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2009/02/27

シニアネット 『おいおい』  第818号 

━━senior citizen net━━━━━━━2009/02/27━

    シニアネット 『おいおい』    第818号
 
━━━━━━━━━━ 行動する情報紙 ━━━━

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水温むとも動くものなかるべし        加藤秋邨

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島根県の隠岐での句。「水温む」早春の島だが、何も動くものがない。静かなきわみである。後鳥羽院が流された島。静寂である。寒さが緩み水辺から眺めると、その水の色や動きがなんとなく温んできた感じがする。
「水温む」とは皮膚の感覚でとらえて春ではあるが、普通は河川や湖沼の水に触れての感じである。水道水などに触れて感じることもある。「水温む」とは自然界を動かすことだ。水草が芽を出し、小動物が水の中で動き始める。生き物が躍動するさまが背景にある。東京都に生まれる(出生届けは山梨県大月市)。(1905-1993)。

┏━━実朝忌━━━━━━━━━━━
  金槐忌とも鎌倉右大臣忌ともいう。鎌倉幕府の第3代将軍。頼朝の3男。陰暦1月27日が忌日。鎌倉の寿福寺に墓があり、毎年2月27日に法要が営なまれる。1219年1月27日に暗殺された。当日、鎌倉は夕方から急に冷え、雪が本降りとなり積雪60センチとなる。夕刻6時に将軍御所に集合した1千余騎に進発を命じた。長い列は鶴岡八幡宮に向かう。
神前で拝賀して、実朝は満足そうに本陣を退出した。長い石段を降り始めた。白装束の法師が切りかかり、実朝の首をかきとった。実兄の遺児の公暁である。この事件は未だに不明な部分があるが、清和源氏の嫡系は絶えた。

┏━━オバマ施政演説━━━━━━
  ◎国民に語りかけたが◎
就任から36日目のオバマ米大統領が24日行った52分の演説である。オバマ米大統領が初の施政方針演説で、深刻な経済危機に対して「アメリカを再建し、より強い国家によみがえらせる」と語り、火曜の夜にテレビで見ている全米の一般の人々に直接語りかける演説でもあった。

26日;朝日社説(2)オバマ演説―大統領を待つ多難と希望
http://www.asahi.com/paper/editorial20090226.html
『政権運営の鍵となる共和党の協力は引き出せていない。経済の先行きもさらに厳しくなってきた。 政権発足と同時に、オバマ氏は全力疾走で経済の立て直しに取り組んできた。7870億ドル(約74兆円)にのぼる史上最大規模の景気対策法をいち早く成立させたのは、胸を張れる成果だろう。金融安定計画や住宅差し押さえ対策も打ち出した。 だがそれでも、金融機関への不安が再燃し市場が揺れている。ニューヨークの株価は演説の前日まで下がり続けた。先行きへの悲観論が消費者心理を冷え込ませている。演説で「危機のなかに希望を見いだすのが米国民だ」と励ましたのはそのためだ。
 求められているのは、緊急対策だけではない。将来への展望を示す指導力である。オバマ氏は危機を引き起こした経済のあり方を批判して、「つけを清算する日が来た」と宣言した。教育、医療、エネルギーを重点分野にあげ、長期的な繁栄の基盤づくりをすすめるというビジョンも示した。雇用確保にも、信用不安の解消にも、住宅ローンの救済にも、巨額の財政支出が必要になる。その結果、財政赤字が1.5兆ドル(約140兆円)と、前年度の3倍余りへ急増する見通しになった。 共和党からは「政府の肥大化だ」と厳しい批判が出ている。オバマ氏も財政規律を重視するとして、予算の無駄の削減などを公約した。イラク戦争やアフガニスタンの戦費も明示する方針を示した。肥大化した国防費をはじめ、長年の既得権益へ大胆にメスを入れなくてはならないだろう。
 外交では「新たな関与の時代」を宣言した。米国だけでは脅威に対処できないとして、国際協調を強調したのは歓迎できる。 だが、当面の焦点であるイラクからの米軍撤退の日程や、アフガニスタンやパキスタンへの包括戦略はこれからだ。イラクが再び混乱したり、アフガン情勢が泥沼化したりしては、経済再生も絵に描いたモチになりかねない。「超党派の結束」をめざして反対派をねばり強く説得しながら、慎重に事を運ぶのがオバマ流のようだ。難しい決断であっても、方向性をしっかり示してほしい。

26日;読売社説(1)オバマ議会演説 経済再生への決意は示したが
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090226-OYT1T00002.htm
『同時不況の暗雲が世界を覆っているいま、力強い米国の復活は不可欠だ。問題は、それを具体化させる実行力である。米国経済の再生に向け、大統領が結束を訴えたのは、経済・金融危機が深刻さを増す現実に直面しているからだ。金融不安が再燃し、株価の下落傾向が止まらない。経営危機の米自動車大手3社(ビッグスリー)は再建の見通しもたたない。
 大統領は、公共投資と減税を柱にした約8000億ドルの景気対策法の成立について、「まだ第一歩に過ぎない」と強調した。今後、次々と対策を打ち出す姿勢を明確にしたものだ。
 最大の課題は、危機の元凶である金融不安を早期に封じ込めることができるかどうかだ。
 大統領が「悪循環を断ち切る」として、巨額損失を抱えた大手金融機関への公的資金の追加注入を示唆した意味は大きい。
 オバマ政権は2月上旬、金融機関の不良資産を官民資金で買い取る金融安定化策を決めたが、具体性を欠くと指摘されている。詳細を早急にまとめ、買い取りを実施に移す必要がある。こうした大型の財政出動と、不況に伴う税収減で、財政赤字の急拡大が懸念される。2009会計年度の財政赤字が1.5兆ドル規模にも膨らむと予想される中、大統領は「4年間で赤字半減」を公約した。景気対策の効果で見込める税収増に加え、ムダな歳出は思い切って削減するというが、どれだけ赤字を圧縮できるか。巨額赤字が続けば基軸通貨・ドルの信認も揺らぎかねない。重い宿題である。
 大統領は、共和党政権では聖域だった国防予算についても、例外ではないとした。一方、1万7000人の米兵を増派するアフガニスタンについては、包括的な新戦略を近く策定する、という。日本や北大西洋条約機構(NATO)諸国はじめ関係国とコストを分担することで、米国の負担軽減を図る狙いがあろう。オバマ政権にとって、同盟国との協調は、ますます重要性を帯びてきている。

26日;産経社説(1)オバマ施政方針 経済再生に強い指導力を
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090226/amr0902260325002-n1.htm
『大統領が特に強調したのは政府が果たす役割の重要性だ。まず約8000億ドル規模の景気対策法と金融安定化策をアピールした。これらの手段で「経済を再生させるだけでなく、長期的な繁栄の新たな基盤を築かなければならない」と訴え、エネルギー、医療、教育へ重点的に投資し、未来につなげる必要性を指摘した。しかし、大統領がめざす経済再生の道は決して平坦ではない。景気対策法は何とか議会で可決されたが、財政支出の膨張に懸念を抱く共和党議員らの多くが反対に回った。世論調査の支持率は高いものの、政策実行力はまだ未知数だ。演説の中で「歳出の抜本的改革を行い、今後10年で少なくとも2兆ドルの歳出削減余地がある」と財政再建について触れたのはそのためだ。
 株式市場は米経済の先行きに悲観的な見方が優勢になり、再び株安傾向が強まっている。経済対策のメニューは示されたが、政権の前途に難問が山積していることを市場が懸念しているからだ。金融安定化策では、官民共同で設ける基金が金融機関から不良資産を買い取る際の条件や、大手金融機関に対する公的資本の追加投入などについて、調整が難しいあいまいな部分が残っている。米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの再建も厳しい。両社は米政府に新たな再建計画を提出し、計216億ドルの追加支援を要請している。だが、労組や債権者らとの債務削減交渉が進まず、今後公的支援はさらに膨らむ恐れがある。
 大統領は難問に「合意点を見いだすことを国民が求めている」と強調した。そのための強い指導力を発揮するよう求めたい。日本も米国頼みではなるまい。景気悪化をよそに与野党が対立を続けている場合ではない。雇用対策や景気刺激策を実行し、責任を果たすことが必要だ。

26日;毎日社説(1)オバマ演説 言葉に続く行動に期待する
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090226ddm005070115000c.html
『国民の理解を求め説得に努める指導者の姿があった。自信と希望を共有しようと励ます言葉があった。「経済が危機にあることは、統計を見るまでもありません。日々、みなさんはその中で生活しているわけですから」。“You”という二人称を用い、苦難を国民と分かち合う大統領であることを印象付けた。そして、絶望的な状況下にあっても、米国民は乗り越える力を持っていると強調し、鼓舞した。「私たちは立て直し、回復し、より強いアメリカ合衆国となってよみがえるのです」。大統領が直面する現実は極めて厳しい。
 米国を再び強くするため、「環境・エネルギー」「医療」「教育」に長期投資を行っていくと力強く表明したことは評価できる。だがそれには、一刻も早く金融システムを安定化させねばならない。経済の出血が続いていては、筋力増強どころではないからだ。その金融安定化には追加的な公的資金の投入が避けられない。目指した超党派の結束は実現しておらず、民主党内からも反発の声が上がるのは必至だ。大統領が国民に向けて熱く訴えたのは、まさにこのためだ。「救うのは銀行ではなく国民」と強調し、怒りに負けて銀行救済を躊躇していては、危機が10年も続くと述べたが、議会を説得するうえで世論を味方に付けることが不可欠だと考えるからだろう。
 就任から1カ月足らずで、72兆円規模の景気対策法を成立させたことは、異例のスピードといえる。しかし、急激に悪化する経済状況と株価下落など市場の動揺は、矢継ぎ早の大胆な対策を催促している。米国と世界が相互に依存し合う「新時代が始まった」とし、ブッシュ時代からの決別を鮮明にした。経済危機克服に、財政的、政治的資源を集中させねばならない現実がある。もはや単独では世界を主導できないと限界を認め、協力を呼びかけたものだ。大統領のメッセージは私たちにも伝わった。続く行動に期待したい。

26日;日経社説(2)米国民をしかったリーダー
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090225AS1K2500625022009.html
『済危機克服への決意と方針をうたったリーダーは同時に、企業や国民の無責任さが危機を招く原因になったとしかり、責任の自覚と改革の大切さを説いた。「我々の経済は一夜にして傾いたのではない」「短期的な利益が長期的な繁栄より重視される時代を過ごしてきた。黒字が出ても未来へ投資する機会ととらえず、富める者にさらに富を移す口実にした。規制は短期の利益を得るために骨抜きにされた。人々はローンを支払う能力がないことを知りながら住宅を購入した。重要な論議や難しい決定は後回しにされた」。そして「今必要なのは団結し、直面する困難に大胆に対応し、未来に責任を持つこと」と呼びかけた。最近の米大統領には珍しく、この国の内なる問題を率直に語った。人々の内省を危機克服への第一歩にしようという考えがうかがえる。
 危機対応策では、金融安定化に向けた政府の一層の関与をうたう一方、中長期をにらんで環境・エネルギーや医療保険改革、教育などの分野に投資する考えを示した。共和党が「大きな政府」への傾斜を懸念していることについては「政府は企業にとって代わるのでなく、触媒となって、多くの(既存)企業や新ビジネスが順応し栄えるための条件をつくる」と景気対策を進めるなかでの政府の役割を明確にした。さらに、近く議会に提出する予算教書について、単なる事業のリストではなく「米国のためのビジョン、将来への青写真だ」と強調、議会に協力を求めた。4年間で財政赤字を削減する方針も表明している。
 全体として米国の経済危機を正直にとらえて国民に意識変革を求め、長期的視野からまっとうな政策をとるという誠実な姿勢が感じられる。米国の経済危機がそれだけ根深いことの裏返しともいえるが、人気取りに走らず、地道に問題に取り組もうという構えに期待したい。日本の指導者もそれを参考にする余地は大いにあるのではなかろうか。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━
週刊ダイヤモンドの2月28日号の特集の「農業がニッポンを救う」は見当はずれ。特別定価690円は返せ。「農業は潰れている」。確かに、敗戦後の日本は農村で救われた。農村人口も大きかった。若者のエネルギーがあった。しかし、高度成長の時代に、猫の目農政で農業は疲弊し、稲作中心の農耕が食料自給率を下げた。農村の若者を「金の卵」として集団就職列車で都会へ吸収した。農村は高齢化して山河が残った。無策の時代が長い。補償と補助金漬け。新しい成果を生む「再投資」はない。
特集1の「未開拓な農業が日本の成長源泉」は逆だ。特集第2「脱サラ農業入門」は架空の空想話。重労働と低収入と人間関係で生活破壊する。市民農園の延長線上にはない。特集3「儲ける農業経営者、急成長」は、例外的な成功話。こんな話は、宝くじの当るのより難しい。特集4「企業参入で農業は活性化する」は、ビジネスモデルがしっかりしているだけの話。騙されてはならない。

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2009/02/25

シニアネット 『おいおい』 第817号 

━━senior citizen net━━━━━━2009/02/23━

    シニアネット 『おいおい』        第817号
 
━━━━━━━━━━━━ 行動する情報紙 ━━━

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  遠野火や死は同齢にまでおよび   福田甲子雄

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平成9年作。遠くに見える「野火」は、夕暮れの遠景であろう。害虫駆除して新しい芽をはやせる野焼き。最初はぼんやりと「遠野火(とおのび)」として眺めていた。その野火が、まるで「劫火」のように見てきた。
まだまだ、若いと思っていたが、仲間が次々と死んでいく。平均寿命に近づいている。「死は同齢にまでおよび」。ぼんやり眺めていた遠くの「野火」が、火勢を増して身近に迫ってきたように感じる。死とは,そんなものだと。山梨県南アルプス市生まれ。(1927-2005)。

┏━━2・26事件━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  昭和11年(1936)2月26日、この日早朝、降りしきる雪の中、「昭和維新」を目指す若手将校が約1500名の兵隊を率いて襲撃をした。岡田啓介首相をはじめ、政府・軍部の要人を襲撃、蔵相の高橋是清等を殺害した。鈴木貫太郎侍従長(終戦時総理)は重傷した。国民の支持は得られず、決起は失敗におわった。
事件は皇道派と統制派の争いの面もあるが、事件後、皇道派の勢力は一掃された。陸軍の政治的な発言が強化して,遂には国家そのものの破滅へと導いた。国民誰もが忘れてはならない事件である。

