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2009/01/26

シニアネット 『おいおい』 第808号

━━senior citizen net━━━━ 2009/01/26━

    シニアネット 『おいおい』        第808号
 
━━━━━━行動のための情報紙━━━━━━

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寒の水念ずるやうにのみにけり     細見綾子

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「寒の水」は身体によく、薬になるといわれて好んで飲まれる。清澄で細菌などの心配が無いからである。作者は、毎日が健康であって欲しいと寒の水を飲む。
「寒の水」は、寒餅を搗き、紙をすく寒漉き、寒晒し、酒や化粧水の製造の水にいまも重宝されている。研ぎ澄まされて、冷たく、凍るばかりに冴えている。寒の水は、かけがえの無い自然の恵みといえる。
師の松瀬青々の「つらい冬の時代である現在を気長に耐えていれば、いつか春が来る」という考えを継承した。ぶれることはなかった。兵庫県伊丹市生まれ。(1907-1997)。

┏━━旧正月━━━━━━
 1月26日は、旧正月。漁村、農村では陰暦による生活習慣、行事が根強く残る地方がある。現在でも旧正月を祝う風習が残っている地方もある。「旧正月」には、懐かしい、のどかなひびきがある。<道ばたに旧正月の人立てる>( 中村草田男)。

┏━━水沢腹堅━━━━━━━━━
  1月25日。72候の1つ。「すいたくふくけん」(さわみずこおりつめる)厳しい寒さで水ざわが、すべて凍る頃。「水沢」とは水のある沢。「腹(ふく)」とは、厚く。

┏━━大学生の学力━━━━━━━
 ◎大学教育を見直せ◎
 日本の大学は数多い。4年制大学は国公私立合わせて700を超える。少子時代を迎え、2人に1人という大学志願者が、全体の募集定員におさまる全入時代が迫る。文部科学省の06年度の調査では、中学、高校の補習を実施している大学が全体の3割に及ぶ。10年前のざっと4倍にのぼるという。いくら大学が増えても、受験生は一握りの有名校に集中しがちだ。その一方で、私立大の半数が定員割れという現状では、学生を絶対評価ではじくだけの余裕がないところが少なくない。

1月24日;朝日社説(1)大学生の学力―まず入試から考える力を
http://www.asahi.com/paper/editorial20090125.html
『多様な選抜の名の下に、学力検査が原則免除される推薦やAO入試の広がりも、結果的に基礎的な学力が足りない学生が増えた理由だろう。学生の質の低下は見過ごせないとして、文科省は卒業認定を厳しくさせることなどを検討している。さらに国際的な視野で考えて、気になるのが学力の質の問題である。OECDが、新たに大学生対象の国際学力調査も始めるという。OECD調査といえば、日本の小中学生の学力低下が指摘されるきっかけになったものだ。特に、知識はあるが応用力に乏しいという問題点が浮き彫りになった。早くも、大学関係者らから悲観的な声がもれている。 もちろん大学のカリキュラムには工夫が必要だ。
日本の子どもたちについて、OECDがこんな警告を発したことを思い起こしたい。「知識を再現する学習ばかり続けていると、労働市場に出た時に必要とされる力が身につかない」 。いくら考える力が大切だと強調しても、丸暗記で一流大学に入れるなら、高校までの教育が変わることはなかなか難しいだろう。 生きるための知力をどう育てるのか。大学が知恵を絞る時である。

┏━━中国の国防白書━━━━━━
 ◎覇権国家主義が見えてくる◎
中国が2008年の国防白書を発表した。改革開放政策が始まった1978年から30年間の国防予算の推移をまとめている。急激な増加にあらためて目を見張らざるを得ない。最初の10年間は平均3・5%の伸びだった。だが次の10年は平均14・5%、その次の10年は平均15・9%と連続2ケタの伸びを続けた。08年は4177億元(約5兆8490億円)で、最近では日本の防衛費総額を上回る額である。

26日;毎日社説(1)中国国防白書 地球規模で国益防衛か
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090126ddm005070005000c.html
『なぜこれほどのペースで軍備拡張を続けるのか。「中国は、現在も将来も、国家がどれほど発展しても、永遠に覇権を唱えず軍拡しない」と白書は書くが、合理的な説明にはなっていない。周辺国に脅威を感じるなといっても無理だ。この数年の伸びは軍事戦略の転換に伴う質的変化と見るべきだろう。白書には、海軍の遠洋作戦能力、宇宙空間における対応能力などの記述がある。それを裏付けるように、中国当局は航空母艦の建造を検討していると認めた。有人宇宙船を打ち上げたほかに、軌道上の衛星を攻撃するミサイル技術を確立した。ミサイルの誘導に欠かせない中国独自の測位衛星も打ち上げを続けている。ここに中国軍の目指す方向が透けて見える。領土、領海、領空の防衛から、地球規模に広がった中国の国益の防衛への転換である。白書ではないが、軍機関紙では「領土線防衛」に代わる「国益線防衛」の議論が出ている。
 中国はいまや世界第3位の経済力を備える大国となった。その成長を支える石油、天然ガスは長大なパイプラインで中央アジアやミャンマー、ロシアから引き込んでいる。アフリカ、中東の油田開発に参加し、原油を積んだタンカーがインド洋を列をなして動いている。南シナ海、東シナ海では海底資源開発を目指している。中国の経済権益が地球規模で広がった。ソマリア沖に中国海軍が最新鋭のミサイル駆逐艦を派遣したのも、短期的な海賊対策だけではなく、海軍がアフリカ沖までシーレーン防衛を担う能力を持とうとしているのだ。一度動き出した軍拡を急に減速することは難しい。政府と軍部の力関係に変化が起きるかにも注目したい。

26日;産経社説(1)中国国防白書 変わらぬ軍拡の不透明さ
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090126/chn0901260232000-n1.htm
『国防費の総額は相変わらず西側諸国が額面通りに受け取れない公表額を掲げ、その具体的な使途にも触れていない。20年も軍事費の2ケタ増を続けているだけに、透明度のさらなる向上に努めない限り中国脅威論がやむことはない。今回は国防省スポークスマンが初めて記者会見に出席、国際社会の批判を意識し軍事的透明度の向上に努める姿勢を演出してみせた。内容面でも、中国軍の戦略やそのための軍事力強化の概略に触れ、陸海空軍や戦略ミサイル部隊を個別の章で報告するなど、一定の前進はみられる。新時代の戦略方針としては「情報化時代の局地戦争」への抑止力や戦闘能力を強化し、多様な軍事任務をこなせるようにするという。そのために経済と国防の近代化建設を総合的に進め、軍の情報化を推進する。
 海洋、宇宙、電磁空間の安全能力を強化してテロなど国家間の戦争以外での軍事行動能力を高め、国際的な軍事協力行動や信頼醸成措置に参加するともしている。増強著しい海軍については「近海での総合作戦能力を全面的に高め」遠海戦力の増強は段階的に進める。こうした軍の近代化を3段階で進め、2010年までをその基礎固め、20年までに基本的な機械化・情報化を終え、今世紀半ばに完成させる計画だ。国防戦略の概要はそういうことなのだろうが、国防費についての説明は従来通り極めて不十分だ。昨年の中国の国防予算は4178億元(約5兆6400億円)と日本の防衛費(4兆7426億円)を抜いた。しかし、米欧の国防当局や研究機関の見積もりだと実態はその2~3倍という。
 新兵器の開発や外国からの購入などは別予算になっているとの見方が有力だ。そのためか予算の国防費配分については一切説明していない。このあたりを西側諸国並みに改めるのが透明度向上の次の一歩だろう。ただ、この白書で中国が長期戦略で着実に軍事力強化を進めていることが再確認された。日本としては中国の急速な軍拡を視野に入れ、安全保障政策を根本から検討し直す必要がある。

┏━━地球温暖化対策━━━━━
 ◎経済危機克服ができるか◎
米国のオバマ新大統領が掲げる「グリーン・ニューディール」は、温暖化対策に新たな視点を示したといえよう。環境・エネルギー分野への投資で内需を拡大し、数百万人規模の雇用を創出しようという政策である。経済危機を克服する手段の柱に、温暖化対策を据えた。

26日;読売社説(全)温暖化対策 経済危機克服の手段となるか
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090125-OYT1T00900.htm
『今年は気候変動問題にとって極めて重要な1年である。二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出削減ルールを定めた京都議定書の対象期間は、2012年で終了する。それに続く13年以降の「ポスト京都議定書」は今年末までにまとめることが決まっている。オバマ大統領は「2050年までに90年比で80%削減」という長期目標を掲げている。これは日本の目標である「50年までに現状から60~80%減」より厳しい。オバマ政権の登場で、厳しい目標設定を主張する欧州連合(EU)と、それに反対する米国という従来の構図は、少なからず変わるだろう。日本はどう対応するのか、戦略作りが急務である。
 ◆「京都」を教訓にせよ◆ 削減の基準年が90年となっている点も、公平性を欠く。90年当時、日本は、他の先進諸国に比べ、最高水準の省エネルギーを実現していた。実際、議定書が日本に課している「90年比でマイナス6%」の削減目標を達成するのは、危うい状況になっている。ポスト京都議定書は、すべての主要排出国が参加する公平・公正なルールにする。日本は、この方針を堅持して今後の交渉に臨まなければならない。交渉の最大の懸案は、削減義務を課せられるのを拒否している多くの新興国・途上国をどう引き込むかにある。日本など先進国が省エネなどの技術協力を進め、その見返りとして、新興国・途上国は応分の責任を果たさねばならない。ポスト京都議定書の議論は、各国の科学者の集まりである国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の分析データを基に進められている。その一方で、気候変動のメカニズムについては、科学的に未解明な面が多いのも事実だ。人為的な温室効果ガスの排出量増加が主因であることを疑問視する専門家も少なくない。
 ◆社会構造の変革を◆ポスト京都議定書は脱石油、脱石炭への一里塚ともいえよう。CO2をほとんど排出しない原子力発電の重要性は増していくだろう。太陽光発電の普及など、自然エネルギーの活用を促進していくことも欠かせまい。政府は3月中に日本版「グリーン・ニューディール」を策定する方針だ。これを機に、日本の技術力を生かし、社会構造を一歩一歩変えていく必要がある。

┏━━身辺雑記━━━━━━
病気のデパートで、多病息災であるので、新年に検査が次々に重なった。嫌な検査もあるが、うれしい事もある。前立腺癌が、昨年見つかり、薬と注射で対応した。3か月検診で、PSAの値が、どんどん下がっていたが、今回はなんと0.03である。先生ともども大喜びをした。医師の、「0.3と違うのですよ。0.03ですよ。」という言葉がうれしかった。心の底から喜んで呉れた。医師の診療方針が良かった。早期に発見できたから、適切な処置がとれた。多病だから、いろいろな検査ができる。
寒中見舞いの中に、友人の遺族から、12月26日死去の通知を頂いた。奥様を数年前に癌で見送り、本人も癌だったと聞いていた。同じ病院で会ったこともある。友人の冥福を祈る。

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2009/01/22

シニアネット  『おいおい』 第807号

━━senior citizen net━━━━ 2009/01/22━

    シニアネット 『おいおい』    第807号
 
━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━

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風邪の神或ひは風に乗りわめく      嶋田青峰

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昭和9年(1934)の作。前書きに、「土用の入り」とある。「風神」と「雷神」は対で描かれるが、二神から「風邪の神」を空想出来るらしい。風邪はウイルスですから、小さな隙間から進入してくる。「或ひは風に乗りわめく」が如く脅かす。「土用」は各季節の終わりにあたる。立春の前の18日間を冬の土用という。「土用の入り」は、その最初の日のこと。
作者は、「俳句は抒情詩であるから、個人の感情に重きをおく詩だ。」と主張して、強烈な主観の姿勢をとった。そっと昭和9年頃、俳壇に革新運動が起きた。主宰誌「土上」に論陣をはったが、危険思想と見られ廃刊される。検挙され監獄で喀血し、出所後死去。三重県志摩市生まれ。(1882-1944)。

┏━━款冬華━━━━━━━━━━━━
  21日は、「かんとうはなさく」。72候の第70番目。蕗のとうが寒い中、そっと芽を出し始める時節。厳冬に氷を破る様にして生えるところから、この名がある。大寒の頃の花であるが、春の使者として、俳句では特別に「蕗のとう」を春の季語に入れる。<花活けて二寸短し蕗のとう>(太祇)

┏━━オバマ大統領就任━━━━━━━━
20日、第44代米大統領にオバマ氏が就任した。式典には史上最多の200万人が集まった。18分間の就任演説を、世界中がテレビやインターネットで同時に聞いた。5紙は、強い期待を寄せている。

