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2009/05/31

シニアネット 『おいおい』 第843号 

━senior citizen net━━━━━2009/05/31━

    シニアネット 『おいおい』   第843号
 
━━━━━━━━━行動するための情報紙━

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 雀子や走りなれたる鬼瓦  内藤鳴雪

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季語「雀の子」。巣立ちしたものの、おぼつかず、巣の近くを「走りなれたる」雀の子。危なっかしくあそぶ「雀の子」の様子がよく出ている。まだ遠くまで飛べず、巣の近い屋根の端まで飛んでいる。対象的な、「鬼瓦」。屋根の棟の端の鬼面の瓦。怖い鬼面であろう。かわいい雀の子といかつい鬼面の取り合わせが面白い。その前を「走りなれたる」様子で遊ぶ雀の子が、ユーモアたっぷりである。
江戸松山藩邸に生まれる。愛媛県官や文部省参事を経て明治24年に旧藩主経営の常盤会寄宿舎の監督になる。舎生正岡子規をしり46歳の時から俳句を始めた。子規派の長老として敬愛された。虚子、碧梧桐などの子規日本派興隆の原動力をなした。(1847-1925)。

┏━━雇用危機―1(社説)━━━━━━━━
 ◎総合対策を(日経社説)◎  
4月の有効求人倍率は、10年前の過去最低水準に並んだ。同月の完全失業率は5年5カ月ぶりに5%台に乗せた。非正規社員の雇い止めなどから始まった雇用調整は正規社員に及び、新規採用を抑える動きも広がっている。29日に成立した今年度の補正予算には、失業手当が出ない人への職業訓練を前提にした生活費支給などを盛り込んでいる。雇用指標は実際の景気に遅れる傾向があるので、今後さらに悪くなる恐れがある。必要に応じて、財政活用による需要の拡大策や雇用安定策を追加することも考えておくべきである。同時に、雇用情勢が深刻になっているこの機をとらえて、雇用拡大のための様々な構造的な問題にも取り組む必要がある。

31日;日経社説(1)雇用安定へ短期と長期の政策総動員を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090530AS1K2900730052009.html
『雇用情勢は厳しさを増している。まず規制・制度改革である。今後も需要が伸びると予想されるのは介護、看護、保育、美容などのサービス業や農林漁業だ。ところが、これらの業種の多くは既得権益の擁護が壁となって企業が事業を広げにくく、したがって雇用の受け皿として頼りにならない。様々な規制を緩めて自由な参入、自由な競争を可能にする環境をつくることが重要だ。
例えば、潜在的な需要が多い保育分野では認可保育所に補助金を集中投入するのを改めて、幅広く保育所利用者に公費の恩恵が及ぶようにすれば、保育所の数が増えて、保育士の雇用も増える。また、介護など長期にわたり人材の確保が必要な分野は報酬制度などの抜本的な改革が避けられない。介護報酬は今年度当初予算で3%引き上げたが、ともに主な財源は国債だ。長続きさせるには保険料の大幅な見直しなどの改革が欠かせない。
 職業訓練の制度も時代の要請に合っているか再検討すべきだ。非正規社員は職業訓練の機会に恵まれないという問題がある。訓練内容も製造業の技術のほか、次代に役立つ情報技術や金融、医療関連などにもっと重点を置いてよいのではないか。職業紹介の担い手となる企業を育てることも大切だ。公共職業安定所の建物の中に職業紹介会社を置いて無料紹介業務を委託し、双方を競わせるための法案は成立しなかったが民間のノウハウを生かすべきだ。雇用維持は社会の安定のためとても重要であり、なすべきことは多い。

┏━━雇用危機―2(社説)━━━━━━━━
◎政労使の雇用維持政策を(読売)◎
完全失業者数も前年同月より71万人多い346万人で、6か月連続の増加となった。さらに深刻なのは、有効求人倍率が過去最悪に並ぶ0・46倍まで低下したことだ。特に製造業の求人の落ち込みは顕著だ。

30日;読売社説(1)失業率5% 悪化に歯止めをかけねば
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090530-OYT1T00064.htm
『政府は月例経済報告で、全体の景気認識を改善の方向に改める一方、雇用については「急速に悪化しつつある」から「急速に悪化しており、厳しい状況にある」へと下方修正したばかりだ。その通りの展開である。雇用不安が長引けば個人消費は低迷し、企業の売り上げや賃金にも響いてくる。悪循環だ。景気が最悪期を抜け出せるかどうか、雇用が一つのカギを握っているとも言えるだろう。来春卒業予定の大学生などの就職戦線は厳しさを増している。失業者やフリーターの増加は、社会不安の要因ともなる。
 国会では今年度補正予算が成立したが、その大きな柱である緊急雇用対策を着実に実施していかなければならない。再就職支援などに投入される多額の予算が適正、有効に使われているか、事態の改善にどれだけ役立っているか、常にチェックしていくことも大事だ。
 09年度の失業率について、政府は4月、5・2%とする見通しを発表しており、5%台乗せは想定済みのことともいえる。だが、過去に年平均が5%台になったのは01年からの3年間だけだ。日銀も4月の「展望リポート」の中で、失業率について「経済活動が未曽有の落ち込みになっているだけに、今後明確な上昇が予想される」とし、「10年度も緩やかに高まり続ける可能性がある」との見方を示した。
 その一方で、「政労使で雇用の維持に向けて最大限の努力を行う基本原則が確認され、政策面からの支援も拡充されている」ことなどを挙げて、失業率が経済活動の落ち込みほどには高まらずに済む可能性にも言及した。失業率の上昇に歯止めをかけねばならない。まさに政労使の雇用維持の取り組みや政策支援の効果が問われている。政府には、柔軟に追加の経済対策を打っていく用意も必要だろう。

┏━━雇用危機―3(社説)━━━━━━━━
◎まず、住居の確保を(朝日)◎
働く貧困層の拡大とともに、住宅政策のほころびが出てしまった。 職と住まいを同時に失った人に対して、政府や自治体はあわてて雇用促進住宅のあっせんや公営住宅への優先入居の手を打った。4月にまとまった経済対策では、失業者向けに最長6カ月の住宅手当支給も打ち出された。 だが、いずれも緊急の措置だ。家を失う人をこれ以上出さないような、永続的な支援を考えなくてはならない。

31日;朝日社説(1)雇用危機―住まいの安全網にも力を
http://www.asahi.com/paper/editorial20090531.html?ref=any
『雇用の不安定化とともに、安心して住める場所を確保できない人が増えている。各地で問題になっている「追い出し屋」のトラブルも、その一例だ。 収入が不安定な非正規の労働者などは、連帯保証人になってくれる人がいなかったり、手持ちのまとまったお金がなかったりする人が多い。そうした人たちをターゲットに、家賃保証会社が保証人代わりになり、敷金・礼金不要で入居させる賃貸方式が、ここ数年で急速に広がっていた。家賃滞納時の立ち入りを認めるなど、借り主に不利な形の契約を結ばされることが普通だ。それが昨年以降、仕事が減るなどして家賃が少しでも遅れると、保証会社や管理業者から強引に退去させられる例が相次いでいる。 留守中に鍵を勝手に付け替え、家財道具まで処分してしまう行為まであるという。
国土交通省は、野放しだった家賃保証業の規制を検討し始めた。だが、それだけでは根本的な解決にはならない。背景には、雇用危機に直面する非正規の人たちへの住まいの支援策が、十分に整っていない実態があるからだ。低所得者向けの公営住宅はどこも高倍率のうえ、若い単身者には入居資格がない。そもそも非正規社員の場合、勤め先からの住宅補助をもらえる人が少ない。滞納をおそれる貸主は、普通の賃貸契約では貸したがらない。
 公営住宅の建設は抑えられたままでいいか。政府と自治体が家賃差額を補助して、民間賃貸住宅を低家賃で供給してもらう制度を拡充してはどうか。生活保護にいたる前の支援策として、公的な住宅手当の仕組みが必要ではないか。こうした議論も深めるべきだ。仕事を失っても、住まいさえあれば次のスタートを切りやすい。住まいの安全網はきちんと張っておきたい。

┏━━新駐日大使(社説)━━━━━━━━━
◎新大使に拉致問題を期待(産経)◎
オバマ米大統領が次期駐日大使にカリフォルニア州のビジネス系弁護士ジョン・ルース氏(54)を指名した。日米関係で知名度や存在感はないが、「大統領と直接話せる」関係が強みだという。日米同盟は今、多くの課題を抱えている。その解決とさらなる発展に、オバマ氏とのパイプを生かしてほしい。

31日;産経社説(1)新駐日米大使 拉致解決の手助けを期待
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090531/plc0905310237000-n1.htm
『戦後の駐日大使の大半は知日派の学者、外交官、政界実力者で占められ、それが伝統ともなっていた。流れが変わったのは、ブッシュ前大統領が知日派でない盟友シーファー氏を起用してからだ。シーファー前大使は「ブッシュ氏の寝室にも電話できる関係」とされ、日米政治への造詣の深さよりも大統領との親密度を優先した人事だった。今回の指名が「シーファー型」(米国務省)と呼ばれる理由もそこにある。北朝鮮による日本人拉致問題では、人道上の強い問題意識と被害者家族らへの深い同情と共感を表明してきた。横田めぐみさんの拉致現場を駐日大使として初めて視察し、横田早紀江さんら被害者家族とブッシュ大統領の面会を実現させる強い後ろ盾となった。「国民との触れ合いが重要」との持論に基づく行動だった。北朝鮮のテロ支援国家指定解除問題では、米政府の決定を覆すには至らなかったものの、ブッシュ氏に親書を通じて強く再考を求めたことが知られている。
ルース氏は主に選挙資金調達を通じてオバマ氏の信任を深めたといい、論功行賞の指名であることは否めない。大使経験や政治人脈もない点は、確かに懸念材料とみられるだろう。豊富な政治・外交経験を買われて駐中国大使に指名されたハンツマン氏とも何かにつけて比較されそうだ。だが、同盟の大切さを認識し、国民の間に分け入って問題意識や国民感情を共有する姿勢があるならば、駐日大使として期待できない理由はない。まずは前任者のように、拉致現場視察や被害者家族らとの面談をお勧めしたい。来年、日米は安保条約改定50年を迎える。両国が協力して日米関係に新たなページを開く作業にも力を発揮してもらいたい。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━
 国会で27日、党首討論が行われた。盛り上がりなく、緊張感もない。野次の応酬でお二人の話が聞きとれない状態もあった。感動をあたえ、国民に夢を持たせ、明るい未来を明示することが大切だ。社説も低調であった。
 新聞の社説には強い主張がいる。党首討論には、強い政治主張を見せて欲しい。こんな党首討論は税金の無駄使いである。毎週開催を提案した社説もある、しっかりと準備をいて、月に1回位でよい。ビジョンを語り、具体的な政策を論議してもらいたい。そこから、日本の政治のあり様を導き出して、政治の在り方の彼我の違いを明示して貰いたい。次回からは、少なくともマニュフェストか、テーマを決めて土俵を同じにしたらどうだろうか。(300字)。

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2009/05/27

シニアネット 『おいおい』   第842号

━━senior citizen net━━━━━━━━━2009/05/27━

    シニアネット 『おいおい』         第842号
 
━━━━━━━━━━━行動するための情報紙━━━━

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 人生の達人なればこその海鞘           櫂未知子

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「海鞘(ほや)」は、ホヤ目の原索動物の総称。全身皮襄の皮の厚い被嚢を被り、それにイボ状の突起がある。浅い海の岩や海藻に付着して棲息する。食用とするには、被嚢をむき筋肉や内臓を酢の物にする。北海道から東北の沿岸で採れる。海のパイナップルと言われる。潮の香りと甘味と独特の苦みは美味しい。現在はほとんどがが、養殖である。東北地方の小料理屋には、「ホヤ酢」の文字が献立のすみにある。
「人生の達人なればこそ」、海鞘の味がわかるのだろう。作風は新しい諧謔を目指す。市井の哀歓や都市生活に於ける俳諧味の追求をつずけている。能村登四郎系。北海道余市生まれ。(1960―)。

┏━━安保決議(社説)━━━━━━━━━
  ◎国際社会の強力な結束を◎
北朝鮮の2度目の核実験を受けて、世界の目は国連安全保障理事会がどう対応するかに注がれている。 06年の初の核実験をめぐる決議は結果的に失敗に終わった。安保理の存在自体が問われかねない深刻な事態だ。国際社会として一致した強い意思を北朝鮮に突きつけなくてはならない。安保理の緊急会合では、新たな決議をつくることで一致した。3年前の決議は、二つの点で画期的だった。北朝鮮に対する初の決議であり、大量破壊兵器の開発につながる資金や物資の移動を止めるなどの制裁措置を加えたことだ。 だが残念ながら、制裁の履行は加盟国の判断に委ねられ、現実にはほとんど機能しなかった。いきなりの制裁には北朝鮮の暴発を招きかねないというためらいがあったし、制裁する側の結束を保つために強制色を弱める必要もあったからだろう。

