく緊急性の認識はなかったとされる」と記す一方で、現場のカーブ手前のATSの「
整備は優先的に行うべきだった」とも指摘している。
 普通は、有罪の確信を得て初めて起訴する慎重な検察の背中を押したのは、まず被害者・遺族がJ
R西に向ける強い責任追及の声だろう。これだけの惨事なのに誰の処罰も求めないのでは世間は納得
するまいとの、検察への風当たりも配慮しただろう。また集客施設の火災で防火・安全管理者に業務
上過失致死傷罪の成立を広く認める最近の裁判例にも力づけられたのでないか。裁判で検察の主張が
認められるかどうかは別にして、JR西は事故の原因があげて自社にある事実を忘れてはならない。
同時に、検察が異例の経営者起訴に踏み切った背後にある「社会の厳しい目」を意識し再発防止に取
り組む必要がある。

9日;産経社説(1)JR西社長起訴 裁判通して真相の究明を
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090709/crm0907090300008-n1.htm
『業務上過失致死傷罪は、個人の過失を問う犯罪だ。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(当時)
の最終報告書によると、事故は23歳の運転士が直前の停車駅でオーバーランし、発車が約1分20
秒遅れたため、制限速度が時速70キロの現場カーブに約116キロで進入したために起きた。最大
の過失責任がある運転士は死亡した。直接の当事者でない幹部の刑事責任を問うためには、事故を予
見できる可能性があり、そのうえで事故を回避する義務を怠っていたかどうかが最大のポイントとな
る。
 地検が今回重視したのは、現場カーブが平成8年12月、急カーブに付け替えられた際、自動列車
停止装置(ATS)を設置しなかった点だ。当時、同社の安全対策の責任者である鉄道本部長をつと
めていたのが山崎社長で、地検は「設けていれば事故は防げた」と判断した。平成13年6月に福井
県で起きた京福電鉄の衝突事故では、ATSの未設置などが原因として幹部が送検されたが、不起訴
となった。当時、ATSの法的な設置義務はなく、未設置を理由に刑事責任が問えるかどうかは、法
曹界でも疑問視する見方も出ていた。
 しかし近年、業務上過失致死傷罪で、幹部に対し、積極的に責任を問うケースが目立っている。欠
陥車事件の三菱自動車や、ガス瞬間湯沸かし器事故のパロマ工業でも、幹部が起訴された。山崎社長
は起訴されたが、JR西の最高幹部ら11人は嫌疑不十分で不起訴となった。遺族らは、検察審査会
に不服の申し立てをする方針という。裁判の行方は予断を許さないが、JRの歴史上でも最悪級の事
故である。公判を通じ、幹部の過失責任だけではなく、なぜあのような大惨事が起きたかについても
真相を究明してほしい。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━
 「日本人より日本的」な元高見山。「日本人でよかった」(“SAPIO”の特集)のように、「
日本人」という記事を見かける。「日本人とは」何であろうか。日本人は古来から、他人に対する思
いやりがあった。農耕民族で、昔から集団の絆を大切にした。個人の意思より、家とか、近所とか、
村とかの論理が優先した。伝統と伝承を大切にしてきた。
 良い面と悪い面があるが、現在の日本人は、「他人に対する思いやり」が欠如している。個人とか
集団という対立概念でなく、自分以外の他人に対する配慮である。大戦のとき、偏見に近い「国家観
」が国民をミスリードした。他人に対する慈悲とか憐みを持てとはいわないが、同情の気持ちを持つ
ことは大切である。日本人の良風とされてきた。
 特攻隊員の最後の言葉に、「家族をために死ぬ」とある。これとは違う。歪められた家族愛であり
、戦争遂行のためのものであった。本来の「他人に対する配慮」をとり戻したいものだ。(400字
)。

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2009/07/04

シニアネット   『おいおい』   第852号

━━senior citizen net━━━━━━2009/07/04━

    シニアネット 『おいおい』       第852号
 
━━━━━━━━━━━行動に役立つ情報紙━━━

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 木の揺れが魚に移れり半夏生    大木あまり

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2日は、半夏生(はんげしょう)。72候の1つ。静岡県柿田川で詠んだ。「木が揺れが」水面に映る。その木の揺れに反応するように、魚が動き始めた。
「半夏生」は、夏至から11日目、この日から5日間を呼ぶ。農家ではこの日の天候で稲作の豊凶を占い、田の神を祀り、物忌をする。また、この日の雨は毒気を降らせ、大雨や出水をもたらすと恐れられていた。まだ梅雨は明けていない。詩人の大木敦夫は父。詩的な飛躍のある作風。東京都生まれ。(1941- )。

┏━━米独立記念日━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  1776年7月4日にアメリカの13州が独立宣言を発した。イギリスから独立した。これを記念して行事が行われる。日本では、横浜の花火をメインとした催しが行われる。

┏━━(社説)IAEA事務局長━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ◎「核の番人」に期待◎
国際原子力機関(IAEA)は、「核の番人」の異名を持つこの組織のトップを、12月から日本の外交官の天野之弥大使が務める。被爆国として日本は核廃絶を訴えてきたが、米国のオバマ大統領が「核のない世界」を目指す決意を示し、核をめぐる世界は新たな転換期を迎えようとしている。その時に、原子力や核査察などの識見と経験で世界でも高く評価される天野氏が事務局長に就任する。実に時宜にかなったことだ。