21日;朝日社説(全)オバマ大統領就任―米国再生の挑戦が始まる
http://www.asahi.com/paper/editorial20090121.html?ref=any
『■「賢い政府」の実像を■ 政治家は言葉が命だ。人々を奮い立たせる弁舌の力が、危機にはいっそう求められる。だが、美しい演説だけでなく、今日からオバマ氏が問われるのは結果であり、実績だ。大恐慌さなかの76年前、フランクリン・ルーズベルト大統領は「私たちが唯一恐れるべきは、恐れそのものだ」と就任演説で述べた。雇用と需要創出のために財政が出動するニューディール政策を打ち出した。この政策は米社会に大きな変革をもたらした。大財閥が幅を利かせていた社会で、労働者の団結権や交渉権を保障し、富裕層への課税などで格差の縮小を積極的に図ったのだ。昨年、ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン教授は、戦後の米国が豊かな中流社会を実現できたのは、こうした政策の結果だったとしている。
 オバマ政権は「政府には果たすべき役割がある」と、振り子を再び戻す。クリントン大統領が失敗した国民皆保険の導入にも挑戦するという。政府の役割を再評価し、勤労階層を中心に底上げを目指す。 安定して、厚みのある中流社会こそが民主社会の基礎だという確信があるのだろう。だが、米国民が大事にする「自由」を損なわずに、公正な社会を実現するのは容易ではない。「大きな政府」でもなければ「市場万能」でもない。オバマ氏の言う「賢い政府」の実像を世界が待ち望んでいる。
 ■アフガンを仕切り直せ ■就任前から打ち出した空前の景気対策にしても、民主党優位の議会であってもすんなり行きそうもない。怖いのは、保護主義の誘惑だ。雇用や市場、米企業を守るという目的にとらわれすぎれば、世界の自由貿易がおかしくなる。 イラク戦争への反対では、一貫している。最高司令官としての初仕事は、公約である16カ月以内の戦闘部隊の撤退を軍に指示することだ。イラクの治安が悪化しないよう配慮しつつ、「間違った戦争」を一日も早く終わらせなければならない。 他方、アフガニスタンへの米軍増派は慎重に考えてもらいたい。軍事作戦を突出させてはアフガンの住民たちの反発が増すばかりだし、隣国パキスタンの政情不安にもしっかりと目配りする必要がある。 軍事と民生支援をどう組み合わせ、国際社会の力を結集するか。01年のボン会議のような国際会議を開き、包括的な安定戦略を再構築したい。
 ■世界のかじ取り役として■中国、インドなどの台頭で、世界は多極化してきた。米国の影響力は相対的に小さくならざるをえまい。ブッシュ時代の単独行動主義への決別は、時代の必然でもある。 だが、米国が自信を喪失し、内向きになれば、世界の秩序は混迷する。傷ついたとはいえ、米国の軍事力、経済力は群を抜いた存在だ。民主主義や人権尊重の考え方を広めてきたソフトパワーもある。 中東和平や北朝鮮、イランの核問題など、世界の安全は米国抜きでは語れない。これも公約の地球温暖化対策をはじめ、核廃絶などのグローバルな課題も山積している。 オバマ氏は「対話と国際協調」という新しい旗を掲げた。世界が直面する待ったなしの危機を打開するために、日本も世界も協力していきたい。

22日;読売社説(全)オバマ政権発足 米国再生へ問われる真価
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090121-OYT1T01148.htm
『 世界中が聴き入った就任演説で、新大統領が真っ先に強調したのは、米国が直面している試練は、短期間では克服し難い、という現状認識である。大統領が、現実を直視するよう国民に警告したのは、過度な期待を戒めたい狙いもあろう。 連邦議会は、上下両院とも民主党が多数を占める。世論の追い風と議会の支持は、オバマ政権の政策遂行にはプラスとなりうる。 だが、世論は移ろいやすく、議会も常に協力的とは限らない。医療保険改革に失敗したクリントン元政権が好例だ。新大統領が成果を出せるのか。真価が問われるのはこれからだ。
 ◆危機再発阻止に全力◆ 新大統領は、なすべき仕事の第一に、金融危機の深刻化で冷え込んだ米国経済の再生を挙げた。新大統領は、「経済はひどく弱体化している。一部の者の強欲と無責任の結果だけでなく、我々全員の失敗だ」と率直に語った。 昨年1年間で非農業部門の就業者が259万人も減った。景気後退が長期化し、金融不安が再燃している。米自動車大手3社の経営危機も続く。新大統領は、「米国経済は大胆で迅速な行動が必要だ。新規の雇用創出だけでなく、新たな成長の礎を整える」と公約した。すでに、公共投資と減税などを柱にした総額8000億ドル(約74兆円)超の景気対策を打ち出している。2年間で400万人の雇用を創出し、太陽光発電など環境分野を重視したグリーン・ニューディールが目玉だ。政策のスピードが、今ほど求められる時はない。景気対策法案を2月半ばにも成立させ、迅速に実行することが肝要だ。 米国はそれまでに、経済再生の道筋と金融安定化の処方箋に、一定のメドをつけるべきだろう。危機の再発を防ぐため、各国と協調し、金融規制の強化も急がねばならない。新政権発足後の「最初の100日」が試金石になる。米国の財政赤字は、今後数年間は1兆ドル規模が続く。赤字を穴埋めする巨額の米国債発行はドルの信認を揺るがし、ドル暴落を招く恐れがある。株式・為替市場の動向にも警戒を怠れない。
 ◆「新しい責任の時代」◆ 外交・安全保障の分野でも、懸案が山積している。イラクから、16か月以内に米軍を撤退できるのか。米軍を増派するアフガニスタンで、果たして平和を構築できるのか。北朝鮮の核廃棄へ向け、6か国協議をどう進展させるのか。年内にも核兵器用の高濃縮ウランを保有する可能性があるイランの核開発をどう阻止するか。地球温暖化対策で、米国や中国、インドなどを加えたポスト京都議定書の枠組みを、年内に構築することも重要な課題だ。オバマ大統領は、「新しい責任の時代」に入る必要がある、として、米国民一人ひとりに、「自分と自国、世界への義務」を喜んで果たすよう促した。米国の刷新にあたる意欲の表明だろう。新政権のヒラリー・クリントン国務長官が上院公聴会で、日米同盟について、「アジア太平洋地域の平和と繁栄維持のため不可欠で、米アジア政策の礎」と表明したことは歓迎できる。日本としても、米国との連携を強化するため、能動的な姿勢で対処していく必要がある。

21日;毎日社説(全)オバマ米大統領就任 世界変える旅が始まった
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090122k0000m070108000c.html
『今年の大統領就任式はもっと本質的な変化を世界に告げている。就任の前と後では時代の精神が切り替わった。歴史の次の扉が開かれたという刷新の感覚を米国人も私たちも共有している。ある政治家のメッセージが、これほど多くの人に期待され、一斉にしかも詳細に世界に広がった例はないだろう。自国の政治指導者より、オバマ大統領の決定がはるかに自分の生活を左右する。そう感じる人々が各国にいる。米国一国だけの指導者ではない。グローバル大統領の登場だ。
 ◆グローバル大統領◆  米国で初のマルチレイシャル(多人種)大統領でもある。公民権運動により、制度としての人種差別がなくなってから50年もたたない。人々の意識が変わるにはさらに時間がかかった。米国のシステムから長く排除されてきた黒人が白人の支持も集めた上で、選挙により最高の地位を得た。黒人奴隷が強制労働で建てたホワイトハウスに、奴隷の子孫であるミシェル夫人や子供たちとともに住む。一家がこの国のモデルとなる。歴史を書き換えた意味の大きさを強調したい。最強国の指導者としての黒人をこれから毎日、米国と世界の子供たちが見るだろう。人種や家柄で差別しない意識変革が世界に広がる契機になればいい。どん底状態からの出発だ。就任演説がブッシュ時代からの決別宣言であり、オバマ時代の希望宣言となったのも当然だ。いずれの点でも、米国への不信感を取り払う一歩とするために、具体的な行動を早く見せてほしい。
 新しい指導者像を印象づけた就任演説だった。「世代」や「旅」を繰り返し語った。世代交代はどの国でもある。だが米国は変化や新しさに価値を見いだし、自由や平等といった理念を守りながら自己像を作り直していく国だ。その歴史の中にオバマ氏は自分を位置づけ、子供たちに引き継ぐ「旅」と表現したのだろう。未完の旅の途上にあるという感覚は本心と受け止めたい。
 ◆国民の参加を促す◆だが、選挙演説とは調子が違う。「チェンジ」は「世界が変わった」という時だけ使い、「ドリーム」や「イエス・ウィ・キャン」の連発は消えた。むしろ「責任を果たす新しい時代」「国民の信念と決意」といった国民の参加や協力を促すことばが目立った。候補者から大統領となり、演説スタイルを変えたのだろうか。人々の心を揺り動かしたことばの魅力は忘れがたい。どの新大統領もホワイトハウスに入った瞬間から4年後の再選戦略を考えるという。大統領にとって必要なのは説得のパワーだ。議会を説得し、メディアを説得し、国民を説得し、同意を得て、初めて政策が実現する。80%ときわめて高い支持率で出発したオバマ大統領は、国民と世界の強い期待を重圧ではなく、説得のための資産ととらえる強さを備えてほしい。責任と強さは就任の翌日から直ちに試される。

22日;産経社説(全)オバマ新大統領 強い米国再生へ覚悟を
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090122/amr0901220334005-n1.htm
『■新たな世界秩序の構想描け■ 結束して国難の克服と「米国の再生」に取り組むよう呼びかけた。ブッシュ前政権から引き継いだ米国はイラク、アフガニスタンの2つの戦争を抱えた上に、大恐慌以来の金融危機と深刻な景気後退のさなかにある。オバマ氏は原理原則にこだわらない中道派の実利主義的な政権布陣を進めてきた。待ったなしの難題が内外に山積する状況では賢明といえる半面、ご都合主義に陥る危険もある。具体的政策には不透明な部分もあり、世論や支持者の不評を覚悟で「国益に絡む決断を下せるかが問われる」と指摘する米紙社説もあった。
 ■まず経済危機の克服を■ 議会上下両院とも民主党が制覇し、共和党支持者も6割が支持する中で、大統領の政策や法案の推進を阻む要素は皆無に近い。それだけに、失敗しても言い訳は通用しなくなる。国民の異常な期待値の高まりを警戒した結果が、冷静にトーンダウンされた演説になったのだろう。昨年1年間に失職した人は1100万人(失業率7.2%)にのぼり、ウォール街で始まった危機は自動車産業など実体経済の隅々に及びつつある。何をおいても経済対策が焦眉の急である。オバマ氏は高速道路などのインフラ復旧や環境、エネルギーの「グリーン・ニューディール」を掲げ、8000億ドル(約72兆円)規模の景気対策で400万人の雇用創出を公約しているが、短期間で景気が上向く見通しはどこにもないのが実情だ。
対外関係でも同様だ。「16カ月以内」を掲げた米軍戦闘部隊のイラク撤退、アフガニスタン、パキスタンでのテロとの戦いの強化には、北大西洋条約機構(NATO)の欧州同盟諸国やロシアなどの協力が不可欠となり、ガザで火を噴いたパレスチナ問題も急を要する。オバマ氏は、イスラム世界に向けて「相互の利益と敬意」に基づく対話優先のアプローチを示した。これにイランやシリアなどがどう対応するかだけでなく、「政敵の起用」方針で登場したクリントン国務長官の外交手腕も問われる。
■日本も積極的に応えよ■ 世界が多極化傾向を強める中で、ロシアや、台頭を続ける中国、インド、ブラジルなどとの関係をどう調整するのか。米露核軍縮、核拡散、地球温暖化、国際経済も含めた世界秩序の「グランドデザイン」をオバマ政権がどのように描くかによって、21世紀の世界の流れは変わってくる。新政権のアジア政策チームには事前に懸念されたよりも知日派が多く加わり、クリントン長官も日米同盟を「アジアの平和と繁栄の礎石」と証言した。日本側もこれに応えるのは当然だ。北朝鮮の6カ国協議、エネルギー・環境、アフリカ支援などでも、「信頼される同盟国」としてオバマ政権への積極的提言や助言を惜しまず、率先して行動していくべき理由がここにある。オバマ氏は恐怖を希望に転じ、米国の多様性の強さを生かして難関を切り開くと約束した。内外の情勢をみれば、日本や国際社会にとって「強く、信頼されるアメリカ」の再生が今ほど求められるときはない。そのためには、オバマ氏も厳しい決断をためらってはならない。