27日;朝日社説(1)安保理決議―強固な結束あってこそ
http://www.asahi.com/paper/editorial20090527.html?ref=any
『実際、北朝鮮をめぐる各国の思惑にはかなりの違いがある。北朝鮮の核保有は日米韓にとって深刻な脅威だが、中国やロシアにとっても受け入れられる現実ではない。北朝鮮が開放的な政策への転換をとげることが好ましいというのも両国の本音に違いない。ただし、朝鮮半島の混乱が自国に波及するような事態は避けたい。だから、北朝鮮にあまり強い圧力をかけることには慎重だ。こうした違いは、先月の弾道ミサイルの発射実験をめぐって、安保理決議とするか、議長声明にとどめるか、という形でも表面化した。 だが今回、北朝鮮は核とミサイルで国際社会への脅しを強め、「核保有国」への野心を一段とあらわにした。いまこそ各国は違いを乗り越え、核放棄を厳しく迫らなければならない。
 どんな制裁を盛り込むかが注目されているが、大事なのは決議の実効性であり、それを支える加盟国の結束だ。その点で、中国の重要性を改めて指摘したい。北朝鮮の核問題で地域の緊張がこれ以上高まるのは中国にとっても好ましくないだろうし、核不拡散や平和に対して大国としての責任があることも自覚すべきである。日本は決議の草案づくりに参画する。ほかにもすべきことがある。拉致問題を含めて北朝鮮が政策を改めれば国交を正常化し、経済支援をする用意が日本にはある。それをもっと強く訴えて国際社会の結束を促すことだ。決議が万能薬でないことは、中東和平やイラン問題を見れば明らかだ。だが、今ここでいかに実効性ある内容を決議に盛り込めるか、安保理としての正念場を迎えている。

27日;読売社説(1)国連安保理 制裁の実効性をどう高めるか
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090526-OYT1T01262.htm
『北朝鮮の核実験に対する国連安全保障理事会の新決議が実効性の高いものとなるよう、日本は安保理の議論を積極的に主導していくべきだ。日本は、制裁措置を強化する内容の決議案を準備する方針だ。新決議は、資産凍結対象の拡大やぜいたく品のリスト作成、貨物検査の「要請」を義務に格上げすることが盛り込まれるかどうかが焦点となる。資産凍結対象団体の選定作業は07年の北朝鮮の6か国協議復帰に伴って中断し、先月の弾道ミサイル発射を受けて再開された。しかし、制裁に慎重な中国とロシアの意向を反映し、資産凍結の対象は3団体にとどまっている。
 今回の核実験では、同じ轍を踏んではなるまい。新たな制裁決議は、より効果的な内容にすることが大事だ。ただ、新決議を採択しても、北朝鮮は公然と無視し、核開発とミサイル発射実験をエスカレートさせる可能性が高い。金融制裁の手段を持つ米国と、エネルギー支援を含め最大の援助国である中国が、本気で阻止しようとしない限り、北朝鮮に核開発を断念させるのは至難だろう。北朝鮮の核ミサイルの脅威に直接さらされているのは日本だ。
中国は従来、北朝鮮への制裁強化に慎重な理由として、自らが議長国を務める6か国協議の再開が遠のくことを挙げてきた。安保理の現議長国であるロシアも中国と同一歩調を取ってきた。 だが、6か国協議が北朝鮮に核開発の時間稼ぎに利用されたのは紛れもない現実だ。協議の再開に応じるだけで見返りを引き出そうとするのも、北朝鮮の常套手段である。この期に及んでの対話重視の姿勢は、北朝鮮に足元をみられるだけだろう。新たな制裁決議を、北朝鮮に対し核廃棄を迫るための重要な土台にしなければならない。

┏━━国会決議(社説)━━━━━━━━━━
 ◎日本が一番の脅威国である◎
朝鮮の核実験に抗議する国会決議が、衆院本会議で全会一致により採択された。核実験は明確な国連決議違反で容認できないとの立場を鮮明にし、制裁強化など断固たる措置を政府に対して求めている。当然の対応である。これを受けて政府は、4月の長距離弾道ミサイル発射の際に見送った対北全面輸出禁止なども実行すべきだ。当初案は与野党合意の上で起草したものだが、国連決議違反などの文言は欠落していた。さすがに自民党内から「誤ったメッセージになる」との声が出て、結局、その文言は盛り込まれたものの、国権の最高機関としての信を失いかねなかった。決議は、2006年に続く2回目の核実験が「6カ国協議の共同声明や日朝平壌宣言にも明確に反する」と位置付け、北が二重、三重に約束を破り、日本を含む地域の平和と安定を脅かしていることを訴えた。共産、社民両党も加わり、全会一致の決議となったことを評価したい。

27日;産経社説(1)国会抗議決議 脅威直視した論議が必要
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090527/plc0905270247002-n1.htm
『政府が制裁強化について、国連に働きかけるとともに自らも独自措置を検討するのは当然だが、国会がそれらを政府に注文するだけで責務を果たしたとはいえまい。問題は、日本の防衛体制が北の核・ミサイルの脅威に対抗できるのかどうかである。ミサイル防衛(MD)があっても、中距離ミサイルが多数飛来すれば防ぎきれず、国の守りの限界を突き付けられている。報復能力や核・ミサイル施設の先制破壊などの議論を避けているばかりでは済まない現実が、目の前にある。
集団的自衛権行使に向けた憲法解釈の見直しや、核抑止力をどう担保するかといったテーマこそ、国会は封じるのではなく、論じなくてはならない。一方、国連安全保障理事会は日本政府の要請で開いた緊急会合で、全会一致で北の核実験が安保理決議1718の「明確な違反」とする議長談話を発表した。直ちに新たな決議の準備作業に入るとしている。韓国政府も大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に全面参加すると決めた。麻生太郎首相も米韓中露など各国首脳との電話会談で安保理の速やかな行動を訴えた。日本は米韓などと連携をさらに強め、実効的な対北国際包囲網を築かなくてはならない。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━
 25日と26日の2日間、大学病院に定期診察に行った。マスクをしない人は少ない。マスクを良く見ると、横が開いてマスクの役割をしてないものをした人を見かける。ウイルスチェックできないマスクである。病院の売店も、25日には在庫なし。26日にやっとマスクが展示された。
 昨年の冬、マスクを買いあさった。いろいろなマスクが残った。ウイルスチェックの機能のないマスクが多い。ガーゼマスクが中心である。ウイルスチェックのマスクは、少なく、ほとんどが役立たずの商品である。ウイルスチェックのマスクを探し求めた記憶がある。新型インフルエンザが、マスクを舞台の主役にした。粗悪製品も出回っているのではないか。備えあれば憂いなしか。(300字)

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2009/05/25

シニアネット 『おいおい』  第841号

━━senior citizen net━━━━━━2009/05/25━

    シニアネット 『おいおい』     第841号
 
━━━━━━━行動するための情報紙━━━━━

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 雨ふくむ葉のおもみして若楓       原石鼎

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昭和13年(1938)作。初夏に見られ若葉は美しい。木の種類により、成長子度合いろいろである。豪華なのは樟若葉、爽快な端桜、艶やかでまぶしい柿若葉、樫若葉や椎若葉など。「若楓(わかかえで)」は、楓若葉のこと。若楓には、若葉から青葉へうつるみずみずしさがある。また、楓の若葉には繊細な風情は昔から人々に愛された。初夏の若楓と秋の紅葉と二度楽しませてくれる。
若楓は下から仰ぐと初夏の青空が透けて見える。黄緑も赤茶もある。雨に濡れた若葉は、「雨すくむ葉のおもみ」があり、若葉の輝きがある。新緑の期間は短く、若葉は青葉にかわる。島根県出雲市生まれ。(1886-1951)。

┏━━本のデジタル化(社説)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◎日本の国としての対応を◎
 グーグルは欧米の大学図書館などの蔵書をコピーして、700万冊を超えるデータベースを作った。ウェブ情報は玉石混交といわれるが、書籍からの情報は総じて質が高い。絶版書をネットで読めるようにする。米国の著作者や出版社の団体との間で、データベース利用料や広告などで得られる収入の63%を支払うといった和解案がまとまった。ところが問題は日本にも及び、混乱が起きている。

25日;朝日社説(2)本のデジタル化―知の集積体を日本にも
http://www.asahi.com/paper/editorial20090525.html?ref=any#Edit2
『世界中の膨大な数の本から知りたい情報を即座に探し出す。ネット検索の最大手、米国グーグル社が、そんな検索サービスを進めている。この先、市場で流通していない日本語の本が絶版と判断されれば、ネットでの公開が広がるかもしれない。 著作権者はデータ削除を求めることもできるが、積極的に拒否の手続きをしないと、グーグルのルールに同意したことになる。こうした一方的なやり方に、日本文芸家協会などが抗議の声をあげている。グーグルは十分に説明し、より丁寧に対応する必要がある。しかしこの先、グーグルの書籍検索が世界で大きな影響力を持つのは間違いないだろう。とすれば、データを削除させることで日本の本の著作権を守るという姿勢だけでいいだろうか。
 重要なのは、こうした「知」を集積する作業を米国の一企業に任せておいてはいけないということだ。経営方針が変わるかもしれない。検索で何を上位に表示するかなど、運用もグーグルの裁量だ。一方で不安定さと偏りが生じる可能性がある。だからこそ、グーグルとは違う、多様な知の集積と検索のシステムを作ることが必要だ。欧州連合は昨年11月、加盟27カ国の文化機関が所蔵する書籍や絵画、映像などを検索・閲覧できる「ヨーロピアナ」を開設した。データ数は400万を超え、来年には1千万になるという。韓国でも国立図書館がデジタル化を積極的に進めている。
 審議中の著作権法改正案が通れば、国立国会図書館は著作権者の許諾なしで所蔵資料のデジタル複写ができる。景気対策のための補正予算案では、デジタル化に約126億円がついた。例年の100年分の額だ。順調にいけば来春までに国内図書の4分の1がデジタル化できる。本は著作者の知恵と労力の結晶である。敬意をはらい、権利を尊重したうえで、デジタル技術を利用して新しい価値を生み出す努力をしたい。日本の知を集積し、世界に発信する仕組みづくりを官民で急がねばならない。

┏━━言語力(社説)━━━━━━━━━━
 ◎コミュニケーション力の向上を◎
2000年代に入り、高校1年生対象の経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)で、日本は続けて順位を下げ、活用力や読解力に問題があると指摘された。これが新要領に強い影響を与えた。筋道立てた説明や受け答え、討論などをする力は家庭や社会のありようにも根ざし、学校教育にすべてがかかるものではない。しかし、これによって、一方的に知識を授けることになりがちだった学校の授業が大きく変わる可能性がある。

25日;毎日社説(1)言語力育成 「正解は一つ」ではない
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090525k0000m070110000c.html
『小中学校は11年度に新学習指導要領に全面移行するが、多くの学校は前倒し実施を始めている。新要領は、授業時間を増やし学習量を復活させたと注目されたが、もう一つ大きな特徴がある。全教科で「言語力」育成を求めたことだ。新要領は教科学習でどんなことを通じ言語力育成を考えているのか。例えば、小学校の算数では数、式、図を用いて考え、説明させる。理科では推論を促す。中学校の社会では地図や資料を読み取り、論述、意見交換をさせ、理科では分析、解釈、音楽では根拠をもった批評を求める。こうしたことが全教科に「言語活動」として盛り込まれている。教材をどう生かし、課題設定し、展開するかは学校現場それぞれの工夫だが、基本姿勢は「正解は一つではない。異なる意見を聞き、なぜそう思うかを理解し、自分の意見も理由をつけて説明し、協力して課題を考える」ことといえよう。実は大人社会が十分にできていないことだ。
 明治以来の義務教育は概して「一つの正解」を出させ、覚えさせるものだった。基礎知識や定式は必要だが、一方で懐疑的な視点、多様な見方など、独創的思考や表現に欠かせない力の育成には十分ではない。戦後の受験過熱は学習を暗記に傾かせ、さらには読書離れやゲーム、携帯電話普及など子供たちの環境は移り変わった。そしてグローバル化の中で、主張、討論する力の不足は大きな問題と指摘されてきた。こうした状況を踏まえ財団法人「文字・活字文化推進機構」が今秋始める「言語力検定」は、資料を理解して考えを整理し、記述するなど、従来の語彙力試しや一つの正しい解釈を選ばせるようなものとは異なる。学校現場でも参考になるだろう。
 小学校の英語導入も、異なる言語文化に触れ、コミュニケーションに積極的になる態度を育てることが目的とされている。窮屈な受験英語の先取りに化けては元も子もない。言語力育成という発想が生き、ノウハウが充実するには実践の積み重ねと情報が必要だ。研修などでそれを共有できる工夫が欠かせない。

