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2008/11/30

シニアネット 『おいおい』 第787号

━━senior citizen net━━━━━━━2008/11/30━

    シニアネット 『おいおい』        第787号
 
━━━━━━━━━━━行動のための情報紙━━━━

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暖房車降りねば東京まで行く          山口波津女

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降りる駅に列車が着いた。降りなければならないが、「暖房車」があまりにも心地よいので、いつまでも乗っていたい。足元が暖かくて、うとうとして眠くなる。眠ってはダメだよ、「東京まで行く」よ。寝過ごして、遙かに遠くの終着駅の「東京」に行くよ。
「暖房」は大きく変わった。昔は、火鉢、囲炉裏、石油・石油や薪を燃料とするストーブ。現在は直接、焔の見えないガスや電気に変わった。空調装置の暖房具が中心になった。ガスや電気による床暖房もある。昔の列車は、窓の脇を蒸気スチームとおしていた。<暖房車荒涼たる河をわたりたり>(山口誓子)。大阪市生まれ。山口誓子の妻。(1906―1985)。

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(社説)党首討論

┏━━党首討論━━━━━━━━━━
  ◎平行線だが、意義があった◎
麻生太郎首相と民主党の小沢一郎代表の初の党首討論が行われた。小沢氏は首相が2次補正予算案の国会提出を来年に先送りした対応に絞り、論戦を挑んだ。首相はこれまでの説明を繰り返すだけ。補正予算を出さないのなら年末に衆院解散を、と小沢氏が投じた直球も首相はかわし回った。国会の会期が来月25日まで延長されたにもかかわらず、与党の都合で景気対策が出ず政治空白が生じかねない。第2次補正予算案の今国会提出を求める小沢氏と、来年の通常国会で来年度予算案と連続して審議したい首相の主張は、平行線をたどった。

29日;朝日社説(2)党首討論―毎週でもやってみては 
http://www.asahi.com/paper/editorial20081129.html
『両者のやりとりで目を引いたのは、衆院の解散・総選挙をめぐる発言だ。小沢氏が口火を切った。「首相が迷走を繰り返すのは、選挙の洗礼を受けていないからだ。国民の支援を背景に、首相がリーダーシップを発揮するのが民主主義のあり方だ」「第2次補正予算案を来年に先送りするなら、直ちに国民に審判を仰げばいい。」  首相も率直に答えを返した。「私も解散というのはひとつの手段だと当初思っていた。」「ただその後、100年に1度の金融災害というほどの大きな問題が起き、政治空白がつくれなくなった」。 解散について、首相がこれだけざっくばらんに語るのは初めてといっていいのではないか。
  小沢氏はこうも述べた。 「12月に総選挙を断行して、あなたが国民の支持を得られたら、それこそ思う通りの政策を実行したらいい」。総選挙でもし与党が勝てば、民主党も与党の政策実行には協力せざるを得ない。つまり、これまでのように参院での多数を使った抵抗戦術は控えよう。そんな考えを表明したとも受け取れる発言である。  総選挙の敗者はその民意を重んじ、勝者が主導権をとることを受け入れるというルールを、事前に確認しておくのは意味のあることだ。
 この日のテーマは総選挙と2次補正の扱いに絞られた。両党首が直接論戦を交わしたことで、対立点がくっきりしたのは収穫だった。 こんな討論をこそ、有権者はもっと聞きたいのではないか。道路特定財源の一般財源化をどうするのか。年内撤収が決まった自衛隊のイラク派遣をどう総括するのか。消費増税をどう考えるか……。テーマはたくさんある。 臨時国会の会期は12月25日まで延長された。残り1カ月弱、毎週でも党首討論をやってみてはどうだろう。