4日;朝日社説(1)核の番人―天野大使に期待する
http://www.asahi.com/paper/editorial20090704.html?ref=any
『IAEA当選の背景には、日本の非核政策への評価もある。原子力の平和利用を徹底するため、世界で最も多くのIAEA査察を受け入れてきた。北朝鮮が核実験をした後も核廃絶の重要性を主張し、非核外交を展開している日本は、世界に安心感を与え、尊敬を集めている。天野氏は、そんな日本が生んだ逸材である。 ただ、忘れてならないのは、IAEA事務局長は時に政治的な判断、行動を求められる厳しい職であることだ。米国など核保有国の意向とぶつからねばならない時もある。
 現下の最大の懸念は北朝鮮とイランだ。北朝鮮はIAEAの監視要員を4月に国外追放したままだし、イランはIAEA理事会や国連安全保障理事会の求めを無視して、ウラン濃縮活動を続けている。今後、外交交渉が進めば、改めてIAEAの査察能力が試されることになる。事務局長がそれぞれの国と折衝する場面もあり得るだろう。オバマ大統領は4月のプラハ演説で、テロ集団などに狙われる恐れのある核物質を安全に管理するため、国際的な管理体制づくりを提唱した。国家レベルの拡散だけでなく、テロ集団への拡散防止で、IAEAがどのように専門知識や人材を生かしていくか。今後の課題だ。
 途上国の中には「日本が米国に近すぎる」との懸念もある。米国が不拡散対策で途上国に新たな注文をつける公算が大きいと見ているのだろう。こうした懸念にも配慮しつつ、オバマ大統領と協調していかねばならない。米国との人脈も厚い天野氏の手腕に期待したい。 IAEAの強化をはじめ、核不拡散の前進に向けて積極的な役割を担うことで、政府は新事務局長を支えるべきだ。この朗報を日本の外交力アップにもつなげたい。

4日;読売社説(1)IAEA新体制 実効ある核拡散防止に動け
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090703-OYT1T01182.htm
『原子力の平和利用と、核拡散防止の両面で、日本の実績が信任された結果でもあろう。IAEAは、原子力の平和利用を促進する一方、軍事転用されないよう監視する役割を担った重要な国際機関だ。2005年、エルバラダイ事務局長とIAEAはノーベル平和賞を受賞している。だが、IAEAは、結局、北朝鮮やイランの核開発を阻止することにはことごとく失敗した。1990年代初めにイラクが秘密裏に核開発していた事実が発覚し、IAEAは、未申告の施設でも短時間の通告で査察ができるとした追加議定書を採択した。しかし、北朝鮮のように、議定書に見向きもせず、核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言して公然と核兵器開発を進める国には、何の役にもたたなかった。追加議定書に署名はしたが未批准のイランも、国連安全保障理事会の制裁決議を無視して、ウラン濃縮活動を公然と続けている。
 北朝鮮やイランに追随する国を出さないよう、実効ある核拡散防止策をいかに具体化するか。それが天野氏が担う重い課題だ。エネルギー需要の拡大や温室効果ガス排出削減の見地から、世界で、原子力利用は拡大する趨勢にある。その中で、核兵器開発につながる技術の拡散に歯止めをかけることは、拡散防止強化の重要な一策となる。ウラン濃縮や再処理施設を国際管理下に置く。そうした施設を断念した国には核燃料の安定的な供給を保証する。そんな構想が、すでにいくつも提唱されてきた。当選後の記者会見で、天野氏は「すべての加盟国が結束する必要がある」と強調した。対立を解消し、平和利用と不拡散強化の両立を図りたいとの意欲の表れだろう。具体化へ行動が問われる。核テロ防止など新たな脅威への対処も、IAEAの責務だ。天野氏が取り組むべき難題は多い。

4日;毎日社説(1)天野氏当選 「核の番人」の指導力示せ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090704ddm005070155000c.html
『イラン、北朝鮮の核開発問題が深刻化する中、「核の番人」のトップとしての重責を果たすべく指導力を発揮してもらいたい。“薄氷の勝利”となった背景には、核不拡散を重視する既存の核保有国を中心とする先進国と、原子力エネルギーの利用拡大を求める途上国の対立がある。
天野氏が苦戦を強いられたのは日本が先進国の代表とみられたため、との指摘もある。新事務局長はまず、こうした途上国側の疑念を解消し、複雑にからみ合う各国の利害を調整していく手腕が問われることになる。世界の核軍縮・不拡散体制の基軸である核拡散防止条約(NPT)は国連安保理常任理事国の米英仏露中の5カ国以外の核兵器保有を禁じる一方で原子力の平和利用は認め、5カ国には核軍縮義務を課している。しかし、保有国の核軍縮はなかなか進まない。それなのに5カ国以外の原子力利用は厳しく規制されるという不満や不公平感が非核国や途上国にはある。特に最近は「原子力ルネサンス」と言われるように、原子力発電の新規導入を図る途上国や資源小国が増え、先進国でも地球温暖化対策で原子力の需要が高まっている。 
その一方では、IAEAや国連安保理の要求に従わずウラン濃縮活動を続けるイランや、NPT脱退を宣言し核施設を監視していたIAEA要員を退去させて2度目の核実験を行った北朝鮮などの問題もある。原子力の平和利用促進と軍事利用防止を目的とするIAEAの役割はますます重くなっている。こうした中で、揺らぐNPT体制への信頼回復を図るには、核軍縮に積極姿勢を見せるオバマ米政権を後押しし、核廃絶への流れをリードする気構えが必要だ。「唯一の被爆国・日本から来た人間として核兵器の拡散を防ぐために全力を注ぎたい」と語る天野氏と、選挙にあたって強い支援体制を敷いた政府にはその責任をかみしめてもらいたい。