┏━━年金財政見通し━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「統計でウソをつく」とは今回発表の厚生労働省の公的年金の財政状況である。長期見通しの与件が出たらめで、とても「100年安心」とは言えない。 現役世代の平均収入に対する厚生年金の水準(所得代替率)は、2009年度の62・3%から次第に低下して38年度に50・1%になるものの、それ以上は下がらないと予測しているが、信用できない。
この試算は、かなり楽観的な予測を積み重ねた末に、はじき出されている。例えば、公的年金積立金の運用利回りを4・1%と見込んだ。30年時点の雇用状況について、従来の予測より高齢者の就労は240万人増、現役世代の就労も360万人増加すると見ている。そして、長期的な予測数値が、信用できるはずがない。政府の経済見通の1年後が、当たることはない。数値に騙されてはならない。今回の予測が、噴飯ものである。今回は。「社説」をパスさせていただく。予測が、当たれば経済はここまで悪くならない。

┏━━NHK脅迫(社説)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◎報道の自由が侵される◎
 日曜日の夕刻、福岡放送局の玄関付近で「ボン」という音が響き、置かれていたガスボンベが爆発した。燃え広がることはなかったが、天井に穴が開くなどの被害が出た。 この事件の翌日から、別の事件が続いている。東京・渋谷にあるNHK放送センターや札幌、長野、福岡の各放送局あてに、ライフルの実弾のようなものが送りつけられた。実弾らしきものが張りつけられた紙には、「赤報隊」の3文字が印字されていたという。
 いずれも狙いや意図はわかっていない。NHKは「脅迫など、特に警戒や注意を要するようなことは最近なかった」としている。爆発事件と不審な郵便物との関連性も、今のところは出てきていないようだ。

25日;朝日社説(1)NHK標的―暴力や脅しは許さない
http://www.asahi.com/paper/editorial20090225.html?ref=any
『深い憤りを覚える。NHKを標的にした相次ぐ事件である。 かりに、NHKの業務や放送内容に対して不満や恨み、言いたいことがあったのだとしても、なぜ言葉で伝えないのか。 もしも「騒ぎを起こしたかった」などの動機だったとしても、あまりにもたちが悪い。幸いけが人はなかったが、一つ間違えばホールにいた人たちに危害が及びかねなかった。実弾らしきものの送りつけ事件も、無言の暴力である。いやがらせや愉快犯の可能性ももちろんあるが、受け取った側に薄気味悪さや恐怖心を抱かせようという意図がみてとれる。
 「赤報隊」の名は、87年に朝日新聞阪神支局で2人の記者が殺傷された事件などで犯行声明に使われた。一連の事件は未解決のまま時効を迎えたが、本社は今でも真相解明を目指している。NHKへの送りつけ犯が脅しのためにこの名を使ったとしたら、とんでもないことだ。
 報道や言論を力で封じ込めようとする。あるいは人を脅して憂さ晴らしをする。そんな身勝手さは社会全体への挑戦でもある。河村官房長官は「報道の自由という観点からしても、民主主義を脅かしかねない。極めて悪質なもので、政府としても看過できない」と懸念を示した。当然のことだ。 警察には早く犯人を検挙し、動機などを解明してもらいたい。同時に、こうした暴力や脅し、いやがらせを認めない。その思いをあらためて社会で共有したい。

25日;日経社説(2)許せないNHKへの脅迫
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090224AS1K2400424022009.html
『NHKに対し圧力をかけるような不気味な事件が相次いでいる。言うまでもなく、言論報道の自由は国民の知る権利を保障する民主主義の根幹である。そこを標的にした許せぬ事件であり、軽視できない。徹底した捜査、早期解決を求めたい。河村建夫官房長官は「民主主義を脅かしかねない極めて悪質な事件」と指摘し、政府も事件を重く受けとめていることを明らかにした。
報道機関を狙った犯行は繰り返されてきた。1987年から翌年にかけての朝日新聞連続襲撃事件では記者2人が殺傷された。事件は未解決のまま時効になったが、犯行声明にあったのが「赤報隊」の名だった。東京・大手町の日経本社でも3年前、昭和天皇が靖国神社に参拝しない理由を書き残した「富田メモ」を報じた直後に、玄関に火炎瓶が投げつけられる事件が起きた。逮捕された右翼団体の男は「テロで言論報道の自由を封じようとした」と指弾され、実刑判決を受けている。
 言論封殺をもくろむ暴力は政治家、官僚らも標的にしてきた。もちろん、それによって自由な言論活動がゆがむことがあってはならないし、私たちも暴力を許さず、暴力に屈しない覚悟を持っている。しかし、こうした犯罪は社会を不安に陥れ萎縮させる。民主主義を守るため、事件を早期に解決する必要がある。

24日;産経社説(1)NHK爆発事件 テロも視野に徹底捜査を
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090224/crm0902240328001-n1.htm
『計画的な犯行であることを強く疑わせる事件である。報道機関としてのNHKを狙ったテロの可能性もあり、それを視野に入れた徹底捜査を望みたい。報道機関がテロの標的にされたケースとして、昭和62年5月に朝日新聞阪神支局が襲撃され、記者2人が殺傷された事件は22年近くたった今も人々の記憶から消えない。この事件が平成14年に公訴時効となり、未解決に終わったことは、極めて残念である。その後も、平成18年夏、昭和天皇の発言とされる元宮内庁長官のメモをスクープした日経新聞本社(東京・大手町)で、火炎瓶の破片が見つかった。平成14年1月には、NHK京都放送局に刃物を持った男が押し入って声明文の放送を要求し、突入した捜査員に逮捕された。
 テロは報道機関だけでなく、政治家にも及んだ。平成18年8月、山形県鶴岡市の加藤紘一自民党元幹事長の実家が右翼団体幹部に放火され、全焼した。加藤氏の月刊誌での対談記事に反感を抱いたことが、犯行の動機だったとされる。平成15年夏、野中広務自民党元幹事長の事務所に銃弾が郵送されたり、当時の外務審議官の自宅に時限式発火物が仕掛けられたりした事件は、「建国義勇軍」を名乗るグループによる大がかりな犯行だった。加藤氏や野中氏らの意見に反対だからといって、それを放火などの方法で封殺しようとする行為は卑劣である。
 今回のNHK福岡放送局の事件も、犯人を早く捕まえ、動機や背景を詳しく解明してほしい。この種の事件も、早期解決が最大の予防策になるからだ。民主主義社会では、言論の自由とそれを批判する自由がともに保障されている。いかなる理由があれ、テロは絶対に許されない。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「堺市立泉ヶ丘市民センター」集会所の話。3階建てのビルで、図書館と老人集会所と障害者集会所がある。管理者は堺市役所の3つのセクション。窓口も、同じく3つもある。貸室として開放されているのは、教育委員会の管理している図書館の2部屋だけ。他の2つの窓口は、難しい名前の課名が付いている。いくら、空室があっても開放されない。「市民センター」のなのに。
貸室される2部屋は無料。隣の駅の図書館の分室は有料。隣の図書館の分室は、部屋数は多くて利用者には便利である。建物の中には、利用も目的を検討すれば貸与できると考えられる部屋もある。隣の町の分室のように有料にして、部屋数を増やし、総合的に管理できないのか。無料を有料にするためには、利用者の納得うるのが難しいそうだ。
3つの窓口の調整。同じ教育委員会の中での図書館での調整。へとへとになっても、解決の入り口にもたどり着けないそうだ。行政改革は夢のまた夢のようだ。

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2009/02/22

シニアネット 『おいおい』 第816号

━━senior citizen net━━━━━2009/02/22━

    シニアネット 『おいおい』    第816号
 
━━━━━━━━━━━ 行動する情報紙 ━━

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昨日の声たれにゆづりし春の鵙     野澤節子

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鵙(もず)が、やさしく鳴いている。秋には、縄張りを主張するために「キキキィーッ」と鋭い声で
鳴いていた。百舌鳥の高鳴きといわれる鳴き声は「たれにゆづりし」たのか。鋭い声のかわりに、明
るく澄んだ声で雌に求愛している。秋の鋭い声を「昨日(きぞ)の声」と表現した。「春の鵙」の豹
変が面白い。
脊椎カリエスに冒され、25年間も闘病生活をした。昭和32年(1957)病が完治して,堰を切ったよう
に旺盛な文学活動を開始した。横浜市生まれ。(1920-1995)。

┏━━猫の日━━━━━━━━━━━━━
  ゴロ合わせの日。2月22日で、「ニャン、ニャン、ニャン」。1987年(昭和40年)に猫の日制定
委員会が制定した。この日に決まったのはペットフード工業会が全国の愛猫家から公募した結果であ
る。

┏━━日刊新聞創刊の日━━━━━━━━
 1872年(明治5年)2月21日に、日本初の新聞「東京日日新聞」(現在の毎日新聞)が創刊された。
片面だけ印刷された創刊号は、1枚140文で、1ケ月購読すれば銀20匁であった。

┏━━聖霊会(しょうりょうえ)━━━━━━━━
 聖徳太子の御忌の法会。もと旧暦2月22日に太子ゆかりの寺で舞楽などをともない行われた。今は
四天王寺は4月22日、法隆寺は4月22日、広隆寺は8月22日。「精霊会」と書くと盂蘭盆に同じになる

┏━━クリントン外交━━━━━━━━━
 ◎アジアの多様性とどう向き合うか◎
クリントン米国務長官は就任後初の外遊先として選んだ東アジア4カ国の歴訪を終えて、帰国の途に
つく。オバマ新政権の外交トップとしての「お披露目」の色合いが濃く、「アジアを重視する」とい
う新政権の姿勢を伝えたことで、その意義は十分あったといえよう。

22日;朝日社説(1)クリントン歴訪―同舟相救う外交に注目
http://www.asahi.com/paper/editorial20090222.html?ref=any#Edit2
『日本では、麻生首相がホワイトハウスに迎えられる最初の外国首脳としてオバマ大統領と会談する
ことが決まった。米民主党の新政権は日本より中国を大切にしているのではないか。そんな不安を和
らげ、「日米同盟はアジア外交の礎石」とするオバマ政権の方針の証しを示したものと受け止めたい
。オバマ氏が子供時代を過ごしたインドネシアは、イスラム教徒が主体の東南アジアの大国。ブッシ
ュ前政権の時代は、反米意識が強まっていた。ここで「イスラムと民主主義の共存」をたたえ、イス
ラム世界への融和的なメッセージを放った。韓国では、懸念が強まる北朝鮮のミサイル発射の動きに
、韓国側とともに強く自制を求めた。 そして最後の中国では、外相会談で、これまでの戦略経済対
話を安全保障なども扱う高官協議に拡大することに合意した。気候変動問題でも定期協議を行うこと
になった。
 クリントン長官は大統領夫人だった95年、北京で開かれた国連主催の世界女性会議に出席し、人
権保護や民主主義をめぐって中国を批判したことがある。また、長官就任後もチベット系住民の人権
擁護を訴えている。 今回の訪中では、長官は会談前「人権批判は世界経済危機や気候変動、安全を
めぐる議論を妨げてはならない」と話しており、実務外交に徹したということだろう。 クリントン
長官は大統領選中に「米中関係は世界で最も重要な2国間関係になる」と評したことがある。
 「同じ舟に乗っているときは、平和的に一緒に川を渡らなければならない」。クリントン長官は歴
訪前にニューヨークで演説した際、中国の「孫子」から「同舟相救う」を引用した。 大きな目標に
向けての多国間協力の重要性を訴えたものだ。その裏には、アジアの地域協力が米国抜きに進んでは
困るという警戒感もあるだろう。長官のいう舟には多くの国が乗り込んでいる。日米中や日米韓など
様々な「協働」のあり方がありうる。知恵と力を出し合いたい。

22日;読売社説(1)クリントン外交 米中対話の拡大をうたったが
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090222-OYT1T00032.htm
『オバマ米政権の対アジア外交の輪郭が浮かび上がってきた。クリントン国務長官は、「米国は、欧
州に強いパートナーを必要としているように、アジアにも強いパートナーを求めている」と強調して
きた。日韓両国との同盟関係を強化、発展させるのは当然ながら、同盟関係にないインドネシアや中
国とも関係を深める方針だ。世界最大のイスラム教徒人口を抱える国への訪問は、イスラム諸国に関
係改善のメッセージを送る狙いもあったのだろう。最後の訪問国の中国では、ブッシュ前政権下で始
まった経済中心の米中戦略経済対話を、安全保障分野も取り込んだ、より包括的な戦略対話に「拡大
」することで合意した。地球温暖化対策をめぐる協議も始めるという。オバマ大統領と胡錦濤国家主
席との米中首脳会談も、4月のロンドン金融サミット開催の際に持たれることが確定した。
 喫緊の課題である経済危機の克服では、米国にとって、中国や日本の協力が不可欠だ。中国は、今
や、日本を抜いて世界最大の米国債保有国である。米中両国による安全保障分野での戦略対話は、日
本の安全保障にも重大な影響をもたらす。北朝鮮の核開発で、核拡散は現実になった。オバマ政権は
核不拡散でリーダーシップをとるためにも、核保有国の核軍縮を率先したい意向だ。ロシアだけでな
く、軍拡路線の中国も引き込まなければ意味はない。地球温暖化問題では、中国は二酸化炭素の排出
量で、米国を上回って世界一となった。ポスト京都議定書の枠組みは米中抜きには成立しない。
 米中対話の前途は不透明だ。米国の景気対策法に盛り込まれたバイ・アメリカン条項で中国製品が
締め出されることになれば、経済摩擦は避けられまい。クリントン長官は、「(人権問題によって)
経済危機や気候変動、安全保障の議論が妨げられることはない」と述べた。だが、今年は天安門事件
から20年、ダライ・ラマ亡命から50年になる。この節目をとらえ、民主化運動が高まる兆しがあ
る。人権問題は、米中関係の火種である。

22日;日経社説(1) 多様なアジアに米国はどう向き合うか
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090221AS1K2100B21022009.html
『クリントン米国務長官は、外相や首脳との会談では意識的に聞き役となった。学生などとの対話を
通じたパブリックディプロマシー(対世論外交)も展開し、それらを通じてアジアの多様性を改めて
胸に刻んだはずである。 国務長官として初めての今度の歴訪には、訪問先だけでなく米国メディア
も注目した。東京での学生との対話や皇后陛下とのお茶のような、公式会談以外の行事が各国であり
、国務長官による実務的な訪問を超えた活動と映った。米国内にも新鮮な印象を残したようだ。迎え
た国々の関心は、聞き役だったクリントン氏が何を胸に刻み、それがオバマ政権の外交政策に具体的
にどう反映するかである。
 日本は米国の同盟国であり、経済力は世界第2位だ。インドネシアは世界最大のイスラム国家であ
り、韓国は地球上で数少ない冷戦構造が残る分断国家だ。中国は世界最大の人口を抱え、共産党体制
下で市場経済を進め、軍事的には米国に脅威を与えうる数少ない国である。
  各国で人権問題はどう語られたか。ニューヨークでの講演でクリントン氏は「ノーベル平和賞を
受けたアウン・サン・スー・チーさんが自国で自由に生活できるように、北朝鮮の人々が自由に指導
者を選べるように、チベット人、すべての中国人が迫害の恐怖なしに宗教の自由を享受できるように
」と述べた。アジアの多様性に対する寛大な姿勢は重要だが、それはミャンマー、北朝鮮、中国など
での人権問題に目をつぶる意味ではないだろう。日本は経済、安全保障上の利益だけでなく、価値観
も米国と共有する関係にある。「日米同盟が米国のアジア政策の要石」とされるのはこのためである
。日本政府には、この点の感度も求められる。