┏━━住基ネット(社説)━━━━━━━
 ◎法の整備を急げ◎
法で定められた住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)への参加を拒み続ける地方自治体に対し、総務省が地方自治法の改正や新規立法を含めて国の権限で是正できるよう検討を始めた。住基ネットは、すべての自治体が参加してこそ最大の効果を発揮する。それが稼働から7年近く経過した今もなお、東京都国立市など2つの自治体が違法状態の中で接続を拒否しているのは、異常というほかない。

25日;産経社説(1)住基ネット拒否 法の不備正すのは当然だ
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090525/lcl0905250314001-n1.htm
『こうした不正常な状態は、いつまでも放置できないとする国の方針はもっともであるし、現行法の不備によるものなら、是正するのは当然の措置だろう。住基ネットは国と全国の地方自治体を電子的なネットワークで結び、氏名や生年月日、性別、住所の4つの個人情報を一元管理するシステムだ。平成11年の住民基本台帳法改正で導入が決定され、14年8月に稼働を開始した。すべての台帳をネットワーク化することで、パスポートや住民票など公的証書の交付や納税、年金受給の手続きなどは大幅に簡素化された。年金記録の照合にも大きな力を発揮したことで、国民の理解も徐々に深まっている。
 制度導入に際しては、一部自治体から「プライバシー侵害の恐れがある」などの理由で接続を拒まれたり、違憲訴訟を起こされたりした。だがセキュリティー対策の強化によって、昨年3月には最高裁の合憲判断が下り、2自治体以外は次々と接続に転じている。国立市などが度重なる是正要求にも応じないのは、現行法に国の強制的な接続権限や手段が規定されておらず、罰則もないからだ。そもそも地方自治法は、地方が国の指示に従わない事態など想定していなかった。
 このため総務省は、自治体が違法状態にある場合、総務相が高等裁判所に是正を求める「義務付け訴訟」を提起できる仕組みを検討している。ほかにも、違法状態を放置する首長に対する議会の不信任決議の要件緩和、特別法による首長罷免の住民投票実施などが想定されている。だが、こうした地方への国の権限強化については「地方自治の根本にかかわる大問題に発展する可能性がある」(山田啓二京都府知事)などとする強い警戒感が自治体側にはある。国はこうした声にも十分に耳を傾け、検討作業を進める必要があるだろう。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━
 「朝日ジャーナル」(週刊朝日緊急増刊号)の「復刻号」(4月29日)が本屋の棚に並んでいる。創刊50年と銘打った。1959年3月創刊し1992年5月休刊した。今、「ジャーナル」があれば、何を訴求するか。「健全左派」の存在が、保守を健全にする。
「日本の政治は機能不全と社会システムは崩壊している。この国の未来に希望が持てない。いま、ジャーナルがあったら、立ち止まって考えるチャンスを提案しただろう。」と。「知的虚栄心」と「知の復権」を書いたであろうとも。『この国への強い危機感「知的虚栄心」と「知の復権」を』は、週刊朝日編集長山口一臣の「巻頭言」である。
現在の新聞論調にない、鋭さを感じる。癒せない憂鬱を多少なりとも和らげてくれる。見田宗介氏の「現代社会はどこに向かうか」は世代間の精神の距離が消失したと主張している。健全野党があるから、対立軸の保守がしっかりする。現在の閉塞感は、意外と簡単な原因によるのかも知れない。

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2009/05/22

シニアネット 『おいおい』 第840号

━━senior citizen net━━━━━━2009/05/22 ━

    シニアネット 『おいおい』       第840号
 
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 山高く働く人に青嵐           茨木和生

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「青嵐(あおあらし)」は、青葉茂れる頃に吹くやや強い風。清涼,爽快で、明るく激しい感じを伴う。「南風(みなみかぜ)」とほぼ同じ意味。林野で働く人たち。昔は営林暑の仕事だった。木を切り出したり、間伐をしたり、土砂流失防止する。奥深い山で働く男たちの汗をさわやかな青嵐が吹きつける。
作風は、「生まれ育った土地、訪れた土地の禽獣虫魚、山川草木、さらには地霊との交歓のうちにそこにひとつの楽園を生ましめている。フォークロアの世界に踏み込む楽しさがある。」(『現代俳句大事典』より)。奈良県大和郡山市生まれ。(1939- )。

┏━━GDP━━━━━━━━━━━━━━━
◎戦後最悪。反転なるか◎
内閣府が発表した1―3月期の国内総生産(GDP)速報値は前期比、年率換算で15.2%減と戦後最大の減少率になった。昨年10―12月期の同14.4%減に続く、マイナス成長のワースト記録更新は2期連続となった。 この結果、2008年度は戦後初の4四半期連続のマイナス成長だ。年度全体の成長率もマイナス3・5%で戦後最悪。

21日;日経社説(1)戦後最悪の急落後の反転探る日本経済
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090520AS1K2000420052009.html
『昨年秋以降の世界的な金融危機に伴う日本経済の落ち込みは戦後最悪だったことが統計でも裏付けられた。予想されていた数字ではあるが、あらためて世界金融危機が、日本経済にもたらした傷跡の大きさをうかがわせる。昨年秋の米大手証券リーマン・ブラザーズ破綻以降の危機の広がりは、世界的な需要の冷え込みを通じて日本の輸出を直撃、その影響が個人消費や設備投資など内需にも幅広く広がったのが1―3月期のGDPの大きな落ち込みの原因だ。日本経済はお先真っ暗のようにみえるが、最近の経済指標には下げ止まりの兆しを示すものも出始めている。3月の鉱工業生産は、半年ぶりに前月比プラスに転じ、4月、5月の予測指数も改善が見込まれている。急激に落ち込んだ輸出も中国向けの素材などを中心に回復の兆候がみられる。
 米国でも最近は明るい経済指標も出始めているが、危機で傷んだ金融機能の回復は道半ばだ。米国向けの輸出が危機前の水準にすぐに戻るとは考えにくい。自動車、電機など日本の輸出企業も収益回復の道筋はまだ描けず、雇用や所得も当面厳しい状況が続くだろう。ここ最近、為替相場が円高・ドル安に再び振れているのも不安材料だ。ジェットコースターの下り坂でどこまで落ちるかわからないという恐怖感がひとまず和らいだというのが、今の日本経済の姿だろう。平らな道に入ったと思ったら、再び下り坂に入るリスクは残っている。政府・日銀は景気下支えのために財政出動や金融緩和を打ち出してきたが、今後も景気動向に応じて機動的に効果のある政策を打ち出すべきだ。また、日本経済を持続的な成長軌道に戻すには、産業構造の転換を促す規制改革など成長力の強化につながる構造改革も欠かせない。

21日;読売社説(1)GDP急減 「戦後最悪」を乗り切るには
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090520-OYT1T01122.htm
『景気が、とんでもない急坂を駆け下りていることが裏付けられた。急激な悪化に歯止めをかけるため、まずは追加経済対策の実施に欠かせない補正予算関連法案の成立を急がねばならない。世界不況のあおりを受け、1~3月期は輸出の減少に拍車がかかった。さらに設備投資、消費、住宅という内需の3本柱がそろって大幅に減少した。文字通り「総崩れ」である。ただ、先行きに明るい兆しも見えてきた。例えば、売れ残りで企業が抱えた在庫がようやく減り始めた。最近は急激な減産に歯止めがかかりつつある。定額給付金などの効果も加わって、景気は最悪期を脱し、4~6月期にプラス成長に回復するとの見方もある。7~9月期からは追加対策の効果も出てきそうだ。だが、そのまま日本経済が本格的な回復軌道に入ると見るのは早計だろう。正社員の人員整理や賃金カットなどは、むしろこれからが本番と見られる。リストラの恐怖が消えない状況では、エコカーや省エネ家電の購入補助による消費促進効果も限られよう。失業や賃金の動向に注意を払わねばならない。
 世界経済の先行きが見通せない中では、企業も思い切った設備投資に踏み切れまい。行き過ぎた悲観は景気下押しの原因になるが、安易な楽観ムードはさらに危うい。90年代半ばには、一時的な景気回復に安心して緊縮財政にカジを切り、深刻な金融不況を招いた苦い経験がある。財政事情はかつてない厳しさだが、一時的な明るさに惑わされて政策の手を緩め、景気を再び底割れさせてはならない。

21日;朝日社説(1)最悪GDP―怖いデフレと失業の連鎖
http://www.asahi.com/paper/editorial20090521.html
『今年1~3月期は、米国が同6.1%、欧州ユーロ圏16カ国が同10%程度だった。日本の落ち込みが深いのは、輸出依存が裏目に出たためだ。世界中の需要消滅にひとたまりもなく、急激で大幅な減産が、設備投資の抑制と消費の冷え込みに波及した。ただし、鉱工業生産指数の動きを見ると減産は2月に一段落しており、3月以降は半年ぶりの回復基調となっている。昨年秋からの歴史的な経済収縮は1~3月を当面の底にして、横ばいないし若干の持ち直し局面に入った可能性がある。日本の状況は、世界経済の落ち着きの反映でもある。米国では、金融当局による大手銀行への特別検査が終わり、金融危機の再燃に対する警戒感は和らいでいる。金融危機の病根である住宅・不動産市場は一進一退だが、ひところの悲観論一色ではなくなった。欧州は中東欧に火種を抱えるものの、金融は小康状態を維持している。
当面警戒すべきは、デフレと雇用の悪化だ。国内の消費者物価は石油製品などの値下がりで3月はマイナスに転じた。これが消費不振によって加速するようだと企業経営をさらに圧迫し、失業の増加に拍車がかかりかねない。3月の失業率は4.8%だったが、いずれ5%を突破するだろう。雇用悪化→消費減→デフレという悪循環を避けるべく、細心の配慮が求められる。 同様の危険は米国にもある。4月の消費者物価は54年ぶりの下げ幅を記録した。雇用も、ゼネラル・モーターズ問題の行方次第では一段と深刻化しよう。失業などで家計が悪化すればカードローンなどの不良債権が急拡大し、銀行の経営不安につながる。段階的な回復か、デフレ下でのさらに長い低迷か。世界と日本の景気は大きな分かれ道にある。

21日;産経社説(2)マイナス成長 本格回復につなぐ戦略を
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090521/biz0905210316003-n1.htm
『4月に入ってからの経済の現状は悲観論一色ではない。企業の在庫調整が進んだことから生産に回復の動きがみられるほか、中国やインドなどの景気回復が先行して輸出に下げ止まりの兆しがある。3月の景気動向指数の先行指数も6カ月ぶりに上昇し、消費者心理も改善してきた。20日の東京株式市場が続伸したのも景気の底入れ期待の表れである。政府は昨年から経済対策を相次いで打っている。追加対策として総額14兆円弱の補正予算案も衆院を通過し、参院審議が始まった。バラマキ批判はあるものの、今後定額給付金やエコカー購入支援、家電製品に付加する「エコポイント」など消費を押し上げる効果が期待できる。このため、4~6月期はプラス成長に転じる可能性が高く、景気の底割れは何とか回避されそうだとの見方も多くなっている。
 ただ、問題はこのまま景気が回復に向かうかどうかが見通せない点である。輸出の本格回復には米国経済の持ち直しが不可欠だ。夏のボーナスカットや雇用情勢の一段の悪化など景気が腰折れするリスクもある。これまでの政府による財政出動は主に短期的な効果を狙う政策が中心であり、今後の経済の自律的な回復に結びつける中長期のビジョンもなければならない。そのためには、内需の拡大につながる医療、教育、エネルギー・環境や農業などの分野における規制緩和が不可欠だろう。国民が身をすくめて将来の不安を抱いたままでは経済成長はおぼつかない。政府には本格回復につながる改革の戦略を求めたい。

