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2008/12/31

(社説)2008年の回顧

┏━━2008年の回顧━━━━━━━━━━
31日;毎日社説(全)08年を振り返る 国家のきしみが聞こえる
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081231k0000m070095000c.html
『 日本という国のシステムがあちこちできしんでいる。ネジの締め直しや部品交換では済まず、船体の大幅改修やかじ取りらの交代も検討せざるを得まい。
 ◇静かな「一揆」◇まずは政治である。海図を失った船のようにとにかく浮かんでいる格好だろう。庶民から見れば漂流とも迷走とも映る。自民党は何がおかしくなったのか。作家の塩野七生氏によると、もっぱら自民党が首相を決めてきた日本と「執政官は元老院が決める」とした共和政全盛期の古代ローマはよく似ている。こうした少数指導体制は成長期には機能するが、環境が変わると人材活用のメカニズムが狂う。「自分ではうまくやっているつもりなのに、それがかえって足を引っ張る結果になってしまう」(「ローマから日本が見える」)という指摘は興味深い。日本は、古代ローマのような衰退を経験しているのだろうか。
 数々の不祥事を抱える社会保険庁では年金記録の組織的改ざんが発覚し、国家機能の「腐食」は目を覆わんばかりになった。庶民感情を逆なでした点では、新しい医療制度もそうだ。「後期高齢者」という言葉などに対するお年寄りの反発は、静かな「一揆」ともいえるものだった。草の根的な「一揆」は他の分野でも起きた。頻発する非正規雇用労働者らのデモは、労働運動が低調な日本にあって、精いっぱいの抵抗ともいえよう。
 田母神俊雄航空幕僚長の論文問題は、日本の文民統制(シビリアンコントロール)に重大な懸念を抱かせた。田母神氏がいくら「表現の自由」を主張しようと、五百旗頭真・防衛大学校長が言うように個人の思想信条の自由と、職責に伴う義務とは別問題だ。国家の意思として兵員・装備を最終的に動かす制服組幹部が、政府方針に公然と異を唱えるようでは国が危うい。現実の日本の安全保障も悪化した。米ブッシュ政権は北朝鮮の核問題を解決できない上、北朝鮮へのテロ支援国家指定も解除した。日本への直接的な脅威(核兵器とミサイル)は手つかずで残り、拉致問題も進展しない。そんな危うい現状を多くの日本人が十分認識しているとは言い難い。
 ◇日本ミッシング◇  中国が五輪開催などで存在感を増したのに対し、日本の存在感が薄れたことは否めない。米国を中心に「ジャパン・ナッシング(無視)」や「ミッシング(行方不明)」などの言葉が飛び交い、日本側も小泉政権時の「世界の中の日米同盟」といった言葉をとんと使わなくなった。
 ケネディ大統領の特別補佐官を務めたアーサー・シュレジンジャー氏はブッシュ時代について「アメリカが海外でこれほど不評であったことはかつてなかったし(中略)これほど信頼を欠き、恐れられ、憎まれたこともなかった」(「アメリカ大統領と戦争」)と酷評する。だが、日本がイラク戦争をいち早く支持したことを忘れてはならない。ブッシュ時代の終わりに日本が何の総括もしないなら、それこそ国家的なモラルハザードと言うべきである。

30日;日経社説(全) あまりにも激しい経済環境変化の1年
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081229AS1K2600B29122008.html
『米国を震源とする金融危機は世界のすべての市場に甚大な影響を及ぼし、急速な景気冷え込みは雇用問題の深刻化を伴いながら年を越す。
●空前の幅で相場が変動● 高騰し急落した原油相場は、経済激変の年の象徴ともいえる。昨年夏に米国のサブプライムローン問題が噴き出すまで、世界の経済情勢は「資源高騰下の同時好況」と呼ばれていた。その後、今年夏までは「景気減速とインフレの同時進行」が焦点だった。秋以降は日ごとに世界不況の様相が深まり、デフレ色も強まっている。短期間に経済環境がこれほど大きく変わり続けたことが、かつてあっただろうか。
 9月に米投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻した衝撃は、とりわけ大きかった。実体経済に比べ膨張しすぎていたマネーの経済が猛烈な勢いでしぼみ始め、株式からも商品相場からも新興市場国からも、投資資金が一気に引き揚げて、主要国の国債やキャッシュに逃避した。米欧などで短期資金市場や社債の発行市場が一時、機能マヒ状態に陥った。
 各国政府、中央銀行は国内金融機関への公的資金の注入を急ぎ、利下げや市場への緊急の資金供給など、対応に追われた。米連邦準備理事会(FRB)が12月に政策金利の誘導目標を実質ゼロまで引き下げ、量的緩和政策に踏み込んだことは、信用収縮の深刻さを端的に示す。
 前年度に2兆円を超える連結営業利益を計上したばかりのトヨタ自動車が今年度は赤字に転落する見通しになり、衝撃が走った。関連産業のすそ野が広い自動車メーカーの苦境は、来年にかけて景気と雇用により大きな影響を広げていく。日本では、年の瀬になって自動車メーカーなどを中心に非正規労働者の雇用を減らす動きが相次いだ。景気と雇用情勢の悪化が急速に進んでいるのに、政治の対応は後手に回った。麻生首相の支持率が短期間で急速に低下した最大の理由も、「政局より政策」と言いながら今年度第2次補正予算の提出を来年に先送りしたことだった。
●枠組み見直しの契機に● 麻生首相は年明け後の通常国会に提出する2次補正予算案と来年度予算案を「生活防衛のための大胆な実行予算」と呼び、世界で最初に不況から脱出することを目指すという。主要国が相次いで財政出動を拡大する中で日本の財政措置の規模も大きい。だが、定額給付金など効果が疑問視される政策もあるし、衆参ねじれ国会で審議が長引けば、政策対応はさらに遅れる。衆院選挙がいつごろになるかも含め、政治の展望は不透明なまま新年を迎える。米国ではオバマ次期大統領が経済政策担当者をいち早く任命、1月の就任後2年間に300万人の雇用を創出する目標を掲げた。潤沢な資金を抱え、経済成長率も高い新興国抜きでは世界的な危機への対応が難しくなった国際経済力学の変化を示す。今回の金融危機が、第二次大戦後に続いてきたドルを基軸通貨とし、米国のパワーに依存した世界経済の枠組みを、見直す契機になりつつあることも、認識すべきだろう。

30日;産経社説(全) 回顧2008 「変」の先に灯りともせ 安全網の再構築が問われる
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081230/stt0812300307000-n1.htm
『今年の漢字に「変」が選ばれた。変には「かわる」「うつりかわる」「ふつうではない」といった意味がある。
 ≪米欧金融危機が急波及≫  米国発の金融危機は9月の米大手証券リーマン・ブラザーズの破綻以後、実体経済を急激に悪化させた。輸出不振と円高、資金繰りの悪化は企業を直撃し、今年3月期決算で2兆円超の営業利益を上げたトヨタでさえ、来年3月期は営業赤字が確実な見通しだ。こうした企業の経営環境の悪化はすぐに生産、投資の抑制につながり、雇用情勢に響いた。雇用の悪化は、非正規社員をめぐる安全網の不備を浮き彫りにした。今や雇用者の3人に1人が非正規社員だ。年の瀬なのに、ハローワークには失業者が列をなす。雇用の安全網の再構築と雇用制度全体の見直しが緊急の課題である。
  ≪根深い政治不全の構図≫  しかし、こうした安全網を期待する国民の声に対して政治はあまりにも力不足ではないか。与野党とも政策論議そっちのけで、解散・総選挙に向けた土俵をいかに有利につくるかに党利党略をめぐらすばかりである。政局の変化を自らつくろうとした福田康夫前首相も政治の混迷に拍車をかけた。後を継いだ麻生太郎首相は景気悪化で解散のタイミングを失い、与党が参院で主導権を握れない「ねじれ国会」で苦悩する構図が続いている。
 米国民は、「チェンジ」(変化)をスローガンに掲げたオバマ氏を大統領として選び、経済の立て直しを託した。オバマ氏の勝利は、金融危機によってもたらされたといってもいいだろう。新政権に期待されるのは、景気浮揚に向けた政策総動員である。日本も取り巻く状況は同じであろう。年明け早々、雇用対策を含む第2次補正予算案や来年度予算案の審議が始まる。政争に明け暮れる暇はないはずである。国際情勢をめぐる変化も気がかりだ。イラクの復興支援活動に当たっていた航空自衛隊は撤収したものの、インド洋での海上自衛隊による米軍などの艦船に対する給油・給水活動は来年7月まで半年間延長されることになった。ソマリア沖の海賊対策のため、自衛隊派遣の検討も始まった。日本は来年、国連安全保障理事会の非常任理事国になる。今後、アフガニスタンへの復興支援について米国など国際社会から協力要請が強まるとみられる。重病説も伝えられる北朝鮮の金正日総書記の動向と拉致・核開発問題では微妙な変化も見逃してはなるまい。
 こうした内外の山積する課題に解を見つけていくのが政治の役割である。変化の先に希望の灯りをともすのは政治の責任だということを改めて認識してほしい。

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シニアネット 『おいおい』 第799号

━━senior citizen net━━━ 2008/12/31━

シニアネット 『おいおい』        第799号
 
━━━━━━行動のための情報紙━━━━

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ゆく年のゆくさきのあるごとくゆく   鷹羽狩行

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昭和48年(1973)作。自選自解によると、「大晦日の夜半、刻々と年の終わりが近づく。すぐ終わるこの1年は、少しもあわてず、悠々然として去るかのようだ。だが、落ち着いて消えてゆくのは、あるいは現在よりもはるかに巨大な過去という世界へ移行を十分に自覚しているからかもしれない。(中略)去りゆく年の到着点は、現在も未来も、みな併呑してしまう過去である。そのような時間の到着点は、確かに掴みとりにくく理解はできない。しかし、時は、どこかに終着駅の“ゆくさきの・あるごとく・ゆく”。」
難解な時間の解釈だが、「ゆく年」は「ゆくさきのあるごとくゆく」と素直に受け入れたい。激変の2008年さようなら。新しい2009年がいい年でありますように。
山形県新庄生まれ。(1930- )。

┏━━雪下出麦━━━━━━━━
  本年最後の72候(第66候)。「せっかむぎをいだす」。一面雪におおわれていても、雪の下では麦が芽を出し始めている頃。

┏━━「己丑」の年 ━━━━━━
変化の激しい2008年も終幕です。辛抱強く愛読いただきありがとうございました。
今年は「戊子」の戊は茂と同じで、樹木が繁茂しすぎて剪定して整理する年回り。子は、新しい生命力が芽生えてくる年。新しい生命力を伸ばすために樹木を整理整頓しなければならない。乱れるままになった年。
来年は、己丑(きちゅう・つちのとうし)の年です。己は「紀」を省略した文字で、乱れた糸を正して通すという意味。今年の「戊」が樹木の繁茂した状態で、ごたごたしたことが多く起った。来年は、これを受けて筋を通す年回りになる。丑は「紐」と同じ意味で、曲ったものを伸ばすということ。己も丑も筋を通していく意味である。来年は、ごたごたしたことを正しく規律立てる年です。
前回の己丑は、昭和24年(1949)。第24回衆議院選挙、法隆寺金堂の壁画焼失、経済安定制作ドッジライン明示。国鉄総裁下山定則軋轢死、国鉄第2次人員整理6万2千人、松川事件、湯川秀樹博士ノーベル賞受賞。なんとなく似たような事件が起こりそうだ。その前の明治22年(1889)は徴兵令、大日本帝国憲法公布、米と改正通商航海条約調印、東海道本線新橋―神戸間全面開通。
新しい年が、「正しく規律を立てる」幸せな年であることを祈念します。引き続き、愛読をお願いします。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━
瀬戸物の陶器で作られた干支の動物の置物をいただいた。当たり年のネズミの今年だけと思っていたら、来年の牛が届いた。我が家では、置物が引継ぎ中である。白ネズミに打ち出の小槌を配した2008年用。2009年用は白い大型の牛。「牛は古くから尊ばれてきた動物で、今も豊作祈願の祭りに登場する。牛に引かれた善光寺詣も徳あるものの象徴としていわれた諺。」と製品の説明書きがある。
来年の牛の製作ポイントは、「愛らしく親しみを持てる目と尾」だそうだ。ネズミと牛が並ぶのも、今日だけになった。2つの小さな置物に、なんともいえない白い色である。ボーンチャイナの素材が美しい。出窓のある棚で食卓の横に置いてある。食事のたびに眺めている。

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2008/12/29

シニアネット 『おいおい』    第798号

━━senior citizen net━━━━━ 2008/12/29━

    シニアネット 『おいおい』    第798号
 
━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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   山国にがらんと住みて年用意      広瀬直人

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平素は、山国の大空間に住んでいる。誇らしく思う。ゆったりと暮らす日々が流れている。飯田親子に師事した。山梨県の田園地帯に住み自然と生活が融合した中から俳句を生み出した。「日常の肌着のような気分になってから、一層おだやかな心境に有るように見える。」(飯田龍太)。悠久な時間が流れている「山国」での年の暮れである。
 「年用意」は、新年を迎えるためにするいろいろな準備。煤払いという大掃除、餅つき、床飾り、松飾り、年の市の買い物、おせち料理、新年用の汁器の取り出し、晴れ着の準備など。忙しい中にいそいそとした気分になる。新年を待つ気持ちは格別である。山梨県生まれ。(1929― )。 

┏━━地下鉄記念日━━━━━━━
  昭和2年(1927)12月30日に、日本で初めて地下鉄が東京の上野と浅草の間、2.2Kで開通した。大正14年(1925年)9月工事開始して、2年3ケ月で完成した。この日1日で、10万人の人が乗車した。自動改札で1回に120人乗車10両編成。乗車時間4分50秒。料金は10銭。当時のコーヒー1杯の値段と同じ。世界では、1863年ロンドンで初めて開通した。

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(社説)ガザ空爆

ガザ空爆
パレスチナで深刻な事件が起きた。国際的な仲介なしには、解決の糸口は見つからない。4紙の論調は、国際仲介の努力を論調した。イスラム原理主義のハマスが実効支配する自治区ガザをイスラエル軍が大規模な空爆を実施した。死者は300人近いとの情報もある。今月19日にイスラエルとハマスの半年間の停戦合意が失効し、ガザ側からイスラエルへのロケット弾攻撃が続いたことに対する報復措置だという。イスラエルの攻撃によるパレスチナ人の1日の死者数としては、過去最悪の規模とも伝えられる。暴力の連鎖で、さらに多くの血が流れる恐れが強い。国際社会はあらゆるチャンネルを通じて事態沈静化のための外交を進める必要がある。