22日;毎日社説(1)国務長官訪中 米中対話は内向きでなく
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090222k0000m070105000c.html
『歴訪では、最初に日本を訪問して「日米同盟重視」を再確認した。また、野党民主党の小沢一郎代
表とも会談した。自民党から民主党に政権が交代しても良好な日米関係は維持できるというメッセー
ジだ。世界最大のイスラム人口を擁すインドネシア訪問は、イスラム国との対話重視だった。韓国訪
問では、6カ国協議の枠組みによって北朝鮮への核放棄を迫ることを確認した。だが、今回の歴訪で
世界が最も注目したのは中国首脳との会談だ。中国はいまやアジアで最も影響力のある国というだけ
ではない。米国が金融危機を切り抜けるには、米国債の最大の保有国であり、世界一の外貨準備を持
つ中国との協調が不可欠だ。だが、その中国は核ミサイル搭載の原潜や空母の新造開発に力を入れ、
米国の不安と疑念をつのらせる存在でもある。
 ブッシュ政権の時は、米国の財務長官と中国の副首相とが定期的に協議する「戦略経済対話」の枠
組みを作っていた。オバマ新政権になってどのような対話の枠組みを作るかが、今回のクリントン長
官訪中の課題だった。歴訪に先立ち長官は「同舟共済」(川を渡るには、心をあわせてボートをこが
なくてはならない)という中国のことわざを引用し、米中協調を呼びかけた。アジア重視外交といっ
ても、事実上、米国は中国を最も重要な外交の相手と見なすと宣言したのである。北京での一連の会
談で、米中は閣僚級による経済対話、政治安保対話の二つの枠組みを作ることを決めた。バイデン副
大統領と温家宝首相との定期協議というハイレベル対話の構想も流れていたが、クリントン長官が仕
切る閣僚級対話に落ち着いた。また、台湾への武器売却で中断していた軍事交流についても再開が決
まった。温暖化問題での対話にも合意した。だが、そのために米国が人権、民主化、チベット問題な
どで外交圧力を後退させたことは否定できない。譲歩だと批判がでている。
 また、長官が米中2国で世界の問題を解決できるかのような表現を時々使ったことも見逃せない点
だ。米中外交だけではアジア重視外交にならない。米中協調という姿勢は歓迎する。しかしボートに
乗っているのは米中だけではないことを両国は忘れないでもらいたい

┏━━北のミサイル━━━━━━━━━
22日;産経社説(1)北のミサイル 米は早急に包括政策示せ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090222/plc0902220303000n1.htm
『北朝鮮が先にミサイル発射実験を“予告”した。クリントン米国務長官は、韓国の柳明桓(ユミョ
ンファン)外交通商相との会談後の記者会見で北朝鮮に「すべての敵対行動を中止すべきだ」と警告
した。だが、日米はじめ各国とも、この緊迫した事態への有効な手だてを持っていない。現時点で必
要なことは、オバマ米政権が制裁などの直接対応にとどまらず、包括的な対朝鮮半島政策を早急に示
すことである。それを欠いていては、強硬手段を取っても暴挙を抑える効果は薄い。ミサイル問題は
日米外相会談でも話し合われたが、クリントン長官は「われわれの関係のためにならない」などの弱
いメッセージを示すにとどまった。オバマ大統領も就任後、北朝鮮政策については包括的かつ基本的
な方針をいまだに明らかにしていない。
 北朝鮮がミサイル実験を強行した場合、米国は日本や韓国を含む同盟国や関係国、国連などとの協
議も経て、制裁を科すなどの強硬手段を取ることになろう。だが、仮にそうした手段を発動したとし
ても、対北朝鮮の基本政策や方針が存在しなければ基盤が脆弱で効果は期待できない。オバマ政権に
望みたいことは、(1)交渉の基礎を従来通り6カ国協議におく場合、直接対話との関係をどうする
か(2)そもそも交渉による解決を優先させるのか、圧力に重点を置くのか(3)北が核開発を放棄
した場合の見返りや国交正常化プロセスをどう動かすか(4)核危機以降の朝鮮半島の恒久和平体制
をどう考えるか-などを明確にすることだ。その上で、制裁などミサイル実験が強行された場合の対
応を明確にし、日韓両国との連携強化を鮮明にすれば、さらにその重みと威圧感は増す。
 前任のブッシュ大統領は就任4カ月半後の01年6月、前政権の方針を見直した上で、米朝2国間
協議も含む包括政策を発表した。当時はウラン濃縮疑惑などが発覚する以前のことで、米朝関係も相
対的に静かな時期だった。だが今は事態が切迫している。予告したことをほとんど強行してきた過去
の行動パターンからみると、北朝鮮が近い将来、ミサイル実験を強行する可能性は高い。4カ月後な
どと悠長なことは許されない。景気対策など他の緊急課題があるにせよ、今こそオバマ政権は北朝鮮
への強いメッセージを内外に鮮明にするときだ。

┏━━死を思う━━━━━━━━━━
◎(社説)映画と小説から見える物は◎
  映画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)は、本木雅弘さん演じる主人公が職を失って故郷に帰り
、「納棺師」になる物語だ。亡くなった人の体を清め、その人にふさわしい姿にして棺に納める、葬
送の仕事である。派手な映画ではないが、公開から5カ月たったいまも客足は衰えず、観客270万
人を超えるロングヒットになっている。日本時間の23日に発表される米国アカデミー賞では、60
以上の国・地域が出品した作品の中から外国語映画賞の候補5作に選ばれた。
 先ごろ直木賞に決まった小説「悼む人」(天童荒太著)は、人が亡くなった場所を訪ね、「その人
が生きていたことを胸に刻む」という旅を続ける青年が主人公だ。昨年11月に出版された単行本は
25万部のベストセラーになった。出版社のウェブサイトには読者から、死と生について考えた長文
の手紙が、数多く寄せられているという。 二つの作品の主人公はともに、自分のしていることへの
理解を強く求めず、真摯に、淡々と死者と相対する。

22日;朝日社説(2)死を思う―映画と小説を鏡にして
http://www.asahi.com/paper/editorial20090222.html?ref=any#Edit2
『おくりびと。悼む人。「死」と向き合う人を描いた映画と小説が、大きな反響をよんでいる。 「
おくりびと」が出会う死者は、年齢も死に方も様々だ。彼は誰に対しても同じ丁重さで向き合う。「
悼む人」の旅の目的は、どんな死者も「誰にも代わることのできない、ただ一人の人物として覚えて
おくこと」だけだ。映画の脚本を書いた小山薫堂さんは、現実の納棺師に聞いた「死とは、究極の平
等」という言葉に強く触発されたと話している。 「悼む人」の天童さんは、01年の米国での同時
多発テロとアフガンへの報復攻撃に衝撃を受けて、この小説を構想した。多くの人の死に痛みを覚え
、大きく報じられる死と小さく扱われる死があることに矛盾を感じる中から、あらゆる死に等しく思
いをはせる主人公が生まれた。「死に軽重をつける社会は、生きている人も公平に扱えない」とも考
えている。
 老いや病の先にある死は誰も避けられない。死は生きることの中に埋め込まれた、私たちの一部で
ある。しかし日本社会では病院で亡くなる人が増え、日常生活の中で死の具体的な姿は見えにくくな
っている。 一方で、私たちは、報道を通して毎日のように悲惨な事件や事故を見聞きし、世界のあ
ちこちの紛争やテロで何百、何千の命が失われていることを知る。多くの不条理な死を思い、慄然(
りつぜん)とする瞬間もある。 近くの死、遠くの死。人々の心がそれを感受し震える。それが映画
と小説の2人の主人公が死と向き合う静かな行為と、共振しているのかもしれない。死を思うことで
見えてくるものは何だろうか。じっくり考えてみたい。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━
多様化社会である。多価値観のコミュニテイで、それぞれが主張をする。一体感を持つのは難しい。
拠り所となる思想を見つけにくい。自民党の一部の代表の総理が、支持率10%台になるのは理の当
然である。皆が「おらの代表」と言えるリーダーを選ぶことは難しい。階級社会でない日本では、特
に難しい。
 一方、組織をガバナンスする側から見れば、利害関係者(ステークホールダー)が多数いてその調
整に苦慮する。また、ガバナンスにバランス感覚がいる。調整する項目は企業組織と違い、コミュニ
テイでは膨大である。政治が混乱を極めて、小数の政党では、束ねきれない時代にある。強力なリー
ダーシップを発揮できる政治家が求めるゆえんであろう。


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2009/02/18

シニアネット 『おいおい』 第815号 

━━senior citizen net━━━━━2009/02/18━

    シニアネット 『おいおい』        第815号
 
━━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━

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剪定の腰手拭や一日晴          村越化石

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「剪定」は林檎、桃、梨等の果物の伸び始めた枝を切り落として、木の奥まで太陽の光が届くようにする。果樹等の農作業以外に、庭木の剪定もある。剪定日和の「一日晴」。気持ちよい晴れた日の庭の選定作業であろうか。庭師がパチンパチンと庭木を剪定する鋏の音。剪定された庭木は、庭師の意思を伝えるようで個性が出る。「腰手拭」で,剪定作業をしている人が見える。切り落とした枝を束ねるたり、トラックに投げ入れる。枝葉はゴミでなく、生きているように見える。
作者はハンセン病患者であった。無菌になり長い歳月を生きた。精神の深まりが見える。その精神の深まりを平易な言葉で表現した。静岡県生まれ。(1922- )。

┏━━雨水━━━━━━━━━
 2月18日。2番目の24節気。雪が雨に変わり、雪や氷が解けて水になる意味。草木が芽を吹き始める。農耕の準備などは、この雨水を目安に始める。立春後、15日目にあたる。

┏━━土脉潤起━━━━━━━━━━━
 19日。72候の4番目。「土の脉(しょう)潤(うるおい)起こる」。暖かい気候に土が潤い活気づく頃。雨が降って、土の中にいくらか湿り気を含み出す季節。脉は脈の俗字。潤いは雨が降ること。湿り気。

┏━━米国務長官来日━━━━━━━━━
◎日米重視だが、日本の回答の内容次第である◎
  クリントン米国務長官が日本を初外遊先に選んだうえ、麻生首相とオバマ大統領の首脳会談の24日開催が早々に決まった。いずれもオバマ政権が日米関係を重視する表れとされる。国務長官は中曽根外相との会談で、日米同盟を強化する方針を確認し、在沖縄海兵隊のグアム移転協定に署名した。オバマ政権の高官は既にバイデン副大統領が欧州、ミッチェル特使が中東、ホルブルック代表が南アジアを訪問した。クリントン長官のアジア訪問は役割分担の一環ではある。

18日;朝日社説(2)日米関係―首脳会談は組まれたが
http://www.asahi.com/paper/editorial20090218.html?ref=any#Edit2
『今の米政権の関心からすると、世界同時不況の克服に日本の力を借りるのが喫緊の課題だろう。加えてイラク、アフガニスタンの治安安定から、北朝鮮の核・ミサイル問題、中国の軍拡、地球温暖化問題まで、日米が緊密に協力すべき課題は山積している。 首相はこの機会を活用して、日本が国際社会で果たすべき役割や米新政権との関係について、しっかり議論してほしい。ただし、勘違いしてはいけないことがある。米国が日本を重視するということは、我々が「重視」という日本語から想像するような、日本に甘く、大切にしてくれるということではない。米国の利益や戦略のために、日本を活用していくというドライな側面もあるのだ。問われるのは、日本側が何を伝えるかである。会談を開くこと自体が目的であってはなるまい。
 米国の立場から考えてみよう。オバマ政権は米国と世界の再生に取り組もうとしている。その時に大事なパートナーである日本の政権が支持率10%台を低迷し、秋までには総選挙がある。麻生政権との合意は本当に実行されるのか。米側が不安に思っても不思議はない。クリントン長官が民主党の小沢代表と会談したのも、政権交代の可能性をにらんでのことだろう。 今回の来日で、沖縄駐留海兵隊のグアム移転に関する合意を、国会承認が必要な条約にして調印した。これは、日本が民主党政権になった場合でも拘束できるという効果をもつ。 忘れてはならないのは、グアムへの海兵隊の移転は、普天間飛行場の辺野古への移設が進むことが条件としてセットになっていることだ。肝心の沖縄の基地問題について、麻生政権には真剣に取り組む意欲が感じられない。地元との対話を促進しないことには、前に進めない問題だ。
 また、オバマ政権が軍を増派するアフガニスタンについても、日本はさらにどんな貢献ができるか。本来なら、野党も巻き込んで日本の役割を検討しなければならないが、麻生政権にはすでにその力がない。 首脳会談はよいが、伝えるべきメッセージは準備できるのか。弱い政権は外交交渉で譲歩を重ねて成果を取りつくろうことになりがちだ。結局、外交は内政の基盤があってこそである。

18日;読売社説(1)米国務長官来日 戦略的に政策調整を深めよ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090217-OYT1T01059.htm
『多様で困難な外交課題の克服に向けて、日米両政府は戦略対話を重ね、政策調整を深めるべきだ。当面の試金石は北朝鮮だ。核の申告や無能力化は極力遅らせ、見返りの経済支援やテロ支援国指定解除はしっかり得ようとする。それが北朝鮮の行動パターンだ。日米両国は、中国や韓国とも足並みをそろえ、核計画の厳密な検証作業を迫る必要がある。日本人拉致問題について、クリントン長官は「米国として優先すべき問題」と強調した。日米協力を、拉致被害者の再調査の実現など具体的な進展につなげたい。北朝鮮は長距離弾道ミサイル発射の準備の動きを見せている。米朝協議を有利に運ぼうとする揺さぶりに動じてはなるまい。ミサイル発射は2006年10月の核実験後の国連安全保障理事会決議に違反し、追加制裁を招くなど、北朝鮮の利益にはならない。日米両国が、そうした明確なメッセージを発することが大事だ。
 「テロとの戦い」も戦略対話の重要なテーマである。中曽根外相は閣僚級のパキスタン支援会議の日本開催を提案し、長官は協力を約束した。パキスタンの安定は、アフガンの治安回復と同様、国際テロ抑止に不可欠な要素だ。日米が主導的役割を担うことが求められる。
  クリントン長官と民主党の小沢代表との会談は、小沢代表側が消極的で、日程調整が難航した。民主党が政権交代を本気で目指すなら、米政府高官と気兼ねなく会い、生産的な会談ができる環境を整えておく必要があろう。そのためには、インド洋での海上自衛隊の給油活動や、米海兵隊普天間飛行場の沖縄県内移設に反対したままでいいのか。外交・安全保障に関する本格的な党内論議を避け続けるべきではない。