29日;読売社説(1)党首討論 こじれたままのねじれ国会
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081128-OYT1T00816.htm
『麻生首相と小沢民主党代表による初めての党首討論は、こじれた国会をときほぐすにはいたらなかった。攻勢をかけたのは、党首討論にこれまで気乗り薄とみられていた小沢氏である。首相が追加景気対策の迅速な実行を唱えていた経緯を踏まえると、小沢氏の補正提出要求は、一定の説得力を持つ。小沢氏とすれば、この一点を集中的に追及することで、首相のつまずきを浮かび上がらせる狙いだったのだろう。
 小沢民主党側にも、見過ごせない問題がある。まず、インド洋での給油活動を継続するための新テロ対策特別措置法改正案の参院採決の合意を破って、第2次補正予算案の今国会提出を要求したのは、いかにも乱暴ではなかったか。これでは、「意図的に審議は引き延ばさない」といわれても与党側がためらうのも無理はない。金融危機による世界的な景気悪化が日本経済にも深刻な影響を与えているのに、民主党は、金融機能強化法改正案の採決に応じていない。これは補正予算案の早期提出要求と明らかに矛盾する。首相が金融機能強化法改正案の早期採決を求め、建設的な政党間協議の重要性を訴えたのは、当然だ。これこそ本来、与野党が政策協調するのにふさわしいテーマである。延長国会で一刻も早く、決着をつけなければならない。
 ただ、首相が新テロ対策特措法改正案で、民主党のわかりにくい対応を攻め切れなかったのは、最近の「失言」問題などで守勢に回っているせいだろう。国会は、25日間の延長が決まった。国会審議の混迷は、それぞれ両党首自身にも、少なからぬ原因がある。このまま相互不信を募らせていては、政治の責任が果たせないことは、両党首とも百も承知のはずだ。さらに党首討論を重ね、闊達な論戦を展開してもらいたい。

29日;日経社説(1)2次補正先送りで守勢に回った首相
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081128AS1K2800628112008.html
『小沢氏は景気、経済対策を優先するとして衆院解散を見送った首相が2次補正を今国会に提出しないのは「国民に対する背信行為だ」と厳しく批判した。首相は1次補正の成立で中小企業の年末の資金繰りに対応できるとの判断を示すとともに、法人税収減に伴う減額補正を合わせて実施しなければならないことなどを提出見送りの理由に挙げた。小沢氏は2次補正を提出しないなら、衆院解散・総選挙で審判を仰ぎ、国民の信任を背にした強力な内閣で政策を遂行すべきだと主張した。首相は「私も解散は1つの手段と当初思っていた」と述べ、早期解散を探っていたことは認めた。しかし「今の状況は100年に1度といわれる金融災害」などとして、早期解散には否定的な考えを表明した。
 9月の所信表明演説で首相は小沢氏にインド洋上での給油活動の賛否などを問いただす異例の逆質問をして、先制攻撃を仕掛けていた。今回の党首討論では低姿勢に転じ、小沢氏を挑発する発言は控えた。首相が唯一、反撃したのは、金融機関による貸し渋りや貸しはがしを防ぐために、参院で審議中の金融機能強化法改正案を速やかに採決するよう繰り返し迫ったことだ。小沢氏が指摘したように年末に向けて景気、雇用情勢の一段の悪化が予想される。小沢氏は首相の不適切発言が多すぎると指摘して「総理の言葉はもっと重いものだ。自分自身の発言に責任をもっていただきたい」と強調した。首相は「総理として言葉に重みができるように今後とも努力していく」と、ていねいに答えざるを得なかった。わずか2カ月で政権を取り巻く状況が様変わりしたことを浮き彫りにする党首討論だった。

29日;産経社説(1)党首討論 すれ違いで終わらせるな
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081129/plc0811290254004-n1.htm
『麻生太郎首相と小沢一郎民主党代表による初の党首討論が行われた。それでも、残された重要法案である金融機能強化法改正案の成立に、小沢氏は理解を示した。首相も通常国会を見据えて自民、民主両党の本格的な政党間協議を呼びかけた。さらに党首討論を重ね、国政の停滞から脱却するきっかけにしてほしい。二大政党のトップが認識を共有し、解決策を見いだす好機であることを両氏は真摯に受け止めるべきだ。
 倒産件数の増加や非正規労働者の雇用環境の悪化は深刻だとする小沢氏の主張に対し、より説得力のある見解を示してもらいたかった。一方、首相は金融機関に予防的資本注入を行えるようにする金融機能強化法改正案の早期成立が、貸し手側の貸し渋りなどを解消し、中小企業の資金繰りに寄与すると強調した。小沢氏は法案修正に関する民主党の主張を取り入れるよう求めつつ改正の必要性は認めた。党首討論での認識の一致を受けて両党は調整を急ぐべきだ。
 党首討論は今年4月以来だ。その間、首相交代による空白もあったが、今国会に入ってからは自民党の開催要求を民主党が度々断ってきた。2次補正先送りの事態を受け小沢氏が前向きとなり、実現した形だ。原則として毎週1回行うはずの国会ルールに、小沢氏はもっと責任を持って対応してほしい。首相は党首討論だけでなく、民主党の「次の内閣」メンバーとも政策協議を行う意向を示した。協議をするなら国会対策の一環とせずに、海賊対策など一致点を見いだせるテーマから議論を始め、成果を挙げてもらいたい。