21日;毎日社説(2)最悪GDP 家計を元気付ける時だ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090521ddm005070051000c.html
『景気が昨年末から今年1~2月にかけて急激に悪化したことがGDP統計の上でも証明された。このところ、景気の先行きには底打ちや小幅改善の動きも出てきた。代表的なものは3月の鉱工業生産が増加に転じたことだ。金融市場混乱も小康状態にある。株価も世界的に回復基調にある。政府は現在、参院で審議中の09年度補正予算案が成立すれば、経済を3%程度押し上げる効果が表れると試算している。ただ、それでも政府は3・3%のマイナス成長と見ているのだ。肝心の米国では4月に住宅着工が過去最悪を記録したように、とても景気底打ちを語れるような状況にはない。こういう時期だからこそ、本質をとらえた経済政策が講じられなければならない。
 そこでやらなければならないことは明確だ。家計が経済を支える構造の回復である。1~3月期のGDP速報では民間企業設備投資の過去最大の落ち込みや輸出の急減に目が向かいがちだ。しかし、最も深刻なのはGDPの約56%を占める家計最終消費支出の減少が定着したようにみえることだ。07年ごろまでは家計支出が下支えの役割を果たしていた。それが様変わりしたのは所得減少や失業増加のためだ。こうした環境変化を勘案すれば、企業への支援よりも、失業対策や再就職支援、雇用創出策中心の政策が必要なことが導き出される。こうした政策は安心や安全の実現にも、経済社会の活力回復にも寄与する。審議中の09年度補正予算案では、従来に比べれば雇用対策などに多くの予算が配分されているが、成長戦略には及ばない。相変わらず供給側に軸足が置かれている。
 海外需要に過度に依存する経済の弱さは今回の世界危機でも経験した。企業設備も外需向けで高い伸びを続けてきた。こうしたことが夢と消えたいま、内需の柱である家計を元気付けること以外に、本質的な経済再生策はない。補正予算案をより効果のあるものにすることも、有効な選択肢である。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━
 小紙の社説批判は「民主党問題」を1度も取り上げなかった。小沢一郎前代表の体質が気に入らない。何億円もの金を集め、何に使ったのか説明がない。政治資金をもらうのが当然という昔の自民党の体質だ。倫理観のない古い体質の政治家である。より高い倫理観が求められる。巨額献金に虚偽の報告をした。形式犯では済まされない。
 民主党代表選挙後、小沢氏は引退するものと思っていた。それなのに、タライ回しの幹部人事だ。古い自民党の体質そのままである。巨額献金事件のけじめなし。鳩山代表の「愛のある政治」に看板をすり替えた。国家に対するビジョンも、具体的な政治姿勢も見えない。調整型の政治家である。
 次期の衆議院では、2党が拮抗するだろう。国民は、2大政党による政権交代を期待している。いままで、野党の力が弱すぎた。強力な野党が出来て、与党を凌駕する政党の誕生を望む。しかし、今の民主党では、国民の期待に応えうるような政党にはまだ成長してない。民主党は、30-40人のグループで構成された組織だ。利害得失で結ばれた同床異夢である。小沢一郎という政治家の政治姿勢は、次世代に合わない政治姿勢である。67歳の政治家の引退の潮時ではないのか。(500字)

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2009/05/18

シニアネット 『おいおい』  第839号

━━senior citizen net━━━━━2009/05/18━

    シニアネット 『おいおい』    第839号
 
━━━━━━━━━行動するための情報紙━━

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 草の上を風がすべりて賀茂祭   鷲谷七菜子

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15日は葵祭り。京都市の賀茂神社と下鴨神社の例祭。京都三大祭りの1つ。平安遷都以来、玉城の守護神とされる歴代皇女が斎王として奉仕した。現代の斎王は選ばれる。牛車を中心に勅使の行列は、御所を出て下鴨神社へ、神事を終えて賀茂神社へそこでも神事を午後御所に戻る。
昔は祭りといえば、「葵祭り」をさした。江戸時代以降、懸け葵いといい、社殿や神官の冠に葵を挿すようになった。供奉する人々が冠帽に葵柱を飾るので葵祭りともいう。勅使中心とした奉幣使の賀茂神社参向の行列であり、豪華絢爛の中に平安朝の典雅な装いを見ることができる。
作者は、祖父の上方舞楳茂都流2代目家元に引き取られて育てられた。3代目の父と母宝塚スター吉野雪子の長女。大阪市生まれ。(1923- )。

┏━━お詫び━━━━━━━━━━━━━━━
  前号838号以来の「空白」。元気ですが、野暮用で発行が遅れました。それに、ネットワークの不調でパソコンが13日以来使用できず、1週間無駄にすごしました。「騒動記」は、別便にてお知らせします。かくも長き、「空白」をお詫びします。今後は、一生縣命頑張ります。よろしくご指導とご鞭撻ください。
 それに、大阪府は「新インフルエンザ騒動」。夏風邪が、猛威を振るうとは1? 5月24日{日}楽しみにしていた「みどりのつどい」まで中止。子供中心の祭りを大学生が支えてくれる「夏まつり」。今年は、新企画もたてたのに、残念。

┏━━新型インフル━━━━━━━━━━━
 ◎遅れた国内感染対策を取り戻せ◎
事態は、思わぬ速さで進んでいる。 新型の豚インフルエンザは、兵庫県と大阪府の高校生を中心に感染の広がりを見せている。外国で感染した人を通じて国内に入り込んだウイルスに高校生が感染し、クラブ活動などを通じてさらに広がったとみられる。しかも、校内での集団感染という一歩進んだ形だった。2府県にとどまらず、国内で感染がかなり浸透していると考えざるを得ない。感染の広がりを想定して、医療態勢などの整備を急ぐべきだ。 感染しても症状が出ない、最長で1週間の潜伏期間があり、検疫をすり抜ける可能性が指摘されていた。それがはっきり現実のものとなった。

18日;朝日社説(1)国内感染―広がり踏まえた対策を
http://www.asahi.com/paper/editorial20090518.html?ref=any#Edit1
『感染がわかったきっかけは12日、診療所を訪れた高校生の症状を見て、念のためにと検査を依頼した神戸市の開業医の機転だった。渡航歴のない高校生の検査は後回しになり、新型と確認されたのは3日後の15日だった。 神戸市では、大型連休明けにインフルエンザらしい症状を訴える患者が増え、この高校でも8日ころから目立ち始めていた。しかし、新型とは疑われなかったようだ。厚生労働省が早くから国内への侵入を前提に注意を呼びかけていれば、もっと早い段階で集団感染がわかった可能性もある。 ほかの都道府県でも、同様に見過ごされている例もあるのではないか。厚労省は、全国の自治体での医療態勢づくりを全力で支えなければならない。医師などの専門家には、水際の検疫ではなく、地域での感染対策にこそ力を注いでもらうべきだ。
 インフルエンザは自宅で寝て治すことが常識の米国などとは異なり、日本では病院や診療所へ駆け込む人が多い。大勢の患者が病院に押しかけたら、発熱外来はもちろん、病院全体が大混乱に陥りかねない。 軽症の人が家にとどまって診療を受けられる往診態勢や、医療機関が感染を広げる場にならないように感染者を分ける仕組みも必要だ。休校措置などを広げすぎると、家族も動けなくなり地域社会の機能がマヒしかねない。 感染者数が刻々と増えている。現実的な対応策を至急、整えなければならない。

17日;読売社説(1)国内新型初感染 新局面にも柔軟対応が大切だ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090516-OYT1T00978.htm
『怖い、不安だ、という人は少なくないはずだ。しかし、心得ておくべきは、たとえ新型に感染したとしても大多数の人は「軽症」ということだ。感染が拡大している米国などでも、重症化は一部にとどまる。それも、何らかの重い病気を抱えていた人がほとんどとされる。取りあえず、個人の対策は通常のインフルエンザ感染シーズンと変わらない。うがいや手洗いを励行して感染を予防する。少なくとも日常生活は従来通りで、特に変えなくてもいい。 恐れ過ぎないことだ。ただし甘く見てもいけない。
 感染が広がり、蔓延する事態になれば、社会、経済への影響を無視できない。重症ではなくとも、熱が出て動けないという人が増えれば、企業や社会の活動にも大きな支障が出る。政府の対応が重要だ。感染の急拡大を防がねばならない。すでに現在のような「国内発生早期」の対応策は決めてある。感染者が出た地域は学校を休校とし集会は自粛を求める、という内容だ。原則は、これを着実に実行することだが、柔軟性が大切だ。この対応策は、重症例が多い場合を想定している。今回は全く違う。学校休校は感染者が出た近隣に限るなど、社会、経済への影響を最小限にする必要がある。政府は、これまで、空港での検疫など、水際対策に力を注いできた。これにより、新型の国内侵入を遅らせることはできた。だが、応援の医療従事者を大量投入したことで、国内対策の遅れが指摘されている。これも、そろそろ見直しが要る。

17日;毎日社説(1)初の国内感染 医療体制整備に重点を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090517ddm004070013000c.html
『今回の新型は、多くの人にとって季節性インフルエンザと同程度の症状にとどまっている。その点では恐れることはなく、冷静な対応が大事だ。ただ、秋冬に向けて変異することもありうる。ほとんどの人に免疫がないため、重症者が多く出る恐れもある。感染拡大を防ぐ基本対策を国も個人も組織も、徹底したい。重症化の恐れがあるのは、慢性の呼吸器や循環器の疾患、糖尿病、免疫不全などの持病のある人たちだ。妊婦もリスクが高いと考えられる。季節性と違って、健康な若者の中にも重症化する人がいる。今後、こうした人々の感染防止や治療をどう進めていくか、具体的に考えなくてはならない。その際に重要なのは医療体制の整備だ。感染者が増えてきた場合に、現在の発熱外来で確実に対応できるか、再点検してほしい。病院を感染拡大の場にしないよう、十分なシミュレーションが必要だ。発熱外来だけで対応できなくなった場合のことも、早急に考えておきたい。
 感染者が確認された地域で学校などを休校にすることは、国内感染者が確認された初期の段階では妥当な対応だろう。ただ、新型対策は、健康被害を防ぐと同時に、社会機能を混乱させないことも重要であり、バランスのとれた対応は欠かせない。学校や保育所を臨時休業にすることに伴い、保護者の勤務に支障が出る場合もある。そのための手当ても、地域や職場で考慮しておくことが必要だ。
 新型対策は、国と自治体で役割分担されている。地域の実情に応じた自治体の対策は重要だが、そのための基準を示す責務は国にある。変化していく状況に応じ、迅速な対応が国には求められる。自治体同士の連携も重要だ。国は「感染が疑われる人は、発熱相談センターに連絡を」と呼びかけている。ただ、発熱やせきの症状があっても、「新型」を疑わずに直接病院に行く人もいるだろう。国は、個人の行動と医療機関の対応をセットにして、きめ細かい指針を国民に示してほしい。そうでないと医療機関も混乱する。国民が政府の指針や医療体制に安心感を持つことで、混乱を防ぐことができる。それが、全体の被害を抑えることにもつながるはずだ。

18日;産経社説(1)国内初の感染 まず学校対策に万全期せ
http://sankei.jp.msn.com/life/body/090518/bdy0905180313001-n1.htm
『政府が警戒レベルを第1段階(海外発生期)から第2段階(国内発生早期)に引き上げ、対策は新たな局面を迎えた。季節性のインフルエンザも、まず最初に小学校の児童の間で流行し、それが各家庭に入り込み、さらには高齢者施設へと感染が拡大する。 特に今回の新型インフルエンザは、10代の若者に感染しやすいのが特徴とされるだけに、なおさら注意が必要だ。カナダや米国のケースも、学生の間で集団感染が起きたことが世界保健機関(WHO)の警戒レベル引き上げの根拠のひとつになった。最初の国内感染が報告された神戸市は、市内の一部地域で公立学校の臨時休校を決めた。現時点ではまず、学校段階でどこまで効果的な予防策をとれるかがカギを握る。それが国内の感染拡大を最小限に抑えることにもなる。
 政府も「国内発生早期」の対策として臨時休校のほか、不特定多数が集まる集会の中止や人込みへの外出自粛などを自治体を通じて国民に呼びかける。だが、むやみに規制を広げたのでは混乱するだけだ。経済、社会への影響を考えた柔軟な対応が求められる。一方で、感染症の専門家は「神戸や大阪だけにとどまらない。感染者はすでに数百人に及んでいる可能性がある」と指摘する。患者の発生状況に合わせ、国内の感染拡大防止へと移していくことも考えたい。検疫の強化に充てられてきた医療スタッフの一部を病院や保健所に戻すなど、地域差がある発熱外来などの医療態勢は早急に整備すべきだ。インフルエンザ治療薬の十分な備蓄量を確保するとともに、ワクチンの製造も計画的に推し進めていかなければならない。感染経路の特定も欠かせない。幸いなことに感染者の多くは比較的軽症で済んでいる。恐れず、だが甘くも見ず、着実に対策を進めたい。