18日;日経社説(2)複眼で日本を見る米政権
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090217AS1K1700217022009.html
『日米関係は単に政権と政権との関係ではない。広いすそ野がある。双方で政治的党派を超え、この関係を深める必要がある。クリントン米国務長官の訪日は、そんなメッセージを発信したようにみえる。日本の歴代政権は共和党政権に親近感があり、民主党政権には警戒感があった。オバマ政権はそれを意識したのだろう。北朝鮮拉致被害者の家族との面談も含め、窮地にある麻生政権に対する政治的な助け舟を出した。首相は官邸で夕食会を開いて返礼した。首脳間では普通だが、閣僚に対しては異例である。夕食会を終えたクリントン氏は、小沢一郎民主党代表と会談した。日米関係が政権と政権だけの関係ではないとすれば、オバマ政権がもう一つの目で「麻生後」も見据えるのは当然である。
中曽根弘文外相とともに署名した沖縄海兵隊のグアム移転に関する協定にも同様の狙いがある。自民党、共和党政権下の2006年5月、外務、防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で合意した在日米軍再編に関する合意を協定にまとめたものであり、日本政府は今国会に提出し、承認を得る考えである。日米間の政治的合意を国会審議を経て法的合意に格上げするのは適切である。協定という名前の条約だから憲法61条により、国会の会期切れや衆院解散がない限り衆院の議決から30日後に国会の承認となり、参院で野党が多数を占める衆参ねじれ現象の影響を受けない。条約として発効すれば、衆院選挙の結果、民主党政権ができても、米側と交渉して改定しない限り、拘束される。

18日;毎日社説(2)クリントン長官 日米対話の重層的展開を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090218k0000m070154000c.html
『日本が先か中国が先かなどと訪問の順番を競ってもあまり意味はない。問われるのは日米同盟の内実である。オバマ政権は外交方針として、ブッシュ前政権の単独行動主義と決別し多国間対話重視の国際協調路線を打ち出している。協調路線とは、言葉を換えれば役割と責任の分担ともいえる。両外相はさまざまなレベルで対話を進め、政策調整を強化していくことで一致した。日本は米新政権の発足を好機ととらえ、能動的な外交に取り組むべきだ。たとえば、クリントン長官が「北東アジア安定の最大の課題」と位置づけている対北朝鮮政策だ。米政権の方針はまだ明確ではないが、挑発的な言動を繰り返す北朝鮮に対しては核放棄へ毅然とした姿勢で臨んでもらわなければならない。
クリントン長官が拉致問題を6カ国協議の一部と位置づけたことは評価したい。同長官がオバマ政権の高官として初めて拉致被害者家族と面会したのはそうした不信を解消したいという思いがあったからだろう。北朝鮮に対し拉致問題の解決を強く迫ってほしい。両外相はパキスタン支援のための閣僚級国際会議の日本開催でも一致した。軍事的な貢献ができない日本としてはこうした分野での貢献に力を入れたい。
 両外相は在沖縄海兵隊のグアム移転に関する協定に署名したが、普天間飛行場返還に伴う代替施設建設に関しては政府と地元の意見が対立したままだ。政府は基地負担軽減を求める地元の意見も踏まえながら調整を急がなければならない。
 クリントン長官と民主党の小沢一郎代表の会談が実現したのは、次期衆院選での政権交代が現実味を帯びる中、早期の意見交換が望ましいとの双方の判断が働いたからだろう。同長官が求めて小沢代表と会談したのは、それだけ日本の政権の行方に米側が強い関心を寄せていることを示している。同盟関係の維持・発展には信頼関係がなければならない。来週訪米しオバマ大統領と会談することになった麻生首相には大統領との信頼関係をつくってきてもらいたい。

18日;産経社説(2)日米首脳会談 同盟深化へ実行力を示せ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090218/plc0902180330002-n1.htm
『3月を想定していた首脳会談日程が大幅に前倒しで実現される意義は小さくない。アフガニスタン問題の関連で日本政府がパキスタン支援国会合を東京で開催し、米国が協力することも決まった。国務長官として日本を初の外遊先に選んだ異例の判断に加えて、日本を重視して日米同盟のさらなる深まりをめざすクリントン氏の積極的な姿勢を評価したい。長官は横田滋さん夫妻ら拉致被害者家族とも面会した。外相会談では「北朝鮮の核、ミサイル、拉致を包括的に解決する」との日本政府方針に沿って、日米韓の連携を強化することで一致した。前政権末期の米朝協議が核問題に傾斜し、拉致への配慮が薄れて日本国民を失望させたことと比べれば、重要な変化の兆しである。
 ただし、今回の訪問は同盟の強化と発展に向けた基本的立場の確認に重きを置いたもので、いわば総論だ。米側の前向きな態度表明を受けて、今後は日本が各論で同盟国としての期待と責務に十分に応えていけるかが問われる。米軍再編では、沖縄駐留海兵隊グアム移転に関する協定が署名された。だが、グアム移転を含む再編の成否は普天間飛行場移設にかかっている。辺野古地区の代替施設建設に関して日米合意修正を求める地元との調整は難航中だ。国内調整が進展しないまま、日米合意以来すでに10年以上が経過した。これではオバマ政権も日本を信頼できまい。
 6カ国協議についても、クリントン長官が北朝鮮に拉致の情報提供を迫る姿勢を示したことは歓迎できる。だが、今後の協議で核廃棄プロセスや米朝関係正常化問題などとうまくかみあわせるには、より緊密でスマートな連携が欠かせないのはいうまでもない。首脳会談では金融サミット(G20)、地球環境、海賊対策なども課題になる。世界を視野に置いた同盟の強化と発展にいかに肉付けし、日本がその中でどう行動するのか。麻生首相の具体的な政策実行力が何よりも重要だ。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━
  ちょっと冷たい風だが、快晴の暖かい太陽がさす早春の午後3時半。散歩をしていた。冬木にあたる気持ち良い太陽の光。嫌な予感を感じた。犬の散歩である。私は避けて反対側の道の端を歩いていた。すると、犬が突然吠えてきたのだ。「びっくるするではないか。」(気をつけろ)と言う。吠えてきた犬を引いて犬を殴る。無意味な行動である。その前に、飼い主としてすることがあつた。予防をせずに、起きた不祥事の責任を追及する。
 馬鹿らしくなったので、その場を去った。盛んに犬を殴っている様だった。何が起ころうと私には関係ない。犬は、ご主人様にいい恰好をするのが習性である。予知を怠って、悪い結果に形を整える、さもしい人なのだろう。

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2009/02/14

シニアネット 『おいおい』 第814号

━━senior citizen net━━━━━━━2009/02/14━

    シニアネット 『おいおい』        第814号
 
━━━━━━━━━━━━━━行動のための情報紙━

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目の前に大きく降るよ春の雪          星野立子

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昭和3年(1928)2月11日、婦人句会の作。現実の「春の雪」をしっかりと見ている。「窓硝子に額をあてゝ外を見ていると、遠くの方は煙ったように深く細かく、硝子戸の近くへは大きな柔らかそうな雪の玉が落ちて来る。」(自註より)
「春の雪」はふわふわと大きく柔らかそうに降る。春に降る雪を見ていると眠気をもようしてくる。父虚子の教えに従い、客観写生を自分のものとしていく過程の初期の句である。1926年3月(23歳)はじめて作句が、<まゝごとの飯もおさいも土筆かな>。虚子の次女。星野椿は作者の長女。東京都生まれ。(1903-1984)。

┏━━元総理の反乱━━━━━━━━
  小泉純一郎元総理は、第二のニクソン元大統領になった。「命を賭けた郵政民営化」の現総理の発言に堪らなくなったのであろう。しかし、現総理を批判するのは拙い。それも引退を表明した元首相がやるべきことではない。 いや、小泉氏が本気で首相に政策転換を促すというのなら、言葉通り「反対」の行動をとるべきだ。利敵行為になった。取り巻きの「おみこし」に乗ってしまつたのか。
世論調査の数字で、麻生内閣の不支持率が問題になるが、「次の総理は麻生でも小沢でもない」の数字が60%を超えていることに注目したい。閉塞感はますます,増すばかりである。小泉元総理の無責任発言は、ニュースになったが、政界安定にはならなかった。危機を救うリーダーは居ないのか。

┏━━郵政騒動━━━━━━━━━━━
 ◎(社説)まず、予算関連法案の成立を◎
 自民党はまず、第2次補正予算の関連法案や2,009年度予算案の早期成立に全力をあげるべきだ。騒動を引き起こしたのは、ほかならぬ首相自身である。前回衆院選では、郵政民営化の是非を争点に自民党が圧勝している。今になって現総裁が、反対だったと明言はない。一方では、引退を表明した元首相がやるべきことではない。

14日;読売社説(1)自民党混迷 「郵政」で争う時ではない
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090213-OYT1T01122.htm
『麻生首相の軽率な郵政民営化見直し発言で、自民党が揺らいでいる。第一、こんな発言をするなら、入念な検証に基づく見直し案があってしかるべきだ。ところが、この答弁は、内閣官房すら寝耳に水だったようだ。首相の発言は、実体に乏しく、あまりに不用意にすぎたといえる。その後、首相は釈明の答弁を続けたが、これも、混迷に拍車をかけた。「首相の発言に信頼がなければ、選挙が戦えない」と、小泉元首相から批判されたのも、仕方のないことだろう。首相は、第2次補正予算に盛られている定額給付金の支給に関しても、前言を翻すような発言を重ねてきた。
  これ以上、支持率を低下させては、政策遂行もおぼつかなくなる。首相は、資質や見識を疑わせる発言を繰り返すことのないよう、自重自戒してもらいたい。
 小泉元首相は、定額給付金などの補正予算関連法案について、衆院の3分の2以上の再可決で「成立させなくてはならないとは思ってない」と異議を表明した。だが、関連法案の衆院採決では、小泉元首相も賛成したはずではなかったか。自民党の若手議員らの造反を誘うかのような発言は、国会に混乱を招くだけだ。景気や雇用対策の早急な実行が求められている。“郵政政局”に費やす時間はないはずだ。

14日;産経社説(1)小泉氏の批判 しっかり指導者の責務を
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090214/stt0902140313001-n1.htm
『日本丸のかじ取りを担う船長として、もっとしっかりしろ。そういう厳しい激励として、麻生太郎首相は小泉純一郎元首相の発言を重く受け止めてもらいたい。首相の発言のぶれが、政治の信頼性を損なうという小泉氏の指摘はもっともだろう。国のかじ取り役に厳しい視線が向けられるのは、今の日本が現実に内外の深刻な課題を抱えているからだ。米国発の金融危機がもたらす日本経済への悪影響や弾道ミサイルの脅威を外交的に用いる北朝鮮の懸念にどう対処するか。直ちに答えを出すべきだろう。指導力不足をあからさまに指摘された麻生首相が求心力を失い、麻生政権と距離を置く勢力が勢いづくとの観測も出ている。だが、与党内で足の引っ張り合いをしている場合ではない。必要なのは指導者が確固たる信念とぶれない姿勢を堅持することだ。
  各自治体はすでに給付金の支給に向けた準備を始めている。ここに至っての撤回は大きな混乱をもたらす。参院での修正を主張した小泉氏も、具体案には言及していない。細田博之幹事長が、関連法案の衆院再議決方針は変わらないと述べたのは当然だ。民主党は小泉氏の発言をとらえ、自民党内で関連法案採決時の造反者を期待しているようだが、審議の引き延ばしなどは行わず、採決を急ぐべきだ。

14日;日経社説(1)首相の政権基盤を痛撃した小泉発言
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090213AS1K1300713022009.html
『小泉純一郎元首相の発言が、低支持率にあえぐ麻生太郎首相の政権基盤を痛撃した。首相経験者が現職の首相をこれほど非難するのは、極めて異例のことである。小泉氏はこれまで沈黙を守ってきたが、自らの最大の実績である郵政民営化を巡って迷走する首相に、堪忍袋の緒を切らした格好だ。首相の責任は重い。4分社化に疑問を示す一方で「内容についてこうしろああしろという立場にない」と語るなど、あいまいな点も多い。信念なき軽率な発言が、自民党内の混乱に拍車をかけている。
 2005年の衆院選では、郵政民営化を訴えた小泉自民党が大勝した。公明党と合わせ衆院で3分の2を超える議席が麻生政権を支えている。一連の首相発言は、05年の郵政選挙の結果の正統性を疑わせることにもなりかねない。私たちは09年度予算案と関連法案を早期に成立させたうえで、衆院を解散するよう求めてきた。郵政民営化の見直しに踏み込むなら、なおさら民意を問う覚悟が要る。衆院選の環境を整えるには、まず今年度第2次補正予算の財源の裏づけとなる関連法案を早く成立させる必要がある。自民党から16人が反対に回れば、再可決はできない。小泉発言をきっかけに、自民党内で定額給付金への慎重論が再燃する可能性が出てきた。
 今年の秋までに必ず衆院選があるという状況で、来年度予算と関連法案成立後の衆院解散のタイミングを逃せば、自民党内で「麻生おろし」の動きが一気に強まる公算が大きい。解散か総辞職か。麻生政権は重大な岐路に差しかかりつつある。

14日;朝日社説(1)小泉発言―あきれる自民の右往左往
http://www.asahi.com/paper/editorial20090214.html?ref=any
『4年前の郵政総選挙で得た議席があるからこそ、衆院の再議決で野党をかろうじて抑え込んでいるのに、そのおおもとの大義を首相自らがぐらつかせるとは。野党優位の参院は近く、定額給付金を含む第2次補正予算の関連法案を否決する。政府与党は衆院での再議決で成立させる構えだが、党内にいぜん大きな影響力のある小泉氏が再議決に背を向けるとすれば、動揺は必至だ。倒閣宣言ともとられかねない言葉だ。 自民党内は大揺れだ。首相はきのう「私に対しての叱咤激励だと感じました」と述べたが、この4カ月余の麻生政権の迷走に不満を募らせていた議員の間には、閉塞感を打ち破ってくれたという安堵の空気も広がっている。
 深刻化する不況、下落し続ける内閣支持率。麻生首相のままではとても総選挙は戦えないという思いは強まるのに、「反麻生」の旗はだれもあげようとしない。そんな焦りの中に、小泉氏が絶妙の一石を投げ込んだ形だ。だが、そもそも麻生氏を重用し、首相の座をうかがえるところまで押し上げたのは小泉元首相その人である。今回の小泉発言で、結果として自民党に国民の耳目が集まったのは間違いない。得意の短い発言で流れをつくる「小泉劇場」の再現を狙っているのか。情けないのは、麻生政権に批判や不満があるのに、正面から主張しようとしない自民党の議員たちだ。福田前首相にも、自ら公約した道路特定財源の一般財源化が骨抜きになったことを、どう思っているのか聞いてみたい。