29日;毎日社説(1)党首討論 首相は何も答えなかった
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081129ddm005070104000c.html
『党首討論の開催は、実に7カ月ぶりだ。小沢氏は追加経済対策を盛り込んだ2次補正予算案の今国会提出を首相が見送った点に絞った。「政局よりも政策」との首相の持論との矛盾を突き、「国民への背信行為」と批判した。首相は1次補正予算による現行対策でも中小企業の資金繰りなど年内の対策は十分だと改めて強調。金融機能強化法改正案が審議中であることも先送りの理由とし、小沢氏に成立へ協力を呼びかけた。ところが、小沢氏が2次補正を見送るならば衆院解散を断行するよう首相に迫ると、今度は金融危機が「100年に1度」との見方を持ち出し、景気重視を理由に拒んだ。2次補正を今国会に提出した場合、審議が暗礁に乗り上げ、年末の衆院解散に追いこまれる事態を避けたいという与党事情が先送りの真相だろう。
 やりとりが全体的に盛り上がりに欠けた印象も否めない。自らの発言が次々と問題化したせいか、首相は別人のように官僚答弁的な慎重発言を繰り返した。小沢氏も主張は正攻法だったが首相と初討論のぎこちなさもあり、すごみはもうひとつだ。首相が解散に応じない以上、残る会期でさらに党首討論を重ねて補正予算提出を迫り、双方の対立点を明らかにするのが筋だろう。国会は延長されたが新テロ対策特別措置法、金融機能強化法両改正案の採決に民主党が柔軟姿勢で応じた場合、会期が余り日程が無為に消化されるおそれもある。国民の生活への危機感と、駆け引き主導の政治のギャップは極めて深刻だ。野党党首が討論で投げた球を、首相がまともに打ち返さない。そんな状態が続いてよいはずがない。

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(身辺雑記)「憂国忌」

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━
<あたゝかき11月もすみにけり>(中村草田男)。今日で11月は終わり、明日から師走だ。11月の異称は「霜月」であるが、現在の11月はそぐわない。「あたゝかき11月」である。田母神論文以来、小さなブームが起きている。三島由紀夫の「憂国思想」だ。
「憂国忌」(11月25日)は、小説家三島由紀夫が、昭和45年(1970)に、自衛隊東部方面総監部に乗り込み、「楯の会」のメンバー4名と劇的な最期を遂げた忌日。自衛隊が、アメリカの軍隊の手先になることを恐れて、自衛隊の総決起を促した。45歳で三島由紀夫は自ら割腹自殺した。38年間封印されていた思想が戻って来た。三島由紀夫の「思想と行動」と村田富市「談話」との歴史史観を整理して見よう。
http://mishima.xii.jp/contents/index.html

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2008/11/28

シニアネット 『おいおい』 第786号

━━senior citizen net━━━━ 2008/11/28━

  シニアネット 『おいおい』     第786号
 
━━━━━━━行動のための情報紙━━━

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戯曲よむ冬夜の食器浸けしまま      杉田久女

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大正11年(1923)2月号の「ホトトギス」に入選した5句のうちの1句である。<足袋つぐやノラともならず教師妻>と共に掲載された。冬の夜、「食器浸けしまま」に読みふけっている「戯曲」はイプセンの「人形の家」でしょうか。ヒロインのノラは自由を求めた家を出て行きます。作者はノラのような生き方は出来ない。良妻賢母であろうと願う。
『静まりかえった冬の夜は、自己の内面を熟視して自我を深める環境で、じっくりと読書も出来る。冬の夜家族が寝静まった空間で、自由な一人の人間になり充実しようとする姿が見える。』(『新日本大歳時記』より)
大正はじめの平塚雷鳥の「新しき女」とかノラを演じた松井須磨子のような新しい女。それと同時に作者は古い女でもあった。お茶の水時代の青春の夢を捨てて、田舎教師の妻としての日々。悩む姿が浮き彫りにされている。捨てがたい夢(「戯曲」)と厳しい現実(「食器」)。夫への不満が、代替行為として俳句へ傾斜していく。鹿児島市生まれ。(1890―1946)。