22日;日経社説(全);オバマ氏は広い視野で米国経済再建を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090121AS1K2100221012009.html
『●カギ握る金融安定化策● 米国の経済的地位は中国やインドの台頭で相対的に低下したものの、なお世界経隅に対して大きな影響力を保っているからだ。深刻な経済の悪化に対応して、オバマ大統領は「米国の回復と崔投資計画」と名付けた再建策を打ち出した。2年で総額8000億ドルに及ぶ大胆な財政政策により、300万―400万人の雇用を創出・維持できるとしている。財政刺激策としては、道路や高速インターネット回線の整備などのインフラ投資に加え、太陽光や風力発電をはじめとした再生エネルギー開発支援、低中所得層を中心にした減税などを実施する方針だ。評価できるのは、需要刺激策を代替エネルギーの利用促進、教育の充実、医療の近代化など経済の構造調整や生産性向上に結びつけている点だ。ただ、将来的な効果が見込める事業よりも、政治家が求める地元利益誘導型の事業が優先される懸念もある。そうならないようオバマ大統領や民主党の議会指導部がどこまで指導力を発揮できるかが問われる。
 米国の経済復活にはこうした需要刺激策だけでは不十分だ。機能不全に陥っている金融システムを立て直さない限り、本格回復は難しい。昨年秋に総額7000億ドルの公的資金活用を認める金融安定化法が成立し、大手金融機関から地方金融機関まで幅広く公的資金が注入された。バンク・オブ・アメリカによるメリルリンチ買収など問題金融機関の統合も進んだ。だが、景気の悪化も響いて銀行が抱える不良債権はなかなか減らず、米国の金融機関に対する信認は戻っていない。民間金融機関による金融仲介機能は低迷したままで、米連邦準備理事会(FRB)による資金供給などでどうにかおカネが回っているのが実情だ。不良資産を購入するバッドバンクの設立や政府による不良債権損失の保証拡大などが検討されているが、いずれにしても金融機関の資産内容の健全化を急ぐことが肝要だ。
経済の早期再建に加えて望みたいのは、経済立て直しにあたって自己本位の政策に走らないようにすることだ。オバマ大統領は経済のグローバル化という現実を見据えた対応の必要性を強調しており、基本的には自由貿易を重視している。ただ、経済が悪化する中で、自国産業や企業の保護につながる政策を求める圧力は強まりつつある。すでに実施し始めている米自動車の3大メーカーに対する金融支援は、市場の競争条件をゆがめ、日本車メーカーに不利益をもたらしつつある。米議会や一部業界からは、米国製品購入を促す政策を求める声も出ている。
●日米連携で問題解決を● 米国が自国産業保護に傾斜すれば、これに追随する動きが世界に広がり、世界経済の足を引っ張る恐れもある。オバマ大統領は保護主義の誘惑を断ち切らなければならない。それにとどまらず、停滞するドーハ・ラウンドの進展へ指導力を発揮することも求められる。米国が強い指導力を示さなければ、新ラウンドは失敗に終わる可能性がある。米国発の金融危機を教訓にどう世界の金融監督体制や規制を改めるか、先進7カ国(G7)に代わる経済政策の調整・協調体制をどう構築するかについても、効果的で前向きな提案を期待したいところだ。
開かれた世界市場を維持し、再び危機を起こさないような仕組みを作っていくうえで、日本も主導的な役割を果たさなければならない。オバマ政権の出方をうかがうのではなく具体的な提言も含め積極的な議論を働きかけていくべきだ。同盟関係にある日米が手を携えてこそ、世界的課題の解決に道筋が見えてくる。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━
 1月20日正午(日本時間21日午前2時)ワシントンでは、バラク・フセイン・オバマ大統領が、就任した。『新たな責任の時代』を説いた。初の黒人、47歳、変革、世論調査支持率80%。
二重写しにした歴代の大統領は、リンカーン・ルーズベルト・ケネディ・レーガン。それぞれの時代の危機突破の教科書としては良いかもしれない。現実は厳しい。オバマ大統領の「ジャンプ・スタート」が可能か。「最初の100日間」でつまずくかも知れない。
とまれ!オバマ大統領はアメリカの話。肝心の日本はどうなの。時代が英雄を生むといわれるが、しっかりしたリーダーが現れない。期待はずれのリーダーが続き過ぎる。救世主は出ないのか。時代は強力なリーダーを求めている。

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2009/01/15

シニアネット 『おいおい』 第806号

━━senior citizen net━━━ 2009/01/15━

    シニアネット 『おいおい』   第806号
 
━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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あたたかく暮れて月夜や小正月    岡本圭岳

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1月1日の大正月に対して、15日は小正月。旧暦以前は満月の日に祝われた太古の暦の名残から、今でもさまざまな行事が地方に残る。旧暦は新月を基準にしているから、「小正月」は満月。旧暦が日本に伝わる以前から使われていた太古の暦は、満月基準の正月だった。旧暦が伝わると新月で正月が祝われるようになった。明治の初期に太陽暦になっても、小正月は正月として残った。旧暦は中国から伝わり、朝廷中心に広まったが、太古暦はそれ以前の日本全土で使われていた暦で、農作業と関係が深く農村に残った。
作者は太陽暦の時代の人であり、太古の暦とは関係ない。日本の美しい「小正月」の風景とたまたま満月の小正月を詠った。「あたたかく暮れて」に情緒がある。大阪市生まれ。(1884-1970)。

┏━━雉始雊━━━━━━━━
  「ちはじめてなく」。1月15日。72候の第69候。雄の雉が,雌を求めて鳴く頃。

┏━━「秋篠宮が天皇になる日」━━━━━━━
文藝春秋の2月号の「総力取材」の記事である。ショッキングな内容なのでサマリーの掲載は躊躇している。マスコミが「無視」している。愛読者の皆さんには、一読していただきたいと思う。94頁から110頁の記事にすぎない。保阪正康氏(ノンフィクション作家)が書いた記事。秋篠宮を褒めちぎり、皇位継承第2位だが、第1位にふさわしいという記事である。なぜ?という点が多いい。
今上天皇の御心痛を理解し,行動していること。弟宮として育てられたが、最近15年間で最もふさわしい位置にきたこと。戦争をどのように継承するかということに対して考えを持っていること。天皇の孤独に耐えるためには「学問」が必要である、理学博士の論文を完成したこと。皇位継承第3位の悠仁親王の父として「天皇学」を教育する立場にあること。
要約を掲載したいが、誤解を招くおそれがあるので愛読者のみなさん各自でお読みください。

文藝春秋 2月号    http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/index.htm
保阪正康氏のサイト   http://www.aya.or.jp/~hosaka-m/index.html
保阪正康氏に関する事    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%9D%E9%98%AA%E6%AD%A3%E5%BA%B7

┏━━米の新外交━━━━━━━━
◎「スマートパワー」で再生する決意◎
次期米国務長官に指名されたヒラリー・クリントン上院議員が上院外交委員会の承認公聴会で証言し、外交、軍事、経済力や文化的影響力を駆使した「スマートパワー」で米外交の指導力を再生する決意を表明した。「米単独では緊急課題を解決できないが、世界も米国抜きでは解決できない」とオバマ氏の公約でもある国際協調路線を強調し、軍事力を「最後の手段」としつつ米国の力を賢明(スマート)に組み合わせて取り組むという

15日;朝日社説(1)米国の新外交―「力」から「賢さ」への転換
http://www.asahi.com/paper/editorial20090115.html?ref=any
『「米国だけでは難題を解決できないし、世界も米国抜きでは解決できない」。オバマ米次期政権の国務長官に指名されたヒラリー・クリントン上院議員が、こんな表現で国際協調主義を語った。米国が直面するのは、イラクとアフガニスタンでの戦争、テロや大量破壊兵器の脅威だけではない。クリントン氏は、地球温暖化や感染症の拡大、途上国の貧困なども列挙した。こうした課題に対応するため、米国は軍事力だけでなく、経済・文化のソフトパワーも組み合わせる「スマート(賢明な)パワー」の外交を目指すという。悪の枢軸や中東民主化といったスローガンを掲げて「力の論理」をむき出しにしたブッシュ外交からの決別宣言である。 仲間を増やし、敵を少なくして目的を果たそうという戦略だ。国連をもっと活用する。オバマ氏が国連大使を閣僚級に格上げしたのもその表れだ。単独行動主義からの脱却を歓迎したい。具体的には、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准や、地球温暖化防止のためのポスト京都議定書の交渉促進を約束した。
 その最初の試金石は、中東和平だ。侵攻を拡大するイスラエルに圧力をかけ、停戦を実現するには米国が一日も早く公正な仲介者としての立場を取り戻さねばならない。アジア政策で急を要するのは北朝鮮の核問題だ。6カ国協議の枠組みを継続しつつ、場合によっては重油支援中断で圧力をかける構えも見せた。硬軟両様で臨むということだろう。日米同盟を「アジア太平洋の平和と安定の礎石」と位置づけ、中国には「国際社会の全面的で責任ある参加者」になるよう呼びかけた。この地域、そしてグローバルな課題に日米基軸で中国をどう巻き込み、協力していくか。その構想を持ってこそ健全な同盟関係が築かれる。

15日;日経社説(全)オバマ大統領の登場を待つ世界と日本
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090114AS1K1400414012009.html
『世界を包む閉塞感を打破してほしいとする期待がオバマ氏に寄せられる。
●「古典的リアリスト」● 皮肉にもいまイラク情勢は改善しつつあり、テロとの戦いを最初に始めたアフガニスタンでは出口の見えない状況が続く。オバマ氏を待つ米国と世界には寒風が吹く。オバマ氏にとって政治的環境は悪くない。米国内だけでなく、世界中でオバマ氏の人気は極めて高い。米議会は上下両院とも民主党が多数を占めた。新政権の最優先課題が経済であるのは論をまたないが、米国が世界最大の軍事力を持ち、安全保障分野でも最も重い責任を持つ現実もある。外交・安全保障政策でどのような優先順位を決め、それをどう具体化するか、世界的な関心事である。
 この点からオバマ大統領の最初の外国訪問先が注目される。最も常識的なのは4月にロンドンで開く金融サミットである。政権の最重要課題が経済にあるとの表明になる。安全保障面から世界システムを考えた場合に、オバマ大統領が最初に話す相手は、ロシアかもしれない。プーチン首相が指導力を誇るロシアは自己主張を強める。ロシアの前身ソ連との間で結んだ第一次戦略兵器削減条約(START1)は、ことし末に失効する。米、ロシアには真剣な交渉が求められる。
 イラク戦争を批判し、アフガニスタンでの戦いを重視する選挙中の発言からすれば、アフガニスタン、パキスタンへの対応が外交・安保政策の最優先課題になる。最初の訪問先は両国となる。同盟国への支援要請も強めるだろう。米民主党の外交・安保政策関係者は、オバマ氏の外交姿勢について「理想主義者ではなく、古典的リアリストだ」と評する。古典的リアリストは価値を無視はしないが、実現のためのコストを重視してきた。いわば実利主義だが、時に無原則なご都合主義にもなりうる。第二次大戦中にチャーチルは、ナチズム、ファシズムと戦うために共産主義のソ連と手を結んだ。冷戦時代の米国は、共産主義と戦うために途上国の独裁者たちと深い関係を持った。
●北朝鮮政策の転換必要●  リアリスト的思考からすれば当然だった。が、このためにアフガニスタンはテロリストの温床となり、米同時テロにもつながった。オバマ政権は、この国にどう対応するか。手を引けば歴史の繰り返しだ。公約通りに軍事行動を続ければ泥沼に陥る危険もはらむ。ジレンマである。イラン、中東などオバマ政権の政策が注目される地域は多い。日本から特に求めたいのは、ブッシュ政権後期の融和的な北朝鮮政策の転換であり、関係者の一掃である。 ライス国務長官、ヒル国務次官補らによる融和政策は北朝鮮を信頼できるとする幻想を前提とした。非核化に向けた検証措置をめぐる文書も作れず、失敗に終わった。日米同盟には不信感が残る。オバマ氏がリアリストなら、幻想を前提にして失敗した交渉を繰り返せないはずである。 だからこそ米国の新政権発足後、時間をおかずに日米首脳会談が開かれるのが望ましいが、麻生政権は外交に目を向ける余裕があまりない状況にみえる。同盟強化への条件を欠く日本の内政の現実が痛い。

15日;産経社説(1)ヒラリー外交 「日本重視」に積極対応を
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090115/amr0901150244000-n1.htm
『国際機関の活用や気候変動にも目配りする。イラク、アフガニスタン、パキスタン、イランなど中東周辺の利害は複雑に入り組み、全体を見すえた「包括的解決が必要」とも訴えた。そうした構想と氏の意欲は伝わった。それが「強く、信頼されるアメリカ」の再生につながるのなら、期待をこめて注目していきたい。 ただし、今後はスマートな公約よりも実際の外交が問われる。「話せばわかる」相手でもない。厳しい現実に立って、「対話と圧力」の適切なバランスを注文したい。もちろん、拉致問題も忘れては困る。 
クリントン氏は日米同盟を「アジアの平和と繁栄の要石で、共通の価値と利益に基づく」と、同盟重視路線が変わらないことを強調した。選挙戦で「米中関係が最重要」と発言して懸念を招いたこともあるが、公聴会では「米中関係は中国次第」と中国に責任ある行動を求める姿勢を示唆した。激動が続くアジアで、日本にとっても同盟の強化と発展が生命線に等しいことはいうまでもない。オバマ政権では、ブッシュ時代の「甘え」が通用しないドライな関係が予想される。アフガニスタンやソマリア沖の海賊対策などで、より具体的な貢献が求められるだろう。これにどう応えるのか。米国に注文するだけでなく、信頼される同盟国として日本も積極的に行動する外交が不可欠だ。