14日;毎日社説(1)小泉発言 もはや政権末期の症状だ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090214k0000m070132000c.html
『今期で引退を表明している元首相の発言が、これまでの政権批判の中で最も大きな衝撃として報じられていること自体が今の自民党の活力のなさや実力者不在を物語る事態だ。それでも小泉氏の批判には一定の説得力があると受け止められているのはなぜか。小泉発言のもう一つの大きなポイントは補正予算関連法案が参院で否決された後の衆院での再可決に強い疑問を呈したことだ。小泉発言の場となった12日の会合には18人が出席。衆院本会議で与党から何人が造反するかは速断できないが、再可決できず、目玉政策の定額給付金が実現不能となれば、たちまち麻生政権は窮地に陥る。今回の会合での発言で自民党内の倒閣運動は初めて具体的に顕在化したとも言える。
 衆院の3分の2を占める今の与党勢力は、郵政民営化を争点にした05年の衆院選で得たものであり、民営化を根本から見直し、自らの政策を遂行したいと思うなら、衆院解散で信を問い直すのが筋だ。解散は、ただひたすら先送りされる状況になっている。一方、自民党内では仮に補正予算関連法案を成立させても、今後、総裁選を前倒しし、衆院選前に首相を交代させようとの動きが強まるだろう。
 国民が一番迷惑なのは、こうした党内抗争だけが、ぐずぐずと続くことだ。経済状況が日に日に深刻になる中、国民の信任を得た首相にしか思い切った経済政策は断行できない。首相が交代するにせよ、しないにせよ、当面必要な経済対策を実行したうえで、早期に衆院解散・総選挙を行うことだ。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━
13日(金)は西洋では縁起の悪い日だが、年金の振込み日。JPのATMはシニアの長蛇の列である。わが町のJPは屋外で立ったままで列に並ぶ。小雨もパラパラ。悪いのは、前の人の「もたつき振り」がガラス越しに見える。隣の町のJPは屋外だが軒下で、丸椅子に掛けて待つ。幸い横向きだから前の人のミスが見えない。
顧客を雨晒しにする。これがJPの現実だ。「かんぽうの宿」ほどではないが、前島密が泣いている。民間の銀行やコンビニのATMは屋内にある。窓口業務は冷房や暖房の効いた屋内。銀行のATMは長蛇の列でも、屋外に出ることはまず無い。吹きさらしのATMはJPだけではないか。皆さんの町のJPのATMはどうですか。銀行振り込みだから、気付かなかった。

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2009/02/12

(シニアネット) 『おいおい』  第813号

━━senior citizen net━━━━━━2009/02/11━

    シニアネット 『おいおい』        第813号
 
━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━━

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信濃川残る寒さを流しをり          坊城俊樹

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早春とはいえ寒さを感じる信濃川である。豊かに水を湛えた信濃川は流れて行きます。この信濃川の流れは、寒さを運んでくれるように感じられている。「流しをり」は雪が少し残っている平野を信濃川の大河が流れていく様子が良く分かる。固有名詞の「信濃川」が良く生かされている。
 信濃川は長野県・新潟県の両県にまたがり流れて日本海に注ぐ。「本流千曲川は秩父山地に発源し、最大の支流犀川は飛騨山脈に発し、長野市東南部で合流した後、北東に流れて新潟県に入って信濃川と称し、魚野川と称し、魚野川を合わせて新潟市で日本海へ注ぐ。日本で第1位の長流で、長さ367KM。」(『広辞苑』より)
祖父が高浜年尾。母は坊城中子。稲畑汀子は伯母。平明で独創性のある作風。東京都生まれ。(1957- )

┏━━菜の花忌━━━━━━━━━━━
   ◎12日;日経コラム『春秋』◎
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090211AS1K1000310022009.html
『「菜の花忌」は2つあり、今日のは司馬遼太郎忌、そして、ひと月後の3月12日には日本浪曼派の詩人伊東静雄の忌日がくる。司馬忌の命名は「野に咲く花、とりわけタンポポや菜の花といった黄色い花が好き」だったことにちなむ。▼「全島が菜の花の快活な黄でうずまり、その花ごしに浦々の白帆が出入りした」「菜の花が、青い沖を残して野をいっぱいに染めあげた」。江戸後期の海運商・高田屋嘉兵衛の一代記「菜の花の沖」の序章と終章で主人公の故郷淡路島を描いた短い文章からは、この花に目を細める司馬の姿が浮かびあがるようだ。▼お気に入りの風物がもう1つ。それが「近江の国」だった。1971年から亡くなるまで書き継いだ「街道をゆく」シリーズは、まず近江からと編集者に提案して筆を起こした。冒頭を引くと。「『近江』というこのあわあわ(・・・・)とした国名を口ずさむだけでもう、私には詩がはじまっているほど、この国が好きである」▼菜の花忌への供え物にちょうど良い、故人が好んだ2つの風物を詠み込んだ詩があるので、ここに書こう。司馬と同じ大阪の人三好達治が、近江・滋賀県の県鳥である水鳥の姿に自らの屈託を見ている。「わがわざは成りがたくして/こころざしほろびゆく日を/近江路に菜の花咲いて/かいつぶり浮き沈むかな」

┏━━イスラエル選挙━━━━━━━━━
 ◎(社説)右傾化。中東和平を◎
イスラエルの総選挙で右派が議席を伸ばした。新しい政権の構図はまだはっきりしないが、パレスチナやシリアとの和平の展望はいちだんと厳しいものになりそうだ。中東全体にも緊張が高まることが懸念される。 開票速報によると、現与党の中道政党カディマと右派の野党リクードが第1党を争っている。さらに強硬右派の「イスラエル我が家」が第3党に躍進することが確実となった。中道左派の与党労働党は第4党に後退した。

12日;朝日社説(2)イスラエル選挙―和平への道を閉ざすな
http://www.asahi.com/paper/editorial20090212.html?ref=any#Edit2
『新政権づくりでは、カディマがリクードに大連立を呼びかける一方、リクードは右派の諸政党による連立を唱えている。いずれにせよ右派勢力主軸の政権が生まれる公算が大きい。 イスラエルは年末からイスラム過激派ハマスが支配するガザに大規模な攻撃をかけ、国際的な非難を浴びた。それにもかかわらず、この攻撃をユダヤ系国民の9割以上が支持する。核疑惑のあるイランに対する軍事攻撃を支持する空気も広がっている。結局、有権者は「交渉による和平」ではなく「力に基づく安全確保」の方を選択したということだ。強硬発言を繰り返すイランのアフマディネジャド政権や、レバノンのヒズボラ、パレスチナのハマスの勢力が衰えないことへの恐怖感も根底にあるのだろう。
  2000年にパレスチナ人のインティファーダ(民衆蜂起)が始まって以来、国民に和平への期待は失われ、強硬論が強まった。そうした流れを覆す明確な和平構想を示せなかったことがこの惨敗を生んだ。 今回、躍進した強硬な右派政党「イスラエル我が家」は国への忠誠を強調し、和平交渉を拒否する。国内のアラブ系住民の排斥さえ唱えている。 リクードはそこまで過激ではないものの、イスラエルの占領地撤退と見返りにアラブ諸国がイスラエルの生存権を認めるという「土地と平和の交換」に基づく和平に否定的だ。ヨルダン川西岸の入植地の拡大も主張している。
 右派主軸の政権となれば、中東和平に積極姿勢を見せているオバマ米大統領にはショックだろう。イランに対話を呼びかけたのも、この地域の安定に欠かせないと見たからだ。イスラエルとイランの関係が険しくなれば、中東戦略全体が難しくなりかねない。 中東の平和と安定は、世界の安全にかかわる。イスラエルが和平に背を向けないよう、日本を含めて国際社会はメッセージを送り続けるべきだ。

12日;毎日社説(1)イスラエル 中東和平を大事にする政権を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090212ddm005070013000c.html
『政権の行方は判然としないが、国政の重心が右に動いたのは確かである。カディマを率いるリブニ外相が、イスラエル史上でゴルダ・メイアに続く女性首相となるか、それとも米国のネオコン(新保守主義派)との関係も深い、リクードのネタニヤフ元首相が返り咲くのか。誰が首相になるにせよ、どんな連立政権になるにせよ、中東和平に努めなければイスラエルに真の平和と安定は訪れない。この点は強調しておきたい。
 今回の選挙は、イスラエル軍の激しいガザ攻撃の熱が冷めやらぬ中で行われた。この軍事行動を境にカディマの支持率が上昇したのは、パレスチナへの鉄拳政策にイスラエル国民が拍手を送ったということだろう。リクードはもっと強硬で、ガザにおけるイスラム原理主義組織ハマスの支配構造の根絶を主張している。確かにイスラエル国民の安全は大切である。ハマスのロケット弾が空から降ってこない生活を、と国民が願うのは当然だ。だが、イスラエルが民主国家であり人権を尊重する国ならパレスチナ人の命も大切にすべきである。いかにハマスを悪者にしようと、イスラエル自身の占領による問題が消えるわけでもない。
 「安全」を重視するあまり、対パレスチナで強硬さを競い合う選挙になったのではないか。その好例は極右政党「わが家イスラエル」の躍進だ。アラブ系住民にイスラエルへの「忠誠」を求め、従わない者には市民権を与えないとする政策は過激である。同党はバラク元首相の労働党をしのいで第3党に躍り出た。イスラエル国内でアラブ系住民が増え続けることへの危機感の反映だろう。アラブ系を排斥する一方、国際社会が「和平への障害」と憂慮するユダヤ人入植地の建設は続ける。それが極右政党などの主張であり、こうした勢力との連立が新政権を強硬にするのではないかという懸念がある。ただ、イスラエルは「安全」とともに対米関係を命綱としている。ブッシュ政権時は「イスラエル一辺倒」とされた米国の姿勢が、オバマ政権になって変わるのかどうか。その点もイスラエル新政権の政策を左右することになるだろう。

12日;日経社説(2);イスラエル右傾、米にも試練
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090211AS1K1100311022009.html
『イスラエル総選挙の開票で、中東和平交渉での譲歩に否定的な右派勢力が国会の過半数を占めるのが確実になった。右派の伸長は、取りあえず和平より安全確保を重視という国内の空気を示すが、次期政権の枠組みは見通しにくい。連立工作の長期化や議席数のねじれによる政治の停滞も予想され、和平交渉の早期進展は望み薄になってきた。多くの政党が比例代表制で国会の議席を争うイスラエルでは、連立政権づくりが難題だ。主要な連立与党だった中道左派の労働党が議席を減らしたため、カディマは右派の諸政党との妥協を迫られ、リクードとの大連立も探る。これに対しリクードは右派中心の連立を追求する。
 リクードは、聖地エルサレムの分割やヨルダン川西岸の入植地からの撤退など、和平交渉のカギを握る重要課題で反対姿勢を取る。さらに和平交渉自体を拒否する極右政党、わが家イスラエルも今回、カディマ、リクードに次ぐ第三党に躍進した。どのような形の連立ができるにせよ、右派の声は無視できなくなる。イスラエル軍のガザ攻撃で多数のパレスチナ住民が犠牲になった直後に発足した米国のオバマ政権は、中東和平担当のミッチェル特使を任命し、和平外交に精力的に取り組む姿勢を示している。だが、イスラエルで右派の影響力が強まると、和平外交はこれまで以上に難しくなる。
 イランに対してはカディマも重大な脅威という認識を示し、ガザを実効支配するハマスや、レバノンのヒズボラなどのイスラム原理主義組織を「イランの代理人」とする論理を強調していた。オバマ政権はイランとの直接対話追求の方針を打ち出したが、イスラエルの姿勢がより強硬になると、米国内の対イラン強硬論も再び強まる可能性がある。イスラエル政治の重心が右に傾き始めたことで、米新政権の中東外交刷新は、より明確な意志とより強固なリーダーシップを問われる。

┏━━建国記念の日━━━━━━━━
 ◎国としての行事を行え◎
 43回目の「建国記念の日」を迎えた。国民の祝日としてはすっかり定着したといえる。しかし、今年も政府が主催する式典は行われない。かつてない経済危機で、国民の結束が必要な今こそ、こぞって建国を祝うことができる方法を考えるべきだ。

11日;産経社説(1)建国記念の日 政府が率先し祝うべきだ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090211/plc0902110313004-n1.htm
『西欧列強に植民地化されるかもしれない危機の中、新しい国づくりに乗り出すに当たり、建国の歴史を学ぶことで、国民に一致団結を呼びかけたのだった。戦後、占領軍によって廃止されたが、国民の強い要望もあり、さまざまな曲折を経て昭和42年、名称などを変えて復活した。しかしその後、学校や家庭でこの日の意義について教えることは少なく、せっかくの「建国記念の日」が次第に空洞化してきたことも事実である。政府にも、積極的にこの日を祝い、PRしようという姿勢が欠けてきた。わずかに財団法人が開く「建国記念の日を祝う国民式典」を後援、時の首相があいさつをするだけだった。その式典も財団の解散により4年前に中止され、政府はまったく「建国記念の日」にタッチしない事態が続いている。民間団体による式典はいくつか開催されているが、今年、麻生太郎首相が出席する予定はない。
 国際的にみても、国が制定した建国の記念日を政府自らが祝わないというのは、異例なことと言わざるをえない。特に今、米国の金融危機から始まった世界的不況で、各国は生き残るために懸命である。国際紛争も絶えず、それぞれ解決に向けての貢献を求められている。だが日本の政治は、政府や各党がバラバラで、党利党略の抗争に走っている。こうした時代だからこそ政府も国民も結束を強め、不況克服ばかりでなく、将来の国のデザインを考えていかなければならない。そのためには、明治政府がそうしたように、まず建国の歴史をその中心に据えたい。今後、政府が率先してこの日を祝う方法を考えてほしい。単なる休日としてではなく、国の成り立ちに思いをはせる日としたい。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━
昭和62年(1987)6月6日にスタートした交流会を主宰している。なぜか、現代風の名前で、「トリプルSネットワーク」である。3つのSとは、ソフト、サービス、シルバー。8月以外の毎月第1土曜日の午後(定時定刻)に開催してきた。開催場所と参加人は変わったが、創設期のメンバーが3人いる。2月の定例会が250回を通過した。慣例により、100回、200回、300回は記念行事を行う。300回は、20014年(平成26)9月6日(土)になる。
初期の頃はメンバーが若かった。定例会に出なくても、忘年会には皆が集まった。酒は欠かせなかった。昼間からビールを飲みながら喧々諤々やった。現在は、コーヒーとケーキだから景気よい話が出ないのかも知れ無い。1年間11回、23年目継続中である。300回まで生きたい。