┏━━親鸞忌━━━━━━━━━━
  弘長2年(1262)11月28日に、浄土真宗の開祖親鸞聖人の命日。享年90歳の大往生をとげた。「報恩講」とも「御講」ともいう。聖人は、「某、閉眼せば、加茂河にいれて魚にあたふべし」と遺言した。自分自身を魚に布施する気でおられたのだろう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%AA%E9%B8%9E

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(身辺雑記)地元の郵便局

┏━━身辺雑記━━━━━━━━
 郵便局。名前が変わろうと地元の郵便局。事務員は顔なじみである。振り込みに行った。赤伝票は送料不要だが、青伝票は送料がATMだと80円、窓口だと120円。私はいつも窓口で、事務員と話しながら振り込む方を選んでいる。「ATMにしませんか?」と聞かれる。「話をしたいから、窓口にします。」と回答すると、事務員は怪訝な顔をする。
 「窓口で、話しながら振り込めば、詐欺も起こりませんよね。」と言うと納得顔。世間話をしながら、3枚の振り込みは完了した。テッシュを2束いただいた。笑いながら応対する事務員。振り込み詐欺の防止のために、ATMの振り込みを止めたらと提案に応えるおおらかさ。地元の郵便局はまだまだ健在だ。

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(社説)ムンバイ・テロ

┏━━ムンバイ・テロ━━━━━━━━
 ◎インド同時テロだ◎
発展を続けるインド経済の中心地ムンバイで、大規模な同時多発テロが起きた。 高級ホテルなどを自動小銃や手投げ弾を持った武装勢力が襲った。死者は日本人を含めて100人以上に達し、さらに宿泊客を人質に取った。 ムンバイでは06年7月にも帰宅時間帯の列車を狙った連続テロ事件があり、約200人が死亡した。事件発生後に「デカン・ムジャヒディン(イスラム聖戦士)」を名乗る組織が犯行声明を出し、地元テレビに「(拘束中の)イスラム聖戦士の全員釈放」を要求したことから、イスラム過激派による犯行との観測が強まっている。

28日;朝日社説(1)ムンバイ・テロ―新興大国を襲った恐怖
http://www.asahi.com/paper/editorial20081128.html?ref=any
『 インドとパキスタンの両国はカシミール地方の領有をめぐって長年争っており、関連するとみられるテロもこれまで多発してきた。昨年あたりからは、インド人のイスラム過激派組織が関与するとみられるテロも主要都市で続いている。今回の武装勢力が「欧米支配への聖戦」を掲げる国際テロ組織アルカイダの影響を受けている可能性も指摘されている。
 テロに見舞われるインドの事情は、ますます複雑になってきた。 根底にあるのが国内の宗教対立だということだ。11億人を超えるインドの人口の8割はヒンドゥー教徒が占め、イスラム教徒は13%強だ。宗教対立による紛争では多くの場合、イスラム教徒が犠牲となってきた。新興経済国として急発展したもののイスラム社会は取り残され、ヒンドゥー社会との格差が目立っている。まずは過激派の温床となっているこうした問題にきちんと向き合い、社会の融和をはかることが必要である。
インドとパキスタンとの間で関係改善の動きが強まってきたなかで、この事件が起きたことも無視できない。インドのシン首相とパキスタンのザルダリ大統領は9月に初めて会談し、カシミール紛争の和平交渉再開や、インドがパキスタンの関与を疑うテロについて、協議機関をつくることなどで合意した。今月にはザルダリ氏が、同じ核保有国として核の先制不使用を表明し、インドとの経済同盟の結成を呼びかけたばかりだった。こうした雪解けの動きに水を差しかねない事態だ。両国の安定は、アフガニスタンでのテロとの戦いを進めるためにも不可欠である。インドは47年の建国いらい常に選挙で政権交代をしてきた「世界最大の民主主義」国家であることを誇っている。事態を早く収拾し、背景にある問題の解決に全力を挙げて欲しい。