29日;毎日社説(1)ガザ空爆 国際的仲介で流血の拡大防げ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081229ddm005070141000c.html
『なぜこうした流血が続くのか。深刻なのは、この紛争には公正で力のある仲介者がいないことだ。米露や国連などによる調停の枠組みはあるが、イスラエルを説得できるのは実質的に米国だけだ。その米国は昨秋、08年末までの中東和平合意の達成に努めることを表明したが、ブッシュ政権はさして努力した気配もなく早々に達成を断念したようだ。今回の空爆に関してハマスは反撃を宣言し、イスラエル側もガザへの地上侵攻を辞さない構えだ。国連安保理やアラブ連盟なども知恵を絞ってほしい。国際社会に求められるのは双方に存在する和平への意思を育て、融和を仲立ちすることだ。
米国ではユダヤ系組織が強い影響力を持つため、米政府がイスラエルの譲歩を必要とする和平仲介に乗り出すのは難しい側面もある。ユダヤ系組織の反感を買えば大統領再選は難しくなると言う人も多い。実際、エジプトとイスラエルの和平を仲介したカーター氏も、91年に歴史的な中東和平会議を開いたブッシュ氏(現大統領の父親)も再選に失敗した。クリントン政権がイスラエルとパレスチナの首脳を集めて集中的な仲介をした00年は、2期目の終盤にあたる。しかし、オバマ氏は、1期目から仲介に努めてほしい。ブッシュ政権の8年と合わせて十数年の空白が生じる。米国の仲介が難しいというなら、国連を中心とした実効ある枠組みに転換すべきだ。パレスチナの惨状は一日も早く終わらせなければならない。

29日:朝日社説(1)ガザ空爆―まずイスラエルが自制を
http://www.asahi.com/paper/editorial20081229.html?ref=any
『国連緊急安保理も招集された。国際社会は何よりもイスラエルに対して軍事行動の自制を強く迫る必要がある。 イスラエルは昨年夏以来、ハマスが実効統治するガザ自治区の封鎖を続けている。これに対してハマスはイスラエル南部の都市に向けて手製のロケット弾を撃ち込んだ。 ハマスのロケット攻撃は非難されるべきだ。威力や命中精度が低いとはいえ、いつ飛来するかも知れないロケット弾へのイスラエル市民の恐怖は理解できる。イスラエルがこの時期にこうした強硬な行動に出た理由として、国内外の政治的な背景を指摘できるだろう。
国内的には、総選挙が来年2月に控えていることだ。世論調査などによると、現在のカディマと労働党の与党連立は、対パレスチナ強硬派のリクードに対して劣勢と伝えられる。軍事的な強硬姿勢を示して、国民の支持を盛り返そうという狙いではないか。外的な要因は来月の米政権の交代だ。対テロ戦争を進めたブッシュ政権から、対話や協調を掲げるオバマ政権になる。次期大統領の和平攻勢をあらかじめ牽制しておこうとしているのではないかという見方が可能だ。 イスラエルは攻撃の継続を掲げ、ハマスは報復を宣言した。アラブ世界にも攻撃への怒りが広がっている。紛争を拡大させてはならない。
 危機を抑え込むには、米国の指導力が必要だ。イスラエルを説得して攻撃を停止させ、さらにアラブ諸国のハマスへの影響力を生かして新たな停戦合意をつくるしかない。 米国はこれまで安保理などで常にイスラエル擁護の姿勢をとってきた。真の友人を自任するなら全力で説得にかかってほしい。

29日;日経社説(1)中東の暴力の連鎖防ぐ外交が急務だ
 http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081228AS1K2800128122008.html
『ガザからイスラエル領内へのロケット弾攻撃などが相次いでいたため、イスラエルはガザ攻撃を自衛行動と位置付けている。ハマスやイスラム聖戦などパレスチナ側武装組織が繰り返すロケット弾攻撃も、住民の安全を脅かし、緊張をことさら高める。こうした行為も当然、非難されるべきである。大きな問題は、半年間の停戦の期限を迎えたのに停戦継続に向けた外交が低調だったことだ。6月の停戦合意を仲介したエジプトをはじめとして、周辺諸国や主要国の最近の仲介外交は活発とは思えなかった。
 パレスチナ側で多数の人命が失われた結果、中東諸国では反イスラエルの空気がさらに強まるが、周辺諸国は一段の緊張激化を避けるための外交努力を求められている。イスラエルでは来年2月の総選挙で右派の野党リクードの優勢が伝えられており、政権維持を目指す与党第一党のカディマなども対パレスチナ強硬姿勢に傾きやすい。米国はイスラエルへの影響力行使を強めるべきである。イラク戦争後の現地情勢悪化など中東政策でつまずいたブッシュ政権は、昨年11月に任期中のイスラエル・パレスチナ和平合意達成の目標を掲げたが、交渉は進展しなかった。オバマ次期政権は、中東和平という大きな宿題を引き継ぐ。中東和平の展望を開き、暴力の連鎖を防ぐことは、「テロとの戦い」の行方も左右する。イスラエルの政局もにらんで、オバマ政権は早急に精力的な取り組みを始めるべきだ。

29日;産経社説(1)ガザ空爆 事態の拡大をまず止めよ
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/081229/mds0812290251001-n1.htm
『この攻撃にハマス側は「最後の血の一滴まで抵抗を続ける」といい、イスラエル側は「(反撃の)始まりにすぎない」と強硬姿勢を強めている。ハマス側は緊張を高めることにより、イスラエル側をガザ地区封鎖解除などの行動に追い込み、イスラエル側は大規模攻撃で一気に決着をつけ、また強硬姿勢を示すことで、来年2月の総選挙に向け政権への支持拡大を狙ったなどの観測がある。このままでは双方の報復合戦がさらに拡大し、イスラエル地上軍のガザ侵攻を含む全面衝突に発展する懸念も強まる。イスラム過激派による対イスラエル・テロが激化する恐れもある。
 1973年のイスラエルとアラブ諸国による第4次中東戦争が第1次石油危機を招いたように、中東紛争は世界経済にも不測の事態をもたらしかねない。いま、国際社会はまず事態の拡大を阻止することに全力を尽くす必要がある。国連安全保障理事会や、これまで中東和平の仲介役を務めてきた米国、欧州連合(EU)、ロシア、国連の4者グループの責任は大きい。来年1月1日から再び国連安保理の非常任理事国になる日本の役割も小さくない。双方の信頼醸成を目的としたプロジェクトや、過去15年間で約10億ドルに上るパレスチナ民生支援など中東和平への環境づくりで特異な貢献をしてきた。これらを土台にさらに地道な努力を続けたい。

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(身辺雑記)博士論文集

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━
会社の同年入社の友人から、大学院の修士・博士論文集を頂いた。会社在職中から僧籍を得ていた。退職後の5年で「真宗学」の修士と博士になった。学問のための学問だから、我々衆生には理解できない内容である。「はじめに」と「おわりに」は、平易な文でどんな目的の論文か解った。中心の論文は難しくて理解できない。
凄い努力の積み重ね論文をまとめたようだ。5年間の死闘が論文集に。一字一句に全精力を注ぎ込んだ跡が見える。総てを凝集したエネルギー。総てを犠牲にする生活。素晴らしい人生だったと思う。宗教を他人に分かり易く説明するのは、難しい。少しでも理解する衆生が出れば、一歩前進である。こうした進歩に貢献したことだろう。

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2008/12/26

シニアネット 『おいおい』  第797号

━━senior citizen net━━━━━ 2008/12/26━

    シニアネット 『おいおい』        第797号
 
━━━━━━━━━行動のための情報紙━━

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大原の小学校も冬休        池内たけし

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小学校は今日から冬休み。京都府の大原の里で、小さな小学校に出合った。冬休みで生徒は見えない無人の小学校。大原は京都市左京区の1地区で小さな盆地。三千院、寂光院、来迎院、後鳥羽天皇陵の古刹がある。
作者は、高浜虚子の兄で能楽師を若く断念。虚子の生家を継いだ次男池内友次郎は音楽家で俳人。松山市生まれ。(1889―1974)。

┏━━麋角解━━━━━━━━
  「びかくげず」と読む。72候の1つ。12月26日。大シカもその角が落ちて生え変わる頃。「麋」とは、
なれしか。大型の鹿のことで、となかいの一種。

┏━━12月25日━━━━━━━
 ◎「マジョリティ」の意思が大切だ◎
不気味な光景を見た。銀行のATMに無言で並ぶ長蛇の列。12月の給与日である。年末の調整後の給与が楽しい。少しでも所得税が還付金で戻れば喜んだものだ。午前中預金を引き出そうとしたが、長い列に驚いて諦めた。出先で、他行のATMから引き出した。手数料105円也を控除された。異様な空気をみた。何だろうか。
 総務省が26日に発表した11月の完全失業率は3.9 %で、失業者256万人。2002年から2003年は5%台であった。増加した失業者に焦点を絞ってマスコミは話題にする。日本の就業者数は約6千5万人である。96.1%の人たちは問題にならない。この大多数の人たちのことに注目をしなければならない。
 12月の給与日に、銀行に並ぶ「普通のサラリーマンの家族」がいる。そこに「生活感覚」がある。平和の中での大多数のサラリーマンの生活がある。無表情な列の顔は、ただ黙っているだけだ。不安はない。勿論、うれしい顔でもない。

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(社説)日系人問題

┏━━日系人問題━━━━
◎ブラジル人だけでも、30万人◎
派遣切りや解雇の嵐が、この年の瀬、日系人社会を直撃している。 事態は日本人より深刻だ。多くが非正社員という弱い立場であり、言葉などのハンディも抱えているからだ。ろくな説明もなく契約を打ち切られた。家族で寮から追い出された。どこの派遣会社に問い合わせても全然仕事はない。異国の街でホームレスとなる人、帰国費用のために強盗事件を起こす人まで出てきてしまった。いわゆる出稼ぎではない。日系人は今やすっかり日本に定住している。 90年の入管法改正で2世、3世らに就労制限のない在留資格が認められて急増した。ブラジル人だけで、子どもも含めて30万人を超す。

25日;朝日社説(2)日系人の失業―仲間支える社会の責任
http://www.asahi.com/paper/editorial20081225.html
『社員寮を出れば、日本人よりアパートを借りにくい。雇用保険に入っていない人もいる。さらには親の失業で授業料が払えなくなり、学校をやめる子も相次いでいる。 浜松市のあるブラジル人学校は、今月末で閉鎖される。授業料の滞納と子どもの退学で、またたく間に運営が傾いた。別のブラジル人学校も、このひと月で20人近い生徒が去ったという。退学しても公立の小中学校へ通わず、家で過ごす子も少なくない。 そんな「雇用弱者」である日系人と家族をなんとか支えられないものか。
 日本人も次々と職を失うなか、決め手があるわけではない。だが、自治体の中には雇用や生活の相談態勢を手厚くしたところもある。日系人が応募できる仕事を探すのはハローワークの役割だ。アパートの家主が国籍で区別することも避けてほしい。日本語が十分理解できない人に、きめ細かく情報を伝える工夫も大切だ。政府や自治体がいくら失業者の支援策を打ち出しても、残念ながら日系人にはあまり届かない。生活保護などの制度も、知らなければ使えない。子どもの教育もぜひ守りたい。学校に行けず家にいる子は、地元の公立校に誘ってはどうか。日本語が心配なら、日系人の親を学校でのサポート役に雇う手もある。逆に、日系人の学校を自治体などが緊急に支援して、親の負担を減らすことも考えられる。
 産業界にも協力を求めたい。人手不足の時代に「なくてはならない存在」と日系人をもてはやした企業が、まるで手のひらを返したような冷たい態度をとるのはいただけない。政府はようやく定住外国人の支援を検討し始めた。当然のことだ。 厳しい時代にこそ社会の柔軟性が問われる。仲間として受け入れた以上、国籍を問わず支えていく。そのための知恵を絞らなければならない。

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(社説)もみじマーク

┏━━もみじマーク━━━━━━
◎高齢者ドライバーの保護政策を◎
不評を買っていた、高齢運転者の保護のための「もみじマーク」について、警察庁が方針を転換し、75歳以上のドライバーの表示義務違反に4000円の反則金と違反点数1点を科す罰則を廃止する方針を打ち出した。表示を義務づける改正道路交通法の施行から約半年、再改正によって表示は従前の努力義務に戻す。前代未聞の短期間での見直しである。

26日;毎日社説(1)もみじマーク 方針転換の潔さは認める
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081226ddm005070087000c.html
『「もみじマーク」は97年の道交法改正で75歳以上の表示を努力義務とした後、01年の改正では対象年齢を70歳以上に引き下げた。さらに、昨年6月の改正で75歳以上の表示を義務づけたが、施行後の1年間を周知期間として取り締まりを猶予していた。クルマ社会の急速な高齢化を受け、試行錯誤を繰り返さざるを得ない面があったとしても、警察庁の定見のなさには問題なしとしない。警察庁は「高齢者いじめだ」といった批判の声を謙虚に受け止め、運転者自身を保護するための制度としては罰則は厳しすぎたと反省して、撤回に踏み切った。担当者は「もっとお年寄りの立場への理解を深めてから実施すべきだった」とも述べている。国会の議論も十分だったとは言えない。
 いずれにせよ、行政庁には自らの政策が誤りと分かっても改めようとしない傾向がみられ、とりわけ警察組織は威信やメンツにこだわりがちなのに、今回の方針転換は何とも潔い。他省庁なども見習うべき姿勢と言えよう。
 もっとも高齢者が反発したせいか、施策の狙いは幅広く伝わったようだ。「もみじマーク」の表示率は登場から10年間ほとんど上がらず、約35%にとどまっていたのに、この半年で75%を超すまでに上昇した。75歳以上のドライバーの死亡事故率も、10万人当たり約19件から約15件に改善された。警察庁は名を捨てても実は取った形ではある。
 「もみじマーク」のデザインも見直す。幅広く意見を求め、結果いかんでは初心者用の若葉マークに統一したり、ハート形マークを採用することなども検討するという。一方で、高齢者専用の駐車区間を新設したり、高速道路での前方車への“あおり行為”の罰則を強化する。「もみじマーク」を付けるとかえって嫌がらせされる、といった高齢者の指摘を受けたものだ。警察庁が市民の声を真摯に受け止め出したのなら、好ましい。異例の方針転換を奇貨として、高齢ドライバー保護の施策を充実させることが何よりも肝要だ。

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(身辺雑記)「数え日」

┏━━身辺雑記━━━━━━━━
 「数え日」は、季語として定着したのは戦後の事である。今年はあと幾日と指折り数えられる頃となった。年末の数日をこうよぶ。親の大忙しの側で、子供たちは「もういくつ寝るとお正月」と楽しげに童謡をうたったものだ。<数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ>。欠かすことの出来ない義理が有るのが心重い。
現役の時代の歳末は雑用が詰まっていた。今年もあと数日になったという切迫感があった。最近は、消化試合のような歳末である。生活の「変化」を求めなくなったためでは無かろうか。今年の一字漢字は「変」であつた。ボランテイア活動のゴールは「変化」である。オバマ大統領は、“Change”で選挙に勝った。変化を求めることが、大切なことである。