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2009/02/10

シニアネット 『おいおい』 第812号

━━senior citizen net━━━━━2009/02/10━

    シニアネット 『おいおい』    第812号
 
━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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迷ひ子のいる交番の水仙花     木山捷平

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「迷ひ子」が泣いている田舎の交番。1輪の水仙がある交番は、迷子が泣きじゃくっている様子が、良くみえる。哀歓のこもったユーモラスな情景である。水仙は清らかな花だが、冷たさもある。その冷たさが、かえって清楚に感じさせる。芳香をもつ。正月の飾り花としても使われる。
作者は、始めは詩作をした。ひょうきんな中に都会に住む地方出身の青年の郷愁をうたった。岡山生まれ。(1904-1968)

┏━━左利きの日━━━━━━━━━
2月10日の「ごろ合わせ」の日。と記念日
簿記の日。簿記の原点である福澤諭吉の訳本「帳合之法」が1873年2月10日に慶應義塾出版局から発行されたことにちなんで、全国経理教育協会(旧・全国経理学校協会)が2004年に制定。
左利きの日。左利きの生活環境の向上に向けられた日。本来は8月13日であるが日本のお盆と重なるため2月10日となった。
ニットの日。に(2)、と(10)の語呂合わせ。横浜手作りニット友の会が1988年に制定。1994年には全国的な記念日として日本ニット工業組合連合会も制定した。

┏━━ネット暴力━━━━━━━━━━
 ◎(社説)ネット利用に責任が発生する◎
警視庁は、男性タレントのブログに事実無根の内容を書き込んだとして、17~45歳の18人を名誉棄損容疑で近く書類送検する。殺害予告を書いた別の1人については、脅迫容疑で書類送検した。18人は、東京都足立区で20年前に起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件にこの男性タレントが関与したとするでたらめな話を多数書き込み、名誉を傷つけた疑いが持たれている。

8日;読売社説(1)ネット暴力 「表現の自由」には責任が伴う
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090207-OYT1T01193.htm
『全く身に覚えのないことを言いふらされ、非難されたら、どれほど嫌な気分だろう。インターネット上で他人を中傷する行為は、「表現の自由」をはき違えた卑劣な犯罪だ。「炎上」と呼ばれるブログなどへの集団攻撃が一斉摘発されるのは、今回が初めてになる。悪質な行為を取り締まるのは当然だ。ブログなどを閉鎖に追い込むため、あおる者もいる。警察は今後も厳正に対処すべきだ。憲法で保障された「表現の自由」は、健全な社会を守るためにある。匿名に身を隠したネット上での言葉の暴力とは、無関係だ。ネットへの書き込みをめぐっては、自分のホームページに不確かな情報を掲載し、飲食店経営会社を中傷したとして、名誉棄損罪に問われた男性被告が、東京高裁で先月末、逆転有罪となった。ネットの個人利用者に限って名誉棄損の基準を緩めた1審の無罪判決に対し、高裁は「被害者保護の点で相当ではない」と批判した。妥当な判断である。
ネットでの中傷被害は増えており、昨年も中高校生が自殺している。警察庁によると、警察への相談は、2007年に過去最高の約8900件に上っている。韓国では、事実に反する内容を書かれた有名女優が昨年秋に自殺した。これを受け、与党がサイバー名誉棄損罪などを新設する刑法改正案を国会に提出している。日本では青少年保護を目的とした有害サイト規制法が昨年6月に成立し、4月から施行される。罰則はないが、施行後3年以内に必要なら見直すことになっている。今回のような事件が相次ぐ場合には、罰則を伴う内容への改正や新たな法整備を検討する必要も出てくるだろう。誰でも情報を発信できる時代だが、それには責任も伴う。ネット利用者は、使い方次第で自らの手足を縛りかねないことを認識しておかねばならない。子どものころから、家庭や学校で安易な利用の危険性を教えていくことも大切だ。

┏━━大学の長期的なあり方━━━━━━
◎(社説)公的教育投資の必要性について◎
政府の教育再生懇談会が第3次報告を発表した。各先進国が力を入れている高等教育分野は、資源の乏しい日本が国際競争を勝ち抜くために重要である。「大学全入時代」の教育のあり方について、高等教育への公的支援に納税者の理解を得るためには、「教育の質の担保に努力しない大学は淘汰もやむを得ない」としている。その上で、評価できる大学への支援拡充を求めた。

10日;読売社説(1)公的教育投資 国際競争に堪えうる大学に
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090210-OYT1T00036.htm
『高等教育の質が低下すれば、大学卒業者らに与えられる学位が海外で通用しなくなったり、優秀な留学生を呼び込めなくなったりして、日本の高等教育全体の評価を下げかねない。各大学の優れた事業などについて、競争原理を導入した公的資金の配分が徐々に始まっている。これらを、さらに充実させていく必要があろう。経済協力開発機構(OECD)が昨年発表した国内総生産(GDP)に対する公的教育支出の割合(2005年)をみると、日本は04年より0・1ポイント下がり、過去最低の3・4%になった。比較可能な28か国で最下位だった。最近公表された民間の国際大学ランキングでは、日本は他の先進国に比べて低迷している。企業や卒業生からの寄付が潤沢な米国の大学などと、単純な比較はできない。だが、教育学者からは「寄付に対する文化の違い」だけでなく、米国の大学では基金運用に多数の専門職員を配置し、努力しているとの指摘もある。日本の大学でも、自助努力の一環として検討に値するだろう。
 昨年策定された国の教育振興基本計画では、教育への投資充実を求めている。基本計画は決定直前になって、文部科学省が急遽、今後10年間に投入する教育投資の目標額を盛り込もうとした。しかし、十分な準備もなく粗雑な算定だったため、目標額を明記できなかった。基本計画を受け、中央教育審議会も中長期的な大学教育のあり方を審議している。どの分野でどういう成果を上げるために、どれだけの公的な資金をつぎ込むのか。教育の分野では、数値目標を掲げるのが難しい面もある。だが、可能な限り数字で指標を示し、メリハリを付けた現実的な施策を打ち出してもらいたい。
 
┏━━電機産業━━━━━━━━━━
◎(社説)軒並み業績悪化の克服を◎
  電機産業が世界不況の奈落に沈んでいる。今期の見通しでは、大手9社のうち7社の純損益が赤字だ。その総額は2兆円に迫る勢いで、IT(情報技術)バブルが崩壊した02年3月期以来の厳しさである。日立製作所の赤字は金融機関を除く会社として史上2番目の7千億円、東芝も同社としては過去最悪、パナソニックとNECも7年前に次ぐ巨額損失……。収支トントンは三洋電機、黒字は三菱電機のみというありさまだ。

8日;朝日社説(1)電機産業―未来見すえ危機克服を
http://www.asahi.com/paper/editorial20090208.html
『 デジタル化の流れのなかで、家電製品の市況商品化が進んでいる。半導体を詰め込んだ基本部品、液晶やプラズマのパネルなどを調達すれば、世界中どこで組み立てても性能に差がつきにくい。勢い供給過剰になりやすく、市況商品のように値崩れが起こる。 今回はそれに加えて不況で需要が急減し、稼ぎ頭だった「お茶の間家電の王様」の薄型テレビが直撃を受けた。デジタルカメラ、パソコンなど多くの製品でも同じ構図で採算が悪化し、この影響は製品の心臓部にある半導体の市況崩壊にも波及した。 さらに誤算は自動車関連だ。自動車の電子制御化が進むうえ、カーナビなど電子機器の装備が増え続けている。家電産業だった電機業界はいまや「車電産業」にもなりつつある。その自動車が、日米市場で新車販売の3~4割減という土砂降りの状況となり、家電と車電の両翼が失速した。
 日本の鉱工業生産は昨年10~12月期に11.9%減り、この1~3月期も大幅な減少が予想される。自動車と電機の極度の販売不振が生産全体の急減を呼んでいる。電機9社で正社員を含む6万6千人以上を削減・配置転換するリストラ策も打ち出された。激震の急襲に身を縮めるのはわかるが、工場閉鎖や雇用削減の影響は地域社会にとってきわめて大きい。中長期的に雇用を守るよう、最大限の努力をしてほしい。衝撃の大きさに驚いてリストラが行き過ぎ、次の回復期に積極策へ出るための要員が枯渇しないよう配慮するのは当然だろう。
 思えば電機産業は、新技術を形にして夢のある新製品を生み出すことにより、暮らしを変え、新たな市場を創造してきた。その底力が試される。オバマ米大統領が言うグリーン・ニューディールを引き合いに出すまでもなく、環境や省エネをテーマに生活様式や社会基盤を見直し、よりよい技術体系に置き換える必要がますます強まるだろう。太陽電池も電気自動車でもカギを握るのは、技術の革新なのだ。現代社会の頭脳や神経となったITの重要性はさらに増す。 現在の閉塞感を打開する担い手として、電機産業への期待は高まるに違いない。苦境を脱し、未来を開く種が次々と芽吹くのを一日も早く見たい。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━
親友がエッセイを書く秘訣を教えてくれた。読者が、読み終わって「クスッ」と笑うようなエッセイが良いエッセイだそうだ。衝撃が走った。私の欠けていた部分を見事に指摘された。私はこうしたサービスを読者にしていただろうか。自分の考えを書き上げるのが精一杯で、読者の立場や考えを無視してきた。考える余裕すらなかった。
自分の狭い考えを愛読者に押しつけていた。愛読者の顔が浮かんでくるようでないと本物ではない。独りよがりの独断と偏見を読者に押しつけて得々としていた。読者があってのメルマガである。読者との対話を意識して、読者の反応を察知する創造性が欠けていたようだ。読み終わって、何かを感じてもらえる様にしたい。

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2009/02/02

シニアネット 『おいおい』  第811号

━━senior citizen net━━━━━━2009/02/02━

    シニアネット 『おいおい』        第811号
 
━━━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━

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恐るべき八十粒や年の豆          相生垣瓜人

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2月3日は節分。立春の日の前夜。豆まきをして、悪魔を払い福を呼ぶ神事。自分の年齢の数だけ豆を食べる「年の豆」。食べなければいけない豆の数が、「八十粒」。「恐るべき」数である。ああ、80歳(傘寿)まで生きてきたという実感。実際に80粒並べてみた、「恐るべき」の感想を持った。すごい数である。
作者は、「瓜人(かじん)仙境」といわれ、俳壇で異彩を放った。戦争中の6年間の活動停止の中で、思索を熟成して独特のスタイルを作り上げたようだ。兵庫県高砂市生まれ。(1998-1985)。

┏━━ダボスの危機━━━━━━
  ◎主要国政府の指導者の努力を◎
 今回の会議ではビジネス、政治、行政など各界の協調が必要であり、それぞれが問題解決に責任を持つべきだとの認識が共有されたようである。だが、それだけでは不十分だ。危機対応は時間との勝負である。それぞれがやるべきことを急がなければならない。特に主要国政府の指導者は4月の主要20カ国・地域首脳会議で、金融システムを立て直す成案を得る最大限の努力をすべきだ。

2日;日経社説(1); ダボスが示す危機の深化と指導者たち
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090201AS1K3100501022009.html
『世界経済危機が進行するスピードの速さと、危機への対応で先頭に立つ指導者の不在――。それが今年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で多くの参加者が感じたことではなかったか。今回の会議で特徴的だったのは、「主役」の不在である。米国発の金融・経済危機が語られ、米国批判が相次いだが、肝心の米国からの参加者は例年より少なかった。政策担当者からのメッセージはゼロに近い。オバマ大統領の特使のスピーチは抽象的で政策への具体的な言及はほとんどなかった。
存在感を示したのは中国とロシアだった。両国のリーダーはダボス会議の初日に演説し、米国型システムを批判しつつ、自国の世界への貢献を訴えた。今回のダボス会議は多極の時代を象徴してもいる。だが、中ロ両国も力不足である。これからの世界経済秩序への構想が描ききれていない。温家宝首相は自国の経済政策を具体的に説明したが、それ以上は踏み出さなかった。ロシアのプーチン首相は「ドルへの過剰依存」の危険性を指摘したが、新しい通貨制度への道筋を明確に示してはいない。
 ダボス会議は、国際世論が形成される場のひとつである。多くの指導者が訪れ、自国をアピールする。今回は過去最多の41カ国の首脳が参加したという。日本からは麻生太郎首相が参加した。首相としては3人目である。首相は様々な分野における日本の政策を説明し、世界への貢献を訴えた。その積極姿勢を評価したい。演説は包括的ではあったが、最大の問題というべき金融・経済危機への踏み込みは十分だったか。世界的な危機の克服を主導する力は欠いているといわざるを得ないだろう。

┏━━農政改革━━━━━━
◎「減反政策」と就業者の高齢化に取り組め◎
政府が「減反政策」の見直しに取り組み始めた。現在はコメの消費量減少に合わせて生産量を減らすため、農家がコメの生産をやめて他作物に転換すれば補助金を出している。その改革案を夏までにまとめるため関係6大臣の会合が発足した。河村官房長官と石破農林水産相を中心に財務、経済財政担当、総務、経済産業の大臣が参加する。「猫の眼」農政に段を入れる時だある。