28日;読売社説(1)インド同時テロ 経済の中枢都市が狙われた
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081127-OYT1T00863.htm
『インドでは最近、爆弾テロが相次いでいた。しかし、銃を乱射し、外国人も利用する高級ホテルに立てこもる例は珍しい。ムンバイは世界の外資系企業も集まる経済の中枢都市だ。テロの影響を受け、地元の証券取引所が27日の株取引などを休場する事態に追い込まれた。ムンバイには日系企業100社余りが事務所を構え、270人を超える邦人が住んでいる。先月来日したシン首相は麻生首相との間で、日印の経済連携協定(EPA)の早期妥結に向け協力することで合意したばかりだ。日本は、ニューデリーとムンバイを結ぶ貨物専用鉄道の建設に円借款の供与も約束した。テロが続けば、こうした日印間のプロジェクトや日本の投資活動に陰りが出ることが懸念される。躍進を続けるインド経済にとっても打撃となりかねない。
 9月にニューデリーで発生した連続爆破テロでは、インド国内のイスラム過激派グループが犯行声明を出した。今回の場合はこれとつながりがあるのか。インドはパキスタンとともに南アジアの核保有国である。社会不安の拡大が最も懸念される。インド当局には、拘束した容疑者の取り調べなどを通じ、組織実態や背後関係を徹底的に捜査してもらいたい。それには国際社会が協力することも重要だろう。

28日;日経社説(1) 9・11連想させるインド商都へのテロ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081127AS1K2700127112008.html
『日本の外務省は邦人の安全確保や情報収集に全力を尽くしてほしい。インドのシン首相も「国外に拠点を置く組織が商都に大損害を与えようと決意してやってきた」との見方を示した。ヒンズー教徒が主流のインドではイスラム教徒が職業など待遇面で冷遇されることが多く、根深い宗教対立が事件の背景にあるとの指摘が出ている。ムンバイは人口に占めるイスラム教徒の比率が高い。
 インド経済の中枢を狙った組織的な連続テロは、2001年9月11日に米国で発生した同時テロを連想させる。武装集団が米国人や英国人を集中的に人質に取ろうとしていたとの証言もあり、国際テロ組織のアルカイダが関与している可能性も否定できない。テロの続発を防ぐためにも、インド政府は武装集団の実態解明を急ぐ必要がある。同時テロがインド経済に与える打撃も懸念される。ムンバイには中央銀行のインド準備銀行や2大証券取引所があり、金融や商業の中心地である。外国企業も数多く進出しており、日本企業も約100社が現地に拠点を構えている。
 金融危機の波及で世界同時不況の様相が強まるなか、今年7%台の経済成長が見込まれる新興国インドには、世界経済のけん引役としての期待もかかる。インドも経済の減速が避けられないが、治安リスクが外資進出の障害となり、一層の経済失速を招きかねないのは気掛かりだ。インド政府は事件の徹底究明とともに治安対策の強化を急いでほしい。

28日;毎日社説(2)インド同時テロ 不気味な「点と線」を追え
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081128ddm005070109000c.html
『南アジアに伏流する暴力のマグマが、また噴き出した。冷血の所業を許してはならない。深刻なのは、一連のテロに隣国パキスタンの影がちらつくことだ。カシミール地方の分離独立を求めるイスラム過激派の関与が言われている。カシミールの帰属はインドとパキスタンの紛争の根っこにある問題だ。ヒンズー教(インド)とイスラム教(パキスタン)の対立もあって、両国は核拡散防止条約(NPT)に加わらずに核兵器を持ち、90年代末には核実験を繰り返して核戦争さえ現実味を帯びた。今回のテロに関して、まずはインドとパキスタンの冷静な対応を求めたい。イスラム過激派とみられる組織が犯行声明を出し、米英人らが人質にされた点では、犯行組織はアルカイダやアフガニスタンの旧支配勢力タリバンに近いように思われる。テロを機に核保有国のインドとパキスタンの対立が強まるのは、彼らの思うつぼだろう。
 それにしても南アジア周辺の不穏な情勢には言葉を失う。9月にはパキスタンの首都イスラマバードの高級ホテルで爆破テロが起きた。アフガンでは27日、首都カブールの米大使館近くで自爆テロがあった。ムンバイ・テロとの関係は不明ながら、インドとパキスタン、アフガンの情勢は不気味な「点と線」で結ばれていると見た方がいい。インドを「世界最大の民主主義国家」と呼ぶブッシュ政権は、米印原子力協定を結び、これを原子力供給国グループ(NSG)に追認させた。NPT非加盟のインドとの核ビジネスを例外的に認める措置を、日本も承認したのである。だが、米国が「印パ等距離外交」からインドに軸足を移すにつれて、パキスタンとの関係が冷え込み、アフガン情勢の悪化にもつながる傾向は否定できない。インド安定のためにも、米国は「テロとどう戦うか」という問題を関係国と謙虚に問い直す必要がある。