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2008/12/24

シニアネット 『おいおい』  第796号

━━senior citizen net━━━━ 2008/12/24━

    シニアネット 『おいおい』        第796号
 
━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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  子へ贈る本が箪笥に聖夜待つ    大島民郎

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今夜は聖夜(クリスマスイブ)。サンタクロースが、煙突からやって来て枕元に贈り物を置いていく。子供の頃は信じ切っていた。貧しい時代だから、全戸にくるわけではない。どうしてこない家があるのか、不思議で仕方が無かった。もっと不思議なのは、お寺の娘にもサンタクロースが来ていた。日本では、クリスマスは宗教行事では無いのかも知れない。
クリスマスイブに贈られる本が、箪笥の上で出番を待っている。「箪笥に聖夜待つ」本が、親子の愛情の深さを感じさせる。あけてクリスマスの朝。子供の弾けるような喜びの声が、聞こえるようだ。
私の思い出だが、ある年サンタクロースが持ってきたはずの本が、友人から借りてきた本だった。翌年からサンタクロースは来なくなった。 東京都生まれ。(1921― )。

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(社説)皇位継承問題

┏━━皇位継承━━━━━
◎論議を深める必要がる◎
天皇陛下は23日、75歳の誕生日を迎えられた。陛下はなお大事をとって、恒例の天皇誕生日に伴う記者会見を取りやめ、来年1月2日の新年一般参賀のお出ましも7回から5回に減らされる。陛下のご健康は国民の等しく願うところだ。宮内庁は引き続き、ご負担の軽減に気を配ってほしい。
 また、羽毛田信吾長官は陛下のご心労が原因とみられる胃腸の炎症について「将来にわたる皇統の問題をはじめ、皇室にかかわる諸問題をご憂慮のご様子を拝している」と述べた。長官発言には皇太子ご夫妻の健康問題なども含まれているが、ご心労を和らげるためにも、国民が皇統、つまり皇位継承について議論を深めなければならない。(産経社説より)

23日;産経社説(1)天皇誕生日 皇位継承を議論する時だ
http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/081223/imp0812230500001-n1.htm
『 皇位継承をめぐっては、小泉純一郎内閣の平成16年末、「皇室典範に関する有識者会議」が設けられた。それまで秋篠宮さまより若い男子皇族の誕生がなく、男系男子のみを皇位継承者と定めた現行の皇室典範では継承が難しくなると思われたためだ。わずか1年の議論で「女性・女系天皇容認」「男女を問わず長子優先」との報告書が出されたが、女性天皇と女系天皇の区別が不明確なうえ、男系のみで維持されてきた皇位継承の歴史を踏まえたものではなかった。そうした国民の批判が強まったにもかかわらず、政府は報告書に沿った皇室典範改正案を国会に提出しようとした。
だが、平成18年2月、秋篠宮妃殿下のご懐妊が発表され、9月に男子(悠仁(ひさひと)さま)がお生まれになったこともあり、改正案は棚上げされた。皇位継承をめぐる論議も下火になった。しかし、悠仁さま誕生によって問題が解決したわけではない。皇位継承権を持つ男子皇族は7人だけで、将来は依然不安定だ。有識者会議への批判は、安易に女系天皇を容認する前に「男系維持にもっと知恵を絞るべきだ」というものだった。旧皇族の皇籍復帰などが具体策として提案された。皇室の拡充により天皇、皇后両陛下や現皇族のご公務の負担を軽減したいとの思いもあった。来年は天皇ご即位20年の年にあたる。陛下のご健康の問題とあわせ、将来の皇位継承の問題を改めて真剣に考えるときである。

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(社説)里海


┏━━「里海」━━━━━━━
  ◎里海を拡げよう◎
「「里海(さとうみ)」は、里山を海に置き換えた考えである。親子連れが潮干狩りを楽しめるような浜辺を思い描いてもらえばよい。 この言葉を1998年に最初に提唱した九州大学の柳哲雄教授(沿岸海洋学)は「人手が加わることにより、生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域」と定義している。赤潮の発生メカニズムなど瀬戸内海の環境を長年研究するうちにたどりついた概念だ。環境省が今年度から3カ年計画で里海創生支援に乗りだし、初年度は2500万円、来年度も2100万円の予算が認められた。この機運を生かし、豊かな海を実現するため市民も積極的に参画していきたい。

24日;毎日社説(1):「里海」創生 海を身近にするチャンスに
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081224ddm005070055000c.html
『今年は兵庫県・赤穂海岸や長崎県・大村湾など四つの支援海域を選定。市民団体などによるアマモ増殖や自然観察会などの活動をサポートしながら、他地域でも役立つマニュアルづくりを進めるという。里海づくりは何も昔懐かしい海岸風景へのノスタルジーからではない。瀬戸内海や東京湾、伊勢湾など閉鎖性の高い海域は水質汚染の影響を受けやすく、漁業生産の低下も深刻だ。このままでは生物の多様性が失われる恐れもある。こうした海域の環境を改善し、健康な海を取り戻す有効な手だてになると期待されているからだ。
 具体的には何が必要なのか。それは山から川、川から海へと続く物質の滑らかな流れを保つことだ。森林や里から溶け出した栄養分が川を通じて海に流れ込み、プランクトンを養い、それを魚や貝が食べる。この食物連鎖が断ち切られると赤潮の原因になる。海中に酸素がほとんどなくなり、生物が死んでしまう貧酸素水塊も発生する。海のメタボリック症候群だ。
 自然海岸をコンクリート護岸で埋め尽くし、ダムで川を寸断すると滑らかな循環は守れない。稚魚が育つ藻場や、水質を浄化する働きのある貝類のすみかとなる干潟を埋め立てでつぶすこともご法度だ。公共事業による埋め立ては極力抑制し、港湾の改修などに際して護岸を自然海岸に近いものにし、生物が生息しやすくすべきだ。
 豊かな森を守ることも欠かせない。「森は海の恋人」の合言葉で宮城県のカキ養殖業者らが山で植林を始めて20年になる。これを見習う漁協の動きが全国に広がっている。漁協が行う植林や海岸清掃、藻場づくりに一般市民が参加しだしたことは心強い限りだ。 一方で瀬戸内海の海ごみの多くは河川を通じて都市から流れ込んだものだ。都市住民が海の汚れに無関心では環境改善などおぼつかない。里海づくりは市民が海を身近に考えるチャンスととらえたい。

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(社説)2008年の回顧

┏━━2008年を回顧━━━━━━━━
  ◎不安が増した年◎
読者が選んだ十大ニュースで、読売新聞が今年を回顧した。

24日;読売社説(全)08回顧・日本 政治も経済も波乱の年越し
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081223-OYT1T00693.htm
『まずは政治である。 福田前首相は、衆参「ねじれ国会」で対応に苦しんでいた。迷走国会の下、
遅々として進まない政策決定に国民の苛立ちも募った。「後期高齢者」という命名に批判が集中した
。社会保険庁の数々の不祥事に、年金記録の組織的な改ざんまで加わった。年金や医療問題で、厚生
労働省が矢面に立たされ続けた年でもあった。
 ◆目に余る食品不正◆ 米国発の金融危機は日本も直撃し、景気の様相が一変した。影響は実体経
済にも及び、代表的な輸出産業の自動車や電機が苦境にあえいでいる。雇用不安も増してきた。やは
り、日々口にする食品への関心は高い。「中国製ギョーザで中毒、中国産食品のトラブル相次ぐ」で
ある。さらに「『事故米』の食用転売判明、太田農相ら引責辞任」が、「中国産ウナギなどで産地偽
装相次ぐ」いだ。ギョーザ事件は中国産食品への消費者の不信感を高めた。中国側は、毒物の混入元
は日本だとしてきた当初の強弁は撤回したが、その後の捜査がどうなったのか、音沙汰がない。農薬
汚染の事故米が菓子や焼酎に姿を変えていた。これも耳を疑う事件だった。国内でも食品不正の横行
ぶりは目に余る。農相辞任でも一件落着とはいかない。
 ◆多発した異常な犯罪◆  社会の不安定さを印象づけるような凶悪犯罪も多発した。 「誰でも
いいから人を殺したかった」という身勝手な理由で、通行人らを襲う通り魔事件が相次いだ。「東京
・秋葉原で無差別7人殺害」、「殺人事件で手配の男が8人殺傷、茨城・土浦のJR駅で」である。
「元厚生次官宅襲撃事件で3人死傷、出頭の無職男を逮捕」も常軌を逸している。男の「34年前に
保健所で処分された犬の敵を討ちたかった」という供述はどこまで信用できるのか。
 今年も自然の災害を免れ得なかった。「岩手・宮城で震度6強、13人死亡」、「『ゲリラ豪雨』
の河川増水で小学生ら5人死亡、被害相次ぐ」。 大地震もゲリラ豪雨も、どこで起きるか予測でき
ない。平時からの備えが大切だ。
 もちろん、暗い話題ばかりではない。「北京五輪で日本は『金』9個、競泳・北島選手ら連覇」。
日本人選手の活躍を願いつつ、多くの人がテレビの前に釘付けになった。 平泳ぎの北島康介選手は
、アテネ五輪での2冠に続く2種目連覇を果たした。アテネでの「チョー気持ちいい」に続き、「何
も言えねえ」の“名言”を残した。初の金メダルを獲得したソフトボールの女子選手たちの熱闘ぶり
も、大きな感動を呼んだ。それぞれの快挙の裏には、大変な努力や工夫があったのだろう。「ノーベ
ル物理学賞に南部、小林、益川氏、化学賞には下村氏」は、閉塞感を一掃するような明るいニュース
だった。
 ◆視線を遠くに据えて◆  今年は年の瀬になっても、一段落という感じになれない人が多いので
はないか。政界では麻生内閣の行方や総選挙の時期に関心が集まっている。景気の回復はいつになる
のだろうか。「洞爺湖サミット、温室効果ガス排出量半減の長期目標」が、これも各国の思惑が錯綜
して、前途は多難だ。物理学賞の益川敏英さんは、受賞したのは「30年前の仕事」だと語った。そ
して現在、将来の受賞につながるような学問研究がなされているか、と問いかけた。目先の対応も重
要である。同時に、不安定感が募る混迷の時代だからこそ、視線を遠くに向けて、確かな歩みを続け
ていくことも大切なのかもしれない。

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(身辺雑記)認知症

┏━━━身辺雑記━━━━━━━━
『「痴呆老人」は何を見ているか』(大井玄著・新潮新書)が、文明論として興味を引いたので、そ
の趣旨を引用する。
周囲の認知能力が低下する「認知症状」は、患者の置かれた「文化的環境」と密接に関係する。同じ
程度の認知能力でも、都会では半数近くが症状に表れるが、農村では穏やかな状態である。周辺状況
で痴呆状態を起こしやすいのは、個人に「自立」を強制するからとも言われる。日本は、昔から農林
業を社会基盤にして、太陽の光を活用するエネルギー循環型の閉鎖社会。他者とのつながろうとする
自己が大切にされるから、認知症状が現れる難い。
 製造業の余剰労働力を農業と山林業へまわしたらどうか。産業構造の基盤整備にもなるだろう。
http://www.shinchosha.co.jp/book/610248/


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2008/12/21

(身辺雑記)カレンダー

 毎年、心待ちにしているカレンダーがある。現役を退いてからも毎年送って頂く。ほぼ、新聞全紙を広げた大きさである。1日1日の書き込みの欄が大きい。正にカレンダーで、前後1年間の月別の曜日も毎日分かる。スケジュールを立てるときに便利だし、過去の曜日も掴める。それだけで重宝している。余分なサービスがつくのは迷惑である。「過ぎたるもの」だ。
毎年11月に買うカレンダーは、「歳時記カレンダー」である。24節気と72候が明記され、四季折々の俳句と花が紹介される。月齢と旧暦は助かる。1週間7日の周期の繰り返しのカレンダーでなく、5日(72候)と15日(24節気)の周期の方が、生活習慣に合っている。自然対する感受性も高まる。

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(社説)予算案

予算案
 麻生政権で初めての来年度予算の財務省原案が内示された。5紙が一斉砲火をあびせた。総額88兆5500億円で08年度を5.5兆円も上回り当初ベースで過去最大に膨らんだ予算。景気対策と選挙対策で、歳出規模、国債発行額ともに急拡大し財政規律は大きく失われた。世界的規模で広がる金融危機や深刻化する不況を克服して、次の成長軌道を描く。その長期戦略の一端でもなければならない。予算案からは不況脱出への中長期的な戦略が見えてこない。財政の悪化も著しく、将来への不安も募る予算案といわざるを得ない。

21日;日経社説(全)不況脱出への戦略見えぬ麻生予算
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081220AS1K2000920122008.html
『●社会保障抑制を繕う●企業や消費者の心理が一気に冷え込む今回の不況のもとで、財政による景気の下支えは急務だ。非効率な制度を改革して予算の効果を高めるかという視点である。予算案全体を眺めると、次期衆院選をにらんで、経済効果よりも選挙民の受けを優先したものが目立つ。2次補正に盛り込んだ2兆円の定額給付金がその典型だ。いま大切なのは、短期で劇的に悪化する雇用への手当てなどを集中的に実施し、中長期で成長力につながる投資も並行して進めることだ。耐震化や温暖化対応などいずれ必要な支出の前倒しや、経済の体質を強める新産業の基盤づくりが考えられる。今回から分野別配分は首相主導で割り振る3300億円の「重要課題推進枠」が決まるまで不明になった。予算案からは明確な戦略と工夫が伝わってこない。物流の競争力を左右する羽田空港の発着枠拡大や中枢港湾の整備費は3―4%増だが、重要度からみてもっとメリハリを効かせるべきではないか。
 制度改革も物足りない。社会保障費は5年間で増加額を1兆1000億円抑える06年の「骨太の方針」に沿うペースを保ったが、年金の特別会計にあった基金の清算などで新たな財源をひねり出し、辛うじて数字を達成したのが実情だ。基礎年金の国庫負担率を高める財源は09、10年度の2年間、財政投融資特別会計の準備金で生じた余裕の財源、いわゆる「埋蔵金」を流用する。本来は消費税増税など安定財源で賄うのが筋である。景気悪化の中で当面は困難としても、安定性が乏しく、財政悪化の責任もあいまいな埋蔵金頼みは感心できない。
 医療や介護で患者や利用者の立場に立った制度改革を実施し、歳出を効率化するのが本来の姿である。そうした努力の跡はほとんどみられない。来年度予算編成の焦点だった道路特定財源の一般財源化もあいまいな結果に終わった。道路関係議員の強い抵抗を受けて8割を道路に使う地方向け交付金を設けるなど、既得権益の岩盤は崩せなかった。この1兆円の交付金から社会保障財源としてわずか600億円を振り向けただけである。09年度の税収は、法人税の急激な落ち込みを主因に今年度当初を7兆円以上も下回る46兆円台に低迷する。一般会計総額に対する税収の割合は52%と過去最低で、文字通りの自転車操業だ。
●借金財政は最悪水準に● 税収見積もりの前提となる09年度政府経済見通しは経済成長率を実質で0.0%、名目で0.1%と見込んだが、民間予測はマイナス1%程度ともっと厳しい。収入の穴を埋める借金も増える。09年度に新たに発行する国債は8兆円増の約33兆3000億円と4年ぶりに30兆円の大台を上回る。さらに特別会計の「埋蔵金」でひねり出した4兆2000億円も国債で賄ったと仮定すれば、国債発行額は99年度の37兆5000億円を超し、過去最悪の規模になる計算だ。当然、財政状況の物差しとなる基礎的財政収支(プライマリーバランス)は大幅に悪化する。国債の償還や利払いの経費である国債費を新規の国債発行額が13兆円上回り、基礎収支の赤字幅は今年度当初の2.5倍に拡大する。11年度までに赤字をゼロにする政府目標の達成は極めて厳しいが、財政の節度を維持するためにも、財政目標の旗を現時点で下ろすべきではないだろう。 中長期で日本経済が成長しないと財政の健全化も遠のく。目先の不況対策とともに将来への種まきが重要だ。予算案が両面で力不足な内容に終わりそうなことは残念だ。