2日;朝日社説(1);農政改革―減反の廃止に踏み切れ
http://www.asahi.com/paper/editorial20090202.html?ref=any
『朝日新聞の昨春のシリーズ社説「希望社会への提言」は、「コメの生産調整をやめ、増産へ大転換しよう」と訴えた。石破農水相は「タブーをもうけず、あらゆる角度から議論する」と話している。減反を廃止し、新しい農政へ思い切って踏み出してもらいたい。減反が本格的に始まって約40年。政府はこれまでに約7兆円もの税金と膨大な労力をつぎ込んできた。その結果、食糧自給率は主要国で最低水準の40%へ落ちた。耕作放棄地と休耕田を合わせた面積は東京都の3倍近くにまで増えた。もっとコメを作りたいという農家にも減反を迫る「締め付け」が全国の農村でおこなわれているのだ。一方で、農業人口335万人の6割近くが引退間近の65歳以上なのに、受け継ぐ世代が育っておらず、新規参入も少ない。出るくいが打たれるような職業に若者が魅力を感じるはずがない。
 昨春、高騰した穀物の国際価格は、世界同時不況の影響もあって今は落ち着いている。だが世界人口の増加と新興国の経済成長が続く限り、食糧が不足し高騰することは間違いない。日本がこれまで通り大量の穀物輸入を続けられる保証はないのだ。いまこそ農業改革を進めるときだ。減反政策をやめてコメ増産にかじを切る。主食用の需要が減っているので、米粉を小麦の代わりに普及させる。飼料米の生産を拡大する。さらに、生産性をあげるため耕作規模拡大を促し、将来性ある農家を重点的に支援する制度改革も不可欠だ。企業の農業参入も実現しなければならない。 処方箋はこれほどはっきりしている。後は実施するだけだ。

┏━━日本の映画━━━━━━━━
 ◎フィルムとデジタルの保存を◎
 文化庁は、独立行政法人国立美術館の下にある東京国立近代美術館フィルムセンターへの支援を通じて、日本映画の保存事業を進めている。しかし、諸外国と比べ制度の立ち遅れが目立っている。収集・保存体制の見直しが急務だ。1948年に制定された国立国会図書館法は、映画フィルムを出版物の一つとし、国会図書館への納入を義務付けた。だが、付則で「当分の間」は納入を免除するとし、そのままになっている。国会図書館に代わって収集を進めてきた東京国立近代美術館フィルムセンターの保管庫には、フィルム約5万本が収蔵されている。しかし、センターの自主的な収集活動にはおのずと限界がある。

2日;読売社説(2)日本映画 フィルムを後世に残す工夫を
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090201-OYT1T00844.htm
『戦後、国際的にも高い評価を得た日本映画の数々の名作は、貴重な文化遺産と言える。日露戦争や関東大震災の現場などを記録したフィルム映像は、国の歩みを伝える大切な歴史史料でもある。フランスや韓国では、映画フィルムを公的機関に納入することが法的に義務付けられている。米国では、議会図書館が毎年25点の優れた映画を選定し、そのフィルムは国宝級の文化遺産として保存されている。日本の現状に照らしどのような収集・保存体制が最も適切か、検討を進めるべきだ。
 フィルムの寿命は、温度と湿度を適切に管理すれば、数世紀に及ぶとされる。だが、高温多湿の環境なら、30~40年で劣化する。51年のベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した黒沢明監督の名作「羅生門」は、最近デジタルデータ化されて修復された。製作会社の大映からフィルムを引き継いだ角川映画が点検した結果、フィルムの劣化が分かった。フィルムとデジタルの両面から、保存を考えていく必要がある。
戦前の日本映画は、その大半が行方不明となっている。散逸したフィルムの収集も課題だ。文化庁が全国の自治体や大学、博物館などを対象に調査したところ、明治から昭和初期にかけての映像フィルムなどの情報が390の機関から寄せられた。70年代までに放送されたテレビ番組の多くも、放送局に残されていない。家庭に当時の録画テープがあれば、貴重な記録となる。過去の映像の保存について、様々な角度から議論を深めていかなければならない。

┏━━天皇の公務━━━━━━
 ◎体調に合わせた負担の軽減を◎
天皇陛下のご負担軽減策が宮内庁から発表された。全国植樹祭などでのお言葉を取りやめ、新嘗祭などの宮中祭祀も時間を限って出席されるという内容だ。それぞれのご公務の内容と75歳になられた陛下のご健康を考えた妥当な軽減策といえる。全国植樹祭や全国豊かな海づくり大会などの三大行幸啓は大切な行事だが、お言葉がなくても、陛下にご臨席いただくことで十分に目的は達せられる。8月15日の全国戦没者追悼式や国会開会式など、お言葉が不可欠な式典は従来通りに行われ、お言葉を通した陛下のお気持ちは国民に伝えられる。

2日;産経社説(1)天皇の公務 ご体調優先で負担軽減を
http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/090202/imp0902020310000-n1.htm
『毎年11月23日に行われる新嘗祭は、宮中祭祀の中で最も重要な行事だ。夕刻に行われる「夕の儀」と、午後11時から午前1時ごろまで行われる「暁の儀」があり、陛下は両方の儀式を執り行われてきた。今年から、暁の儀には時間を限って出席されることになる。 新嘗祭は、天皇が新穀を神々にお供えし、自らもお召し上がりになる祭典である。夕の儀と暁の儀に、陛下はそれぞれ2時間ほど床に正座され、相当な激務だった。昭和天皇も69歳になられた昭和45年の新嘗祭から、暁の儀を掌典長に代拝させ、夕の儀だけを執り行われた。しかも、今上陛下はがんのホルモン治療による骨粗鬆症のご心配もあり、宮内庁が発表したような軽減策が必要である。
 陛下は執務のある日は御所から徒歩で宮殿に向かわれ、法律の公布など国事行為に関する書類に署名と捺印をされる。昨年1年間でその数は1000件を超えた。また、地方8府県を公式訪問され、東京都内や近郊へのお出かけは49回に上った。このほか、年間約30件の宮中祭祀を執り行われ、国民の安寧と五穀豊穣を祈られている。このことは国民にあまり知られていないが、だからといって、安易な簡略化はしてほしくない。あくまで陛下のご健康を最優先に考えたうえでの軽減化にとどめるべきだ。陛下のご健康は国民すべての願いである。皇位継承問題や陛下のご負担軽減にもつながる旧皇族の皇籍復帰問題についても、重ねて真剣な議論を求めたい。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━
暦の上では、2月4日が「立春」である。24節季の始まり。旧暦では立春の前後が元日に当たり、12月中に立春もある。旧暦時代は立春に元日が来るように調節された。立春は春の始めと共に元日で1年の初めであった。元日の前夜は大晦日で節分。節分は季節の分かれ目を言う。年越しの邪気を払い1年の無病息災を祈った。
 古い年の神様が去り、新しい年の神が来ないわずかな隙間につけこむ、邪悪な鬼だいた。そこで、戸口に鰯の頭を刺した柊の小枝を挿し、豆を撒いて鬼を追い払った。節分と大晦日はどちらも年のつなぎ目である。
 2月は日脚が伸びて光を感じる。梅の花便りも聞かれる頃となる。寒い日はあるが、そこはかとなく、春を感じる季節となる。

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2009/02/01

(シニアネット)『おいおい』 第810号

━━senior citizen net━━━━━━2009/02/01━

    シニアネット 『おいおい』        第810号
 
━━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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きさらぎや雪の石鉄雨の久万       正岡子規

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1892年(明治25年)作。「きさらぎ」如月は陰暦2月の異称。陽暦の3月とは異なり、凛とした空気と光がある。ものの輪郭はくっきりと冴えている。その「きさらぎ」に、「雪の石鉄(いしづち)」と「雨の久万(くま)」を並べた。「雪の石鉄」は雪を頂いた高いい山を連想する。四国山脈の石鎚山(1982m)。雨の久万は、山裾に広がる村を想像する。100年以上の前の田園風景である。「きさらぎ」、「雪」、「雨」と3語が美しい。松山市生まれ。(1867-1902)。 
石鎚山   http://www.city.saijo.ehime.jp/kankou/isizuti.htm
久万町   http://www.kumakogen.jp/

┏━━如月━━━━━━━━━━━━
  「きさらぎ」と読むのが不思議である。日本書紀には2月と書いて、「きさらぎ」と読ませている。如月とか衣更着などと読ませたのは、かなり後世と推測される。由来については諸説が分かれる。
 寒いいから衣を更に重ね着る「衣更着(きさらぎ)」という説。「草木張月」が短縮して草木の芽の張り出す月の意味から「きさらぎ」になったという説。「生更ぎ」で、草木の更正するということから転訛していという説。

┏━━社会保障・納税者番号━━━━━
  ◎まず、インフラ整備を◎
国が一人ひとりの国民に1つの番号を割りふる番号制度の創設に向け政府内や与野党の議論が高まってきた。年金、健康保険などの負担・給付の状況を個人単位で管理する社会保障番号や、各人の納税情報や金融取引の実態を把握するための納税者番号を念頭においた動きである。創設の機運を高めたのは2007年に表面化した年金保険料の記録漏れ問題だ。

1日;日経社説(全)社会保障・納税者番号の実現へ踏み出せ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090131AS1K3000331012009.html
『●負担と給付の関係明示● 健康保険や介護保険などを含め、払った保険料の記録は国や地方自治体にきちんと把握してほしいという国民の願いに応えるためのインフラを整える必要が出てきた。政府による「社会保障カード」の研究が先行しているのはそのためだ。その検討状況によると、11年度中にICチップを埋め込んだカードをすべての国民に配る。この1枚に年金手帳や健康保険証、介護保険証などとしての機能を持たせる。利用者はカードをパソコンに差し込んでパスワードを入れれば、年金保険料の支払い記録や将来の想定受取額を確認できる。病院や診療所にかかったときの診療報酬明細も見られる。社会保障に関する負担と給付の記録を個人個人が可視化できる。政府はカードに固有の番号をつけ社会保障番号として活用する考えを示している。社会保障国民会議も昨年11月、番号の導入検討を積極化するよう首相に提言した。社会保障番号は事実上の納税者番号としての役割も想定されている。
 国民を対象にした番号制度には住民基本台帳番号と基礎年金番号がある。年金番号への信頼の失墜を考えると、制度の新設には住基番号の援用がコストや効率性の観点から相対的に優れているのではないか。納税者番号の導入の議論は1970年代から政府の税制調査会で続いている。議論は堂々巡りしてきた。社会保障カードの設計をみても、読み取れる情報には病歴などプライバシー性が極めて高いものが含まれる。保護対策に万全を期すのは当然である。たとえばプライバシーを守るための基本法を制定したり、番号を扱う政府機関を監視する体制を整えたりする対策が検討課題になろう。そうした条件整備を同時並行で進めるのを前提に、少子化対策や年金制度改革に関連して新しい政策を立案、実行するためにも番号制度をうまく使う工夫が考えられる。
●少子化対策や年金にも● 少子化対策では、子供を持つ世帯に税額控除を認め、収入が課税最低限に届かない低所得世帯には逆に給付金を出す「給付金付きの税額控除」の制度を設ける案がある。そのためにはすべての世帯の所得情報を正確につかむことが必要になる。年金制度では、自営業や農林漁業を営む人の所得情報があれば、会社員や公務員と同じように報酬比例型の制度を適用できる。社会保障費を確保し財政赤字を減らすために、いずれは消費税増税が必要になる。そのときまで、自営業者などの所得情報をつかみ切れていない問題を放置しておくわけにはいかない。見返りに、自らリスクをとって起業した人には税制優遇策など政策上の工夫があってもよい。民の間には公権力に番号をふられることへのアレルギー反応が依然ある。それをときほぐし、新しい政策の展開や日本経済の活性化を推し進めるうえで番号制度が有効なことを説明する責任が政治家にある。

┏━━大相撲大麻汚染━━━━━━━━
  ◎再発防止策を示せ◎
 大相撲の元幕内力士で現十両の若麒麟容疑者が大麻を持っていたとして逮捕された。日本相撲協会は一連の事件のあと、北の湖前理事長が辞任、武蔵川理事長のもと再発防止検討委員会などを設け「出直し」をはかってきたはずである。ところが若麒麟はその後も何度か吸引していたことを認めているという。しかも、昨年9月の抜き打ち検査のさい、当初は陽性が出たという「要注意力士」だった。師匠の尾車親方は若麒麟の引退届を協会に提出した。協会は近く理事会で処分を検討する。

1日;産経社説(1)角界の大麻汚染 師弟の絆強め再発防止を
http://sankei.jp.msn.com/sports/martialarts/090201/mrt0902010255000-n1.htm
「再度抜き打ち検査をやれば9月のときのように、新たな疑惑力士が出ることを恐れているのかもしれない。しかしそれでは大麻汚染は断ち切れないことがわかった。協会はウミを出し切る覚悟で再発防止にあたるべきだ。もうひとつの問題は、伝統の社会で「師弟関係」が緩んできていることである。若麒麟は入門した部屋が消滅したため、途中から現在の部屋に移ってきた預かり弟子だった。それだけに親方の監視が行き届かなかったのではないか、とも指摘されている。しかし部屋の一室に住み込んでいたのだから、親方がもっとコミュニケーションをはかっておれば、事件は防げた可能性も強いといえる。巡業のサボタージュから先場所優勝のさいのガッツポーズまで、常に横綱としての自覚や品格が問題になる朝青龍の場合も、親方による指導力不足がたびたび指摘されてきたが、改善されていない。
 大相撲はかつて、10代半ばで入門する若者を親方夫妻が親代わりになり、心身ともに鍛えていく世界だった。それが外国人や大学卒の力士が急増したことで、弟子は師匠による監視や指導を嫌がり、親方は強い弟子に遠慮するようになり、規律や品格を教える場でなくなったといわれる。 国技とされる大相撲を蘇らすために、今一度師弟の絆(きずな)を強め、親方は力士としてだけでなく立派な社会人に育てるという強い自覚をもって指導に当たってほしい。それが相撲ファンの願いだ。

1日;読売社説(2)若麒麟逮捕 「国技」の看板が泣く醜態だ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090131-OYT1T00964.htm
『25歳の若麒麟は、初土俵から10年のキャリアがあり、本来なら若手の手本となるべき存在のはずだ。角界の規律の乱れが、いかに深刻であるかを物語っている。昨年9月の抜き打ちの簡易尿検査で、若麒麟からは当初、はっきりとした陰性反応が出なかった。2回にわたる追加検査の結果、陰性と判断された。この時、専門機関で精密な検査を実施すべきだったのではないか。協会は検査体制の甘さを批判されても仕方がない。角界に大麻が蔓延していないのかどうか、徹底した調査を行わねばならない。全力士を対象に、抜き打ちの検査を随時、実施していくことも必要だ。
 力士教育の抜本的な見直しも急務である。現在は、基本的に各部屋の親方任せとなっているが、不祥事の連鎖という現実を直視しなければならない。協会が定期的に研修を実施し、力士としての責任を教え込むのも一つの方法だろう。協会の理事に昨年加わった学識者ら外部のメンバーが中心になり、新たな視点で改革を断行してほしい。今回の事件が大相撲の再出発に冷や水を浴びせる形となった。ファンの目は、ますます厳しくなるだろう。再生への道は極めて険しいが、まずは協会が、改革の道筋を毅然とした姿勢で示すことが大切だ。