28日;産経社説(2)インド同時テロ 国際社会の結束で撲滅へ
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/081128/asi0811280347009-n1.htm
『国際社会は改めて結束し、あらゆる手段を総動員し、忍耐をもってテロ撲滅の戦いを強めていかなければならない。 ただ、8カ所以上に及ぶ同時多発テロで、多数の実行犯がライフル銃や手投げ弾で武装し、直接襲撃に及んだことから、組織による犯行であることは疑い得ない。また、米英人を狙ったという客の証言もあるが、全体としては無差別テロの様相である。「テロとの戦い」の原点となった2001年9月11日の米中枢同時テロでも、国際テロ組織アルカーイダは、米国を標的にしたと言った。しかし、3000人にも及んだ犠牲者の中には、欧州、アジア、中東、中南米など60カ国以上の外国人が含まれていた。日本人も24人が犠牲となった。今回のテロでも多くの一般人、外国人が含まれていることだろう。無差別テロの恐ろしさである。国際社会は、テロとの戦いが一段と深刻さを増していると認識すべきだ。
 インドではこれまでもテロが頻発している。その多くはイスラム過激派とヒンズー教徒、インドとパキスタンの対立などが背景にあった。両国にはまず、対立の原因を取り除く努力を期待したい。と同時に、国際社会の協力も欠かせない。日本もインドとの間で繰り返し、テロとの戦いでの協力をうたっている。アジアで1位と3位の経済国どうしの日印は、ますます経済関係の強化を進めようとしている。そのためにも、安全対策には万全を期さなければならない。

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2008/11/27

シニアネット 『おいおい』 第785号 

━━senior citizen net━━━━ 2008/11/27━

   シニアネット 『おいおい』        第785号
 
━━━━━━━━━━行動のための情報紙━

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蟷螂の眼の中まで枯れ尽す           山口誓子

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 枯れ葉色になったカマキリ。みずみずしい緑色だったものが、枯れ葉色になるのではない。緑色と褐色の2種類ある。もともと褐色のカマキリは生まれた時からである。身体だけでなく、「眼の中まで枯れ尽す」。肉食性で小昆虫を食べるが、枯れ葉色のカマキリは動かない、やっと立っている様だ。交尾の時雌は雄の頭部を食べる。交尾後、雌は木の枝などに卵を産み付けて生を終わる。
<褐色の蟷螂にしてみどりの目>(粟津松彩子)。<蟷螂の枯れて守勢の斧となる>(林直入)。<蟷螂の今は錆びたる姿かな>(山口青邨)。京都府京都市生まれ。(1901―1994)。

┏━━朔風払葉━━━━━━━━━
  「さくふうはをはらう」。72候の1つ。冷たい北風が木の葉を散らす頃。秋から散り始めた木々の葉も、樹上にわずかに残っている。その「木の葉」も北風が吹いて来て、地上に落ちる。やがて、冬木になり、冬木立ちになる。「冬木」は葉をつけているものもある。落葉樹が葉を落とし尽くすと「枯れ木」になる。

┏━━松下幸之助━━━━━━━━
Pansonicの創業者の誕生日。明治27年(1894)11月27日に、和歌山県に生まれた。今年
創業90周年を迎えて「松下電器産業」は、Panasonicに改めた。更なるグローバル化にむけて、「松下」の名を捨てた。幸之助の経営哲学を受け継ぐために。
  NHK「知るを楽しむ」の「私のこだわり人物伝」で、月の番組は「松下幸之助」(哲学した経営者)が放送される。作家の北康利が、担当する。「和魂和才」の叡智に学ぶと宣言をしている。教育テレビ、22時25分から50分まで。テキストは683円。

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(身辺雑記)「一人でやった」は本当か

┏━━身辺雑記━━━━━━━━
 「一人でやった」と供述する小泉毅容疑者。つじつまが合わない。自首の仕方が素人の手口ではな
い。証拠品を積んだ車で警視庁へよこづけした。出頭前の覚悟仕方。数百万円の借金が有りながら家
賃を滞納してない。詳しい生活実態が解明されてない。シナリオを演ずる俳優のような犯人像。
 計画から実行までのプロセスが、プロの臭い。動機がはっきりしない。つまり、大切な証拠は拭き
取られた感じ。捜査では事件の全容解明は難しいだろう。実行は単独犯だろうが、背後関係の解明こ
そ大切だ。真の姿は白日にさらすことは不可能だろう。巧妙に仕組まれている。報道機関に送ったメ
ールにしても、犯人のみが知る内容だが、事前に用意されていたのだろう。