┏━━脳の科学━━━━━━━━━━━
  ◎脳科学の現状を報告書にまとまる◎
  脳に関する報告書を、文部科学省の脳科学委員会がまとめた。
13日;読売社説(1)脳の科学 まだ分からないことは多い
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090112-OYT1T00715.htm
『分かったようで、分からない。脳科学の現状を要約すると、そう表現できるだろう。脳は人の「心」の基盤だ。これまでの研究で、個々の神経細胞の性質や脳の特定部分の役割は、かなり解明されてきた。しかし、それだけで、全体の機能が分かるほど単純なものではない。その限界が無視されていると報告書は嘆く。独り歩きし始めた神話の払拭は容易でない。だが、これを防ぐには研究者が正確に分かりやすく情報発信してゆくしかない。
 報告書は、もともと、どう脳研究を進めるか、基本構想を取りまとめたものだ。文科相の諮問を受けて議論してきた。今後の答申のたたき台となる。その中で、あえて神話化を取り上げたのは、生命科学のフロンティアとなる脳科学が信頼を損なうことを恐れたためという。
 高齢化に伴って、認知症などの神経疾患は急増している。国内の認知症患者は170万人にも達する。こうした脳の病気の原因解明や予防、治療法の開発は、ますます重要になっている。福祉分野では、神経細胞の活動を読み取ってパソコンなどの機器を操作する技術も登場し、実用的な機器の開発につながるかもしれないとの期待が高まっている。さらに、人間の脳の機能を参考にすれば、人型ロボットの開発に貢献できる可能性がある。人間の「心」についても、神経回路網の機能探究を基礎に、解明が進むだろう。その際、生物学者だけでなく、人文・社会学など幅広い分野の研究者の協力も必要になる。学際研究を円滑に進めるうえでも、脳科学の現状と目標は明確にしておく必要がある。
 報告書は5~10年後の成果として、記憶と学習の仕組み解明、脳の老化制御、ストレス克服法の開発といった目標を掲げている。ただ、それを目指す日本の脳科学研究の現状には課題も多い。年間約300億円の予算を投じているが、欧米に比べて少ない。大学にも、脳科学の専攻がない。世界の研究競争は激しい。まずは、研究基盤をしっかりと築く方策を詰めねばならない。

┏━━身辺雑記━━━━━━━
 「定額給付金」の使い道にお困りの方に、カタログハウス発行の「通販生活」春号の提案。「新型インフルエンザ防護服セット」(約5千円)と「2週間分の備蓄食料」(約7千円)。配給しろという言う提案。自分で買ったら良い。しかし、個人で用意することは、労力とお金がかかる。
 例えば、マスク。私も、薬局を回り買い漁っている。ひどい品物もある。ウイルスガードと明示されているものが、ウイルスを捕集できるのか。ノーズフィットで隙間なしでないと眼鏡が曇る。口元と鼻のところが清潔に保てるのか。息苦しくないか。耳に痛くないか。その他に、チェック項目があるのか。カタログハウスは、こうした商品を選んで読者に教えてほしいのだが。
http://www.cataloghouse.co.jp/index.html

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2009/01/11

(社説)天然ガス紛争

┏━━天然ガス紛争━━━━━━━━━
◎ロシアの責任は重い◎
ロシアとウクライナの天然ガス紛争が再燃した。価格交渉が決裂してロシアがパイプラインを閉めたためだが、ウクライナ経由で欧州に送るガスまで止まり、余波が広がっている。欧州連合(EU)諸国は、ガス需要の4分の1をロシアからの輸入に頼っている。そのうち8割がウクライナ経由だ。今冬は寒さが厳しく、紛争が長引けば人々の暮らしや経済活動にも深刻な影響が出そうだ。

11日;朝日社説(1)天然ガス紛争―ロシアの責任は重い
http://www.asahi.com/paper/editorial20090111.html?ref=any#Edit2
『ロシアとウクライナのガスをめぐる対立は06年の1月にも起きて、オーストリアなど欧州側のガス供給が大幅に減ったことがある。 91年のソ連崩壊で、独立したウクライナがロシアからガスを買わなければならなくなったことが、問題の根本にある。旧ソ連以来の特恵的なガス価格を段階的に国際価格に引き上げていく合意はあるものの、ウクライナの経済発展が追いつかず、価格交渉がもつれる原因になっている。04年暮れの「オレンジ革命」で、ウクライナに親西側の政権が誕生し、北大西洋条約機構(NATO)への加盟路線を進めたことで、状況はさらに複雑になった。3年前の紛争では、ロシアがガス供給を武器にウクライナに圧力をかけたと、欧州側は不信をつのらせた。
 今回は、世界的な金融危機でウクライナ経済が大打撃を受け、さらに支払いが難しくなった事情もあるようだ。 しかし、ロシアの強引な交渉のやり方は相変わらずだ。千立方メートル当たり180ドルだったガスを今年から250ドルに引き上げると通告した。それをウクライナが拒否すると、要求を一気に450ドルにまで引き上げた。相手によって対応を変えるロシアに、需要国側が疑念を抱き、憤るのは当然だろう。
 エネルギー価格の高騰で急成長したロシア経済は、このところの原油価格の急落で苦境に陥っている。ロシアは天然ガスの高値を維持するため、石油輸出国機構のような国際的な生産カルテルを組織できないかと動いている。それがウクライナとの価格交渉で強気を崩せない背景にもあると見られる。 だが、こんな騒動を繰り返していては、ロシアはエネルギー供給国としての信用を失うばかりだ。そのマイナスをもっと重く受け止める必要がある。冷静な経済交渉で決着させる節度を持つべきだ。最大の需要国である欧州も、本質的な解決に向けて動くべきだ。

9日;読売社説(1)露ガス輸出停止 欧州のもろさが露呈した
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090108-OYT1T00964.htm
『ブルガリアでは暖房がストップし、ハンガリーでは日系自動車工場が操業中止に追い込まれた。厳冬期に入った欧州で、ガス供給の停止は大きな打撃だ。商取引をめぐる交渉ごととして、当初は静観していた欧州連合(EU)が、ロシアとウクライナに早期解決を求めたのも当然のことだろう。両国は早急に価格交渉をまとめ、ロシアは欧州向けガス供給を再開すべきだ。3年前にも、同様に価格交渉の決裂が原因で、ロシアはウクライナ向けのガス供給を停止し、欧州にも影響が出た。繰り返される中断騒ぎは、ロシアが、安定したエネルギー供給国としての信頼に欠けることを示すものだ。ウクライナの場合、親欧米政権が5年前に登場して以降、特に米国の後押しを受けて、EUとの経済統合や、NATO加盟を推進してきた。
 ロシアが強硬手段に出たのは、西側接近を図るユシチェンコ政権を強く牽制する狙いがある。ウクライナ・パイプラインの弱みを欧州に印象づけ、ウクライナを迂回した新規パイプライン建設構想に欧州の関心をひきつけたい計算もあるに違いない。欧州としては、エネルギー安全保障の観点から、ロシアへの依存度を下げることが課題となろう。液化天然ガスの受け入れ施設を増やせば、中東などからの輸入を拡大できる。供給源の多様化を図るため、そうした投資を進める努力をしたらよい。エネルギー資源の大部分を海外に依存している日本にとっても、他人事ではない。国際情勢を鋭意注視しながら、石油や天然ガスへの依存度を抑えて、原子力などの利用を着実に拡大していく努力を、継続していくことが重要である。

9日;産経社説(1)ガス供給停止 強権的措置は控えるべきだ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090109ddm005070069000c.html
『ガス価格などで交渉が決裂し、ロシアはウクライナ向けのガス供給を停止したものの、欧州向けの供給は続いていたはずだった。ところが、現実には、オーストリア、チェコ、ルーマニア、スロバキアなど10を超す国々でロシア産ガスの供給が完全停止したという。東欧に進出している日本企業が操業停止に追い込まれるといった事態も起こっている。ウクライナがガスを抜き取っているのか、ロシアが供給を停止しているのか定かではないが、純粋に経済的な利害対立から起こったことではないため、事態は複雑だ。ロシアは昨夏、グルジアに武力で臨んだ。ウクライナはグルジアと同様に親欧米政権で、NATO加盟を目指している。3年前にもガス供給で両国は対立し、欧州への供給に影響が出た。それが繰り返されたわけだが、ロシアがウクライナに対し資源で圧力をかけている背景には、親欧米政権への懲罰と、欧米諸国に対するけん制の意味合いがある。
 ロシアは天然ガスでもOPECと同様の国際カルテル組織の結成をめざすなど、資源を武器に大国としての存在感の拡大を図っている。サハリンでの石油・ガス開発でもロシア側に主導権を奪われるなど、その影響は日本にも及んでいる。欧州は天然ガスの約25%をロシアに依存している。3年前の供給低下を教訓に、備蓄強化やLNGへの切り替えなど供給源の多様化を図ってきた。しかし、十分に進んでいるとはいえない。ロシアに限らず、エネルギー資源の国有化の動きが世界的に広がり、消費国側が資源に直接アクセスすることが難しくなっている。特にロシアには注文をつけておきたい。強権的対応は中長期的にみて得策ではないということだ。中央アジアから直接供給を受けるなどロシアを迂回したエネルギー供給ルートの建設が進むだろうし、ロシアへの海外からの投資にも影響しかねない。厳冬期にガス不足に見舞われた欧州諸国は、とんだとばっちりを受けた格好だ。問題を棚上げにしてでも、速やかに供給が再開されるようにすべきだ。

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シニアネット 『おいおい』  第805号

━━senior citizen net━━━ 2009/01/11━

    シニアネット 『おいおい』    805号
 
━━━━━━━━━━━行動のための情報紙━

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一年を託すに軽し戎笹          山田弘子

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平成17年作。1月10日は戎神社の「十日戎」。9日は宵戎、11日は残り福。関西では、大阪市の今宮戎神社、兵庫県西宮市の西宮神社、京都市の恵比寿神社が有名である。商いの神様として商人の信仰が厚く、家内安全を祈願するお祭り。
「戎笹(えびすざさ)」は、福笹ともいわれ、小枝にいろいろな宝物をつるす。「商売繁盛、笹もてこい」の掛け声のごったがえした人ごみの中で、戎笹を受け取った時の微妙な心の動きがとらえた。笹を渡す福娘は多くの応募者から選ばれる。
吉兆と呼ぶ銭袋や小判、米俵など縁起物を買ってきて家の神棚に飾る。西宮神社の開門神事福男選び。今宮戎の宝恵駕籠行事が行われる。兵庫県朝来市生まれ。(1934- )。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━
本当に「100年に1度なのか。」。日本のリーダーたちの言動を見聞きするにその様に見えない。「日本の100年」は、1909年からのことだ。半分の50年は戦争。後半の50年は破壊から復興、成長と衰退の繰り返し。特に、1945年と言う敗戦をはさんでいる。環境破壊は敗戦。経済破壊は世界恐慌とオイルショックとバブル破壊。数限りない「破壊」を体験した。
現在、そうした破壊に対して対応する姿勢が、社会全体に見えない。特に、リーダーたちの自覚が無い。社会として構えなければならない。対策のシステムを構築しなければならない。「国破れて山河あり」。その資産を再投資に向ける長期的な手当が必要である。定額給付金の議論は終わりにしてもらいたい。

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2009/01/08

(社説)天皇即位20年

┏━━天皇即位20年━━━━━━━━━
  ◎象徴天皇の実践◎
天皇陛下は7日、即位20年を迎えた。1989年のこの日からの「平成の皇室」の歩みに並行して日本社会は大きく変化し、世界の構造も転換した。その中で陛下は、憲法に従い国民とともにある「象徴天皇」像を誠実に実践し、そのあり方は定着したといえよう。

7日(2)毎日社説(2)天皇陛下即位20年 「国民とともに」を実践した
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090107ddm005070062000c.html
『最初から「象徴」として即位したのは、天皇陛下が初めてなのだ。陛下は既に即位直後に「皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たすことを誓い、国運の一層の進展と世界の平和、人類福祉の増進を切に希望してやみません」と述べており、その意思や決意は固かったとみられる。皇后さまとともに実践した。
 天皇として初めての全都道府県訪問は2003年に達成し、さまざまな場で直接国民に接した。阪神大震災や新潟県中越地震など大災害地でひざを突き合わせるように被災者に語りかけ、耳を傾けた。訪問が復旧作業などの支障とならないよう配慮も細やかだった。皇太子時代から友好親善の外国訪問を重ね、即位後では30カ国を超えた。そして、戦争の傷跡を深く残す地への「慰霊の旅」では、沖縄など国内のみならず「玉砕の島」サイパン島にも赴いた。92年親善訪問した中国では「中国国民に対し多大の苦難を与えた不幸な一時期がありました」と戦争における日本の加害の歴史に言及した。こうして陛下は「国民統合の象徴」として具体的になすべきことを自らに課すように行ってきた。それは現在・将来だけでなく、戦争という過去にも向き合うようであり、その歴史から目をそらさない真摯さが内外の人々の心をとらえているともいえよう。
 一方、健康が心配だ。75歳の陛下は03年に前立腺がんの手術を受け、昨年末は不整脈、胃の炎症などで体調異変があった。公務多忙のほか、羽毛田信吾宮内庁長官は「皇統(皇位継承)問題など」で心労があったとの見方を示した。これも長い懸案だ。男系男子の継承に限る現行皇室典範のままでは、将来皇位継承資格者を欠く事態さえ憂慮される。秋篠宮ご夫妻に悠仁さまが誕生し、改正への動きは事実上凍結されてしまった。しかし、それは問題の先送りで、将来にわたっての懸念は未解決のままだ。この節目に、負担をかける公務の軽減や簡素化とともに、皇位継承問題についてもオープンで多様な論議を広げたい。

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(社説)緑ニューディール


┏━━緑ニューディール━━━━━━
  ◎日本でも計画策定をいそげ◎
日本でも「グリーン・ニューディール」に向けての動きが始まった。麻生太郎首相が斉藤鉄夫環境相からの提言に対し、各省庁と連携を取りつつ計画策定を急ぐよう指示をした。