21日;読売社説(全)09年度予算 埋蔵金と赤字国債が頼りとは
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081221-OYT1T00009.htm
『◆国債発行額は33兆円◆ 税収は、企業業績の悪化による法人税の落ち込みなどで約46兆円にとどまる。今年度当初予算より7兆円以上も少ない。08年度予算の第2次補正で、税収が7兆円減額修正され、その傾向が09年度も続くと想定した。この結果、国債の発行額は、08年度当初予算を約8兆円上回る33.3兆円となり、4年ぶりに30兆円の大台を超える。歳入に占める国債比率は4割に近づいた。政府は、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を11年度に黒字化する目標を立てている。今回、財政赤字が一気に拡大し、目標達成は事実上不可能になったといえよう。当面は国債発行でしのぐとしても、いずれ安定財源を確保し、財政再建に取り組むとの目標まで失ってはいけない。その場合、消費税に頼らざるを得ないのは明白だ。景気の動きを見れば、消費税率を直ちに引き上げる状況にはない。だが、今から議論を進め、景気回復後に速やかに引き上げが実現できるよう環境を整えておく必要がある。中期プログラムでは、せめて税率引き上げの時期を明確にすべきだ。
 ◆目立つ埋蔵金の流用◆  一連の予算編成で目立つのは、「埋蔵金」の流用だ。まず、今年度の第2次補正予算に4兆円投入する。09年度予算にも4兆円以上つぎ込む。。景気対策の目玉とされる定額給付金や、基礎年金の国庫負担増に伴う09、10年度の2年分の財源になる。地方交付税の積み増しなどにも使われる。埋蔵金の大半は、財政投融資特別会計の積立金と毎年の余剰分だ。積立金は今年度末で約10兆円とされる。余剰分は、過去の高い貸付金利と現在の低い調達金利の差で生じるもので、今年度に約2兆円、来年度もそれに近い額が見込まれている。こうしたお金は本来、国債償還に回すべきものだ。流用は赤字国債の増発と変わらない。ある程度の流用は許容範囲だが、景気が回復すればすぐにやめるべきだ。
 来年度予算の焦点の一つだった道路特定財源の一般財源化は、実質、骨抜きに終わった。今年度予算で7000億円計上された「地方道路整備臨時交付金」を、新設する「地域活力基盤創造交付金」に衣替えし、9400億円に増額して地方に配る。8割が道路整備に使われるという。地方交付税等は、首相の指示で約1兆円近く増額され、16.6兆円となった。地方では公務員の割高な人件費など、まだ無駄な出費も多い。自治体は一段の歳出削減に取り組む必要がある。09年度予算では、歳出削減のための概算要求基準(シーリング)が7月末に決められた。社会保障費については、自然増分を2200億円抑制する例年通りの目標が課せられた。これをクリアするため、埋蔵金などから財源をひねり出し、なんとかつじつまを合わせた。だが、実際に歳出を抑制するのは、後発医薬品の利用促進による200億円余りにとどまった。
 ◆限界に来たシーリング◆  そのほかの歳出項目でも、きしみが生じている。これ以上、シーリング方式を続けるのは無理だろう。10年度予算では新しい手法を考えるべきだ。 どうすればいいのか。自民党の財政改革研究会が昨年出した提言が参考になる。まず予算を、社会保障部門とその他部門に大きく2分割する。社会保障部門は、国民生活の不安解消のため、必要な伸びを認め、将来的には、社会保障目的税にする消費税で財源を確保する。その他部門は出来るだけスリム化を進めるというものだ。 その他部門では、政府開発援助(ODA)など、戦略上、重要な予算は増額を認めるなど、柔軟に対応する姿勢が肝要となろう。

21日;朝日社説(1)選挙の年の予算―危機克服の戦略を競え
http://www.asahi.com/paper/editorial20081221.html?ref=any
『麻生政権の姿さながら旧態依然の公共事業や地方へのばらまきが目立つ。残念ながら新たな時代を切り開く先導役にはなれまい。
■財政規律は形ばかり■ 歳出抑制の体裁は維持しつつ、実態は財政出動の帳尻あわせばかりだ。06年度の骨太方針で決めた社会保障費の抑制幅2200億円を残したものの、それは形だけ。埋蔵金や道路財源を転用して財源が手当てできたとして、抑制するのは230億円にとどまる。不況対策の予備費や地方交付税の増額各1兆円の中に、別口の公共事業が潜り込む可能性が高い。かつてない世界同時不況の中では、歳出カットに努めてきた財政を、いま経済の下支えのため緩めざるを得ないのは間違いない。しかし、財政規律を守ったふりをしながら、ちまちまと財政出動を盛り込んだ結果、どれだけが一時的な緊急対策なのか見えにくくなった。これでは景気回復後に元へ戻すべき歳出規模が不透明になり、はたして規律を取り戻せるか、強い懸念が残る。 一時的に財政路線を転換するのならそれを明確にし、集中的に予算を投入する優先分野を決め、国民の納得を得なくてはならない。
■麻生政権の限界あらわ■ 道路特定財源についても、大半が従来通り道路建設に回る。旧来の支持層に配慮して、大胆な切り込みができない。同時に、支出の無駄ゼロへの取り組みも進んではいない。随意契約が多く補助金などへの切り込みは見えない。予算膨張の財源や、基礎年金への国庫負担拡大には、財政投融資特別会計などの剰余金、いわゆる埋蔵金が投入された。 埋蔵金は2兆円の定額給付金の元手にも流用されており、増税を嫌う政治家にせっつかれて、官僚たちが次から次に繰り出した。これだけあっけなく献上されるのを見ると、準備しておくことが本当に必要なのか、納得がいかなくなってくる。こうした剰余金はなくし、一般会計へ戻すべきではないのか。それなくして負担増などは言い出せない。
 予算をこうして眺めると、そもそも選挙の顔として期待された政権が、予想外の経済危機に直面し、旧来型の発想で支持基盤へばらまく予算をかき集めた、といわざるを得ない。 足元の雇用対策や地方対策はもちろん大切だが、同時に、5年先10年先の日本経済の将来像を見越した長期構想こそ重要だ。いかに経済に競争力をつけ、次の成長ステージを準備するか。それがなければ、危機を克服しても、その後の国際競争から立ち遅れ、衰退していくしかない。 エネルギーや環境対策などへの投資をどう強めていくか。少子高齢化社会にふさわしい社会資本をいかに築いていくか。こうした大胆な青写真がとりわけ選挙の年の予算には不可欠だ。

21日;産経社説(2)来年度予算 財政悪化の「底抜け」防げ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081221/plc0812210327000-n1.htm
『「骨太の方針2006」の歳出削減工程に沿った概算要求基準が守られなかった。象徴的なのは、新規財源の確保を条件に2200億円の抑制幅圧縮を認めた社会保障費。年金特別会計の余剰金と道路特定財源の一部を充当、実質的な抑制幅はたった約230億円となった。安定財源を前提とする社会保障制度にとって危険な財政措置だが、そうした手法は来年度からの基礎年金国庫負担2分の1引き上げ財源の確保でも使われた。消費税を含む税制抜本改革が先送りされたため、その財源に財政投融資特別会計の運用益積立金を充てたのだ。この積立金は首相が赤字国債に頼らないとした景気対策もすべてまかなった。
 今年度第2次補正予算では4兆円超、来年度予算の新たな別枠予備費1兆円や政策減税、地方交付税増額などの財源もそうだ。これらの合計はざっと10兆円に上る。この積立金は総資産の5%を金利変動準備金とし、それを上回る剰余金は国債の圧縮に充てるよう法律で定めている。剰余金流用は国債発行と実質的に同じであるうえ、準備金まで取り崩さなければならないのだ。いわば禁じ手を使うわけだが、それでも足りずに国債発行額は今年度当初予算比で約8兆円も増加し33兆円超となった。景気悪化で税収見込みが今年度当初比で7兆円以上落ち込むからだ。
 この結果、対国内総生産(GDP)比で0.5%まで改善した基礎的財政収支(地方を含む)の赤字は一転して急拡大する。このままでは政府目標である2011年度の黒字化など不可能になる。選挙向けといわれる給付金や道路特定財源の一般財源化と地方交付税でみられるようなばらまきは許されない。景気・雇用対策の対象も効果を基準にしないと、財政は底が抜けて悪化しよう。せめて財政悪化の歯止めとして、3年後からの税制抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」を明確に法制化せねばならない。

21日;毎日社説(1)財務省原案 予算制度の見直しを急げ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081221ddm005070025000c.html
『麻生太郎首相は、国債の30兆円枠にこだわらないと発言していたが、08年度の第2次補正後に続き、09年度当初もそうなった。小泉改革以来、「小さな政府」論が突出し、財政政策は悪であるとの雰囲気が、政治の世界を支配していた。しかし、景気が悪化している時には、財政が適切な役割を果たさなければならない。
 基礎年金の国庫負担拡大や、道路特定財源の一般財源化などこれまでの約束は予算に盛り込んだ。国民の安心を高め、公共事業のゆがみを直すため、当然のことだ。3次にわたる景気対策を受け、雇用や住宅、地域活性化などに配慮していることは事実だ。形骸化している復活折衝を廃止し、3300億円の重要課題推進枠を麻生首相自らが政府案決定までに配分することも、内容が伴うならば評価できる。ただ、政府がいくら重点化を叫んでも、予算案から強いメッセージは伝わってこない。予算制度であり、概算要求基準(シーリング)が創意工夫を阻んでいる。シーリングは歳出の一律削減には有効だ。裏返せば、メリハリを付けにくい。財政の景気刺激効果を高めるためや、経済産業構造を転換するためには、必要な分野に集中的に予算配分しなければならないが、09年度もそうはなっていない。シーリングは当初予算はほどほどの規模にとどめ、追加支出は補正予算で、という悪弊ももたらしている。09年度のように財政支出が必要な時には、当初から過不足なく予算計上した方が効果も期待できる。
 予算制度改革は緊急の課題ということだ。機能する予算への改善が最大の目的だ。09年度予算案では特別会計の積立金などを一般会計に繰り入れ、新規国債増発を抑えた。これも、長い目でみて望ましくない。その分、国債残高を減らす原資が削られ、実態は国債発行と変わりない。財政健全化の観点からも、財源不足は国債で賄う方が正直だ。日本経済は転機を迎えている。財政も旧態依然であってはならない。

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シニアネット  『おいおい』 第795号

━━senior citizen net━━━━━ 2008/12/21━

    シニアネット 『おいおい』        第795号
 
━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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子の臀を掌に受け沈む冬至の湯     田川飛旅子

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21日は冬至。この日柚子湯に入ると、1年中風邪をひかないといわれる。柚子の香りが立ち込めた風呂へ、赤子を入れる。小さな柔らかい「子の臀を掌に受け」て、やさしく湯に沈める。親は、子の健やかな成長を祈っている。子のうれしそうな笑顔が浮かぶ。
作者飛旅子(ひりょし)は、1940年東京帝国大学を卒業と同時に古河電気工業(株)へ入社、1961年(47歳)で東大より工学博士を授与された。作風は、「現実を鋭く観察、メカニックで乾いた抒情をもつ。おかしみをたたえた作品が多い。」(『現代俳句大事典』より)。東京都生まれ。(1914-1999)。

┏━━冬至━━━━━━━━━
 24節気の1つ。冬至は、1年中で昼間の時間が一番短い日。古代中国では、この日から陽気が復する日として「一陽来復」と呼ぶ。光の変化でいうと,冬至は冬の真中にあたり,日脚が伸びてくる。寒さはこれからが本番で、「冬至冬なか冬はじめ」とも言う。太陽の日が一番衰弱する日ですが、明日からは日脚が伸びていく期待と明るさが感じられる。
 太陽が衰えることは、全生物の生命力の衰えることでもある。冬至粥を食べ、冬至南瓜を食べ、冬至蒟蒻を食べ、柚子風呂に入る習慣がある。この習慣は、生命力を養うことにより、太陽の復活を願った。

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2008/12/17

シニアネット 『おいおい』 第794号

━━senior citizen net━━━━ 2008/12/17━

    シニアネット 『おいおい』   第794号
 
━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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羽子板市三日の栄華つくしけり    水原秋櫻子
 
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昭和37年作。12月17日から19日の3日間は、東京の浅草寺境内での「羽子板市」その光景は、「三日
の栄華つくしけり」である。参道の両側に、豪華な押し絵の羽子板が飾り立てられる。今年活躍した
や話題の人などの顔が羽子板に並ぶ。縁起物として扱い、売買が成立すると売り手と買い手の手締め
をして景気つけをする。夜、灯りが入ると羽子板が色めいて華やかさを増す。心が浮き立ってくる。
景気の悪い年末こそ、華やいだ気分になりたいのだが、各地のデパートも、景気つけの行事が廃れて
行く。東京都生まれ。(1892―1981)。

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(社説)雇用対策法案


17日;朝日社説(1)雇用対策法案―この国会で成立させよ
http://www.asahi.com/paper/editorial20081217.html?ref=any
『麻生首相がすでに打ち出した雇用対策と重なる部分も多い。雇用危機は深刻で、早く手を打たねばと与党も考えているはずだ。 それなのに自民党は、野党の法案の成立には消極的だ。与党にしてみれば、雇用対策を先に決めたのは自分たちだという思いがあるのだろう。会期末になって法案を出し、麻生政権の無策ぶりを浮き立たせることを狙ったような民主党の作戦に対して反発もあるに違いない。 景気の悪化は、1カ月前には想像もできなかったような急スピードで進行中だ。人員削減の波がいま、激しい勢いで押し寄せている。何万人もの失業者が街にあふれる事態が、まさに目の前に迫っている。
 どちらが先に考え出したか、などというメンツにこだわることは許されない。与野党が「無策だ」「非協力だ」と責め合って、肝心の雇用対策が遅れるようなことがあれば、それは政治全体の責任放棄である。 政府や国会の対応の遅さにしびれを切らして、独自に手を打つ自治体も出てきた。これは痛烈な批判であると、各党とも受けとめるべきだ。 寒空のもと、年を越せるのかと不安を募らせる人がいる時に、年明けの国会まで対策を待つゆとりはない。与党の対策であれ、野党の法案であれ、可能なものから、できるだけ早く進めていかなければならない。 いまは各党が対決するのではなく、知恵を出し合って危機に取り組み、対策を急いでもらいたい。法案に修正すべき点があるならば手直しして、会期末までに成立させるべきだ。政治は苦しむ国民を放置してはいけない。