17日;日経社説(1)冷静に柔軟に感染拡大防げ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090516AS1K1600516052009.html
『今回の新型は豚インフルエンザの変異で生まれた。幸いなことに病原性は毎年の季節性インフルエンザと大差ない。治療薬もある。ほとんどの患者は軽症で回復している。国民ひとりひとりの対応はいつものインフルエンザと同じでいい。人込みになるべく出かけない。出かけたときはマスクを着け、せきエチケットを心がける。うがいや手洗いで体を清潔に保つ。基本動作が大事だ。糖尿病などの持病がある人は重症化しやすい。特に注意が必要だ。高齢者の感染が少ないとの見方が出ているが、お年寄りは心配ないと受け取るのは早計だ。少ない理由が医学的にはっきりしないし多くの高齢者は慢性的な病気を持つ。リスクは高いと考えて用心するにこしたことはない。個人は通常のインフルエンザ並みに冷静に防衛策を講じればよいが、社会の対応は異なる。多くの人が一度にかかれば社会的な混乱を招くこともありうる。だれも免疫を持たない新型だけにその恐れを否定できない。重症化のリスクが高い人にうつる危険も増す。
 大流行にしないため、感染者が発生した地域で学校や保育園などを休んだり、イベントを中止したりすることもやむを得ない。感染経路を明らかにするため感染者と接触した人たちを割り出すことも必要だ。症状が普通のインフルエンザと似ており誤解も生じやすい。政府や自治体はプライバシーを守ることや経済活動への影響とのかねあいを考えて臨機応変に対策を進めてほしい。対策が円滑に進むために正確な情報に基づく国民の理解も不可欠だ。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━
昨年10月29日発売の『闘う社説』は、若宮啓文さんの朝日新聞論説主幹の2千日の言行録。2002年9月1日から2008年3月31日までの在任期間中の大事件に対する対応録である。「社説とは何であるか」に挑戦した。発売の時は、流し読みにしたが、最近読み直してみた。
2004年に「比べて読めば面白い」を提案したとある。小紙は2001年7月23日からそれをやっていますと教えてあげたい。社説は、比較検討することにより、論点が見えてくる。これが、小紙の「存在意義」である。社説は5紙を読んで、始めて全体が分かる。1紙の偏見が見抜くためには、総合判断が必要である。
 「新聞の論説は読まれていることはまとにすくなく、一説によると全国の論説委員の合計した数しか読者がいない。」とは、丸谷才一の小説『女ざかり』の一節である。映画化されて、吉永小百合が主演した。社説を総合的に読む人は、これ位面白い事はない。中長期的な視点で「判断」できる。それに、情報に重要度順をつける癖がつく。「思考停止」の現在の状況を打開する「判断力」が身に付く。「新聞がある限り、いや新聞を生かしていくためにこそ、社説の闘いは続いていく。」これが、若宮啓文さんの後輩への伝言である。(500字)


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2009/05/06

シニアネット 『おいおい』 第838号

━━senior citizen net━━━━━━2009/05/06━

  シニアネット 『おいおい』      第838号
 
━━━━━━━━━━━行動するための情報紙━━━

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 牡丹はや散りてあとかたなかりけり    久保田万太郎

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5月6日は、久保田万太郎の命日である。生涯最後の日に詠まれた。夕方梅原龍三郎の家で、誤嚥下気管閉塞で急逝した。毎年花をテーマに詠っていた。死の2時前に弟子の安住敦に口頭で、<小でまりの花に風いで来りけり>を伝えた。しかし、句集『流寓抄以後』には、掲載句が最後に置かれている。死の気配のする句である。散っても見事な「牡丹」が「あとかたもなかりけり」になり、後に何も残っていない。
 蕪村の本歌とりである。<牡丹散てうちかさなりぬ二三片>。平明な表現で共感を呼ぶ、歳時記の例句登載が非常に多い。傘雨忌とも言う。東京都生まれ。(1889―1963)。 

┏━━エコカー(社説)━━━━━━━━━━━
 ◎はずみをつけよう◎
ガソリンエンジンとモーターを併用するハイブリッド車が、ガソリン車と同じぐらいに安くなってきた。新しいクルマの世紀がいよいよ開く。ハイブリッド車の燃費は軽自動車を上回り、二酸化炭素の排出量を大幅に減らすことができる。だが同クラスのガソリン車より数十万円割高で、買うのは環境志向の人に限られていただけに、低価格競争で普及に弾みがつくよう期待したい。

6日;朝日社説(2)エコカー―低価格で普及に弾みを
http://www.asahi.com/paper/editorial20090506.html?ref=any#Edit2
『 実際、新型インサイトの受注は目標の2倍強、プリウスも4月初めから予約を受け付けたところ、もう5万台前後に達したという。環境に優しく、しかもガソリン車並みという値段に、消費者が飛びついているのだ。4月からの税制優遇に加え、政府・与党がまとめた新経済対策に入った買い替え補助により、最大40万円ほど負担が軽くなるのも効いている。 今年は、環境対応を第一に考える時代の出発点にしたいものだ。
 JPモルガン証券のリポートは、ハイブリッド車の昨年の世界市場規模は57万台だが、各国の普及促進策などもあって、2018年には900万台半ばへ拡大すると予測している。家庭用電源で充電できるプラグイン・ハイブリッドや、モーターだけで走る電気自動車の実用化も遠くはない。そんなエコカーによる脱ガソリン、すなわち低炭素社会への転換の先頭を日本車には走ってもらいたい。日本では、家庭で出す二酸化炭素のうちマイカーが約3分の1を占める。06年度は約8千万トンで、90年より50%近くも増えている。
 その点で、新経済対策のエコカー購入補助が対象となる車の燃費基準を緩くしたのは残念だ。雇用への影響が大きい自動車産業を一時的に支援するために基準を緩くしたのだが、その結果、脱ガソリンを進める政策効果が甘くなってしまった。政府は支援のハードルを上げていくべきではないか。 自動車の脱ガソリンは、高性能電池の開発といった新たな産業の拡大にもつながる。低炭素社会の実現には、こういう形でさまざまなビジネスチャンスが出てくるはずだ。 低炭素化の取り組みは、自動車業界だけでなく、産業界全体にとっても、新しい時代を開くに違いない。

┏━━自殺統計(社説)━━━━━━━━━━━
 ◎自殺防止対策を急げ◎
警察庁のまとめによると、昨年の自殺者数は3万2249人に上った。前年より844人減ったとはいえ、3万人突破は11年連続である。決して改善されたという数字ではない。しかも、今年は増加傾向に転じている。1~3月の自殺者数は8198人で、昨年の同じ期間より309人の増加だ。このペースだと、年間では過去2番目に多い3万3500人前後になる。警察庁が月ごとの数字を速報し始めたのは今年からだ。自殺対策を担当する内閣府や関係団体の要望を受けて対応した。官民を挙げて、自殺防止対策の一段の強化が必要だ。

6日;読売社説(2)不況と自殺 「98年ショック」の再来を防げ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090505-OYT1T00832.htm
『警察庁が自殺統計を取り始めた1978年以降、初めて3万人台になった98年の自殺者は3万2863人だった。97年と比べて一気に8472人も増えた。97年秋、山一証券や北海道拓殖銀行が相次いで破綻した。そうした影響で、98年は「戦後最悪の不況」と言われる年になった。雇用情勢や、金融機関の貸し渋り、倒産件数などと自殺者数は相関関係がある、とされる。98年はその典型だった。「今年の経済状況はもっと深刻だ」という見方がある。内閣府は都道府県に「現在の経済情勢を踏まえた自殺対策の推進」を緊急要請した。「98年ショック」と言われる自殺者急増の再来を防ぐために、方策を尽くしてほしい。
 政府に自殺対策の体制が整ったのは、自殺対策基本法の施行を受け、2007年に自殺総合対策大綱が作られてからだ。医療機関や企業と連携した相談体制の充実、心の健康づくりの推進などを掲げている。経済の好転が重要だが、こうした対策の有効性も試される局面だ。NPO法人などがまとめた昨年の「自殺実態白書」によると、自殺の背景は単純ではなく、幾つかの要因が連鎖している。
 社会人では、失業から再就職失敗、生活苦、多重債務、夫婦間の不和、うつ病などと、徐々に追い詰められるケースがある。初期の段階ほど解決しやすい。高齢社会の進展とともに、介護疲れや看病疲れによる自殺の増加も懸念されている。内閣府は「周りの人の悩みに気づき、耳を傾ける」ことの大切さを呼びかけている。個々人にもできることを心掛けたいものだ。

┏━━スパイ防止法(社説)━━━━━━━━━
 ◎国家機密守る法律の立法を◎
軍事転用可能な技術や機密情報の海外流出防止と産業スパイの取り締まり強化を目的にした改正外為法と改正不正競争防止法が成立した。産業機密情報の漏洩にあまりに無防備で「スパイ天国」とさえいわれてきた日本にとって一歩前進といえる。施行は来年中というが前倒しすべきだ。加えて重要な国家の防衛、外交機密についても外国のスパイから守る法の整備が必要で、長年の懸案である国家秘密法(スパイ防止法)の制定が急がれる。

6日;産経社説(1)産業スパイ厳罰化 次は国家機密守る立法を
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090506/fnc0905060329000-n1.htm
『今回の法改正は3年前に発覚した光学機器メーカー、ニコンの研究者がロシアに軍事転用可能な機密部品を渡した事件や、一昨年の自動車部品メーカー、デンソーの中国人従業員による図面データの大量不正持ち出し事件などがきっかけとなった。研究者は窃盗罪、従業員は横領罪に問われたが、結局は起訴されず、両社とも泣き寝入りする結果に終わっている。このため改正外為法では、安全保障上の懸念がある技術を国外に提供する場合は、すべて経済産業相の許可が必要とした。さらに、無許可の技術提供や輸出に対する罰則についても、最長10年の懲役へと量刑を引き上げた。一方、改正不正競争防止法では、産業スパイが企業の重要情報をコピー、送信などの手段で不正に持ち出しただけで刑事罰が科されることになる。
 これまでは、従業員が企業秘密を外国政府に渡しただけでは摘発が困難で、不正取得された情報がライバル企業に渡った事実まで被害企業が立証する必要があった。それが今回の改正により、デンソー事件のようなケースも立件が可能となる。しかし法整備はこれでも十分とはいえない。日本では情報の不正持ち出しが窃盗罪の対象にはならない。スパイ行為を包括的に取り締まる法律もない。日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法や自衛隊法、原子炉等規制法などに部分的な取り締まり規定はあるが、抑止力は不十分だ。日本を舞台にしたスパイ活動が分かっても、外国人登録法や出入国管理法違反などの軽い処罰にしかならない。
 個別法による対応は、すでに限界にきている。ほとんどの国ではスパイ防止法を制定し、国家機密の保護を当然の責務としている。日本も情報漏洩で国益が損なわれる事態をいたずらに見過ごすことは許されない。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━
敗戦後の日本の「政治家」は、政治をしていない。真の「政治判断」を求められたことは稀である。政治家は、経済が生み出した「富の配分」という「利益分配業務」に終始した。付加価値の創造に関与することを避けてきた。国家の安全とか外交問題は、アメリカのポチでいれば、安泰であった。既得権益の死守に、存在意義があった。
 政治家は、危機存亡のリスクを負わずに、「家業」としてぬくぬくと利権が守れた。政治家は「家業」の範囲を出ることなく、世襲制で維持できた。その上に、官僚制度が、「分配業務」を支えた。霞が関の官僚達は、既得権益を守るために「族議員」を飼いならした。不利な法律は、骨抜きにした。
 このシステムが日本の政治をダメにした。生産過程での「付加価値創造の業務」が、求められている。グローバル化の進展の中で、「世界における日本」が期待されている。時代は、国家の在り方を語れる政治家を求め、夢と志の実現を期待している。(400字)

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2009/05/05

シニアネット 『おいおい』 第837号

━━senior citizen net━━━━━━2009/05/05━

    シニアネット 『おいおい』    第837号
 
━━━━━━━━━━━行動するための情報紙━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

蓁々たる桃の若葉や君娶る        正岡子規    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
明治29年(1896)作。「漱石新婚」の前書。夏目漱石は中根鏡子とこの年の6月に結婚した。4月から
熊本第五高校の講師となる。「蓁々(しんしん)」とは草木の葉の盛んにしげるさま。「桃の若葉」
を取り合わせて、若々しい花嫁の表情を表現している。「君娶る」は祝福を表す。若葉の如くみずみ
ずしい花嫁姿は、「蓁蓁たる」で見事に表現された。「蓁々たる桃の若葉」は,『詩経国風』の漢詩
文の修辞で『桃夭』を踏まえている。結婚をしようとしている娘を祝福する歌。「桃之夭夭其葉蓁蓁
」を引用した。
「歯並びが悪くてさうしてきたないのに、それを強ひて隠さうともせず平気で居るところが大変気に
入った。」と漱石は花嫁を評した。しかし、漱石は「鏡子が一番いい」と思っていたようだ。<耳の
穴掘って貰ひぬ春の風>(漱石)の句の様に、夫婦仲はよかったようだ。心を通じあっていた。漱石の
度重なる心身の病にも動じなかった。晩年鏡子夫人は、「あたしゃお父様が一番いいねえ」言ってい
る。松山市生まれ。(1867-1902)。