8日;産経社説(1)緑ニューディール 日本の英知を示す内容に
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090108/plc0901080234002-n1.htm
『グリーン・ニューディールという言葉は、オバマ次期米大統領のビジョンから生まれたものだ。米国が柱に据えようとしている大型の内需刺激策であり、世界が参考にしようとしている。従来は、経済産業活動の活発化と、地球温暖化防止に代表される環境対策は、相いれないものとして考えられがちだった。それが世界不況を契機として手を結んだ。グリーン・ニューディールは、21世紀の国際社会が直面している地球規模の2大課題を解決し得る可能性を秘めている。日本版グリーン・ニューディール構想の策定に注目したい。
 麻生首相に示された素案には、諸対策が盛られている。省エネ家電の普及や電気自動車などの開発がある。太陽光発電や風力発電への集中投資の促進策も挙げられている。それで新たに80万人以上の雇用の創出を目指す計画だ。しかし、それだけで十分だろうか。新構想では「低炭素社会」の構築に向けて、社会全体が動きだすべき時期が到来しているということを、国民に明確に伝える必要があると思われる。
 いずれ、石油などの化石燃料の上に繁栄した現代の炭素社会から軸足を移さなければならない時代がやってくる。その遠くない将来に向けて、都市の構造そのものから、公共交通手段までを含めた抜本的な改革への準備のために、日本のグリーン・ニューディールを活用すべきである。太陽光や風力発電の施設を増やせばよいという話ではない。景気の浮揚を図りながら、新たな取り組みが地球環境の改善にどのように関係しているかが分かるグランドデザインが欠かせない。新経済・環境構想では、各国が英知を競うはずである。ばらまき型のグリーン公共事業に矮小化させない高い見識を望みたい。

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(社説)ITの安全

┏━━ITの安全━━━━━━━━━━━
  ◎事前対策を講じよう◎
 政府の情報セキュリティ政策会議が、IT活用の安全策について、事故が起きることを前提として、対策を強化する方針を打ち出した。来年度から3年間、政府と関連事業者などが取り組む施策「第2次情報セキュリティ基本計画」に盛り込んでいる。

8日;読売社説(1)ITの安全 「事故前提」の備えが大切だ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090107-OYT1T00908.htm
『事前の対策を講じていてもトラブルは起き得る。だから、トラブルの影響や原因を把握して被害拡大を防ぎ、復旧できる体制を様々な分野で整えさせる、という。今年度まで3年間の「第1次計画」では、「IT障害の発生を限りなくゼロにする」「『IT利用に不安を感じる』とする個人を限りなくゼロにする」などと、“事故ゼロ”を目標に掲げていた。だが、実態はほど遠い。証券取引システムや金融機関の現金自動預け払い機、自動改札システムなど重要なインフラで障害が起き、混乱を広げた。個人のカード情報がインターネット経由で盗まれたり、パソコンから重要情報が漏洩したりする例も後を絶たない。政府や企業のコンピューターに対するネット経由の攻撃もなくならない。
 事前対策だけでは被害を減らせない。強固なIT社会を実現するには、事故発生後をにらんだ一貫した対応が必要になる。第2次計画では、この取り組みを促すため、「重要インフラ」に位置づけている行政サービス、情報通信、金融、医療などの10分野に属する事業者ごとに、どの程度のトラブルなら問題がないか、目安を設けるよう求める。同時に、各分野に関連する業界全体の安全性を向上させる努力もしてもらう。前の計画より、安全の水準を切り下げたかに見える。だが、こちらの方がはるかに現実的だ。実効性のある対応にもつながる。
 完璧な安全性を求める対策はIT活用の足かせにもなる。特に政府関連の取り組みは、多くの問題が指摘されている。例えば、文部科学省は史跡の変更許可申請など696の手続きを電子化したが、安全性を確保するための証明書取得が面倒といった理由で、6割は利用がない。より安全で便利な技術の開発も必要だ。個々の利用者のIT理解も向上させねばならない。併せて後押しして行きたい

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シニアネット 『おいおい』 第804号

━━senior citizen net━━━━━━ 2009/01/08━

    シニアネット 『おいおい』        第804号
 
━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━━

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子がかへり一寒燈の座が満ちぬ        加藤楸邨

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昭和20年(1945)の作。前書きに「1月8日」とある。東京は熾烈な空襲がある前。灯火管制で、夜は光が外に漏れないように、電灯に覆いを被せた。作者の長女が勤労学徒動員で、工場で働いている。なかなか帰宅しない。鬱蒼とした寒々とした空気が「一寒燈」で表した。やっと、無事に帰り食卓についた喜びを「座が満ちぬ」と表現。貧しい生活ぶりの「一寒燈」が、ぱっと輝き明るい「座が満ちぬ」となった。
敗色濃厚な戦争中だが、大空襲の始まる前の、比較的のんびりした時代の生活ぶりが見られる。「5月23日、深夜大編隊空襲、一夜弟を背負ひ、二子を求めて火中を彷徨」の前書きの<火の奥に牡丹崩るるさまを見つ>。「5月24日、我が家も焼失、雲の峰八方焦土となりぬ」<明易き欅にしるす生死かな>。生死の境をさ迷うことになる。東京都生まれ。(1905-1993)。

┏━━1989年1月8日━━━━━━
平成のスタートの日である。1月7日午前6時33分、87歳8ヶ月で昭和天皇崩御された。激動の昭和は終わった。天皇在任期間は62年歴代最長であった。
昭和64年は「平成元年」となった。天皇崩御の7日に新元号は「平成」と発表された。「内平かに外なる」「地平かに天なる」。国内外にも天地にも平和を達成するという意味である。中国の古典の史記と書経の一節から引用された。改元はこれまで宮中主導で行われてきたが、昭和54年に制定された元号法にもとづき政令で公布施行された。あれから、20年波乱万丈の「平成」である。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━
定額給付金は2兆円。書籍の業界が2兆円です。すべての給付金が消費に回されれば、かなりの経済効果になる。頂いた定額給付金をそのまま、書籍に回せばもう1つ書籍業界が出来ることになる。
政府与党は、3千万人の低額所得者は納税してない人たちへの「反減税」と主張。「定額減税」に屁理屈をつけて、定額給付金というが見当違いである。税金を納めた人に税金を還付するのだから。「反税金」であり、ありがたい「お恵み」でもある。
財政学的な立場からは問題が残る。1つの業界が出来る程の大金である。財政の赤字が2兆円増えることも、国民としては熟慮したい。趣旨が不明瞭ではあるが、支給が決まれば素直に消費に回すのも現実論ではある。

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2009/01/06

(社説)第171通常国会

┏━━国会運営━━━━━━━━━
5日、衆院議員の任期満了を9月に控え、与野党の対決機運が強まるなか、第171通常国会が召集された。政府・与党が、これほど開会を急いだのは、急速な景気の悪化や雇用問題の深刻化に直面し、2008年度第2次補正予算案と09年度予算案を早期に成立させる必要に迫られているからだ。

6日:読売社説(全)急変する世界 国政遂行の枠組みを作れ、予算を早期に成立させよ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090106-OYT1T00062.htm?from=any
『政策を迅速かつ強力に推進できる日本政治の枠組みを、どう構築していくのか。政党も、個々の政治家も、責任の重さを噛みしめ、熟慮して行動すべき時である。麻生内閣は支持率が急落し、渡辺喜美元行政改革相が自民党離党の動きを見せている。この国会を切り抜けられるかどうかが、政権の命運を左右する。与党は、定額給付金などを盛り込んだ第2次補正予算案と関連法案について、1月中旬に衆院を通過させる日程を描いている。しかし、民主党は、定額給付金の関連部分を削除する修正案を衆院に提出する方針を決めた。参院でも徹底審議を求める構えで、早期成立の目算は立っていない。定額給付金は、総額約2兆円もの巨費を投じながら、経済効果はあまり期待できない。だが、民主党も、審議をいたずらに引き延ばせば、「生活が第一」という党の選挙スローガンと矛盾してしまうだろう。与野党は、政局次元の争いを避け、予算の早期成立に向け協力すべきだ。
 ◆将来構想を競え◆ 一体、日本をどんな国にするのか。各党は、国造りの将来構想を具体的に提示しなければならない。少子高齢化で人口減少が進む日本にあって、経済、社会の活力をどう維持していくか。安心できる年金、医療、介護などの社会保障制度をいかに再構築するか。国際社会の安定に、日本はどんな役割を果たし、日本の安全をどう守っていくのか。麻生首相が、政府の税制抜本改革の「中期プログラム」に、2011年度からの消費税率引き上げを明記したのは、政権政党としての責任感からだろう。民主党は、最低保障年金の創設や農家への戸別所得補償など07年夏の参院選以来の公約を中心に、総選挙に臨む方針だ。だが、これらの公約を実現するには、20.5兆円もの財源が必要だ。消費税率を引き上げず、行財政改革で本当に捻出できるのか。財源を明確に示すべきだ。今国会で、各党は、活発に論戦を展開し、総選挙の争点を明確にしてもらいたい。
 ◆政界再編は不可避か◆  総選挙で自民、公明の与党が衆院の過半数を確保し、政権を維持しても、衆参のねじれは残る。加えて、与党は衆院での再可決に必要な「3分の2以上」の議席を失うのは必至だ。民主党など野党が、総選挙で過半数を獲得すれば、ねじれは一応、解消する。だが、民主党も単独で衆参の過半数を確保することは難しい。政策に違いがある社民党などの協力を得る必要に迫られる。自民、民主のいずれが政権をとろうとも、国政を遅滞なく遂行する枠組みが必要だ。衆参両院で過半数を押さえるために、新たな組み合わせの連立政権や政界再編が避けられないのではないか。

5日;朝日社説(1)不況と総選挙―政治のリセットを急げ
http://www.asahi.com/paper/editorial20090105.html
『この国会の最大の使命は、何と言っても昨年来、急激に深刻化する景気と雇用の危機の中で国民の生活をどう守っていくかにある。 政府が出す2次補正予算案には、中小企業への保証・貸出枠の拡大、09年度当初予算案には財政出動による景気対策や非正規労働者への雇用保険適用などが盛られている。与野党の突っ張り合いで実現が遅れてしまうのは、何としても避けねばならない。3月の年度末に向けて、企業の資金繰りはますます厳しくなる。それに間に合わせるのは与野党共通の責任だ。野党の側も、単に政府与党の足を引っ張るだけでは済まされない。その責任を果たすために、与野党に提案したい。予算の成立が遅れていちばん困るのは国民なのだから、早期成立を最優先に譲り合うことだ。
 まず首相は、野党がこぞって反対する定額給付金を2次補正から除く。引き換えに、民主党など野党はそれ以外の2次補正を速やかに受け入れる。当初予算についても、同じように双方の歩み寄りが必要だ。そのためには、首相が予算や関連法案の成立後ただちに衆院を解散すると約束することが欠かせまい。 だが、首相はきのうの記者会見で、野党との「話し合い解散」の可能性を明確に否定した。60日ルールによる衆院の再議決で押し通す構えのようだが、それでは混迷は長引く。 首相には解散を口にした途端、与党内の求心力が失われ、政権が失速する恐怖があるのかもしれない。政治のリセットから逃げ続けることはもう許されない。

6日;日経社説(1)補正と本予算成立させ速やかに解散を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090105AS1K0500105012009.html
『政府・与党は9日にも2次補正と関連法案を衆院通過させたい考えだ。衆院の優越規定がある予算案とは異なり、関連法案は参院で野党が審議を引き延ばすと、「60日ルール」を適用して衆院で再可決しない限り成立させられない。再可決の際に自民党内から17人が反対に回ると、3分の2に達せずに廃案となる。2次補正に続く来年度予算案とその関連法案の審議も難航必至だ。不十分な内容にとどまった道路特定財源の一般財源化法案の採決などで、自民党内から造反が出る可能性があるからだ。民主党が参院審議で徹底抗戦する可能性もある。
しかし2次補正と来年度予算案の早期成立は何よりも優先されなければならない。政府・与党は2次補正や来年度予算などの原案にかたくなにこだわる姿勢は捨て、定額給付金の見直しも含め修正協議に柔軟に臨む必要がある。民主党も対決一本やりでは政権担当能力が疑われる。両党が修正協議でどうしても折り合えない場合は、選挙で審判を受けるのが筋だ。首相は4日の年頭記者会見で話し合い解散について「考えていない」と改めて否定した。だが野党の協力を得て来年度予算案を早期に成立させるには、話し合い解散は有力な選択肢だ。経済への影響を最小限にとどめるためにも、解散カードを有効に使うことを検討する時だ。