17日;日経社説(1) 非正規の雇用対策に労使とも力尽くせ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081216AS1K1600516122008.html
『日本経団連は16日、2009年版「経営労働政策委員会報告」を発表した。連合も同日、緊急雇用対策会議を開いた。労使双方の全国レベルの団体がそろって雇用問題についての見解を表明したわけだが、具体的な内容に乏しく、日々悪化する現状への影響はほとんど期待できそうにない。ことに経団連の「経労委報告」は、雇用問題について心構えを説くだけにとどまっている。経営側として何をなすべきかが無い組織として危機感があるのか疑わせる対応だった。連合は地方組織の代表者らを集めて緊急雇用対策会議を開経営側と労働側の、来年の春闘方針が出そろった。このすさまじい逆風をどう乗り切るかが、最大の課題だろう。
 世界的な金融危機の影響で、自動車や電機などの輸出産業を筆頭に、生産が急ピッチで落ちている。このため大手企業は非正規労働者を中心に速い速度で雇用を減らしている。市場経済だから、景気動向により雇用調整は避けられない。個々の企業により事情は様々で雇用の削減を一律に規制するわけにはいかない。しかし正社員の場合は企業と労組が交渉して、削減数や退職条件を双方が折り合って決める。非正規は、もともと雇用の調整弁という位置づけのため妥当な線がわかりにくい。政府による離職者対策の充実は必要だが、労使も非正規労働者の解雇について条件や支援策に手を尽くすべきである。経団連や連合には、それを指導する社会的な責任がある。

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(社説)春闘方針

┏━━春闘方針━━━━━━━━
 ◎労使ともに、甘い認識◎
日本経団連は16日、2009年版「経営労働政策委員会報告」を発表した。連合も同日、緊急雇用対策会
議を開いた。労使双方の全国レベルの団体がそろって雇用問題についての見解を表明したわけだが、
具体的な内容に乏しく、日々悪化する現状への影響はほとんど期待できそうにない。

17日;日経社説(1) 非正規の雇用対策に労使とも力尽くせ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081216AS1K1600516122008.html
『ことに経団連の「経労委報告」は、雇用問題について心構えを説くだけにとどまっている。経営側
として何をなすべきかが無い組織として危機感があるのか疑わせる対応だった。連合は地方組織の代
表者らを集めて緊急雇用対策会議を開き経営側と労働側の、来年の春闘方針が出そろった。このすさ
まじい逆風をどう乗り切るかが、最大の課題だろう。
 世界的な金融危機の影響で、自動車や電機などの輸出産業を筆頭に、生産が急ピッチで落ちている
。このため大手企業は非正規労働者を中心に速い速度で雇用を減らしている。市場経済だから、景気
動向により雇用調整は避けられない。個々の企業により事情は様々で雇用の削減を一律に規制するわ
けにはいかない。しかし正社員の場合は企業と労組が交渉して、削減数や退職条件を双方が折り合っ
て決める。非正規は、もともと雇用の調整弁という位置づけのため妥当な線がわかりにくい。政府に
よる離職者対策の充実は必要だが、労使も非正規労働者の解雇について条件や支援策に手を尽くすべ
きである。経団連や連合には、それを指導する社会的な責任がある。

17日;読売社説(1)春闘方針 「労使一丸」で難局に挑め(
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081217-OYT1T00029.htm
『このすさまじい逆風をどう乗り切るかが、最大の課題だろう。日本経団連の方針を示した「経営労
働政策委員会報告」には、「賃上げは困難と判断する企業も多いと見込まれる」と指摘するなど、昨
年の賃上げ容認の内容とは様変わりである。自動車や電機など春闘のリード役の業界で、期間従業員
や派遣社員の削減が相次いでいる。正社員も安泰とは言えない。販売の急激な落ち込みで減産が拡大
しているからだ。経営環境が苦しい中で、非正規社員を含め、いかにして雇用を守り、雇用を生み出
していくか。各企業の労使は、その方策を真剣に考えてほしい。 一方、労働団体の連合は、消費者
物価の上昇に見合うベースアップを要求する。全体の賃金を底上げするベア要求は8年ぶりのことだ
。消費の拡大には賃上げが必要だとし、「賃上げこそ最大の景気対策だ」と主張している。非正規社
員は解雇し正社員だけ賃上げという構図に、違和感を覚える人も多いだろう。
 消費を盛り上げるには、長期的な雇用の安定が重要である。その上で、支払い能力のある企業は賃
上げ要求にも応えてほしい。経営側が弱気一色になっては、それこそ景気は落ち込むばかりだ。 経
労委報告は「労使が一丸となって難局を打開していく姿勢が求められる」と強調している。まさに「
労使一丸」で展望を見いだす春闘としてもらいたい。

17日;産経社説(1)春闘方針 雇用維持に労使で協調を
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081217/plc0812170258001-n1.htm
『米国発の金融危機に伴う景気の悪化はかつてないほど急だ。厳しい経営環境を乗り越えるには労使
協力が不可欠な情勢である。今や雇用者の3人に1人が非正規社員だ。このままでは将来の社会保障
制度の維持も難しくなる。雇用制度全体の見直しも喫緊の課題である。 こうした経営側の春闘方針
に対し、労働側はどうか。連合はすでに「物価上昇分に見合うベースアップで生活水準の維持と内需
喚起につなげる」として「1%台半ば」の賃金改善を求める春闘方針を決めている。 しかし来年3
月期決算の業績見通しは、大幅な減収減益を予想する企業が多い。増益の企業には積極的な賃上げを
求めるのは当然として、賃上げが現実的要求かどうかの再検討は必要だろう。連合も今回は対決より
協調を重視し、非正規社員を含む雇用の維持に全力を挙げるべきだ。労働を分かち合うワークシェア
リングを経営側に提案してもいい。 日本企業の特徴は安定した労使関係にある。いまこそ雇用の維
持のため、その利点を春闘に生かしてほしい。

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(社説)18歳成人

┏━━18歳成人━━━━━━━
 ◎正しい対応を◎
 法制審議会の部会が、中間報告をまとめた。委員の意見は分かれ、賛否両論を併記した。国民から
意見を求めたうえで、さらに検討し、来春をめどに結論を出すという。昨年成立した憲法改正のため
の国民投票法は、投票権を18歳以上に与えた。さらに付則で、2010年5月の法施行までに、選挙権年
齢の引き下げのほか、民法など関係法令も検討し、「必要な法制上の措置を講じる」とした。これに
伴い、政府は、年齢条項のある191の法律、117の政省令の見直しを検討する。民法の成年年齢は、そ
の主要な柱だ。

17日;読売社説(1)成年年齢 「18歳」へ議論を深めよう
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081217-OYT1T00037.htm
『議論が収れんしなかった。少子高齢化が進む中、若い世代に、人口減社会の担い手として参加意識
を高めてもらうことは極めて大切だ。18、19歳でも親の同意なしに民法上の契約や結婚ができる
ようになれば、責任の厳しさを痛感し、「大人」としての自覚を持つようになるのではないか。
 参政権としての判断能力を測る年齢と、民事上の責任能力を測る年齢とは、一致させるのが自然だ
。米国の多くの州や欧州諸国、中国、ロシアなども、成年年齢、選挙権年齢は18歳だ。世論調査で
は、成年年齢の引き下げに反対が多い。慣れ親しんだ法制度を変えることへの不安があるのだろう。
これを解消するためにも、中間報告が求めた消費者被害の防止や若者の自立支援のための施策の充実
に取り組む必要がある。民法の成年年齢が下がったからといって、他法令の年齢条項がすべて自動的
に下がるわけではない。飲酒・喫煙などは社会への影響を踏まえ、20歳に据え置くかどうかを個々
に判断すればよい。

17日;日経社説(2)18歳成年の“安全網”議論を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081216AS1K1600116122008.html
『安全網を例示して中間報告は「親の同意なしに民法上の契約行為ができるようになる若者が悪質商
法の被害に遭わないよう消費者教育を充実させたり、若年者を保護する制度を創設する」などをあげ
た。物事を判断する力や自活能力は、この年なら身に付くと考えられているわけだ。
 法相が法制審に民法4条改正の当否を諮問したのは、国民投票法(2010年5月に施行する)で18歳以
上に投票権を与える条項を設け、同規定を実施する条件として選挙権年齢と民法の成人年齢の見直し
を求めるからである。法制審では「民法の成人年齢と選挙権年齢は必ずしも同じ必要はない」で意見
が一致したという。しかし社会の構成員として一人前と認めて選挙権を付与するのだから、他の成人
としての権利も授け、また義務も負わせるのが自然ではないか。
 民法以外に年齢によって権利、義務に区別を設ける法令は300本を超す。それらの法令への影響は
「考慮しないということで進めている」法制審だが、中間報告の「要点」で次のように指摘している
。「我が国の将来を見据えて、政府全体で(成人年齢を引き下げた場合に必要な)施策の実現に取り
組むべきである」。18、19歳の若者を成人とした場合に社会的安全網としてどんな施策が要るのか、
法制審のほかにも議論の場を広げなければなるまい。

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(身辺雑記)非営利組織のマネジメント

┏━身辺雑記━━━━━━━━━━━
 4月から、さる組織の「事務局長」を引き受けた。「非営利組織のマネジメント」の話である。収
入の少ない「赤字団体」。メンバーは、赤字という意味も解っていない。運営は単年度。行政と企業
の悪いところをミックスしたような組織。
 収入は、年一人千円の会費と10数万円の補助金とボランテイア活動した時に頂く「薄謝」のみ。70
名の世帯を動かすには1円単位のコスト削減に撤す。1円でも収入になることは実施。企業のマネジ
メントの導入。マーケッテイングもイノベーションもやる。ゴーイングコンサーンの考えを導入。1
年決算を半年決算に。通信用の50円の葉書も廃止して、25円の資料配送の「回覧板」制度を確立した
。変革は静かに進んでいる。

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2008/12/13

シニアネット 『おいおい』 第793号

━━senior citizen net━━━━ 2008/12/13━

    シニアネット 『おいおい』    第793号
 
━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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死にたれば人来て大根煮きはじむ     下村槐太

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 死を考える季節です。他人の死は見えますが、自分の死は見えません。ある人が死にました。遺族は、悲しみに打ちのめされています。死の厳粛さ。そして、その死を悼む。しかし、現実は日常的なイベントが進行する。隣近所の人が集まり、通夜や葬儀の準備の打ち合わせに移る。「人来たりて、大根たきはじむ」。悼む遺族とは別に、目の前の現実は、動き始める。
そんな、死の現場を見据えている。「大根たき」は、庶民の生活に密着した「大根」を題材にしたのだろう。
作者は、大阪の戦後俳句を考究するに欠くことの出来ない俳人で、独自の句境を展開した。その評価は、今後の研究によることだろう。国語教育に関しても論じている。大阪府生まれ。(1910―1966)。

┏━━正月事始━━━━━━━━━
12月13日。関西では、この日から正月の準備にかかる。京都祗園の事始め一段と華やかである。芸界、花柳界、茶道では、弟子が師匠に、「事始めの餅」を贈る。お歳暮、お祝儀もこの日から始める。厳密には、新年を司る「年神」を迎える準備を始めること。

┏━━義士会━━━━━━━━━━
12月14日(陰暦)は、義子会。元禄15年(1702)12月14日、元赤穂藩の47士が、江戸本所の吉良上野介邸に討ち入りして主君の浅野長矩の仇を討った日。浅野藩に関連するところで毎年様々な行事が行われる。切腹した命日の「義子祭」は、陰暦2月4日だが、4月に行われる祭典より「討ち入りした日」が一般的になっている。

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(社説)ビッグ3

┏━━米ビッグ3━━━━━━━━━━
  ◎重大な選択を迫る◎
米議会の上院が、最大140億ドル(1兆3千億円)のつなぎ融資を柱とする自動車メーカー大手の
救済法案を葬り去った。ブッシュ政権と議会民主党がつくった法案は、当座の資金を提供する代わり
に、政府の管理下で来年3月末までに抜本的なリストラ計画を立てさせる内容だった。民主党が優勢
の下院は早々に可決したが、上院は共和党などに反対派が多い。ぎりぎりの説得が続けられたものの
、妥協に失敗した。廃案となる見通しだ。
 このままでは、特に経営が苦しいゼネラル・モーターズ(GM)が、年末にも資金繰りに行き詰ま
りかねない。これを悲観した東京市場では、円相場が13年ぶりに1ドル=88円台に急騰し、株価
は急落した。ニューヨーク市場の株価も下落しており、動揺の広がりや、世界経済への悪影響に警戒
が必要だ。

13日;読売社説(2)米ビッグ3 支援法案廃案で瀬戸際に
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081212-OYT1T00899.htm
『上院は11日、前日に可決した下院に続き、ビッグスリーに最大140億ドル(約1兆3,000億円)
をつなぎ融資する支援法案の採決を目指した。融資の見返りに、抜本的な経営再建策を3社に義務づ
ける内容だった。しかし、共和党議員らは安易な救済に反対した。民主党指導部は、より厳しい経営
改革を求めるなどの法案修正で妥協を図ろうとしたが、協議はまとまらなかった。ビッグスリーの経
営再建は、時間との戦いになっている。政府の緊急融資が実現しないと、日本の民事再生法に相当す
る連邦破産法11章の適用が現実味を帯びる。部品など関連産業が多いビッグスリーの経営が行き詰ま
れば、失業が急増し、個人消費が一段と冷え込むことが懸念される。景気後退入りした米国経済の低
迷が長期化するのは確実だろう。
 そうした事態を恐れたブッシュ政権が自動車業界への救済を模索し、オバマ次期米大統領も、追加
リストラ策などを条件に、政府による支援を支持した。しかし、議会の危機感は薄かったようだ。賃
金の大幅カットを全米自動車労組(UAW)が拒否したことも、法案の修正協議が不調に終わった原
因だ。UAWの強硬姿勢は批判されるべきだろう。
 次の焦点は、ブッシュ政権が新たな対策を早期にまとめることができるかどうかだ。7000億ドルの
公的資金枠を持つ金融安定化法を活用した新支援策が浮上する可能性もあるが、上院などの反発も予
想され、展望は不透明だ。議会は、これで年内の審議を打ち切る公算が大きい。1月に発足するオバ
マ新政権と、新議会に問題を先送りする構えだろう。土俵際に追い込まれたGMなどの選択肢は乏し
い。説得力あるリストラ策をまとめ議会の理解を改めて求めるのか。それとも破綻への道か。事態は
緊迫してきた。