┏━━立夏━━━━━━━━━━━━━━━━
 5日は「立夏」。「暦の上では、夏になった。」。気象学的には、まだ春という感じである。地域
により、夏を実感する時期は違うが、夏の歩みが始まる。6日が「蛙始鳴(かえるはじめてなく)」
。10日が「蚯蚓出(きゅいんいずる)」。15日は「竹笋生(ちっかんしょうず)」と自然はどんどん
、夏になって行く。

┏━━こどもの日(社説)━━━━━━━━━
5日;朝日社説(1)こどもの日に―世代間負担を見直そう
http://www.asahi.com/paper/editorial20090505.html?ref=any
『「経済危機対策のために予算規模が100兆円を超える」とか、「政府と自治体の債務残高が800兆円
になる」とか。これは、国が借金だらけになることだと聞きました。このお金は将来、私たちや弟、
妹たちが払うことになるの? 年金だけど、これ以上やりくりが大変になったら、今の仕組みが続け
られなくなるかもしれない、とも聞きました。私たちは一人っ子も少なくないから、同年代が少ない
ということは、税金なんかを1人でたくさん払わないといけないってことだよね。大人になってから
の仕事のことも気がかりなんだ。今までよりもたくさんお金を払わないといけないのに、ちゃんと仕
事がなかったら、困ってしまう。私たちの未来について、大人たちは真剣に考えてくれているのかな
。 国の偉い人にも聞いてみたい。
 子どもたちの目から財政と社会保障の現状や雇用情勢を見たら、どう見えるだろうか。大人たちに
何と言うだろうか。その思いを代弁してみた。子どもたちの心配は、決して誇張ではない。納税や社
会保障などを通じた受益と負担の「損得格差」は、今の高齢者と未成年で生涯に1億円にもなるとい
う試算がある。 また新生児は、生まれた時点ですでに1500万円以上の「生涯純負担」を背負っ
ている。秋田大の島澤諭准教授が世代会計という手法を使って、そうはじき出している。「私たちは
将来世代が払うクレジットカードを使っている」と島澤氏は例える。 経済も人口も、右肩上がりの
時代ではない。世代間負担の仕組みを根本から見直さなければ、子どもたちの未来は削り取られる一
方だ。この国の将来を支える世代に、どう希望を残すのか。それを考えるのは、参政権をもつ私たち
大人の責務だ。

5日;毎日社説(1)こどもの日に 真の宝とするためには
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090505k0000m070109000c.html
『15歳未満人口は現在28年連続して減り、1714万人。全人口に占める割合も20%を大きく
割り、13.4%と35年連続して低下している。しかし、注目すべきはそうした数値だけではない
。変化や新現象が今、子供たちの環境に起きている。一つは携帯電話で形成する世界。学力と「ゆと
り教育」をめぐる学校教育の混乱。そして何より痛ましいのは、児童虐待の急増である。携帯電話は
急速に子供たちの世界にも広がり、文部科学省もやっと利用調査をしたが、実態はまだつかみきれな
い。閉ざされた密室で大人が起こす児童虐待は年間4万件を超える。子供が様子の変化などでシグナ
ルを出しているのに、周囲が見落としたり、行動に出ないために最悪の事態に至るケースも後を絶た
ない。一方、子供を産み育てる社会条件も寒々としている。04年から少子化社会対策大綱を掲げる
政府の最新少子化社会白書は「目標と現実の乖離」を並べ、改善を強く求めた。
 子は宝という。親だけでなく社会のだ。しかし、その現実や守り育てる仕組みは言葉からはほど遠
い。児童虐待は端的にそれを物語るが、携帯電話や学力の問題にも共通した課題がある。おせっかい
と言われようと、大人たち、地域社会が子育てに連帯する責任意識を持ち、必要な注意や対処をため
らわないことだ。携帯電話によるいじめなどのトラブル防止や察知、目先の点数アップにとらわれな
い真の学力育成での学校との協力や支援など“首を突っ込む”べき余地は多くある。子は宝。もう一
つ肝に銘じたいのは、子供たちは大人たちを映す鏡。子供たちの環境を改善することは、すなわち暮
らしやすい社会を整えることにほかならない。こどもの日は「おとなが問われる日」である。

5日;読売社説(1)こどもの日 「ありがとう」あふれる社会に
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090504-OYT1T00906.htm
『「ありがとう つたわるこころが うれしいよ」。こどもの日から始まる児童福祉週間の今年の標
語。若い親の世代から子どもたちへのメッセージだ。標語を作ったお父さんが勤めている「面白法人
カヤック」という会社は、さまざまな人が「ありがとう」の言葉を投稿し、誰でも見ることのできる
インターネットサービスを運営している。そのページを見ると、感謝する人もされる人も、知らない
人なのになぜか楽しい。感謝の言葉が数多く飛び交っていると分かるだけで、気持ちは明るくなる。
「ありがとう」という言葉はいい響きだ。だが、感謝よりも抗議や非難の声の方が社会にあふれ、こ
のところ少し耳に届きにくくなってきた。問題が生じた時にきちんと責任追及することは当然だが、
最近はクレーマーと呼ばれる、理不尽に抗議する人も目立つ。
 大人はもっと、子どもたちに「ありがとう」の大切さを伝えるべきだということだろう。 文部科
学省は今年度、小中学校の道徳教育に用いる教材「心のノート」を改定した。小学校低学年版に「あ
りがとうカードをあげよう」という項目がある。家や学校や近所で、お世話になっている人に、感謝
の気持ちをカードにして渡す。受け取った大人にはちょっとした“宝物”になりそうだ。中・高学年
と中学生版にも、感謝の気持ちを言葉にしてみる項目が盛り込まれている。とても大切なことだ。伝
える手段はインターネットや携帯メールでもいい。 こうした取り組みを学校だけにまかせてはいけ
ない。きょうは、子どもたちが持っている「心のノート」を親子で開き、だれもが多くの人に支えら
れていることを語り合ってはどうだろう。大人がまず、子どもたちの良い行いには「ありがとう」と
大きく声をかけたい。

5日;産経社説(1)こどもの日 “親業”もプロ目指したい
http://sankei.jp.msn.com/life/education/090505/edc0905050252000-n1.htm
『親の子殺し、子の親殺しという事件が、新聞の社会面からなかなかなくならない。先の敗戦によっ
て、焦土と化した日本は、エコノミックアニマルと揶揄されながらも、わずかな間に世界第2位の経
済大国として再生した。しかし、戦前の軍国主義を忌むあまり、修身という観念を置き去りにしてき
た。物質的な豊かさは手に入れたが、精神的豊かさはとてもそれに及ばない。道徳は乱れて、自分本
位が幅を利かす。いま、教育の現場で小1プロブレムという現象が全国のあちこちで生じている。先
生の話を聞けない、勝手におしゃべりをする、授業中に教室内を徘徊し、教室外へ出て行ってしまう
児童もいる。しつけることよりも、子供の自己活動を重視し、幼児の主体的活動を促す、保育所保育
指針や幼稚園教育要領の個性の重視に問題点があったとの疑念なしとしない。同時に、家庭でのしつ
けがなおざりにされてきたツケであることは間違いない。
 子供の健やかな成長とは、当然ながら身体面と精神面の両面でなくてはならない。道徳の教育とい
っても難しいことではない。二宮尊徳は刃物のやり取りをするのに、刃先の方を自分に向け、柄の方
を相手に向けて差し出すことが道徳の基本だと教えている。小1プロブレム解消のために、幼保小一
貫教育が東京都品川区などで模索されているが、どういう子供に育つかは、親が日常生活の立ち居振
る舞いにどれだけお手本を示せるかにかかっている。してよいこと悪いことの分別、寛容、謙譲、惻
隠の情、規律を守る習慣など、自ら恒常的に学んで“親業”のプロを目指してほしい。
 幼児や小学校低学年のうちは脳に柔軟性があって、知識や情操、徳性についてさえ恐るべき吸収力
を持っている。自ら学び積み上げた親らしさを十分に発揮して、子供が心身ともに健やかに育つよう
に、愛情を持って子育てに心を砕いてほしい。よい親がよい子をつくるのである。

┏━━チェンジ!少子化(社説)━━━━━━━━
5日;日経社説(全)規制緩和で多様な保育サービス充実を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090504AS1K0100102052009.html
厚生労働省によれば、働きたいと望む女性がすべて就労する場合、保育所は100万人分、小学校低学
年児を預かる学童保育は145万人分、受け入れを今より増やす必要があるという。少子化を克服する
には、働きながら安心して子どもを産み、育てられる環境の整備が欠かせない。規制を緩和し企業や
非営利組織(NPO)の参入を促すなど、多様な保育サービスの充実を急ぐべきだ。

5日;日経社説(全)規制緩和で多様な保育サービス充実を・チェンジ!少子化
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090504AS1K0100102052009.html
『■民間参入に実質的な壁■ 保育サービスのニーズが大きいのに供給が増えない原因の第一は、規
制と公費の配分の偏りだ。株式会社やNPOは保育事業に自由に参入できるはずだが、実際には多く
の障壁が参入を阻んでいる。保育所を建てる際に、社会福祉法人には国や自治体から助成金が出るの
に、民間には助成金が出ない。都道府県の認可を得て運営費を補助してもらうには、国が定める最低
基準を満たす必要があるが、子ども1人当たりの面積や保育士の数、調理室の設置など細かい基準を
すべてクリアするのは容易ではない。役所の認可外の保育所は、公的な助成なしで運営するしかない
。これでは民間の参入は進まない。限られた財源を有効活用し、保育サービスを拡充する自治体もあ
る。山形県東根市は、子育て拠点「さくらんぼタントクルセンター」に設置した公立保育所の運営を
昨年4月に株式会社に委託した。
 厚生労働省社会保障審議会は2月に保育制度改革の一次報告をまとめた。基準を満たせば自動的に
認可することや、民間企業へ施設整備費を補助することなどを報告に盛り込んだが、既存の保育団体
などは「保育の質の低下」を理由に反対している。子どもの健全な成長や経営の安定に配慮するのは
当然だが、規制を緩和し多様な事業体が知恵を競うことは保育の質の向上にもつながる。既得権益を
守るための反対であってはならない。国はおおまかな目安を示し、自治体が実情に応じて独自に認可
基準を決める形でいいはずだ。
■縦割り行政の是正を■ もう一点重要なのが、縦割りによる二重行政を是正し、子ども本位の保育
体制をつくることだ。保育所の待機児童が問題になる一方で、幼稚園には子どもが集まらない。国は
両者の融合を図ろうと06年に認定こども園制度をスタートさせたが、幼稚園は文部科学省が保育所は
厚労省が管轄したままだ。この制度は申請書類の枚数が増えただけでなんのメリットもないと不評で
、約300件の認定にとどまっている。最近、不足が大きな問題になっている小学校低学年児の放課後
対策にしても、2つの省が重複して行っており無駄が多い。学校長が空き教室利用を拒む例もある。
働く親から「小1の壁」と言われるほど要望の強い学童保育をどう充実するか、省庁の壁を越え迅速
に対応すべきだ。保育の充実には費用がかかる。
国は補正予算に盛り込んだ「安心こども基金」で支援するとしているが、一時的な支出では不十分
だ。無駄を省き必要な財源をどこから持ってくるか、中長期の対応も必要である。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━
 新聞の記事が類型化して、踏み込みの足らない記事で埋まる。記者クラブ発表の「御用記事」でな
い、必死に取材して、考えて書いた深みのある記事を読者は求める。新聞を読まなくても、インター
ネットで表面を撫でれば事足りる訳にはいかない。新聞記事は取材が命である。靴をすり減らし、背
広を汗だらけにして、価値ある情報を収集することだ。
 記者は豊かな着眼力と執拗な取材力で集めた情報を冷静な分析力と情熱をもって記事に書きあげる
。この基本的なプロセス怠ってはいけない。コンピュータの活用で、情報処理のスピードが速くなり
、正確になった。コンピュータを活用することにより、「興味ある記事」を満載した新聞の出現を望
んで止まない。(300字)

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2009/05/03

シニアネット 『おいおい』  第836号

━━senior citizen net━━━━━━━2009/05/03━

  シニアネット 『おいおい』     第836号
 
━━━━━━━━━━行動するための情報紙━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 高波をえいやえいやと鰹舟       長谷川素逝

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「えいやえいや」の勇壮な掛け声。黒潮に乗って回遊する、土佐沖、暴走沖、金華沖へと北上してい
く。その回遊を追って漁をする。沖は高波を押して乗り出して、大漁の祝いながら戻ってくる。3月
から4月に四国沖に、4月に紀州沖に、そして青葉の頃に関東近辺にくる。その到来を江戸庶民の気
質を表す。高知の皿鉢料理は脂が少ないものを好む。
初鰹と戻り鰹を旬とするが、近年は脂の乗った秋の戻り鰹を冷凍庫に入れておく。それを必要に応じ
て出庫する。この時季の漁は、特別の注文に応じての出漁となる。江戸時代は、脂の少ないはしりの
方を好んだ。縄文時代からすでに食べられていた形跡がある。大阪府生まれ。(1907-1946)。