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2008/11/26

(社説)米新経済閣僚

┏━━米新経済閣僚━━━━━━━━
 ◎期待できるか、金融不安解決◎
オバマ次期米大統領が来年1月に発足する新政権の経済閣僚を決めた。財務長官にニューヨーク連邦
準備銀行のガイトナー総裁を起用し、大統領補佐官(経済担当)兼国家経済会議議長には、サマーズ
元財務長官を指名した。
ガイトナー氏は、昨年夏以来の金融危機で、ブッシュ政権のポールソン財務長官らと連携し、金融危
機対策の陣頭指揮を担ってきた。クリントン政権で財務次官を務めた経験もある。47歳の若さだが
、ガイトナー氏の実績を買い、政策の継続性も重視した結果だろう。サマーズ氏は、財政と国際金融
に精通する実力派だ。ハーバード大学長も務めた著名な経済学者だ。クリントン政権では財務長官と
してアジア通貨危機に対応した。今度はホワイトハウスから経済政策全般を取り仕切る。2人ともそ
の手腕には定評があり、国際的な視野も広い。
この人事発表を受けたニューヨーク株式市場の株価が上昇したのも、期待の高さを示すものだ。同時
に発表された大統領経済諮問委員会(CEA)のクリスティーナ・ローマー委員長、医療制度改革な
どを進める内政会議(DPC)のメロディ・バーンズ議長は、ともに女性だ。

26日;日経社説(1)実務派を核に経済再建めざす米新政権
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081125AS1K2500425112008.html
『危機対応の経験が豊富な実務派を登用し、政権発足後の最大の課題である金融危機の克服や景気立
て直しに全力をあげる姿勢を明確にした。米国が直面する問題は極めて大きいが、迅速な政策判断と
行動によって、企業や市場の不安心理を和らげてほしい。オバマ次期大統領が経済政策チームを異例
の早さで発表したのは歓迎したい。政権移行期に政策の空白が生まれれば金融混乱に拍車がかかりか
ねないからだ。経済政策チームは現政権と緊密に連絡を取りつつ、政権発足初日からフル稼働で危機
に対応すべきだ。
 新政権の最大の課題は金融・経済危機の克服である。オバマ次期大統領は中低所得者向け減税、道
路や橋の修繕などインフラ投資、代替エネルギー開発の後押しなどを中心に積極的な財政政策を取る
構えだ。債務が膨らんだ消費者や金融機関を中心に、米国は大規模なバランスシート調整を迫られて
いる。その過程では需要の大幅減少は不可避で、金融安定化策と併せて、財政面からの下支えは欠か
せない。急増しそうな失業者の救済策も求められる。一方、経済悪化に伴って政策対応が内向きにな
ることは避けるべきだ。サマーズ氏やガイトナー氏は市場経済や自由貿易を重視する穏健中道派。保
護主義や行きすぎた市場への介入とは一線を画すとみられる。ただ、議会の多数派を占める民主党議
員の中には、穏健中道派の路線に不満を持つ人々もいる。バランスの取れた経済政策運営へ向けて、
オバマ次期大統領がどこまで指導力を発揮できるかも試されるだろう。

26日;読売社説(2)米新経済閣僚 危機に挑む実務型の布陣
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081125-OYT1T00769.htm
『大統に当選後、わずか3週間で、主な経済閣僚を決めるのは異例だ。金融危機と景気悪化という困
難な課題に、最優先で取り組む姿勢を鮮明にした。オバマ氏は、「最初にやるべきことは経済の再生
だ。2年間で250万人の雇用を創出する」と強調した。大恐慌の際、ルーズベルト大統領が実施した
ニューディール政策を意識しているようだ。
 その雇用の創出策では、道路や橋の補修など、従来型の公共事業に加え、代替エネルギー開発など
新たな雇用を生み出す対策が重視されるとみられる。景気下支え効果を期待して、中堅層向けの大型
減税策も打ち出す可能性が高い。新政権の景気対策は、最大7000億ドル規模に膨らむ見通しだ。経済
チームが決まり、具体案の策定を急ぐ必要がある。
 一方で懸念されるのは、足元の金融危機に、なかなか歯止めがかからないことだ。
 米国政府は、経営難に陥った米銀行大手シティグループへの新たな救済策を決めた。公的資金200
億ドル(約1兆9000億円)を追加注入するのが柱である。9月のリーマン・ブラザーズ破綻による大
混乱の再現は避けようと苦慮した末の決断だが、政策が迷走している印象が否めない。当面の金融危
機への対応は、ブッシュ政権が担うが、政権移行期にも、切れ目のない政策を打ち出す必要がある。
次期政権の経済チームとの緊密な連携が肝要だ。