13日;朝日社説(1)GMショック―破綻は何としても避けよ
http://www.asahi.com/paper/editorial20081213.html?ref=any
『最大手のGMは、年内に40億ドルを得られなければ、資金繰りがつかず破綻すると自ら説明して
いる。そうなると、部品メーカーや販売網など経済への打撃がきわめて大きい。3位のクライスラー
や比較的余裕のある2位のフォード・モーターも余波を受ける可能性がある。米国の自動車産業は数
百万人の雇用を抱える産業の根幹である。衝撃は「アメリカ売り」という形でまたたく間に世界へ広
がった。 市場では「米経済の悪化が一段と加速するのは不可避」という見方が急速に広まり、ドル
が売られた。東京では13年ぶりに1ドル=90円の大台を突破して、一時は88円台まで円が買わ
れた。連動する形で株価は急落し、日経平均が一時600円を超す下げ幅となった。
 自動車救済法案への反対が根強いのは、世間相場からみれば恵まれた待遇のGMなどの従業員に対
するリストラが徹底されないのではないか、という不信感がぬぐえないからだ。上院の協議が決裂し
たのも、賃金の大幅な引き下げを盛り込んだ共和党の修正案を、労組が拒んだのが原因だった。 こ
うした事情から、リストラを徹底させるには、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条を適用し
、いったんは破綻処理するしかない、という意見も米国民の間では少なくない。GMが破綻となれば
、いや応なく賃金は切り下げられる。労組もそれを理解していま賃金カットを受け入れ、救済法の復
活に協力すべきだ。また大統領報道官は、経済に深刻な打撃を与えるとして、金融救済法を適用して
当座の資金を融資することを含め、破綻を回避すると表明した。 いずれにせよ米国の政府と議会は
、世界経済への打撃を最小限に食い止めるよう万全をつくす責任がある。

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(身辺雑記)喪中はがき

 本日は「正月事始め」。私の正月準備の最大の行事は「年賀状書き」である。「書く」のでなく、
パソコンから宛名をプリンタに打ちだすだけ。11月から頂いた喪中ハガキを1枚1枚チェックするのが
仕事である。
今年は本人の死去が6人もあった。親族の死亡年齢は90歳代が過半だが、101歳、99歳の天命の人もあ
る。長寿を全うできたことは喜びたい。一方では、遺族の悔しさが滲むような文面もある。65歳から
69歳での死別である。昭和10年代の前半の生まれと推測される。今年はその期間に生まれの人が多か
った。還暦を過ぎて、約10年後の古希を迎えるに、1階段があるようだ。会社勤めの人は、定年にな
り力を抜く時期でもあり、疲れが出る時期でもある。


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2008/12/10

(社説)ソニーのリストラ

ソニーのリストラ問題
期待されていたソニーの復活がまた遠ざかった。同社は世界全体でエレクトロニクス事業の従業員を1万6000人削減するなどのリストラ策を決めた。欧米ではクリスマス商戦が幕開けしたが、消費者の購買意欲は冷え込み、薄型テレビなどデジタル家電の売れ行きは思わしくないという。

10日;日経社説(2)ソニー大型リストラの衝撃(
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081209AS1K0900109122008.html
『米国に端を発した金融危機は、まず新車販売の急減という形で実体経済を直撃した。米国ではゼネラル・モーターズ(GM)などが経営危機に陥り、トヨタ自動車も業績を大幅に下方修正した。それに前後して、ソニーやパナソニックも業績の下方修正に踏み切り、自動車と並ぶ耐久消費財の家電でも減速が明らかになった。ソニーのリストラ案は人員削減のほか、設備投資の3割カットや複数の工場閉鎖など広い範囲にわたり、年間1000億円以上のコスト節減が見込めるという。
 ソニーは今年度、「テレビ事業の黒字化」を課題に掲げてきたが、こちらの達成も厳しい情勢だ。北米の薄型テレビ市場で、シェア2位を確保したものの、価格競争が激しく、利益に直結しない。それに追い打ちをかけるように、リーマン・ショックの起きた9月以降は販売数量そのものが落ち込み、大型リストラを余儀なくされた。ソニーはハワード・ストリンガー会長、中鉢良治社長の就任した2005年以降、「コア事業のエレクトロニクスの強化」をめざしてきたが、道半ばでつまずいた。シェアの面ではそれなりに健闘しているが、かつての「ウォークマン」や小型ビデオカメラのような圧倒的な存在感を誇る商品が少なくなった。携帯音楽プレーヤーでは米アップルの「iPod」にお株を奪われ、ゲーム機では任天堂にリードを許している。商品開発の強化を進めて、以前のソニーブランドの輝きを取り戻してほしい。
 日本の他の大手電機メーカーにとってもソニーの苦境は人ごとではない。「選択と集中」や業界再編、新興市場の開拓などを急がなければ、今の円高と世界経済の失速という逆風は乗り切れないだろう。

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(社説)学力検査

学力検査
各国の小学4年と中学2年を対象に昨年実施された国際数学・理科教育動向調査の結果が公表された。いずれの科目も順位は前回、03年並みの3~5位。平均得点は、どの科目でも前回と同じかやや上回った。 03年の調査の結果は、それ以前より落ち込んだ。同じ年の経済協力開発機構(OECD)の調査でも低落傾向がみられたことから、日本の子どもの学力が低下したと騒がれた。文部科学省は今回、「学力低下に歯止めがかかった」との見方を示した。たしかに数字は前回をやや上回っている。しかし、この直前に実施されたOECD調査では、科学的、数学的な応用力でいずれも順位を下げている。ほっとするのは早計だろう。


10日;朝日社説(1)国際学力調査―魅力ある授業がかぎだ
http://www.asahi.com/paper/editorial20081210.html?ref=any
『日本の子どもたちの勉強への意欲の乏しさである。特に中学生で「勉強は楽しい」と答えた割合が最低レベルだったのは深刻だ。 ではどうすればいいのか。何よりも授業の改善だろう。OECD調査では、理科の授業で身近な疑問に応えるような教え方をしてもらっているという割合が最低レベルだった。今の子どもの環境や生活に即して、いかに好奇心や疑問の芽を引き出して育てるか。「受けたい授業」を工夫しなければいけない。だが今の先生は、事務や生活指導など授業以外のことでも忙しい。先生の尻をたたくだけでは解決しない。
 国立教育政策研究所などが中学の理科教員を対象に今年実施した実態調査から、現場の悩みが浮かび上がっている。工夫をこらした授業は徐々に広がってはいる。ただ観察や実験のための時間が足りないという。優れた教材や指導法についての情報を求める声も、若い教員から強く上がっている。 教師の雑用を極力減らし、教材や指導法の研究に力を注げる体制を整える。優れた授業の情報を共有する。そうした条件整備には今すぐに取り組むべきだ。さらに、入試制度の改革も必要だ。知識はあるが、応用力が弱い。未知の問題に向き合った時の解決能力が乏しい。それが日本の子どもたちに対する評価である。その主な原因の一つが暗記中心の入試制度にあることは確かだろう。 文科省がしきりと口にする「生きる力」を育てるために、なすべきことは少なくない。

10日;読売社説(1)国際学力テスト 理数をもっと好きにさせたい
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081209-OYT1T00902.htm
『近年、理数系の学力低下が指摘されてきたが、文部科学省は「歯止めがかかった」としている。だが、果たしてそうなのか。心配なのは、同時に実施された意識調査における学習意欲の問題だ。小学生は改善の兆しが見られたが、中学生は深刻である。
  小中学校の理数は、新学習指導要領が来年度から前倒し実施され、授業時間と内容が増える。 まずは、理数をもっと好きにさせることから取り組みたい。教科書の内容を補う教材をどう使ったらよいのかなど、教育現場の努力や工夫が重要になる。 文科省は07年度から、小学校の理科の授業に大学生や退職教師らが「支援員」として参加し、実験の準備をしたり児童の質問に答えたりする事業を始めている。来年度からは、小中学校の理科授業の中核となる教師を、主に大学の理工系学部で養成する計画もある。豊富な知識に裏づけられた興味深い授業で、子どもの意欲と学力を高めたい。
 今年は日本人が相次いでノーベル物理学賞と化学賞を受賞した。物理学賞の益川敏英・京都産業大教授は、「若者が科学に取り組む原動力は、偉大な科学者に対するあこがれや好奇心だ」と話す。学問や研究を究めた格好のモデルが、日本にもある。資源の乏しい日本では、優れた科学技術が、国づくりに大きな役割を果たしていることも教えたい。


10日;毎日社説(1)国際学力比較 点や順位で一喜一憂やめよう
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081210ddm005070007000c.html
『勉強を楽しんだり、将来の夢に結びつけるような意欲の高さについてはどうだろう。前よりよくなってはいるものの、中学では依然国際レベルに届かない。授業は大体理解はするけれど、あまり心が弾まない。そんな教室の子供を思うと、点や順位よりこちらの問題がより深刻だ。
高校1年を対象にした06年の経済協力開発機構(OECD)の国際学力テストでも理科学習について「楽しさ」などを調べると参加国中最下位になった。年長になるにつれ意欲低下する傾向は変わらず、それは昨今の大学生の低学力問題にもつながっているはずだ。
 学校の努力や取り組みで状況はある程度改まるには違いない。しかし、学習動機や意欲は家庭と社会環境にかかわり、将来の夢や希望が重要な起因となる。家庭や地域の役割と責任の大きさはいうまでもない。昨年から始まった全国学力テストの市町村や学校の成績公開の是非をめぐり、各地で論議になっている。さまざまな選択があるだろうが、細心の注意と共通認識が必要なのは、数字だけを独り歩きさせる危険だ。
 何年生を対象に、何の教科で、どんな内容のテストをし、何の力(学力)を確かめようとしたのか。そうしたことが広く理解されているとは言い難い。すると数字はただ順位をつける手段で、空疎な優劣を焼き付けるだけになりかねない。子供たちそれぞれの学力については個別の指導が有用であり、テストは本来その補助になるものだ。数値を自己目的化させ、その上下に一喜一憂することはやめ、結果をどう一人一人の指導に結実させるか。そこに立ち戻るべきだ。
  
10日;産経社説(1)
http://sankei.jp.msn.com/life/education/081210/edc0812100223004-n1.htm
『 この調査は、オランダに本部を置く「国際教育到達度評価学会」が4年ごとに実施している。経済協力開発機構(OECD)が高校1年を対象に行う調査(PISA)が応用問題中心なのに対し、基礎的な問題を重視している。
 前回の平成16年にこの2つの国際調査結果が相次いで公表され、当時の中山成彬文科相が学力低下を認めて「ゆとり教育の見直し」を表明するきっかけになった。今回の成績について文科省は「国際的に上位を維持」としているが、実態は横ばいで「トップ」と胸は張れない。文章題や記述式問題の成績が相変わらず悪い。シンガポールでは、理工系の人材育成に真剣に取り組んでいる。韓国では、PISA調査で日本が不振だった読解力でも好成績をあげている。
 国際学力調査に参加していない中国も、国際数学オリンピックでは上位を独占している。アジアの「ライバル」たちに比べ、日本の勢いは感じられない。理科離れが懸念されているのが現状だ。意識調査で「自分の成績がいい」と自信を持っている子供や「勉強が楽しい」という割合が中学生で低かったのも心配だ。ゆとり教育の反省から新しい学習指導要領で授業時間を増やし、教科書の内容も充実させる。おもしろさを教え、意欲を引き出す授業の工夫も欠かせない。ノーベル賞の記念講演で物理学賞の益川敏英氏は、父親から理科の知識や楽しさを教わったエピソードを披露した。幼いころから学問への興味や関心を育てる環境づくりを家庭でも考えたい。政府の教育再生懇談会は公立校の学力アップなどを掲げ、再始動する。学力向上の取り組みは続けねばならない。実効性と魅力ある議論と提案を期待する。

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(身辺雑記)死を考える季節

今朝(10日)の朝刊紙の「文藝春秋」新年特別号の広告を見た。「昭和の遺書53通」が、広告の半分占めているではないか。「おいおい」第790号で要旨は紹介すみだ。「2009逆転の日本興国論」は、力不足。いまさ、「麻生総理の器を問う」でもない。またぞろの「日米開戦 68年目の真実」でもない。
日本の秋から冬への気候は、冬至(今年は12月22日)に向かい昼の時間が日々短くなる。そして、冬至に太陽が一番弱く感じる。秋の落葉から、裸木になる冬をとうして、「死と生」を考える。冬至はその分岐点で、再び春に向かい生への回復をする。魂が枯れ死んでしまうと言われる。この時期に、死を考える。そうした意味から、絶好の特集だった。

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2008/12/08

シニアネット  『おいおい』 第791号

━━senior citizen net━━━━━━━ 2008/12/08━

    シニアネット 『おいおい』        第791号
 
━━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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12月8日かがみて恥骨在り         熊谷愛子

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 12月8日は、太平洋戦争の開戦日。昭和16年(1945)12月8日未明ハワイの真珠湾へ、空母から発艦した飛行機が攻撃した。「ニイタカヤマヘノボレ」の電報が打電された。攻撃開始である。「トラトラ」は、「突入セヨ」とも「成功セリ」とも考えられるが、今のところどちらか不明である。いずれにせよ、ハワイ上空から大戦果の報告を打電したのだろう。真珠湾に米太平洋艦隊基地であった。米国に長期消耗戦に持ち込まれて、国力の差を見せつけられた。オバマ大統領の出身地でもある。
 「恥骨在り」の「恥骨」は身体で大切な役割を果たす部分である。釈迦の成道の日でもある。修行でやせて「かがみて」始めて、「恥骨」にきづいた。それほど、痩せているのだろう。作者の句風は、「人間の本能と内面をみつめる。」。石川県白山市生まれ。(1923-)。

┏━━蝋八会━━━━━━━━━
 釈迦が苦難を耐えて悟りを開いた。成道の日である。蝋(12)月八日。開戦はその日にあやかろうとしたが、悲惨な敗戦へと落ち込んでいった。苦行では悟りが得られず、川で6年間の垢を落としたあと、菩提樹の下で座禅を組んだ。その朝、悟りを開かれた。禅宗の大寺では、1日から8日払暁まで不眠不休の座禅修道が行われる。8日の朝、茶粥、甘酒、沢庵などが出される。寺により昆布、串柿、菜を入れた粥を出す寺もある。

┏━━閉塞成冬━━━━━━━
72候の1つ。12月8日。「へいそくふゆとなる」。冬気強まり、人も生き物も万物みな閉じふさがる頃。

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(身辺雑記)淵田美津雄

真珠湾攻撃総隊長の淵田美津雄(1902―1976)の生涯が、雑誌「ラジオ深夜便」の11月号に再録された。機動隊360機の指揮官。戦艦アリゾナ轟沈したのは、勿論航空部隊の戦果である。特殊潜航艇ではない。未帰還の潜行艇の乗員を軍神に仕立て上げだ。飛行機は被弾して燃料切れ寸前に帰投した。半年後のミッドウエイ海戦では重傷。そして、原爆投下後、現地調査団に入り二次被爆にあった。敗戦後のミズーリー号上での降伏調印式にも立ち会った。開戦から幕引きを見届けた。
敗戦後は、奈良県橿原市で農業をする。基督者として生きる道を見付ける。「憎しみの連鎖を断つために」に渡米を繰り返す。最期まで、「生き残った自分で出来ることは何か。」を自問していた。