┏━━憲法記念日━━━━━━━━━━━━━━
 ◎現実に即した「憲法論議」を◎
改憲論の産経新聞から護憲論の朝日新聞まで、5紙の社説が並んだ。62回目の憲法記念日を迎えた
。5紙の論旨を並べた。産経・朝日・毎日は社説全面を使った。読売と毎日が提案が似ているのには
驚いた。

3日;産経社説(全)憲法施行62年 脅威増大を見過ごすな 9条改正し国の安全を守れ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090503/plc0905030317001-n1.htm
『大規模な戦争に巻き込まれなかったことをすべて「平和憲法」の恩恵と考えるのは幻想にすぎない
。国際情勢や安全保障環境は大きく変化しており、北朝鮮が日本列島越しに弾道ミサイルを発射した
のはつい1カ月前だ。問題の根幹は、自衛隊を軍隊と認めず、国家の防衛を抑制してきたことにある
。確実な脅威の高まりに、憲法見直しを避けてはなるまい。
 ≪与野党に敵基地攻撃論≫
 昭和31年にも、当時の鳩山一郎首相がミサイル攻撃などについて「座して自滅を待つべしという
のが憲法の趣旨だとは考えられない」との見解を示した。敵基地攻撃は自衛の範囲に含まれ、可能だ
という趣旨だ。報復能力は米軍に委ねている。憲法9条による戦力不保持規定と関連する専守防衛に
よるものである。
 衆院を先月通過した海賊対処法案は、民間船舶に接近する海賊船への船体射撃を認めた。任務遂行
のための武器使用をようやく認めたが、あくまで海賊船を追い払う警察権の行使でしかない。逃走防
止や人質奪還の武器使用は9条が禁じる「武力行使」と一体化しかねないと禁じられている。列国の
海軍と共同行動を名実ともに取れない理由はそこにある。問題は、自らの国を自分で守れず、国際社
会の共同行動にも参加できない日本でよいのか、である。国民の生命と安全を守るためには憲法9条
の改正こそ急務であると強調したい。一方で日米の共同防衛の実効性を高めることも必要だ。シーフ
ァー前駐日米大使が1月のお別れ会見で、日本が米国向けミサイルを迎撃しなければ「米国民は日米
同盟の価値を感じなくなる」と懸念を表明したことを思い起こすべきだ。集団的自衛権は行使できな
いという憲法解釈のためだが、麻生太郎首相は解釈見直しにどう取り組むのか。
 ≪無法状態を放置するな≫
 憲法問題の混迷を象徴しているのが、憲法改正のための国民投票法に基づき、一昨年8月に衆参両
院に設置された憲法審査会の扱いだ。野党のサボタージュでいまだに始動できていない。運営のルー
ルを定める「審査会規程」さえ作成されておらず、与党がこの憲法記念日前に成立させる構えを示す
と、民主党は「政争の道具にしている」と反発した。国会法に基づく常設機関の活動を阻止するよう
な無法状態を、立法府で放置している責めは、民主党が負うべきだろう。法の手続きにのっとり、憲
法改正を含む立法作業を行うことは立法府を構成する国会議員の使命である。来年5月18日には憲
法改正原案の発議が解禁される。政権交代を目指すという政党が、どんな憲法を構想しているのかを
提示できないようでは、その資質が問われる。自民、民主両党などは、憲法見直し案をまとめ、それ
で国民の信を問うことが求められている。

3日;読売社説(1)憲法記念日 審査会を早期に始動させよ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090502-OYT1T01042.htm
『今一度、憲法に立ち返って、これからの日本の国家像を描いてみる。きょうの憲法記念日をそんな
一日にしたい。2年前、憲法改正の手続きを定めた国民投票法が成立した。国民の手で憲法を改正す
るための画期的な法律である。参院選後生まれた「ねじれ国会」は、与野党の不毛な対立を呼んだ。
世界的な経済危機は、日本政治に何よりも、迅速果敢な対策を求めている。それにしても国会は、改
正論議を、サボタージュし過ぎているのではないか。機能不全に陥りがちなねじれ国会の現実は、衆
参両院の機能の見直しを迫っている。
 海賊対策にあたる海上自衛隊のソマリア沖派遣や、北朝鮮の弾道ミサイルへの対処の論議を聞けば
、集団的自衛権は「保有するが、行使できない」とする政府解釈が、自衛隊の実効的な活動を妨げて
いることは明らかだろう。国民投票法の成立に伴い、衆参両院に設けられた憲法審査会は、法施行ま
での3年間、こうした憲法改正の具体的な論点の整理にあたることになっていた。だが、いまだに委
員数などを定める審査会規程が決まらず、有名無実の存在になっている。与党は先月、衆院議院運営
委員会に、規程案をようやく提示したが、野党は乗り気でない。民主党は、規程案の審議入りを「強
引だ」「憲法を政争の具とするもの」などと批判した。
 これはおかしい。国民投票法は、自民、民主の両党案を合体して作成したものだ。当時、参院選を
にらんで政略的観点から反対したのは民主党である。民主党には、小沢代表、鳩山幹事長をはじめ、
改憲派の議員は多い。読売新聞の世論調査でも、民主支持層の過半数は憲法改正に賛成している。そ
れなのに党として改憲論議を忌避するのは、衆院選を前に、党内の改憲慎重派との摩擦を避ける一方
、「護憲」を掲げる社民党などとの選挙協力を優先させる政治的思惑からだろう。審査会は、すでに
2年を空費してしまった。18歳投票権に伴う関連法整備など積み残しの懸案も、検討を急ぐ必要が
ある。与野党ともに、憲法審査会を早期に始動させるため、取り組みを強めるべきである

3日;毎日社説(全) 憲法記念日に考える もっと魅力的な日本に
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090503k0000m070110000c.html
『駐日米大使に、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が任命されるという。ナイ氏はクリントン政
権で国防次官補を務めた。冷戦後に日米安全保障条約の存在意義が問われ経済面では通商摩擦が激化
した。そうした日米関係の危機を救ったのがナイ氏の「日米安保再定義」だ。今日の憲法問題でもっ
とも鋭い争点となっている「集団的自衛権」の行使の是非も、もともとは日米同盟の強化に不可欠の
ものという文脈で登場してきた。その最も有力な論客が米国の大使として日本に赴任する意味は小さ
くない。
国民投票法成立で2年前、衆参両院に憲法審査会が設置された。だが、委員の数や議事の進め方など
の審査会規定が未整備で、議論を行う態勢になっていない。日本は本来持っている潜在力を発揮して
いない。そんなもどかしさを、多くの日本人が感じているように思われる。憲法を考えるということ
は、国のあり方と進路を点検することである。混迷が深いならそれだけ有益な作業になるだろう。 
「国の安全」という問題に限定しても、問題は山積している。とりわけ、世界的なパワーシフトの中
で、従来の日本の安全保障政策でよいのか、再考する必要がある。ナイ教授が提唱する「ソフトパワ
ー論」自体がよい素材であろう。
 米国に協力的な日本はそのソフトパワーの有効性の証しであり、オバマ米大統領は麻生太郎首相を
外国首脳として初めてホワイトハウスに招くなど、日本重視の姿勢を示した。ナイ教授の起用もその
一環だろう。ただ、日米同盟の維持には、日本の「集団的自衛権の行使」が不可欠という考え方を米
国は鮮明にしている。ナイ教授も講演で「ミサイル防衛で日本に向かっているミサイルは撃墜するが
、アメリカに向かうミサイルは黙って見送るというのではアメリカの世論が許さない」と述べている
。日米同盟は難しい局面に差し掛かっている。
 米国で「G2」論が台頭していることにも注目すべきだ。米中による世界経済運営論である。米国
のアジアにおける2国間関係で優先順位ナンバーワンは日本から中国に移ったのではないか。北朝鮮
が核とミサイル開発を手放そうとしない現状では、米国との同盟が日本の安全に不可欠なのは明らか
だ。どこまで、日米同盟を拡張し強化していくのか、危険な任務も多い平和構築にどこまで踏み込ん
でいくのか、日本は自分の頭で考え国民的合意を形成しなくてはならない。その場合、ソフトパワー
を重視し戦略的に位置づけるべきだ。例えば留学生政策。旧ソ連ゴルバチョフ政権で、ナンバー2だ
ったヤコブレフ氏が自由化政策を献言した背景には米コロンビア大学に学んだ経験があるとナイ教授
は指摘している。ソフトパワーが問われているのは米国よりむしろ日本であろう。

3日;朝日社説(全) 憲法記念日に―貧困、人権、平和を考える
http://www.asahi.com/paper/editorial20090503.html?ref=any
『■日本に広がる「貧困」■  海の向こうの貧困問題に取り組んできた人々が今、自らの足元に目
を向け始めている。 むろん、途上国の貧困と、世界第2の経済大国の豊かさの中で起きるさまざま
な現象を同一には論じられない。 だが、人々の明日の暮らしが脅かされ、教育や医療の機会を奪わ
れる子どもも出てきた。この状況を何と表現すればいいのか。やはり「貧困」という以外にない。こ
の日本にも当たり前の人権を侵されている人々が増えているのだ。豊かな社会全体の足場を崩しかね
ない危うさが、そこにある。 かつての日本に、もっとひどい「貧困」の時代があった。
■安定社会への見取り図■  昭和初期。漁業の過酷な現場で働く若者の姿を描いた小林多喜二の小
説「蟹工船」が発表されたのは1929年。金融大恐慌が始まった年だった。日本でも経済が大打撃
を受け、都市には失業者があふれ、農村は困窮して大陸への移住も盛んになった。そうした社会不安
の中に政治テロや軍部の台頭、暴走が重なり、日本は戦争と破滅へ突き進んでいく。この過去を二度
と繰り返したくない。繰り返してはいけない。日本国憲法には、戦争をくぐり抜けた国民の思いが色
濃く織り込まれている。 「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」。憲法25条のこの規定は
、連合国軍総司令部(GHQ)の草案にもなかったものだ。後に文相を務めた森戸辰男議員らの要求
で加えられた。だれもが人間らしく生きる権利を持つ。政府にはそれを具体化する努力義務がある。
憲法の描く社会の見取り図は明確だ。自由な経済活動によって豊かな社会を実現し、貧困を追放する
。同時に国民は平等であり、教育や労働といった権利が保障される。
 多くの国民がこうした国家像を歓迎したのは当然だろう。日本人は懸命に働き、「一億総中流」と
呼ばれる社会を築き上げた。その中流社会が今、崩れかけている。その先に何が待ち受けているのか
。漠然とした不安が広がっている。
■25条と向き合う時代■  右肩上がりの経済成長が続いていた間、国民はほとんど憲法25条を
意識することなしに生きてきた。そんな幸福な時代が過ぎ、そこに正面から向き合わなければならな
い時がきたということなのだろう。憲法の前文を思い起こしたい。「われらは、全世界の国民が、ひ
としく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」 。転機を迎え
ているのは日本だけではない。世界の戦後秩序そのものが大きく転換しようとしている。そんな中で
、より確かな明日を展望するために、やはり日本と世界の大転換期に誕生した憲法はよりどころとな
る。