4日;産経社説(1)核の番人 不拡散に強力な指導力を
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090704/asi0907040359000-n1.htm
『唯一の被爆国である日本から原子力・軍縮を専門とする外交官が選ばれた意義は大きい。IAEAは1957年に発足した。当初52だった加盟国は現在146を数える。事務局長の下に核不拡散を担当する保障措置局など6局が置かれ、2300人のスタッフを擁する専門家集団だ。しかし、核物質の軍事転用に目を光らせ、核拡散を防ぐ保障措置協定には強制力が欠ける。組織の予算や人員も十分とはいえない。核拡散防止条約(NPT)運用検討会議第1回準備委員会議長を務めた天野氏には、そうした核の番人の弱点を改善し、機能や能力を強化する役割を期待したい。ぎりぎり当選の背景には、すでに原子力技術を持ち、核不拡散を重視する先進国と、原子力利用の制限を嫌う途上国の反目がある。
 むろん、米英仏中露の核保有5大国の間にも意見の違いがある。とくにイランに関しては、「平和利用ならば」と理解を示す途上国もある。IAEAのかじ取りは一筋縄ではいかない。一方、石油資源の枯渇が視野に入ってきた今、地球温暖化対策と相まって原子力エネルギーへの期待が高まっている。戦後一貫して平和利用に徹し、原発と核燃料サイクル事業に実績を持つ日本の代表として、天野氏には存在感を示してほしい。

4日;日経社説(2)核拡散防止に日本の知恵を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090703A1K0300203072009.html
『日本は世界で唯一の被爆国であると同時に原発が米国、フランスに次いで多い原子力大国だ。IAEAの分担額も米国に次いで多く、約16%も占める。しかし、日本人職員は2%程度と相応に遇されているとは言い難かった。日本が事務局長ポストを得て、存在感を示せるのは喜ばしい。米国のオバマ大統領は4月に「核兵器のない世界」を唱え、核軍縮と核不拡散強化の機運が高まっている。日本は核不拡散の模範国で、原子力は平和利用に徹し、すべての原子力施設で査察も受けている。核廃絶を訴え、核不拡散に熱心な日本出身の事務局長就任は時宜にかなう。もちろん核不拡散は一筋縄ではいかない。北朝鮮は再度の核実験を強行して国際社会に挑戦状を突きつけ、イランの核開発疑惑も解決の糸口が見えていない。天野氏には国連安全保障理事会による圧力を背景にこの問題に果敢に取り組み、日本の経験、知恵を生かし核不拡散のタガを締め直すよう期待したい。
 エルバラダイ事務局長はイランにウラン濃縮を断念させようと、国際的な核燃料供給の仕組みづくりを提案している。ウラン濃縮と核燃料再処理については多国間管理を提案し、米国やロシアなどを巻き込んで具体化に動いてきた。日本は核燃料サイクルの確立を掲げ、ウラン濃縮も再処理も独自路線を貫いている。これはエルバラダイ構想と食い違っており、天野氏が事務局長として日本の路線に沿わぬ選択を迫られることもあり得よう。大事なのは核不拡散体制の強化であり、日本は柔軟な姿勢で対応し天野氏を支える必要がある。地球温暖化防止のため欧米では原子力回帰の傾向が強まり、発展途上国でも原発への期待が高まっている。核不拡散の手を緩めてはならないが、途上国に対しては平和利用の協力が拡大するよう力を尽くしてもらいたい。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━
 小さな庭が、鮮やかな緑に包まれている。若葉でも、青葉でもない。不思議な緑である。輝いて見える新鮮な緑の木々である。それぞれが、主張をしているように見える。夜、驟雨に洗われている。うまく表現できないが、心を洗われる緑である。
 松尾芭蕉に、<若葉して御目の雫拭はばや>がある。奈良の唐招提寺の鑑真像を拝んだ時、若葉の照り映える様子を詠った。照り輝く若葉のみずみずしさ。目の前の木々は、若葉とも違う緑である。雨に洗われた葉である。
日光東照宮で、<あらたふと青葉若葉の日の光>。泰平をもたらした徳川家への賛美がある。青葉若葉には、おおらかさがある。どうやら、私の目の前の緑にも何かがある。その何かが分からない。

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