6日;毎日社説(1)通常国会開会 定額給付金は切り離せ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090106k0000m070112000c.html
『民主党などは5日、定額給付金を2次補正から切り離すよう求めた。最も緊急性を要する雇用対策など他の対策については野党も早期成立に向け協力するということだ。ところが自民党は提案を拒否した。野党は給付金を分離した修正案を共同提出するという。この結果、国会はいきなり前に進まなくなる可能性が高い。河村建夫官房長官は「給付金は家計では織り込み済み」と既に給付を前提に家計を考えている国民が多いと言う。しかし、これも開き直りというべきだ。足元の自民党内でも、給付金撤回などが受け入れられなければ離党すると表明した渡辺喜美元行政改革担当相だけでなく、公明党主導で進められた給付金に本音では賛成していない議員が少なくないのが実情なのだ。最悪なのは、この問題で与野党が対立し、雇用対策が遅れる事態だ。まず、ここは首相と与党が譲り、給付金分離に応じるべきだ。
 首相は会見で09年度予算が成立するまで衆院を解散する考えがないとも明言し、解散を条件に予算成立への協力を民主党に求める「話し合い解散」の可能性も否定した。早期に有権者の信を問う一方で緊急の経済対策も進める。双方を両立させるためには「話し合い解散」も一つの方法と考えるが、首相はこれにも聞く耳を持たないようだ。支持率低下が続く首相だ。その現実を無視するかのように強気一辺倒でいては、ますます自らの首をしめることになるはずだ。

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シニアネット 『おいおい』 第803号

━━senior citizen net━━━━━ 2009/01/06━

    シニアネット 『おいおい』        第803号
 
━━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━

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雪一日日和一日も松の内          原石鼎

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「松の内」は関東では7日まで、関西では15日まで。新年を祝う門松や注連飾りをしておく期間を言う。この間は、本格的に仕事をする気分になれない。雪だと家にこもり、日和だと外をぶらつく。「松の内」はまだまだ正月気分が抜けない。仕事の方も、のんびりとすごす正月モード。
本年は国会も5日から「仕事始」。経済不安、政治不信、社会混乱をふっ飛ばす選挙の年にしたいものです。島根県出雲市生まれ。(1886-1951)。

┏━━寒の入り━━━━━━━━━━━
5日は「小寒」。24節気の1つ。この日から寒の入りである。寒入から寒明までの約30日間を「寒」と言う。その間を「小寒」と「大寒」で、「小寒」を寒の入りと呼ぶ。1年中で一番寒い時期にはいる。現代では、暖房器具の発達により寒さを恐れることはなくなった。寒いりして、四日目を「寒四郎」。9日目を「寒九」という。「大寒」に入ると、1年中で一番寒い時節に入る。6日は「芹乃栄」(せりすなわちさかり)72候の第67候。空気が冷え、澄み切るようになり、芹が盛んに茂る頃。

┏━━政党キャンペーン━━━━━━━━━
5日の朝刊に、自民党と民主党のキャンペーン広告が掲載された。
自民党はゴチック字体で、大きく紙面の1/3に「景気に具体策。」。中央に小さく、本日召集の国会に提出。4本の柱を立てた。囲み記事で、雇用を守る具体策。暮らしに届く具体策。金融・中小企業支援の具体策。地方を活性化する具体策。それぞれの具体策を例示した。例えば、雇用を守る具体策は、「3年間で2兆円規模の緊急雇用対策、140万人の雇用維持・創出へ」とある。具体策の中でシニアに関係があるのは、介護報酬を3%アップし、介護人材の10万人確保へ。最後に、速やかな予算成立こそが、最大の景気対策です。やりぬく自民党。
民主党は、明朝体でおとなしく「国民は家族です。」。うつむいている人、顔を上げてください。私たちの手で、この国の仕組みを変え、「新しい生活」をつくり始める時です、それは、まじめに働く人が報われる社会。年金、医療、子育て、雇用、地域が、立て直された社会。暮らしの安定が希望を生み、積極的になった心が、この国全体を押し上げていくのです。その担い手は、私だけでも、あなただけでもない。「私たち」です。いよいよ、動く時です。「新しい生活をつくる5つの約束」は小さい字なので見えない。国民の生活が第一.民主党。
キャンペーン効果は、自民党の勝の様だ。「具体策」と訴求をした。
 それぞれのサイトは    http://www.jimin.jp/   と  http://www.dpj.or.jp

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━
「1958年ヒロシマ。フランス人女優の心には、何が映っていたのだろう。」。50年前広島を舞台に撮られて日仏合作映画『ヒロシマ・モナムール(「24時間の情事」)の主演女優のエマニュエル・リヴァさんが撮影した500枚の写真が1昨年発見された。
ロケの間にカメラに収めた。当時の広島の姿を伝える貴重な写真である。昨年の12月に広島と東京で、「HIROSHIMA1958」と題する写真展になり、写真集も出た。50年前の広島が写っている。市街地の様子や子供のたくましく遊ぶ姿。市民が復興にむかう姿がある。
大学生だった私も、ロケのエキストラーのアルバイトにでかけた。平和公園で大群衆が撮影された。映画は見てない。50年前の私が、映像の中に確かにいる筈である。
http://www.eonet.ne.jp/~bein/hiroshima_mon_amour.htm
http://www.epson.jp/osirase/info081118.htm

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2009/01/04

(社説)オバマ次期大統領

┏━━オバマ戦略━━━━━━━━━
◎オバマ次期大統領に期待するもの◎
4日;読売社説(全)急変する世界 国際秩序安定をどう図るか、米新政権が背負う重い課題
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090103-OYT1T00748.htm
『最優先の課題は米国経済の再生だ。イラクとアフガニスタンの二つの戦争、核拡散防止、中東和平問題などの難題も待ち構えている。オバマ次期政権が、米国主導の世界秩序の立て直しに向け、いかなる取り組みを見せるのか。その政策が、2009年の世界の行方を左右することになる。金融危機への対応では、G8に中国やインド、南アフリカ、韓国などを加えたG20が、また地球温暖化対策では、主要排出国16か国会合が、新たな枠組みとして定着してきた。オバマ次期大統領は、米国のリーダーシップを再生するため、世界に比類のない軍事力、経済力、外交力など米国が有するパワーを総動員し、重大かつ喫緊の課題に取り組む、と宣言している。世界をとりまとめ、安定と繁栄へ導いていく能力を有する責任ある大国は、米国以外にはない。オバマ氏には、その言葉の通り、諸政策を具体化し、果敢に遂行していく責務があろう。現在、世界情勢は急激に変化し、流動化している。
 ◆中国もロシアも難局◆ 軍事的な膨張を続ける中国は、昨年末、ソマリア沖の海賊対策で軍艦を派遣し、国際責任を果たす意思を鮮明にした。外洋展開能力を誇示する狙いもあろう。だが、国内では、社会不安が増大しつつある。建国60年の今年は、チベット動乱から50年、民主化運動を弾圧した天安門事件から20年の節目でもある。北京五輪成功直後の米国発金融危機に伴う景気減速で、生活への不満は高まっている。格差是正を要求する大衆行動が広がる恐れが指摘されている。ロシアも、好調だった経済が、原油価格の暴落で暗転した。外貨準備の取り崩しを余儀なくされるなど、資源偏重の経済構造の脆弱性を露呈した。一方で、欧米の東方拡大路線に対する強烈な対抗意識は変わるところがない。中露には、国連安全保障理事会の常任理事国の立場から、オバマ次期米政権と協力体制を築き、世界の安定のために、責任を持って行動してもらう必要がある。
 ◆テロとの戦いは続く◆ オバマ次期大統領は、テロとの戦いの最前線は、イラクではなく、アフガニスタンだとして、アフガンへの増派を進める方針だ。宗派対立の激化で内戦に陥らないようにするには、復興支援を強化していくことが重要だ。アフガンでは、米国から増派要請を受けている英独仏など北大西洋条約機構(NATO)メンバー国は、これにどこまで積極的に応じるのか。パキスタン領内にあるテロ集団の拠点を、パキスタン政府の協力で壊滅できるか、という難題もある。核兵器保有国であるパキスタンとインドの根深い対立が、昨年、両国で相次いだ無差別テロを契機に、再燃しようとしているのも懸念材料だ。北朝鮮の核廃棄や、イランの核開発の阻止も、焦眉の急だ。オバマ氏は、核廃絶を目標に掲げ、専制的な独裁政権とも「無条件で対話する」外交戦略に力点を置いている。核廃棄や拉致問題の解決を早急に図らなければならない日本は、米国と緊密に連携しつつ、対北朝鮮交渉ではより能動的な対応が求められる。

4日;産経社説(全)経済財政運営 「禍を福となす」戦略を
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090104/fnc0901040234000-n1.htm
『■将来不安の解消も見据えよ■ まるで新年の列島は総悲観論に覆われているが、ここは冷静に今後の日本の進むべき道を考えておきたい。
 ≪米欧との違いを冷静に≫ 米欧経済と日本の大きな違いは2つある。一つは多くの主要金融機関が経営危機で金融システムまでが機能不全に陥っている米欧に対し、日本はそこまでいたっていない点だ。もう一つは財政だ。麻生太郎政権は米欧と同様に財政出動した。その規模は来年度予算を含め12兆円と米国並みでドイツの2倍だが、財政事情はまったく異なる。 欧州連合(EU)には対国内総生産(GDP)比の単年度財政赤字3%と債務残高60%の財政基準がある。米国も似たような水準だ。日本は来年度で国債残高がGDPの1・1倍、地方を含めると1・6倍と極度に悪化する。こうした相違点を踏まえれば、日本が進むべき方向はおのずと見えてこよう。
 企業は体力のあるうちに、将来に備えた戦略をどう構築するかだ。政府は経済対策で限られた財源を効果的に使い、どう中長期的に財政再建を図るかである。逆に過敏に反応してはいないか。仕事を分かち合うワークシェアリングなど労働形態の改革は労使がその気になればできるはずだ。 中長期的にはトヨタの教訓を踏まえ、米国中心の外需に依存した構造を内需型にシフトする必要がある。金融危機が去れば再上昇するであろう原材料価格への対応も欠かせない。それには一層の技術革新が求められ、再び経営資源の選択と集中がカギを握ろう。
 政府の役割は規制改革などでこうした企業行動を支援する環境整備を行い、財政を開発投資分野に絞り込むことだ。一連の景気・雇用対策にみられる定額給付金や公共事業などの旧来型では、効果は一過性かつ限定的に終わる。
 ≪アジアとの連携が大事≫  内需拡大にしても、これだけでGDP510兆円の経済規模を浮揚させるのは難しい。ここはアジア地域の経済連携強化が欠かせない。今回の金融危機で米欧とも地域経済の強化を図るだろうから、アジアがそうした方向に進むのは必然的でもある。保護主義は阻止せねばならないが、地域経済の一体化は市場規模を拡大させるだけでなく、過度な米国依存も解消する。 一気に経済共同体はできないが、経済連携協定(EPA)の拡大や通貨安定では協力できる。先月に合意した日中韓の通貨交換協定の強化を一歩進め、アジア通貨基金創設など通貨制度改革の論議を加速させたい。財政も中長期的に健全化できる道筋を確実にせねばならない。それは増大する社会保障財源を確保しつつ、「骨太方針2006」で示した2011年度の基礎的財政収支黒字化と2010年代半ばの対GDP比債務残高圧縮という政府目標をどう達成するかだ。今回の財政健全化棚上げで目標達成は極めて厳しくなったが、せめて2011年度からの消費税を含む税制抜本改革を盛り込んだ「中期プログラム」を実行することだ。 それは将来不安による消費抑制と金利上昇リスクをもたらし成長の足を引っ張る。財政健全化が中長期的には最大の成長政策であることを忘れてはならない。指摘したアジア通貨制度改革では円が中心的役割を果たそう。通貨の安定を支えるのは健全財政である。逆境にあるときこそあわてずに、政府も企業も将来を見据えた戦略を練ることだ。周到な準備で禍を転じて福となすのである。

4日;毎日社説(全)09年チェンジ オバマ政権 のびやかな日米関係に 近現代史の知識を広げよう
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090104ddm002070075000c.html
『日本の戦後世代の多くが、明治から太平洋戦争敗戦までの歴史知識に乏しい。あえて言えば根底には日米関係がある。米国で今月20日、オバマ新大統領が就任するのに向けて、この問題を考えてみたい。
 ◇同盟の懸念材料◇ 世界を揺るがしている経済危機だけでなく、極めて深刻な課題が待ち受けている。オバマ氏なら流れを変えられるのではないか。米国の文化的、精神的なソフトパワーを発揮して、心に響く国際協調のハーモニーを奏でてくれるのではないか。だが日本では懸念も広がっている。イラクからアフガニスタンに軸足を移す予定の対テロ戦で、オバマ政権が同盟国に支援を求めるのは確実だ。この要請に日本は応えられるか。
 アフガンの治安はひどく悪化している。イラクのような自衛隊派遣はできないとなった場合、米国は巨額の費用負担を求めるという見方がある。安保条約は太平洋戦争の勝者と敗者の同盟だ。安全保障の根幹を米国に任せ、日本国内で広大な米軍基地の運用を認めるという特殊な状況は、戦争に負けたのだから仕方がないというあきらめや、軍備にカネをかけず経済発展できるのは結構なことだといった主張も背景に維持されてきた。
 しかし、開戦に至る経緯や原爆投下、東京裁判などをめぐって、米国へのわだかまりや日本内部の対立が今も残り、時には表面化する。表に出ない場合もある。ブッシュ大統領は日本の真珠湾攻撃と9・11テロを同列に扱う発言を続けた。学校での近現代史教育を難しくしている重要な一因は日米関係のこういう悩ましさである。一方、米側から見ても日米同盟は盤石ではない。安保条約による軍事面での統合が深まる一方、同盟を支える政治、経済、文化の人的ネットワークはひどく劣化した。中国系米国人が日系の3倍以上に増えた。日本の影響力も米国からの関心も希薄化している。日本研究でライシャワー元駐日大使の弟子にあたるケント・E・カルダー氏の近著「日米同盟の静かなる危機」(渡辺将人訳、ウェッジ刊)の指摘である。
 ◇まず知ることから◇ 結論を述べよう。悩ましい側面があっても日米同盟は重要である。北朝鮮が核計画を放棄せず、ロシアや中国の野心的な動向が目立つ現状ではなおさらだ。ところが日米同盟の実態と意味について一般国民の関心は十分でない。オバマ政権との付き合いを機に認識を深めることが望ましい。同時に進めるべきは、日本と世界の近現代史の基礎を学校でしっかり教え、大人も学ぶことだ。弱肉強食の帝国主義時代、日本がどのように興隆し、敗亡したのかを正しく把握しておきたい。その知識がないと、偏った情報を根拠に怒りをたぎらせ、かつて日本を滅ぼしたようなナショナリズムに陥る危険がある。米国との関係を、もっとのびやかなものにしたい。そのためには、わだかまりを解かねばならない。おそらく長い年月がかかる。