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昭和史(文芸春秋 新年特別号)

┏━━昭和史━━━━━━━━━━━━━━
 ◎「昭和の遺書53通」(文藝春秋新年特別号)◎
文藝春秋の新年特別号が、「昭和の遺書53通」を特集した。平成年20年。昭和終わって20年。国民が
否応なしに歴史の渦に巻き込まれた昭和。昭和ほど遺書が書かれた時代はない。その昭和を遺書でふ
りかえった。
昭和は3分の1は戦争であった。260―290頁まで戦争関係。291―307頁がその後。「昭和維新」の二
・二六事件の磯部浅一と北一輝から始まる。昭和初期は、小林多喜二の死骸を引き取った母の「まる
で詩のような絶筆」の紙片。
戦中の「学徒出陣・特攻―若い兵士たち」の最期の言葉がつづく。「ふるさとを思いつつ―農民兵と
看護婦」。「部下将兵とともにー前線の指揮官たち」。「天皇と国に殉じるー戦争指導者たち」は、
近衛・東条も出る。
サイレント・ネイビー」の井上成美は、敗戦後は公の場には出なかった。戦後30年を沈黙と孤独に生
きた。8月15日には、軍帽をかむり海に向かい1日正座していた。「2人のカリスマー満州の荒野で」
。「市民の悲劇―原爆と引き揚げ」。「終わらぬ戦争―戦犯とされた人々」。
「もはや戦後ではない」の昭和31年から経済発展に進む中、60年安保闘争のような政治の季節となる
。「青春の死―学生運動のさなかで」では、昭和35年6月15日国会の請願デモの中で圧死した東大生
の樺美智子。「勉強できる時間が欲しい」は今の若者に読ませたい。「政治の季節にー戦後のテロ事
件」。昭和39年の東京五輪を経て、高度成長時代が来る。経済アニマルに走る日本に嫌悪感を抱いた
作家・三島由紀夫。昭和45年11月25日の自衛隊駐屯地での割腹。自決から28年後に遺書が公表された
。「武士として死にたい」が本音である。中略する。
昭和の幕を引いた遺書2つ紹介して終わりとしたい。「昭和とともに逝く。女王ひばりの絶唱」。平
成元年5月、昭和の終わりを見届けるように去った国民的歌手。52歳のひばりは、「生きることに向
って歩きます。」が最期の言葉だった。いよいよ「昭和の終焉。昭和天皇 最後の御製」。生前最後
の作。<あかげらの叩く音するあさまだき音たえてさびしうつりしならむ>。崩御前年の昭和63年9
月、那須御用邸で静養中に詠まれた。昭和が終焉に近付き静かな寂しあがある。昭和天皇は体調の悪
化を押して、戦没者追悼式に那須からヘリコプターで出た。これが最後の「公務」となった。9月19
日に吐血して、一進一退の容態が続いた。翌年昭和64年1月7日午前6時33分、天皇崩御。昭和は静か
に幕を引いた。

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2008/12/07

(社説)雇用危機

┏━━雇用危機━━━━━━━
  ◎万全な雇用対策を◎
企業のリストラや倒産の増加で、雇用の悪化が加速した。派遣や期間社員の契約打ち切りが相次いで
いる。与党は3年間で2兆円をつぎ込む「新たな雇用対策」をまとめたが、労働保険特別会計の1兆
円を除いて財源のメドは立っていない。雇用情勢は深刻だ。厚生労働省は、10月から来年3月までに
職を失う非正規労働者は3万67人と予測している。 厚生労働省は、10月から来年3月までに、3
万人の非正規労働者が、職を失うと見込む。だが、自動車メーカーだけで今年度の削減計画は1万人
を超える。今後の景気次第では正規労働者を含めさらに大きな影響が出かねない。

6日;日経社説(1)この際、定額給付より雇用対策の充実を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081205AS1K0500905122008.html
『評判の悪い定額給付金も2兆円規模だ。この際、5兆円にのぼる雇用保険の積立金を取り崩し、さ
らに定額給付金を回してでも雇用の悪化に対応しなければならない。与党の対策には「悪質な内定取
り消しの場合、企業名を公表する」などの措置も盛り込まれた。だが経済が厳しくなると、雇用に手
をつけざるをえない企業も出てくるだろう。その際に必要なのは社会のセーフティーネットだ。
 製造業の派遣社員などは寮に住み込む例が多い。失業と同時に住居も失う。当座の住まいと生活費
を保証し、再就職の支援をすべきだろう。失業給付の条件緩和や就職先が見つかりにくい高齢者への
支給日数の延長も期間を限って大胆に実施すればいい。非正規労働者は雇用保険に未加入のケースも
少なくない。政府の審議会では雇用保険の加入要件である「1年以上の雇用見込み」を「半年程度」
に緩和することも検討されている。安全網から漏れる人を少なくする対策も、将来的には重要だ。労
働者の勤労意欲をそがないように注意しつつ、あらゆる対策を打たねばならない。
 与党は都道府県への交付金を財源に「緊急雇用創出事業」を提言しているが、雇用対策を錦の御旗
に公共事業を増やすというのでは困る。環境や少子高齢化など社会のニーズを踏まえ、働く人の安定
的な就業につながる支援が求められる。そのためには教育訓練も欠かせない。雇用対策が定額給付金
より優先度が高いのは明らかではないか。

6日;読売社説(1)新雇用対策 失業の痛み緩和へ早期実施を
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081205-OYT1T00880.htm
『実現を急ぎ、失業増加の痛みを和らげねばならない。リストラの嵐はまず、派遣社員や期間従業員
など、立場の弱い非正規労働者を直撃している。期間満了後に雇用契約を更新しない「雇い止め」や
、契約の中途解除が相次いでいる。企業倒産も、5か月連続で1000件を上回り、今年は10月ま
での累計で1万件を超すハイペースだ。職を失う人は、厚労省の見立てより多いと見ねばなるまい。
解雇と社員寮の退去を、ある日突然に言い渡され、「職」「住」を同時に失う。そんな苦痛と絶望感
に打ちのめされる人が続出すれば、社会不安は強まるだろう。与党の雇用対策は、派遣社員を正社員
として採用した企業に、1人あたり100万円を支給する制度の創設や、再就職が特に難しい人に対
する失業給付の60日間延長などを盛り込んだ。就職の内定を取り消された新卒者を雇う企業には、
最大100万円の奨励金を支給するという。雇用の維持や失業者の支援、再就職の促進などに、一定
の効果が期待できそうだ。
 大切なのはスピードである。10月の追加景気対策に盛り込まれた措置の強化・拡充策はもちろん
、新たな事業もできるだけ来年度予算まで持ち越さず、第2次補正予算で実現するよう詰めを急いで
もらいたい。民主党も雇用重視の姿勢は同じはずだ。早期実施に向けた与野党の協力を求めたい。
 雇用が本格回復するには、経済の立ち直りが不可欠となる。雇用悪化の背景には企業の大規模な減
産があり、その原因は内外需要の急速な冷え込みに伴う深刻な販売不振だ。欧米の金融危機が深刻さ
を増し、海外景気が失速する中で、外需回復には期待できない。消費や住宅投資などの内需回復が最
も有効な雇用対策となる。税制、財政を有効に使い、内需の振興を図らねばならない。

6日;毎日社説(1)リストラ横行 こんなことでは国が危うい
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081206ddm005070158000c.html
『雇用情勢の悪化が予想を上回る速度で進んでいる。自動車、電気機械など輸出型製造業を中心に進
んでいる派遣社員や季節従業員の雇い止めや中途契約打ち切りは、勤労者の不安を高めている。非正
規、正規を問わず、雇用調整が本格化しかねない状況だ。
 では、今回の対策で、雇用の維持や雇用の創出はできるのだろうか。10月末の追加経済対策に盛
り込まれた雇用へのテコ入れは、年長フリーターなどの積極的雇用、ジョブカード制度の拡充、地域
での雇用機会創出などで、予算規模は3000億円だった。企業の人減らしリストラが拡大し、新卒採用
の内定取り消しなど正規雇用の抑制や削減も現実化している中で、本格的な対策が必要なことは間違
いない。
 雇用保険特別会計の積立金のみならず、一般会計からも1兆円の財源を確保し、2兆円規模の雇用
対策を講ずることは前進ではある。失業給付の期間延長や企業の正社員化支援、職業訓練中の生活手
当など、追加経済対策段階よりは踏み込んでいる。景気が緩やかとはいえ回復を続けたことで、雇用
者総数は増加した。しかし、中身は派遣やパートなど非正規労働が中心だった。いま、現実に雇用契
約を打ち切られたり、解雇の不安を感じている勤労者の多くは、そうした人々だ。政府は期限前の契
約解除などには厳正に対処するというが、勤労者の権利を守ることも必要だろう。
 再就職支援策も総花的である。地域での雇用創出も具体的な姿が見えてこない。失業給付期間の延
長や職業訓練対策は適切に運用されれば、効果があるだろう。ただ、重点化や集中は不十分だ。雇用
の悪化は家計を不安に陥れ、個人消費の手控えをもたらす。日本はいま、そうした状況にある。雇用
対策をやるのであれば、国民が安心を実感できるものでなければならない。企業も責任を共有するこ
とは言うまでもない。

7日;朝日社説(1)雇用危機―失業者の年越しのために
http://www.asahi.com/paper/editorial20081207.html?ref=any
『まるで坂をころがるように、働く現場が危うくなってきた。製造業では数百人から千人規模の人減
らしが相次ぐ。来春までに、派遣社員や期間工といった非正社員3万人以上が失業する。会社の寮に
住む非正社員らは、仕事を打ち切られると同時に寮からも出るよう求められる。正社員からも「退職
を迫られた」という声が出始めた。働き手の暮らしが揺らげば、消費は伸びず、景気は悪化する。そ
してまた倒産や失業が増えていくという悪循環に陥る。社会全体の不安も募る。
 企業はいかに生き残りに必死であろうと、雇用を守るぎりぎりの努力をしてほしい。やむなく人を
減らす場合でも、再就職を手助けし、次の仕事が見つかるまで社員寮に住むことを認めるぐらいの配
慮をぜひしてもらいたい。深刻化する事態に、与野党は対策を打ち出し始めた。ただ肝心なのはスピ
ードだ。まず緊急にすべきことを洗い出し、年内にもできる限りの手を打つべきだ。2次補正予算案
の国会提出さえ先送りするようでは、なにをか言わんやだ。
 雇用対策という狭い分野だけでは、緊急事態に対応できない。 たとえば、家を失った人が住める
部屋を用意する。当面の生活費を貸す。そんな生活支援は待ったなしだ。生活保護など福祉との連携
も欠かせない。ホームレスの自立を支える自治体の制度も積極的に活用したい。中小企業対策も必要
になるだろう。いろいろな角度からの知恵を絞りたい。
 緊急の取り組みとともに、働き方そのものにも目を向けねばならない。 非正社員が増えるきっか
けになった労働者派遣法は、国会に出された改正案で十分なのか。非正社員の権利や暮らしを守るし
くみは弱すぎないか。 不況の坂がどれだけ続き、失業者がどれだけ増えるのか、まだ誰にもわから
ないのだ。

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(身辺雑記)クリスマスカード

 クリスマスカードを、イギリスにいる唯一の友人夫妻に出した。毎年、漱石忌(12月9日)に送る慣例を今年は早めた。大阪へも夫婦で来てくれた。文楽を見せたらゲラゲラと大笑いして、夕食にすき焼きを畳の上で食べた。英国旅行に行った時、夫婦でロンドン市内を案内してくれた。私の次女が、英国へボランテイア活動をしたときの友人の両親である。お互いに、隠居生活を楽しんでいる。
今年から日本の文化を知ってもらう努力を始めた。まず、「源氏物語」。カードは、団扇の源氏絵巻。切手は源氏物語の記念切手。シェクスピアは素晴らしいが、一千年前に“love Story”を女性作家が、完成したと自慢しておいた。英国紳士と淑女はどう反応してくるか、楽しみである。

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2008/12/04

シニアネット 『おいおい』     第789号

━━senior citizen net━━━━ 2008/12/04━

 シニアネット 『おいおい』        第789号
 
━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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あやとりのエッフル塔も冬に入る     有馬朗人

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「冬に入る」と雪などで外では遊べなくなる。室内の女の子の遊びの「あやとり」。冬ののどかな日
差しを受けて縁側で女の子が「あやとり」を楽しんでいる。とんぼ、ちょうちょ、だんだんばしご、
鉄橋、亀、ヘリコプターは馴染みがある。「エッフル塔」は珍しい。「国際あやとり協会(ISFA)」
がある。サイトのアドレスを紹介しておきます。詳しくは、そちらをご覧ください。
作者は、東大総長、文部大臣をこなした。専門は物理学で理学博士。海外長期滞在の経験を生かした
海外詠から日本回帰の句を得る。大阪市生まれ。(1930― )。
http://isfa-jp.org/00.htm

┏━━冬ごもり━━━━━━━━
 冬になると動物は巣や穴の中には入り、じっとして過ごすことを「冬ごもり」という。冬の間、人
も外の出ず家にこもって過ごした。暖炉や囲炉裏や炬燵で暖をとりながら、家族が話をする。楽しい
ひとときであった。狭い屋内こそ広い世界になった。<屋根ひくき宿うれしさよ冬籠り>(与謝蕪村
)。

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(身辺雑記)歳末助け合い

歳末助け合いの募金中である。毎年12月5日までに、郵便局へ1年間貯めた貯金箱を持ち込み、日
本赤十字社、中央共同募金会、日本ユニセフ協会へ寄付する。帰宅したときに、ポケットにある小銭
を貯金箱へ入れておいたものだ。百円以下の少額貨幣だが、今年は52072円だった。日本赤十字社と
中央共同募金会へ2万円ずつ。日本ユニセフ協会へ1万円と分けた。端数は来年分にまわした。
 募金額は万円単位となったが、毎日貯めた小銭の累積ではないか。少額紙幣だから、毎日の生活に
は余ったお金であるが、まとまると惜しくなる。パソコン1台をこらえて、寄付にまわした。喜捨で
はないか。金額としては、素直になれない。小銭の累積とは思えないのである。

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(社説)予算の概算要求

┏━━予算の概算要求━━━━━━━
 ◎本当の財政政策を望む◎
 政府・与党が来年度予算編成の基本方針を決めた。公共事業関係費の3%削減などを盛り込んだ概
算要求基準(シーリング)とは別枠で、景気や雇用対策のため、「機動的かつ弾力的に対応」するた
めの歳出を増やす方針を決めた。その内容は今後詰めるが、特別枠などを設けて、予算を重点配分す
ることになりそうだ。