3日;日経社説(1)日本国憲法を今日的視点で読み返そう
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090502AS1K3000530042009.html
『憲法記念日のたびに様々な角度から日本国憲法を考えてきた。ことしは現在の国際社会での日本の
立場と憲法の関係に焦点を当てる。集団的自衛権をめぐる憲法解釈を見直し、そのうえで自衛隊の国
際協力活動を包括的に規定した一般法の制定が要る。そんな結論になる。ソマリア沖の海賊を取り締
まるために、いま海上自衛隊の艦船が活動をしている。自衛隊法82条にある海上警備行動命令が根拠
だが、国会で審議中の海賊対処法案は、より強い権限を与える。海賊法案は過去の類似の法律と違う
のは、時限法ではなく、一般法である点だ。警察活動とされ、集団的自衛権をめぐる議論にはなって
いない点も違いだ。インド洋での自衛隊の活動を認める補給支援法をめぐり、民主党は憲法違反とし
て反対した。海賊法案ではそれを主張しない。今日風にいえば、海賊法を包み込む形で、自衛隊の国
際活動を包括的に定めた一般法である。
国連平和維持活動(PKO)参加の根拠となっている国際平和協力法も吸収する。それがない現状
はどうか。PKOなど国連ミッションに参加する自衛官は39人。世界で80位だ。「国際社会において
、名誉ある地位を占めたい」とする憲法を持ち、安保理の常任理事国を目指す国とは思えぬ数字であ
る。安倍政権が検討し、福田政権が無視した集団的自衛権をめぐる解釈見直しは当然だろう。
 「ひとを守ってこそ、おのれを守れる。いくさとはそういうものだ」。現在ある非現実的な制約を
除去すれば、国際社会の安定のために日本が能力の範囲内で活動できる場は広がる。39人、80位とい
う主要国のなかで最低の数字は、経済力では世界で2位を自負する国にとってはあまりに不釣り合い
であり、返上を急ぎたい。秋までには衆院選挙がある。その結果、次の政権が決まる。憲法にせよ、
安全保障にせよ、最も重要な国政上の論点である。各党とも考えを有権者に説明してほしい。それを
聞く側は、62年前のきょう施行された憲法を当時ではなく、今日の視点で読み返してみよう。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━━
 指揮官(トップ)の沈着な姿勢は大切である。1日午前1時半の舛添厚生労働大臣の記者会見は、
噴飯ものであった。テレビを見てたが、記者会見は中止しすべきだった。新型ウイルス確定されてな
かった段階の混乱を招いた記者会見であった。確定するまでに、簡易検査→2次検査→確定検査があ
る。成田空港の女性は2次検査で、香港型(H3N2)と判明。横浜市で陽性の男子高校生は、確定検査
の段階でソ連型(人型H1N1)と判明した。新型は「豚型H1N1」である。類型が似ている。
 敵の影に驚いた指揮官。学者であるかも知れないが、政治家ではない。敵の本質をよく見極めて、
行動を起こさなければならない。石橋を叩いても渡らない姿勢が必要だ。横浜市の中田市長の方が、
リーダーとしての資質がある。2日になり、やっとアメリカから「確定診断可能なウイルス」を入手
した。厚生労働省は、手順をまちがえたようだ。舛添大臣の深夜の記者会見は、混乱を増したののみ
であった。(400字)。

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2009/05/01

シニアネット 『おいおい』 第835号 

━━senior citizen net━━━━━━━2009/05/01━

    シニアネット 『おいおい』       第835号
 
━━━━━━━━━━行動するための情報紙━━

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この池の生々流転蝌蚪の紐       高浜虚子

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昭和31年3月18日(82歳)の作。生きているものはそのままで良いという「世界の肯定」の境涯である。人間を含むすべての生物に対する応援歌である。「それで良いのだ。しっかり生の喜びを歌いなさい。」と言っている。「蝌蚪」とはオタマジャクシのこと。紐のように連なった寒天状のカエルの卵から次々にオタマジャクシが孵える様子は,生の畏敬である。「生々流転」とは、「万物は永遠に生死を繰り返し、絶えず移り変わってゆくこと。」(広辞苑)。
  「虚子は対象物の中に入り込んで、対象物の中に生命や感動を認め、対話を交わすことによって俳句を作ってきた。(略)それら無数の生命の根底に何か大きな力が働いているのではないかと感じるようになった。」(稲畑汀子『虚子百句』)。松山市生まれ。(1874-1959)。今年は没後50年。4月8日が虚子忌。

┏━━ 新型インフル━━━━━━━━━━━
 ◎長期戦の構えをしよう◎
メキシコ起源の新型インフルエンザは、日を追うごとに、世界への感染範囲を広げている。この事態に、世界保健機関(WHO)は、6段階の警戒レベルを「パンデミック」(世界的大流行)の一歩手前となる「フェーズ5」に引き上げた。同時に、すべての国に、最悪の事態に備えた対応措置を発動するよう求めている。残る段階は、世界的な大流行を意味する「フェーズ6」だけで、それも十分あり得るという。
 WHOを中心に国際社会が力を合わせ、新たな感染症の脅威に立ち向かうという地球規模の大作戦が始まる。

1日;朝日社説(1)新型インフル―長期戦の覚悟を持とう
http://www.asahi.com/paper/editorial20090501.html?ref=any
『新しいインフルエンザの世界的な大流行は、もはや避けられない状況になったといっていいだろう。20世紀初めのスペイン風邪は、足かけ3年に及んだ。今後の展開次第で長期に及ぶことも考えておかなければならない。 症状は今のところ、欧米などでは比較的軽い人が多い。タミフルなどの薬も効くという。ウイルスは変化が速いので楽観は禁物だが、想定されてきた強毒性の鳥インフルエンザとはずいぶん違う。感染を広げないための方策を再点検するとともに、感染が心配な人からの相談を受け、必要な場合に確実に診療が受けられる態勢づくりがなによりも急がれる。
 もう一つ忘れてならないのは、世界全体への目配りだ。衛生状態や医療態勢が万全ではないアジアやアフリカの途上国に広がることが十分予想される。「インフルエンザは豊かな国では軽い病気でも、途上国では深刻な病気になる」と、WHOのチャン事務局長は警告している。途上国に広がれば、いっそう深刻な事態も招きかねない。手を差し伸べるのが先進国の務めだ。 心配な兆しもある。チャン事務局長は「人や物の移動を制限しても、効果は薄い」として国境閉鎖や渡航制限などを「勧めない」としたのに、交通を制限しようとする動きがある。また、豚肉は加熱調理すれば問題ないのに輸入を止めた国もある。 過剰な制限は、そうでなくとも厳しい状況にある世界経済に、不必要な打撃を与えることにもなるだろう。

1日;読売社説(1)フェーズ5 国内侵入前提で備えを急げ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090430-OYT1T01243.htm
『猛烈な感染力だ。政府は、国内侵入を前提に対応の状況を点検して、足りない部分を手当てする作業を急がねばならない。政府が今、力を入れているのは水際対策だ。国際空港などで検疫を強化し、上陸を阻止しようとしている。ただ、100%の阻止はできない、と心得るべきだ。感染国が拡大すれば、対象とする旅客機も増える。自衛隊なども応援に出動したが、検疫官は足りない。発熱など感染が疑われる乗客が多ければ検疫に要する時間は長くなる。今後、優先順位を付けたり、簡素化したりする必要が出てくる。
検疫をすり抜けた感染者に、入国後に異常が出た場合の自己申告を呼びかけることは有効な方策だ。ゴールデンウイークの終盤が近づけば、数十万人もの海外旅行客が帰国してくる。ますます国内侵入の可能性は高まるはずだ。WHOは、水際対策より、むしろ、患者発生の監視体制や早期の治療、病院での感染防止の3点が対策の本質と指摘している。
 日本でも欧米のように新型の症状が軽ければ、発症者が通常の生活をして、感染を広げる恐れがある。微熱のある人が、「心配だから」と病院に行けば、他の病気の患者にも病原体をまき散らす。政府は、感染が疑われたら、まず自治体などの電話相談窓口を優先するよう呼びかけている。各地の病院に専門の「発熱外来」を整えることも促している。ただ、病院などの対応は遅れている。世界を席巻する新型の感染力を考えれば、一歩先をにらんで手を打っておくことが重要だ。

1日;日経社説(1)国内の感染発生にもうろたえぬ対応を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090430AS1K3000B30042009.html
『政府は検疫強化など水際対策に力を入れている。大事なのは検疫でつかめずに発生した場合の初動だ。患者隔離や周辺への二次感染防止の対応が遅れると、感染拡大の防止は難しくなる。感染の世界的広がりを考えれば検疫での発見はますます困難になり、発生時対応の重要性が増してこよう。WHOは封じ込めは困難として警戒レベルを上げても渡航制限や国境閉鎖を求めていない。弱毒性という点も加味し発生地域での封じ込めをあきらめ、各国に発生時の抑え込みを委ねたと言えるだろう。
 これは世界的まん延の覚悟も迫っている。感染が検査や隔離治療の能力のある先進国にとどまれば収束の可能性があるが、対策が不十分な発展途上国に感染が飛び火すれば手に負えない状況になる。収束できても各国に散った病原ウイルスが後で息を吹き返す恐れもある。その意味で新型ウイルスとの戦いは短期戦で終わらない。長期化し発生国が増えれば国内侵入の可能性は高まる。感染者は初期に治療薬を投与すれば重症化を防げるが、本人が医療機関に行かなかったり、連絡や隔離が遅れたりすれば感染の広がりは止められないだろう。
 疑わしい症状の帰国者、入国者を収容する施設の確保や病院の診察体制強化は急がなければならない。と同時に、旅行者、帰国者に感染防止の責任を自覚させることも重要だ。疑わしい症状が出たら周辺に感染を拡大しないよう、素早い対応を求めておくべきだろう。発生国が増え、渡航制限も緩いままなら感染の機会は増える。国内発生の頻発は不可避とみて、機動性ある態勢づくりを急ぐ必要がある。

1日;産経社説(1)新型インフル 毒性を見極め臨機応変に
http://sankei.jp.msn.com/science/science/090501/scn0905010329000-n1.htm
『人類が免疫を持たない新型インフルエンザの感染力は強く、いつ日本で流行してもおかしくはない。 WHOの決定を受けて、日本政府は検疫態勢を強化する水際対策の徹底や、インフルエンザ治療薬の供給体制の整備などの措置を再確認したのは当然の措置だ。空港では機内検疫も始まっている。市民が自主的に協力することが流行の防止につながる。 厚生労働省は海外から帰国後に発熱した場合は「電話で保健所に相談を」と呼びかけ、病院の発熱外来の利用を求めている。
 豚インフルエンザ由来の今回の新型ウイルスについて、専門家らは「毒性は強くない」との見方を強めている。毎年冬場に流行する季節性インフルエンザと同程度の毒性とも考えられ、鳥インフルエンザウイルスのような強い毒性は持たない可能性がある。実際、メキシコ以外の感染者の大半は、適切な治療を受け、軽い症状で回復している。毒性が弱ければ、極度に恐れることはない。国民も政府も臨機応変の対応が望まれる。今回の経験を強毒の新型インフルエンザの発生に備えるために役立てることもできる。通常のインフルエンザでも毎冬、数千人の死者を出す。ウイルスの性質もまだ不明だ。スペイン風邪、アジア風邪、香港風邪という過去の新型の例から判断して流行は1~3年は続き、その間終息と流行を繰り返す。これから長い戦いが始まる。

1日;毎日社説(1)警戒レベル5 迅速的確な情報提供を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090501k0000m070164000c.html
『現在の水際対策には国内への侵入を遅らせる意義はある。しかし、国内の流行を防ぐことはできないと覚悟した方がいい。ウイルスが弱毒という情報はあるが、油断はできない。比較的症状が軽い方が感染が広がりやすいともいえる。今は、国内で感染が広がることを念頭に置き、具体的な行動を考える時だ。
 まず、国民がどう行動すればいいか。政府がきちんとした情報を、わかりやすく、多様な手段で伝えることが大事だ。国内で感染者が発生した後は、渡航歴がない人でも、疑わしい症状があれば、まず相談センターに連絡し、発熱外来の受診などについて助言を受けることになっている。すぐに病院に行くと、感染を広げる恐れがあるためだが、こうした手順や、相談センターの連絡先が十分伝わっているとはいえない。
 感染が疑われる人を診る発熱外来の設置も、都道府県によっては準備が進んでいない。早急に体制を整えなければ、流行に対応できない。国内で感染が確認された場合、現在の行動計画では、学校の閉鎖や外出の自粛といった行動制限がとられる。インフルエンザの症状によっては、行動制限の仕方が緩やかになったり、逆に厳しくなったりする場合もある。国民が状況を把握し、納得して行動できるよう、国としての見解を、自信と責任を持って、わかりやすく伝えることが欠かせない。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━━━
 橋下大阪府知事様。あなた様の部下の警官の情報機器を整備してやって下さい。警察の最先端前線の「交番」の話です。30日夕方、携帯電話を失くしたので、遺失物届を出しに交番に行った。本署との連絡はすべて電話である。手書き書類作成後は電話連絡。デジタル情報が有効なものも多い。
 交番に入ると、先客が2名。遺失物届の書類作成中の男子警官。次が高齢者の遺失物届を女子警官が聞き取り中。私は待ち時間に書類を作りましょうと申し出る。住所氏名をメモしてくれという。時間があったので、遺失状況を詳しく書類にした。順番が来て書類作りが始まった。メモのお陰で聞き取り時間が短縮された。区役所と自宅の往復の途中で無くした。「区役所の住所」を調べる地図が「支所」時代の代物。
なんとか書類が出来て、本署へ電話連絡。繋がらない。電話がつながり報告終わったのは8分後。交番にはパソコンはない。デジタル情報なら大量な情報が短時間に送れる。小学校に70万円もする電子黒板を配置するなら、交番に1台ずつパソコンを置いてやってください。業務の効率化が図れますよ。警官の業務を助けてやってください。ネットワークを構築しますともっと良いでは。デジタル情報で再利用が可能になる。警察の最先端の交番の情報化をお願いします。事務処理時間を省いて、本来の業務に専念させて下さい。将来は、警官一人一人にパソコンと携帯電話を持たせて下さい。あの重いピストル代わりに。

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