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シニアネット 『おいおい』 第802号

━━senior citizen net━━━━━ 2009/01/04━

 シニアネット 『おいおい』      第802号
 
━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━━

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 酔うて飲む水を頒ちて福寿草        遠藤梧逸

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昭和59年(1984)90歳のときの作。若い頃は酒豪であつた。この頃は、1日2合を楽しんでいた。正月に呑んだ酒のあと、水を飲んだ。酒の相手がなく、一人で飲んだ。福寿草の鉢がある。酒の相手をしてくれたかのように、水を頒ちて少し注いでやる。老境を楽しむ句である。<退官のやはり淋しく籐寝椅子>は代表作。
東京帝国大学法学部卒。逓信省へ入り、地方逓信局長、郵務局長を歴任。虚子と富安風生に師事。老境を静かに受け入れ、老境を楽しむ作品が多い。風生の「中庸俳句」を歩んだ人。岩手県生まれ。(1893-1989)。

┏━━ 四日(羊日)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 <快晴の四日の筑波むらさきに>(植村隆)。<おそなえに時計四日の夜の十時>(上野章子)。<火の気なき官舎に戻る四日かな>(戸垣東人)。三ケ日が過ぎ、普通の生活に戻り始める4日の夜10時。鏡餅がまだお正月の気分を残している。
正月行事は3日で終わり、4日は仕事始めのところが多い。例年の週日であれば、職人は仕事の道具を整え、農家は軽い農作業を行い、サラリーマンは出勤して半日で仕事を終える。証券取引所は午前の商いのみである。今年は明日の5日になる。占う日は、元日は鶏日、2日は狗日、4日は羊日。5日は牛日。6日は馬日、7日は人日。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━
  ◎新聞の元日号◎
元旦のお話。毎年、5紙の元日号を揃えて読み比べることにしている。近くのコンビニへ買いに出かけた。午後3時に行ったのが遅かった。スタンドには、産経と日本経済が残っているだけ。3紙は売り切れていた。元日号は週刊誌1冊分。輸送する量が限られる。駅の新聞販売店も休みである。
何時ごろ売り切れたのか不明だが、元日号は増量できないのか。ネットの記事では、長期的な見方、マクロ的な視点が分かりにくい。「社説をおちょくる」輩には、新聞の現物を見ることが、「五現主義」の基本である。今年の正月は、主力の強敵の「朝日新聞」を読んでいない。図書館へ行けば読めるが、「初刷り」のインクの匂いのする新聞を読み損ねたのは残念至極である。

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2009/01/03

(社説) 元旦の論調

┏━━元日の社説(朝日)━━━━━━━
1日;朝日社説(全)混迷の中で考える―人間主役に大きな絵を
http://www.asahi.com/paper/editorial20090101.html
■市場の失敗の大きさ ■ 人々を豊かにするはずの自由な市場が、ときにひどい災禍をもたらす。資本主義が本来もっているそうした不安定性が、金融規制を極限まで緩めたブッシュ政権の米国で暴発し、グローバル化した世界を瞬く間に巻き込んだ。このグローバル化を牽引したのが米国だ。株主や投資家の利益を何より重視する。働く人の暮らしや企業の責任よりも、お金を生み出す効率を優先する。1970年代からレーガン革命を貫いて今日に至る「新自由主義」の考え方に支えられた市場のあり方は、世界にも広がった。それが行き着くところまで行っての大破局だ。気づいてみれば膨大な数の米国民が仕事や家を失い、社会の格差は広がり、自動車をはじめ、製造業は見る影もない。人間や社会の調和よりも、利益をかせぎ出す市場そのものを大事にするシステムの一つの帰結である。
■格差と貧困の広がり■ この間、日本では何が起きたか。 バブル崩壊後の不況脱出をめざし、米国流の市場原理を重視した規制緩和が本格化してほぼ10年。小泉構造改革がそれを加速した。その結果、古い日本型の経済社会の構造がそれなりに効率化され、戦後最長の好景気と史上最高水準の企業収益が実現した。貧富の差が拡大し、働いてもまともな暮らしができないワーキングプアが急速に広がった。労働市場の規制緩和で、非正規労働者が働く人の実に3割にまで膨れ上がり、年収200万円に満たない人が1千万人を超えてしまった。 しかも、財政再建の下で雇用保険をはじめ、医療や公的扶助といった「安全網」は細るばかり。いったん貧困の罠にはまると抜け出せない。「一身にして二生を経るが如し」と言ったのは、封建の徳川の世と、明治の文明開化とを生きた福沢諭吉だった。軍国主義の帝国日本が滅び、民主主義の新生日本を築いたのは、わずか60年余り前のことである。いずれの場合も、私たちは大規模な変革を通して危機を乗り越えた。
■たくましい政治が要る ■ いま直面しているのは、世界的な金融システムの行き詰まりと、様々な矛盾を抱えて立ち往生している国内の経済財政システムの行き詰まりとが重なった、複合的な危機だ。その克服は、もういちど日本を作り直すくらいの大仕事になる。 国民が望んでいるのは、小手先の雇用や景気対策を超えた大胆なビジョンと、それを実行する政治の力だ。 ひたすら成長優先できた時代がとうに終わり、価値観が大きく変化するなかで、どんな国をつくっていくか。将来を見すえた国づくりに集中して資源を投下し、雇用も創出する。そうしたたくましい政治が要るのだ。
 世界の秩序も、これまでの米国一極支配が終わり、「多頭世界」が現れつつある。米国民は、市場原理主義と金融バブルで生じたゆがみを是正する役目をオバマ次期大統領に託し、彼と肩を組んで危機を乗り越えようとしている。日本でも、今年の総選挙がそうした場になるだろうか。冷戦後の20年間、バブルの絶頂からこの不穏な年明けまで翻弄され続けた日本。有権者の視線はかつてなく厳しいはずだ。

┏━━元日の社説(読売)━━━━━━━━
1日;読売社説(全)急変する世界 危機に欠かせぬ機動的対応、政治の態勢立て直しを
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090101-OYT1T00010.htm
『◆新自由主義の崩落◆ 新自由主義・市場原理主義の象徴だった米国型金融ビジネスモデルの崩落が、世界を揺るがせている。急激な信用収縮は、実体経済にも打撃を与え、世界は同時不況の様相を深めつつある。先進諸国は、歴史的教訓を踏まえて、さまざまな政策手法を積み重ねてきた。危機発生後、直ちに協調利下げを実施したのを始め、その後もさらなる金利の引き下げや、通貨供給量を増やすための量的緩和および公的資金の注入、財政出動などを進めている。世界金融危機の発生当初は、日本の傷は世界で最も浅いとの、楽観論、強気論もあった。ところが、戦後最長とされる景気拡大を牽引してきた外需・輸出が、にわかに変調を来した。輸出関連業界の急速な業績悪化を引き金に、雇用、企業倒産、消費動向など、様々な経済指標が、日々、急速に悪化している。
 ◆内需拡大に知恵絞れ◆ 世界経済の混迷は、数年間は続くという見方が多い。早急に、新たな商品の開発、新市場開拓などによる輸出戦略の立て直しに取り組まなくてはならない。景気の底割れを防ぐため、内需拡大を急ぐ必要がある。日本の強みは、減少したとはいえ、まだ1467兆円もの個人金融資産があることだ。このうち、150兆円から170兆円が平均的な個人のライフサイクルから見て「余剰貯蓄」といえるとの、総合研究開発機構(NIRA)による試算もある。また日銀は、投資や利殖より安全を志向する当座・普通預貯金としてほぼ眠っている資金が、120兆円あると見ている。こうした“眠れる資金”を掘り起こして活用することは、重要な政策課題だ。内需拡大に向け、社会保障や、雇用対策などを中心とする景気振興に使途を限定すれば、国民も納得するに違いない。
 ◆日米同盟の維持が重要◆ 世界経済が混迷する中でも、日本の国際社会への関与、協力の在り方は、引き続き、見直しを迫られよう。当面は、対外関与の軸足をアフガニスタンに置くとするオバマ米次期政権が、日本にもアフガン本土の治安回復活動への自衛隊参加を求めてきた場合にどう応えるか、という問題がある。日本は、たとえば、北朝鮮の核開発問題にしても、日米同盟関係抜きに、単独で解決することはできない。急速に軍備増強を進める中国との関係を考える場合にも、緊密な日米同盟の継続が前提となる。国連が各国に求めているソマリア沖の海賊対策に中国も軍艦を派遣するのに、日本関係船舶が多数通航するにもかかわらず明確な方針を打ち出せないでいる日本を、米国はどう見るか。
 ◆「党益より国益」を◆ 9月の衆院議員任期切れまでには確実に総選挙があるが、党益より国益、政局より政策を優先し、できるだけ早く“政治空白”を解消して、政治の機動性を回復しなくてはならない。しかし、次回総選挙では、自民党、民主党とも、単独過半数を獲得するのは難しいとみられている。すでに、与野党を通じ、そうした選挙結果を想定した政界再編、連立絡みの動きもある。結果として、それがいかなる形の政権になるにせよ、肝要なのは、世界の先行きについての中長期的展望を踏まえた政策を、迅速かつ強力に推進できる政治態勢であることだ。政治家も、国民も、世界と日本が険しい難所に差し掛かっているのだということを、常に心しておきたい。

┏━━元日の社説(毎日)━━━━━━━━
1日;毎日社説(全)09年チェンジ 日本版「緑のニューディール」を 環境の先導で成長を図れ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090103k0000e070015000c.html
『問題は経済だ。単刀直入に言って、ここは政府の出番である。戦後の不況で最もきついものとなる。必要な財政出動をためらってはならない。問題は何が「必要」なのかということだ。旧来型の公共事業に予算をばらまくのでは知的怠慢だ。
 ◇新モデルを求める◇ これから需要の増加が見込める成長分野に集中投資すべきなのは当然だ。高齢社会に対応した医療、介護、高齢者ケア、そして教育である。実際、米国で雇用が増加しているのはこうした分野だ。だが、今後数十年にわたる「国のかたち」を考えれば、環境投資の比重が限りなく重い。時代は大きく転換しようとしている。米国発の世界不況が明らかにしたのは、実は資源・エネルギーの大量消費を前提とする成長モデルの破綻(はたん)である。世界はそれに代わる新しい成長モデルを求めている。
 米国のオバマ次期大統領は環境投資をパッケージにした「グリーン・ニューディール」をオバマノミクス(オバマ大統領の経済政策)の柱のひとつとする考えという。大恐慌からの脱却をめざしてフランクリン・ルーズベルト大統領が打ち出したニューディール政策の環境版である。10年で中東石油への依存を断ち切るために総額1500億ドルを投資、再生可能エネルギーの開発・普及を推進する。これによって500万人の新規雇用を見込むという。
 李(イ)明博(ミョンバク)韓国大統領もまた「グリーン・グロース(環境成長)」戦略を打ち出した。エネルギー効率を飛躍的に高めることで、持続的な成長を確保する。李大統領は「グリーン成長はその道を歩むか歩まないかの問題ではなく、必ず進むべき道である」とその時代的意味を語っている。
 私たちは日本もまた、日本版の「緑のニューディール」に踏み出すべきだと考える。それも、各国を上回る大胆さで。政府資金を環境に集中投資して需要不足を穴埋めし、中長期的に環境産業と環境技術が日本の成長を先導する経済・社会システムをめざすべきだ。石油など化石燃料に依存する成長は長期的に持続不可能だ。実用段階の太陽光発電と次世代自動車を飛躍的に普及させることを提案しておきたい。政府は太陽光発電世界一の座をドイツから奪還するため、設置補助を再開したが、物足りない。この際、2兆円の定額給付金を中止しそれを太陽光発電に回したらどうか。環境投資を軸とする経済成長は可能なのであり、その図柄をどう描くかの国際競争が始まっている。
 ◇潜在力を引き出す◇ 80兆円規模ともいわれるオバマ次期大統領の空前の景気刺激策で、米国と世界が不況脱出のきっかけをつかめるか予断を許さない。しかし、そのリーダーシップは強烈な磁場で米国人を引き付け、潜在力を引き出そうとしている。日本には資金もあれば知恵もある。しかし、政治が明快なビジョンと強いリーダーシップを欠いている。年頭に当たって、改めて早期に衆院を解散し総選挙を行うよう求めたい。新たな民意を得た政権が、日本版「緑のニューディール」に丈高く取り組むことを切望する。