4日;日経社説(1)経済活性化につながる歳出の拡大を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081203AS1K0300603122008.html
『冷え込んだ需要の喚起は不可欠であり、財政政策の役割は重要である。財政コストと比べた刺激効
果が高いものや、中長期的な経済活性化につながる施策を中心に予算をつけることを考えるべきだ。
麻生太郎首相はシーリングは維持する一方、これとは別の形で機動的な対応をしていく考えを示した
。首相の指示を受けて、政府は来年度予算で用意している重要課題推進枠や今年度の補正予算を活用
して、雇用対策や景気刺激につながる歳出を拡大する検討に入った。こうした手法は基本的には正し
い。各省庁に従来の予算シェアに基づいて配分され、必要な事業に予算がつきにくくなる恐れもある

 別枠で予算を用意すれば、各省庁が真に必要な施策を競い合い、メリハリの利いた予算配分につな
がる可能性は高まる。中身については、例えば羽田空港の機能や便利さを高める事業など、国の競争
力の向上に必要なインフラの整備や、低炭素社会への構造転換を後押しする補助金などが候補になる
のではないか。地域活性化につながる事業も重要だが、できるだけ地域に内容の選定を委ねるほうが
よいだろう。
 需要刺激となると財政支出ばかりに目が行きがちだが、民間の投資や消費を誘発する税制措置も重
要だ。新エネルギーへの転換を促す投資減税のほか、道路特定財源から一般財源に変わる自動車重量
税などを環境に優しい自動車の取得に限って一時免除する案なども検討に値する。日本の財政状況は
先進国の中で最悪であり、歳出を増やす場合は中身を厳選し、無駄な事業は思い切ってやめるなど、
将来に禍根を残さないようにすべきだ。同時に中長期的な社会保障の将来像を示すことも、人々の安
心を高め、消費マインドを萎縮させないという意味で重要だ。

4日;読売社説(1)来年度予算 景気と雇用に目配りが肝要だ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081204-OYT1T00041.htm
『一律の歳出削減・抑制路線にこだわっていては国民の期待に応えられない。来年度予算の編成に当
たっては、こうした視点が欠かせまい。国内景気の落ち込みを見れば、財政面での一定の配慮は当然
だ。財源が乏しいなかでどのようにメリハリをつけていくか。
来年度予算のシーリングが決まったのは今年7月末だ。だが、世界的な金融危機による景気の悪化が
予算をめぐる環境を一変させた。今月2日には、自民党が異例の方針を打ち出した。財政再建の方向
を定めた2006年度の「骨太の方針」を3年程度凍結することなどで総務会が一致し、首相に伝えた。
その方針に沿って予算編成するなら、社会保障費の抑制の見直しが最優先だ。自然増を毎年2200億円
ずつ抑制する仕組みだが、介護や医療の現場で人手不足を招くなど、問題が生じている。中小企業対
策や雇用確保策の充実、削減が続いてきた政府開発援助(ODA)予算の増額も必要となろう。
 問題は財源である。景気低迷で税収は法人税を中心に大きく落ち込んでいる。今年度予算では約54
兆円の税収を見込んだが、6~7兆円不足する見通しだ。この不足分は赤字国債の増発で穴埋めする
しかあるまい。国債発行額は2年連続で30兆円を超す可能性が高い。景気対策に伴う費用が計上され
れば、財政赤字はさらに拡大することになろう。この結果、2011年度に国と地方の基礎的財政収支を
黒字化するという政府の目標は、ほとんど達成不可能になる。巨額な財政赤字を放置していいという
ことではない。景気回復後の消費税引き上げなど、将来の財源確保の道筋を今から示しておくことが
肝要だ。

4日;朝日社説(全)財政路線の転換―危機克服にこそ規律を
http://www.asahi.com/paper/editorial20081204.html?ref=any
『ここ数年、政府の予算づくりに強い節約圧力をかけていた財政再建の重しが、はずされようとして
いる。
■何でもありの懸念 ■ 節約路線はひとまず棚上げしたうえで、景気浮揚や雇用対策のために国債
を増発し、大規模な財政出動に踏みだそうということである。膨大な政府債務の縮減になんとかめど
をつけようと小泉政権時代に掲げられた財政再建の旗じるしは、下ろされることになる。 来年に向
けて、不景気はさらに深刻になるだろう。その一方で、懸念も膨らむ。公共事業の大盤振る舞いが再
現され、景気はあまり改善されないまま借金だけが積み上がって終わるのではないか。政府より一足
先に、大規模財政出動へと路線転換を打ち出した自民党の笹川尭総務会長の発言だ。転換をのまねば
政権維持には協力できない、と言わんばかりだ。
 ■優先順位を明確に■ この世界的な不況が、日本の雇用や地域経済に大きな打撃を与えるであろ
うことは間違いない。しかも、その期間はかなり長くなりそうだ。政府は財政の力を使って社会の安
全網を確かなものにし、国民生活を守る責任がある。他方、現在の財政は国と地方を合わせた長期債
務が国内総生産(GDP)の1.5倍にものぼり、崩壊状態に近い。これ以上、深刻化させないため
の知恵と戦略を抜きに、安易に規律を緩めるのは許されない。大事なのは、賢さだ。確実に未来に実
を結ぶ分野を厳しく選別し、明確な優先順位をつけて財政出動を振り向けることだ。財政のタガを緩
めると、人気取りや票集めの便乗組が登場するのが、これまでの景気対策の悲しい現実だった。必要
なものとそうでないものを選別するには、卓越した眼力が求められる。それにはこれからの日本の社
会や経済のあるべき姿について、政治指導者に明確な構想がなければならない。
■土壇場の麻生政権■  景気対策のため財政再建を一時棚上げするのなら、放漫財政に流れないた
めの歯止めが不可欠になる。いちど財政による刺激に頼ると、もっと景気がよくなるまでと欲をかき
、赤字の山を築いてしまう。それが景気対策の歴史だった。財政立て直しと両立させるには、自らを
律する厳しい枠をつくっておく必要がある。これらの手だてを講ずるには、政府与党を抑え込む相当
な腕力が必要だ。予算などを成立させるには、野党とも折り合いをつけていかねばならない。麻生政
権はまさに土壇場に立った。

4日;毎日社説(1)混迷・予算編成 福祉や雇用への配慮足りぬ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081204ddm005070077000c.html
『景気を良くするため、需要追加政策を積極的に進めるということだ。政府や自治体などの公的支出
は少なければ少ないほどいいという。民間からの需要追加に限界がある以上、政府が財政を通じてそ
の役割を果たすことは経済学的にも正当である。だからといって、財政再建をなし崩しに見直してい
く手法は問題である。自民党内の歳出増要求にはばらまき願望があることは間違いない。これは脈絡
のない歳出拡大への道である。
 加えて、麻生太郎首相の立ち位置も明確ではない。景気最優先を打ち出してはいるものの、その方
向にカジを切りきれてもいない。財政健全化路線を挫折させたとみられることへのこだわりがあるの
だろう。では、どうすればいいのか。
第一は、従来型の事業は全面的に見直し、国民生活や地域社会維持に必要不可欠な社会資本整備の積
極的推進だ。新しい時代への投資を、景気対策も兼ねて実施するということだ。第二は安心、安全の
実現につながる医療・介護や雇用では予算を惜しまないことだ。基本方針でも重点対象になってはい
るが、不十分だ。将来的には国民負担を高めることが課題となるが、まず、国民が政府を信頼できる
ような社会保障基盤の整備をしておかなければならない。こうした施策の実施には相当規模の財源が
必要だ。税収が大幅に減少しているため、大半を国債に頼ることになる。そこで、財政規律の維持が
欠かせない。景気回復に有益な事業に集中し、歳出構造の転換を図り、同時に、国債増発からの脱出
工程も示すべきだ。有益で、かつ、経済効果も大きい財政支出を使い、景気を良くすることが政策課
題だ。

4日;産経社説(1)予算編成 財政規律を引き締め直せ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081204/plc0812040310003-n1.htm
『財政規律の緩みは極めて憂慮すべき事態といえる。骨太2006を表面的に維持するだけで、実質的に
はなし崩しを意味するとみられる。象徴的なのは社会保障分野である。シーリングでの歳出抑制規模
は2200億円だが、政府・与党内では1000億円以上のたばこ増税を財源に、これを圧縮することで調整
が進んでいるという。歳出増の大合唱は公共事業や政府開発援助など他分野にも及ぶ。これでは新た
な政策需要向けの3300億円の重要課題推進枠では対応できまい。与党内には多額の別枠を求める動き
まである。道路特定財源の一般財源化でも、首相は地方に回す1兆円を公共事業にする与党案をのみ
、さらに上積みする方向という。国の財政への貢献を含めた一般財源化の理念は失われたといえる。
 こうした財政規律なき混乱は間違いなく国債増発につながる。赤字国債に頼らないとした先の「生
活対策」に必要な財源5兆円は財政投融資特別会計の剰余金を来年度分まで先食いして手当てするの
だろうが、今年度税収自体が5兆円以上不足するのは確実だ。景気悪化により法人税収などが落ち込
むためで、国債増発は不可避だろう。来年度も税収は期待できないし、基礎年金国庫負担引き上げの
安定財源2.3兆円さえ手当てできていない。
 消費税を含む税制抜本改革が先送りされた中で、財政規律が崩壊すれば国債発行が膨張するだけだ
。骨太2006の目標である2011年度の基礎的財政収支黒字化など吹き飛んでしまう。その先に
待っているのは大増税である。麻生政権にも国民にもその覚悟があるのだろうか。

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2008/12/01

(身辺雑記)プレゼン能力

プレゼンテーション能力。ビジネスの世界では、必修の能力ですが、一般社会ではあまり評価されてない。相手にこちらの言いたいことを理解してもらう。そのために、最近のパソコン技術を活用する。パワーポイントである。
現在のパソコンソフトは、2007年版だが、使い勝手がよい。説明資料には、図表やグラフはもち論、画像やアニュメが使える。5感の中で、視覚(83%)、聴覚(11%)に訴求できる。映像と口頭で、イメージを理解してもらう最適な手段である。パワーポイントが有効である。短い時間で、相手に伝えたいことを伝える手段。現代版「紙芝居」である。プレゼン能力は、訓練により成長する。情報伝達能力を向上したいものだ。

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(社説)ネット配信で変わるテレビ

ネット配信で変わるテレビ
NHKが1日からテレビ番組をネット配信する「NHKオンデマンド」を始める。見逃した番組を後で見たり、過去の番組を自由に選んで見られるという。テレビはこれまで番組表に従って見るしかなかった。テレビの新しい視聴スタイルを提供する試みとして歓迎したい。

1日;日経社説(2)ネット配信で変わるテレビ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081130AS1K2800429112008.html
『オンデマンドで見られるのは大河ドラマなど過去1週間の番組、ニュース、それにNHKアーカイブスと呼ばれる過去の放送作品だ。料金は単品とセットの値段があり、1作品の単価は税別で100―300円。月額1400円払えば、過去1週間分の番組を好きな時に見られるという。番組を視聴するには光回線などの高速回線とパソコンもしくは通信のできるデジタルテレビが要る。従来のパソコン向けの動画配信と異なり、映像をハイビジョンのテレビ画面で見られるのが特徴だ。政府も新サービスを後押ししており、今年4月の放送法改正で実現した。
 NHKが新サービスを始めるのは、放送のデジタル化で先行した欧米やアジアの国では見逃し番組の視聴が一般的となっているためだ。さらにNHKの膨大な映像資産をネットに流すことで、国民が作品を見られる機会を増やし、新たな収入源にもしていこうという考えだ。課題は受信料で成り立つ公共放送として番組の二次利用に伴うコストをどう賄っていくかである。有料にしたのは、ネット配信に必要なシステムの費用や実演家など権利者への支払いが新たに発生するためだ。視聴者間の公平性を保つ意味でもあえて有料で始めることにした。
 NHKの新サービスは3年前に話題となった「通信と放送の融合」を促す試みともいえる。フジテレビジョンも11月から一部番組のネット配信を始めた。最近は自分で内容を選べる動画共有サイトの人気が高い。放送局もよい番組を視聴者が時間にとらわれずに選択できる仕組みを提供していくことができる。さらに番組のネット配信は高速通信インフラの普及にも役立つ。光回線の契約数は1300万件を超えたが、さらに拡大するには起爆剤が要る。その意味で新サービスはテレビに関心の高い高齢者世帯へのネットの普及を促すことにもなろう。

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(社説)産科医療補償

産科医療補償
医療事故をめぐる紛争を早期に解決するための新しい仕組みとして「無過失補償制度」が導入される。 無過失補償とは、医師や病院側に過失がない場合でも、医療事故の患者や家族に経済的な補償を行うことだ。来年から、出産時に子どもが脳性麻痺となった場合に絞り、「産科医療補償制度」としてスタートする。

1日;読売社説(1)産科医療補償 懇切丁寧な説明が欠かせない
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081130-OYT1T00687.htm
『医師と患者の信頼関係を守る制度へと、発展させることができるか。無過失補償の先鞭をここからつけるのは、理由がある。産科の医療事故は、出産の喜びが暗転するだけに家族のショックが大きく、訴訟になるケースが多い。このため、分娩を手がけない産科医が増えた。その結果、産科医療の現場はより過酷になり、産科志望の医学生も減っている。また、脳性麻痺の多くは原因がはっきりせず、裁判になると過失の有無をめぐって、長い争いが続く。親は医師へ強い不信感を抱きつつ、訴訟と子育てに大きな負担を背負う。
 新制度が適用される来年1月以降の出産では、新生児が重度の脳性麻痺となった場合に総額3000万円が補償される。並行して第三者機関が原因を分析し、結果を公表して再発防止も図る。医療側と患者側の双方に利点のある制度だが、心配なのは保険料負担の仕組みが複雑なことだ。まず、出産1件につき保険料3万円を医療機関から保険会社に払う。医療機関はその分を出産費用に上乗せして妊婦に請求する。妊婦には、健康保険組合から後日支給される出産育児一時金が現行35万円から38万円に増額される。実質的には国保や企業の健保が負担するのだが、出産が病気ではなく保険診療の対象外であるため、こんな仕組みになってしまった。懇切丁寧な説明を欠けば、後期高齢者医療のような混乱や誤解が生じる懸念をぬぐえない。
 保険料は、健保組合が直接負担する方が分かりやすいのではないか。さらに一歩進め、出産育児一時金を健保組合から医療機関に直接支払うことにすれば、出産時の窓口負担は大きく軽減される。新制度には、早産の一部を対象外としていることや、第三者機関の位置付けなど、引き続き議論が必要な点も多い。だが、軌道に乗せることができれば、他の産科事故へ、そして医療事故全体へと適用を拡大できる可能性がある。問題点は早急に改善しながら、着実に育てるべきであろう。

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