1日;毎日社説(1);若麒麟逮捕 徹底した再発防止策を示せ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090201ddm005070016000c.html
『若麒麟は昨年9月の薬物検査の際も、「灰色判定」だった。逮捕当時に所持していた大麻は16グラムと大量で、常習性も疑われる状況だ。事件捜査とは別に若麒麟本人の口から明らかにさせておくべきことがある。トカゲのしっぽ切りで終わらせるわけにはいかない。まず、事実関係の徹底解明だ。若麒麟がいつ、どういう状況で大麻を手にしたのか。どんな人物が介在したのか。多くの若い力士を抱える相撲界だけに、他の力士だっていつか若麒麟と同じ犯罪に手を染める危険性がある。捜査を警察任せにしておかず、相撲界としてもこの点を明確にしておかないことには、対策の講じようがなかろう。
 また、指導の上でどこに問題があったのかを明確にすることだ。とかく番付がものをいう相撲界では教育途上の若者であっても、番付次第で一人前扱いする風潮がある。若麒麟のように中学を卒業して15歳で相撲界に入った力士に対しては、師匠は相撲の技術以外の面でも教育責任がある。解雇された露鵬、白露山と若麒麟には、入門時の師匠と事件当時の師匠が代わっていることだ。若麒麟の場合、押尾川親方の定年で尾車部屋に移った経緯がある。師匠の交代が「放任」の原因となっていないか。昨年秋の武蔵川理事長の就任に合わせて協会の理事・監事には検察、警察OBらの外部役員が加わった。今回の不祥事に際し、相撲ファンを納得させる、徹底した再発防止策を打ち出すことができるか。新たな公益法人としての認可を目指す武蔵川執行部の真価が問われている。

┏━━身辺雑記━━━━━━━
 NPO(Nonprofit Organization) と NPO法人は別物であることを知らなかった。狭義のNPOとは市民活動団体(ボランティア団体やNPO法人)で、最広義のNPOは共益団体を指す。協同組合や労働組合は勿論、趣味の会や同窓会も含まれる。
NPOとは、法人格の有無、種類を問わず、民間の立場で、社会的な課題を解決するための活動を組織し、収入・利益を配分せず再投資する。
 NPOは組織を示す概念で、ボランティアは人を示す概念である。社会的課題を解決したいという「思い(ミッション)」をもった個人(ボランティア)が集まり、組織化(NPO)する。民間組織である企業はミッションの実現と利益の追求する組織である。NPOはミッションの実現のために営利を目的としないスタイルをとるのだ。

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(社説)かんぽうの宿

かんぽうの宿
 日本郵政が「かんぽの宿」のオリックス不動産への売却を一時凍結すると表明した。弁護士や公認会計士など外部の専門家による第三者委員会を設けて売却プロセスを洗い直すという。鳩山総務相はあらためて、日本郵政のオリックス不動産への譲渡価格109億円が安過ぎると指摘している。70施設の取得や建設に約2400億円を要したことや、さいたま市にあるラフレさいたまが200億円以上の評価と言われていることなども挙げ、白紙撤回を求めている。

31日;朝日社説(1)かんぽの宿売却―徹底調査と公表で道開け
http://www.asahi.com/paper/editorial20090131.html?ref=any
『 鳩山発言を受け、国民の間からも売却に疑問の声が出ている。その核心は、購入・建設に2400億円もかかった79施設を109億円で売るのはおかしい、という点だろう。バブル崩壊後、日本の地価は下がり続けている。事業用の不動産価格は事業の収益性で決まる、というのが今日では常識になっている。ところが、売却施設のうち黒字が出ているのは11だけで、全体では40億~50億円の赤字が毎年出ている。そのうえ、正規・非正規3200人の従業員の雇用継続にも努めなければならない。 こうした条件のもとで、入札は行われた。となれば、当初の投資価格から大幅に下落するのは避けられないと思われる。しかも、地価が大きく上昇する見込みはなく、売却が遅れれば赤字がそれだけ累積する。
 これほど巨額の損失を出すことになった責任はどこにあるのか。郵貯や簡保の客から預かったお金を、収益性を無視して施設建設に投じた放漫な官業ビジネスと、そうした施設を選挙区へ誘致してきた政治家こそ責めを負うべきだろう。この点も含め、総務相には問題の全体像を見てほしい。
 もちろん以上の議論は、入札が適正に行われたことが大前提である。談合のような不正や不適切な事務処理があったなら話は別だ。鳩山氏は昨日の国会答弁で、そのような疑義を口にした。それなら問題点を具体的に示してほしい。担当大臣なのだから、ただ「疑問あり」では済まない。日本郵政にも注文がある。売却が問題視されてからも、入札についての情報をきちんと出さず、疑念を膨らませる結果になった。経営姿勢が内向きになって経営情報を出し渋り、官業体質へ逆戻りしているように思える。これは経営の求心力低下にもつながっている。この機会に、民間企業としての決意を新たにしてほしい。

31日;毎日社説(1)かんぽの宿 109億円で売っていいのか
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090131ddm005070004000c.html
『国民の間にも、簡易保険という国営の生命保険の資金で作られた施設が、取得価格に比べて大幅に安い値段で売却されることに対する疑念が高まっている。かんぽの宿のような施設の価値は、立地条件や不動産市況、営業状況などによって大きく変動する。今回の譲渡では70施設一括のため、よりわかりにくくなっている。 西川善文日本郵政社長が「一からの見直し」と言っている以上、一括売却のみならず、個別売却の可能性も検討し、その場合の収支計算も必要だ。
 また、今回の混乱が生じた背景には、総務省や自民党でも民営化された日本郵政グループやその資産処理についての見解が割れていることがある。現状のままでは、今後も、同じような問題が起きかねない。そこで、最低限、次の2点はやらなければならない。第一は、郵政民営化法の付則に定められている本業以外の施設の譲渡や廃止を引き続き行うのか、どうかである。第二は、引き続き譲渡などを行う場合の処理方法である。時期はいつからなのか、譲渡価格をどう算出するのか、処理は一括なのか、個別なのか、高い値段で譲渡できるものから手掛けていくのかなど詰めるべき点は多い。
 昨年2月にアドバイザーとしてメリルリンチ日本証券と契約後の日本郵政の手続きを大半の国民は知らなかった。国有財産と同様に、かんぽの宿など民営化された会社の施設や不動産の処理も、透明性が高くなければならない。

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(社説)介護人材の確保

介護人材
厚生労働省が、他産業からの離職者を介護業界の担い手として養成するため、プロジェクトチームを省内に発足させた。当面の対策として、介護福祉士やヘルパー1級の資格取得を公費で支援し、介護の未経験者を雇用した事業所に1人当たり50~100万円を助成する。ハローワークに福祉人材コーナーを設け、介護関連求人を積極的に紹介する。これにより、新たに2万6000人の介護職員が生まれる、と厚労省は目算している。プロジェクトチームは、さらに追加施策を練り、財源の確保策を検討する。

27日;読売社説(1)介護と雇用 不況頼みでない人材確保策を
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090126-OYT1T01093.htm?from=any
『失業対策を所管する旧労働部局と、介護を所管する旧厚生部局の連携も問われよう。介護の人材は、いくらあっても足りないほどの状況だ。厚労省の推計では、介護が必要と認定される高齢者は5年後、今より150万人増えて約600万人となる。これに伴い、現在約120万人いる介護職員を160万人まで増やす必要がある。高齢化が一層進行する2025年には約250万人の介護職員が要るとも試算されている。年間10万人近いペースで増やさなくてはならない。
 介護保険制度がスタートした2000年は、やはり不況で雇用の受け皿となり、05年まで介護職員は年10万人ペースで増えていた。だが、その後に増加数は年5万人を割っている。介護需要の拡大に追いついていない。原因は待遇の悪さだ。介護職員の給与水準は全産業平均の7割程度にとどまる。やりがいを感じて介護業界に飛び込んだ人も、家族を養うために、割のいい他の仕事に転職するケースが多かった。今回の不況は、人材を介護業界に呼び戻せるという意味では、好機と見ることもできよう。だが、不況時の雇用の受け皿にとどまることなく、好況時も人材が集まるような待遇改善策を同時進行で打ち出すべきだ。09年度から介護報酬の3%アップが決まったものの、これだけでは十分な待遇改善は難しい。保険料の上昇を抑えつつ介護報酬をさらに引き上げるには、確固とした税財源が要る。社会保障税の議論を怠ってはならない。

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(社説)補正予算

補正予算
2008年度第2次補正予算が両院協議会を経て27日にも成立する。国会攻防の焦点は定額給付金から09年度予算案に移るが、山形県知事選で自民党の推す現職候補者が敗北するなど、支持率低迷にあえぐ麻生内閣は苦しい政権運営が続く。

26日;日経社説(1)補正は成立しても苦境続く麻生政権
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090126AS1K2600426012009.html
『2次補正には2兆円規模の定額給付金のほか、企業の資金繰り支援のための信用保証枠・危機対応融資枠の拡充、緊急雇用創出事業、高速道路料金引き下げ、出産・子育て支援策、介護事業の人材確保などの施策も盛り込まれている。2次補正の執行に必要な関連法案はまだ参院で実質審議に入っていない。定額給付金には問題が多いが、雇用対策などの施策が1日でも早く実施できるよう、関連法案の参院採決も急ぐべきである。今国会は当初、衆院解散の思惑も絡み与野党の対立で大荒れの展開になるとの見方もあった。しかし、ふたをあけると2次補正をめぐる自民党内の造反は2人にとどまり、09年度予算案に対する与党内造反もほぼない見通しとなり、民主党も攻めあぐねる展開になっている。
 景気・雇用情勢が極めて厳しい中で、民主党もいたずらに審議拒否や審議引き延ばしを行うのは世論の支持を得られない。与野党の双方の自制により、参院で2次補正の審議中に衆院で09年度予算案の審議に入って与野党の全面対立となり審議が長期間空転するという事態は回避されることが望ましい。2次補正は成立するが、麻生政権を取り巻く状況は極めて厳しい。日本経済新聞の世論調査では内閣支持率が19%とさらに低下し、政党支持率では自民党29%、民主党37%となり逆転を許した。自民党支持率の急落は党内の消費税論議が影響したとみられる。これは自民党にとって深刻な数字である。支持率が好転しない限り、麻生内閣も解散戦略や政権運営の展望がなかなか開けないだろう。
 麻生政権下で初の与野党対決型選挙になった山形県知事選でも自民党が支援する現職候補者が民主党など野党が支援する新人に敗北した。この選挙では当初、自民党も民主党も政党色を抑えていたが、終盤戦で民主党は小沢一郎代表が乗り込むなど国政をにらんで対決戦術に切り替えた。知事選では一般的に現職の2期目の選挙は強いと言われる。保守王国・山形での敗北は麻生政権と自民党には衝撃的である。

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(社説)ビザなし交流

ビザなし交流
 北方4島の住民に医薬品などの人道支援物資を届けようとした日本の訪問団が、ロシア当局から出入国カードの提出を求められ、上陸を断念して帰国した。ロシアが、日露両政府が合意して実施している北方領土への「ビザなし交流」の仕組みを、自国の都合で一方的に反古にしようとしている。

31日;読売社説(1)ビザなし交流 ロシアは国際信義を守れ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090130-OYT1T01188.htm
『ロシアの出入国手続きに従うことは、ロシアの管轄権を認めることにつながる。河村官房長官が「理解できない」と反発し、日本政府として撤回を求めたのは、当然のことだ。人道支援事業は、1992年に始まった「ビザなし交流」と同じ仕組みで行われている。領土問題に配慮し、旅券や査証(ビザ)の提示など出入国手続きを経ずに、日本政府が発給する身分証などを示せば入域できる。元島民の墓参も同じ仕組みだ。ところが、ロシアは今回、2006年の国内法改正を理由に出入国カードの提出を要求した。今後、ビザなし交流などで訪れる場合も例外は認めないという。歯舞、色丹、国後、択捉の4島は日本固有の領土だ。本来、日本人が自由に往来できるはずの土地である。「平和条約締結までの間、相互理解の増進を図る」ことがビザなし交流の目的だ。
 ロシア外務省は、ビザなし交流の縮小などで日露関係に悪影響が出たとしても、「我々の責任ではない」と居直っている。だが、国際約束を重んじるなら、北方領土との交流には例外扱いを認めるなど、ロシア内部で制度運用上の調整をすべきだろう。このままでは、人道支援事業に加え、今夏に予定されるビザなし交流などもできなくなる。日露両政府は、領土問題での双方の立場を侵害しない、というビザなし交流の原則を踏まえ、事態解決に向けて協議を急いでもらいたい。
ロシアのメドベージェフ大統領は24日、麻生首相に電話し、2月中旬のサハリン(樺太)での首脳会談を打診してきた。ロシアは極東・シベリア開発に日本の資金や技術を呼び込もうとしている。日露間の最大の懸案である領土問題で不誠実な対応を続けるようでは、経済協力にも弾みはつくまい。

30日;朝日社説(1)ビザなし交流―長年の努力を無にするな
http://www.asahi.com/paper/editorial20090130.html
『相互理解を深めるための元島民と四島のロシア人住民の相互訪問や人道支援、学術調査などでも認められるようになり、07年までに延べ8300人が四島を訪問した。四島周辺の漁業にも同じ発想が生かされ、日本漁船がロシア側の摘発を受けないで操業できる枠組みもできた。さらに、陸地でも日ロの共同経済活動ができないかと検討されてきた。
 今回、ロシア側は「国内法が改正された」として、出入国カードという新たな手続きを要求した。これは両国が合意した実施手続きの一方的な変更であり、受け入れるわけにはいかない。四島周辺に安定した隣国関係を築こうというこれまでの取り組みに冷や水を浴びせるものだ。ロシア側では、領土交渉を担当する外務省と、出入国管理を担当する連邦移民局とのあつれきといった事情も絡んでいる。日ロ両政府は、領土問題で双方の立場を害さないという原則を尊重しつつ、冷静な協議で交流再開の道を探ってほしい。
 ロシアのメドベージェフ大統領は最近、麻生首相と電話で話し、極東のサハリンで2月中旬に会談することを提案した。「二国間のすべての問題を話し合いたい」と日ロ関係を前進させる意欲を伝えてきたばかりだ。プーチン首相も今春にも日本を訪問する方向で準備が進んでいる。 資源価格の急落や世界経済の混迷もあって、ロシアは対日関係により積極的になろうとしているのだろう。ロシア側が力を入れている極東・シベリアの開発には日本の資金や技術が必要だし、中国が台頭する中でアジア太平洋地域に存在感を強めたいという思惑もある。だが、いくら関係改善に意欲を示しても、長年の交流の積み重ねを突き崩すような行動をとっては、日本側のロシアへの不信は深まる。そのことを、ロシアの指導者たちははっきりと認識する必要がある。

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