┏━━元日の社説(日経)━━━━━━━━
1日;日経社説(全)危機と政府(1)賢く時に大胆に、でも基本は市場信ぜよ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081231AS1K2400531122008.html
『●役割の再定義が必要● どんなときに、どの程度の関与が望ましいのか。「小さな政府」から「大きな政府」へ振り子がふれるなかで政府の役割の再定義が必要だ。市場を信頼し自由競争を重んじるこの保守主義の政策が金融危機を招いたとする見方もあるが、必ずしも正しくない。保守主義は「何でもご自由に」ではないからだ。問題は米欧の金融当局が、この政策思想を適切に運営しなかった点にある。所得も蓄えもないような人にまで住宅ローンを貸し、その債権を証券にして売る。そんな詐欺まがいの取引を見逃したのは金融当局のミス。金融危機の再来を防ぐため規制や監督の強化はぜひ必要である。
一方、金融・経済の危機を受けて各国が取り始めた財政・金融政策は「大胆に、しかし一時的に」が大原則だ。30年代の大恐慌の後、ケインズが提唱したのは、景気の落ち込みをなだらかにする短期的な政策である。ノーベル経済学賞を受賞したJ・ブキャナン氏は、このケインズ的な財政政策は民主主義の政治過程のなかで財政を悪化させる傾向があると指摘した。国と地方の長期債務が国内総生産の1.5倍に膨らんだ日本はその典型である。
 昨今のように、市場経済の心臓部である金融部門が傷み、景気や雇用が落ち込むときには、大胆な財政活用も必要である。だが、そうした政策をダラダラと続けないためには、次の景気回復を引き寄せるような戦略的なカネの使い方が大事だ。
 この時期にもう1つ重要なのは政府が保護主義に傾かないことだ。米国の自動車救済融資はやむを得ないが、欧州などの多くの国がマネし始めたのも事実。世界貿易機関(WTO)の協定にも触れるこの種の措置は、保護主義の連鎖を起こし貿易を縮小させかねない。WTOの多角的貿易交渉の大筋合意は年越しとなり農産物市場の開放問題を抱える日本政府はホッとしているが、そんな場合ではない。保護主義の広がりを抑えるため、貿易立国の日本こそ交渉の先頭に立つべきである。
●役人の便乗を許すな ● 規制や権限を強めようという動きが中央官庁や地方自治体の間で活発になっているのも憂慮すべき事態である。厚生労働省はインターネットによる医薬品の販売を規制する方針だ。国土交通省が検討するタクシー業界への参入規制復活も弊害が多い。地方自治体では、低価格で髪を刈るだけの店に洗髪設備を義務づける動きもある。小泉政権の下で郵政事業の民営化などに踏み出したものの、医療、農業、教育、運輸など成長につながる多くの分野で、民間の力をいかすための改革が足踏みしている。この歩みはさらに遅れるのだろうか。賢くて強く、社会的弱者を守れる政府は必要だが、企業の活力をそぐお節介な政府や、国を借金漬けにする放漫な政府は要らない。経済の面では、市場経済がうまく回るような環境づくりを過不足なく進めるのが本来の役割だ。「大きな政府」待望論が強い今、あえて強調したい。

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シニアネット 『おいおい』 第801号

━━senior citizen net━━━━━━ 2009/01/03━

  シニアネット 『おいおい』      第801号
 
━━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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 神慮今鳩をたたしむ初詣         高浜虚子

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昭和10年1月1日の作(61歳)。元日午後、鎌倉鶴岡八幡宮に初詣。大晦日東京に在し、元日未明に明治神宮に参拝した。鎌倉の自宅に戻り、午後改めて鶴岡八幡宮に初詣した。現在の鶴岡八幡宮は人が溢れ、鳩が歩む地面はない。源平池の橋を渡り、参道を進むと、なにかの拍子に鳩が一斉に飛び立った。それを虚子は「神慮」と詠んだ。
しかし、初詣の人で込み合っている中、鳩が飛び立つ地面はいくらでもあったとは考えられない。八幡宮の屋根にいた鳩が一斉に空へ舞い上がったと考えられる。神前へ向かう石段から見える空は、由比ケ浜まで,まっすぐに見渡せる。新年の青空を鳩が陽に輝きながら舞い翔った。「神慮今鳩をたたしむ」と叙した風景である。虚子の神への賛美でもある。
当時は、近郷の人が参拝したが、大臣の参拝もあった。特に、武運長久を祈る軍人が多く参詣した。もともと源頼義が戦勝のお礼として石清水八幡を由比が浜に勧請したものだから。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━
 元旦の朝は、我が家で息子の家族と屠蘇を酌み交わし、白みそ味の丸餅の雑煮で祝う。今年は、京都杉本家のやり方を学び、仏壇にみんながお参りしてから食事にした。同じ宗派の浄土真宗であるから、正月の歳の神様とお釈迦さまと共存してもいいのだと解釈した。
 驚いたことが起こった。小学5年の男の子が、妻からが先年にもらった数珠を持参していた。この孫は、自分の意志で持参したのである。どうして持参したかは聞かなかった。妻が、「あなたは当家の跡取りですからね、しっかりしなさいよ」とプレッシャーをかけたためかとも気にした。篤姫のテーマの「家族」という言葉を反芻した。孫の素直な性格を正しく伸ばしてくれよと息子夫婦に頼んだ。

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2009/01/01

シニアネット 『おいおい』 第800号

━━senior citizen net━━━━━━ 2009/01/01━

    シニアネット 『おいおい』      第800号
 
━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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今年はと思ふことなきにしもあらず    正岡子規

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明治29年(1896)作。前書きに、「30而立と古の人もいはれけん」とある。「今年はと思ふこと」(志)である。30歳の自立どころか、歳は幾らになろうとも暖めている志は数限りない。毎年毎年の「思ふ」ことは、尽きない。この年は、句作で最も白熱した年であった。一人の俳人とは思えないような、句作ぶりだ。同年の暮れには、<行く年を母すこやかに我病めり>と詠んだ。年末には、腹を括ったようだ。
前年の1895年に、日清戦争に従軍記者として赴き、帰国途中、喀血、病を悪化させた。最後の奈良への関西旅行をして、長い闘病生活に入る。「明治29年1月歩行僅かに出来居り久松伯凱旋の祝宴にも連りたり」とある。こうした病状でありながら、やりたいことはやまほどある。そうした気持ちが込められている。松山市生まれ。(1867-1902)。

┏━━800号通過━━━━━━━━━━━━
あけましておめでとうございます。2009年の年賀を申しあげます。小紙が、目出度く800号を通過しました。 
攻撃目標の5紙の社説が面白くなくなりました。社会全体が閉塞状態になったのかも知れません。社説が「解説社説」が主流となり、高い視点から論調を張る社説が減った。ころころと論点を変える社説が多く、どっしりと構えた論調が少数派である。時代の趨勢だろうか。
 特に、高齢者に対するバッシングが強く、なけなしの年金に、所得税だ、社会保険料だと負担を強いて来ている。「静かな一揆」と新聞の論調は表現したが、「大声をあげる一揆」の元気はない。負担に対して福祉の見返りが問題だ。源泉徴収するのは、財政の原則だろう。所得税の負担が限界に来ている。消費税で平等に負担する税制にチェンジしなければならない時期にある。声高に主張しよう。
 日本のあるべき姿が見えない。ゴールを示して、頑張れば幸せになれるのだよ、というミッションが見えない。ミッションを展開する戦略が示されない。マネジメントの不足である。マネジメントは、企業運営だけではない。非営利組織(NPO)においても大切である。今年は、「非営利組織のマネジメント」を真剣に取り組んでみたいと思います。800号通過の元旦に、そう考えた。初夢ではありません。

┏━━「歳時記」━━━━━━━━━━━━
大晦日に長男の孫たちが、帰ってきました。あいさつ代わりに、俳句の「百人一首」といえる「5色名句百選かるた」を説明した。5色とは、俳句が新年と四季が5分類させている。下5句が取り札である。さっそく、新年のカードを20枚並べて遊んだ。まずますの評判だった。その後、取り札の増加策は、「歳時記」の「新年」の部を勉強すれば取り札増加につながると説明した。環境問題とも深くかかわり合えるという点や日本も伝統行事が稲作と深い関係あることも納得をえた。
孫は、長女が中学1年生、長男が小学5年生である。エネルギーを「歳時記」に向けようかと思いはじめた。世間は混沌としてきたが、1老人の力ではどうしようもない。「歳時記」の解説なら、世の中のためになるかも知れない。今年の目標の1つにしようか。
http://www.kadokawagakugei.com/topics/special/20080512_01/

┏━━京都杉本家の正月━━━━━━━━━━
「日本の歳時記」に,杉本家のくらし暦が,杉本千代子さんにより毎号紹介されている。正月の行事は質素であるのに驚いた。浄土真宗の門徒の家では仏壇の荘厳を第一として、門松は飾らない。床飾りもいたって簡素にしている。松を生けるようになってのは、伏見の実家のならわしで加わった。
 3が日のお料理も「歳中覚」に細かく記されている。それぞれ長寿や子孫繁栄の、豊作への願いが込められている。ごまめ、数の子、ごぼうを加工する。お雑煮は、元旦と2日は白味噌、3日はおすましです。宮中の習慣が商家へ及んだ。お餅は、丸餅で具もすべて、「円満に角が立たないように」丸い型にします。
 料理は「おせち」でなく、「重詰め」で大晦日に蔵からこの重や祝い膳、家紋入りのお椀を運びだし、三種の肴を詰める。元旦の朝、家族そろってお仏壇の前に座り、お線香をしたあと主人が新年の挨拶をします。初詣りは、東山の先祖の墓にお参りしてその帰りに、清水さんや八坂さんに寄って挨拶するくらいです。
 今年も家族揃って健康でありますようにのお祈りなら、親鸞さんもお咎めなさらいないでしょうね。長年の疑問が解けた。浄土真宗と神道のバランスがとれて、晴れ晴れとした元旦である。
http://www.shogakukan.co.jp/saijiki/http://www.shogakukan.co.jp/saijiki/

┏━━寂聴「日めくり暦」━━━━━━━━━━
 毎年、愛用している。元気を頂き、前向きな生き方ができる。毎日1枚ずつ、破って行く。
元日の日めくりは、「あけましておめでとうございます。暗い顔をしていたら、良い運はめぐっきません。常に明るい前向きに生きていたら、自然に良い運が寄ってくるものです。」
 2日は、「日めくりを1枚めくり取るとき、その日1日はすでに過去へと葬られます。新しい明日は真っ白で、そこに何が起こるかわかりません。日めくり暦は時間の流れを実感し、気持ちを引き締めてくれます。」。
 3日は、「人間の一生は“生に始まり死に終わる”という事実をよく認識すべきではないでしょうか。1日、1
瞬を精一杯生きるほかないのです。」。
http://www.onsei.co.jp/hohoemi/reki/himekuri2009.html

┏━━明治6年元旦━━━━━━━━━━━━
  旧暦では明治5年12月3日にあたるこの日が、太陽暦の施行の明治6年元旦となる。諸外国との国交にきわめて、不便であった。欧米の実施しているグレゴリオ暦に接しその簡便さに驚く。しだいに、太陽暦採用の気運がたかまった。
明治5年11月9日(旧暦)、政府は突如改暦を発表した。「来る12月3日を明治6年1月1日とする。」と「時刻法を1日12辰刻制から1日24時間の定時制に切り替える。」ことを布告した。この発表の11月9日は新暦の12月9日にあたる。発表から実施まで、わずか23日しか残っていなかった。明治6年の暦は10月初旬より全国で540万部が発売済みであった。
極秘裏に改暦が進められていた。その実情は、火の車の財政事情が裏にあった。旧暦では、6月に「うるう月」がり、年俸制から月給制であるから、1月分余分に払わなければならなかった。それに、新暦にすれば、12月分を払う必要がない。2か月分の給与を節約するためであった。財政事情から、新暦採用を強行した。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━
 今日の元旦は1秒だけ長い。日本では午前9時の直前に、「8時59分60秒」が存在する。地球の自転のズレを調整する「うるう秒」である。1秒であるが、金融市場ではその1秒間に変化が起こる。スポーツ競争では、1秒の何分の数秒で優勝者と敗者になる。
 そうなると、たかが1秒ではすまされない。「うるう秒」の1秒に意味を考えてみることも大切である。「1銭を笑う者は1銭に泣く」とはよく言う。「1秒を笑う者は1秒に泣く」とは言わない。お金より、時間の方が大切だと思うが。お金は、小額でもお金である。時間の最小単位はせいぜい分が単位だろうか。日常の生活では、ストッポッチは使わない。腕時計の長針と短針の表示で十分であるから。

(おことわり)今年は,元旦号は、昨年のうちに編集を終わりました。新春の社説のサマリーは、次号に送らせていただきます。

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