26日;朝日社説(1)米新経済チーム―期待の船出を待つ難題
http://www.asahi.com/paper/editorial20081126.html
『オバマ氏は過去最大級の景気対策の策定に取り組むことも明らかにした。 すでに固まった陣容を
みると、若手や女性を登用しつつ「継続と安定」にも配慮した布陣だ。来年1月20日に大統領に就任
するまで、まだ2カ月近くもある。閣僚らの人選を異例の早さで進めるのは、言うまでもなく直面す
る経済危機が深刻の度を増しているからだ。政権移行の空白は一刻も許されない、という強い覚悟の
表れといえる。
 だが現実の動きは、オバマ氏の対応を待てずに加速している。金融不安が大手銀行シティグループ
の経営危機でぶり返し、政策への信頼感が再び揺らぎ出したのだ。シティには不良資産の損失に対す
る政府保証と追加の公的資本注入が決まった。「半国有化」というべき措置だが、これでも打ち止め
とは言えない。他の銀行はどうか、金融安定にどれだけの公的資金が必要になるのか、むしろ不透明
感が増している。
 今後は、産業や家計といった実体経済が不況でどれだけ打撃を受けるかにも大いに左右される。金
融危機対策と同時に、疲弊した産業の競争力を回復させ、負債にまみれた家計を立て直す。これらを
三位一体として改革し、米国を再生させるビジョンを提示することが急務になっている。 同時に、
こうした対策を大胆に打ち出していくと、財政的な制約に直面することになるかもしれない。経済政
策に期待が高まるオバマ次期政権の前途には、船出する前から大型のハリケーンが待ち構えている。

26日;産経社説(1)米新経済布陣 金融危機克服に先手打て
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081126/amr0811260319000-n1.htm
『日本としても、米側が金融危機克服の処方箋を示すなど、果敢に先手を打って実行していくことを
求めたい。オバマ氏は、いまの経済状況を「海図のない経済危機」と表現する。金融危機はすでに、
信用収縮を通じて実体経済に波及している。主要20カ国・地域は今月中旬、緊急首脳会議を開き、
包括的な政策協調で合意した。それは、先週末のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場でも確
認された。
しかし、危機の発信源である米国はまた金融システムの危うさを露呈してしまった。米政府は新たに
、米銀大手のシティグループに対して、異例の政府保証を含む公的資金による救済に乗り出した。シ
ティに200億ドルの追加の公的資本を注入した上、3000億ドルを超える不良資産について、損失が発
生したら米政府がその穴埋めを保証するとしている。今回のシティ救済は、米国の金融危機がまだま
だ収束にほど遠い状態にあることを示した。金融機関への資本注入を柱として先月成立させた金融安
定化法が不十分なら、その機動的な見直しや拡充を躊躇してはなるまい。
 景気対策では、オバマ氏はすでに2011年1月までに250万人の雇用を確保すると表明し、具
体策を新経済閣僚に指示した。先の首脳会議で約束した本格的な景気対策は、来年1月からの新政権
に委ねられている。それに、米国だけでなく世界経済の浮沈がかかっていることを、新政権は忘れな
いでほしい。

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2008/11/23

シニアネット 『おいおい』        第784号

━━senior citizen net━━━━━━━ 2008/11/23━

    シニアネット 『おいおい』        第784号
 
━━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━

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談笑の若き学徒に銀杏散る      大橋越央子

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昭和17年(1942)作。戦時下の東京大学。美しい銀杏が散りかかる。銀杏落ち葉は紅葉違い美しさがある。学徒動員令が出る前の年。「学徒」は大学生のこと。「談笑」したり、親しく話したりする大学生に屈託がない。その若い大学生に銀杏がひらひらと降りかかる。
 <銀杏散るまっただ中に法科あり>(山口青邨)の「法科」は法学部の建物。工学博士の山口青邨と官僚だった作者の違いがある。作者の句、<学徒若し昔の如く銀杏ちる>と併せて昭和18年3月号の「ホトトギス」の巻頭を飾った。
作者は東大法学部卒業。逓信省入り、逓信次官、終戦時詔勅の際の日本放送協会長、貴族院議員を歴任。高浜虚子の葬儀委員長を務めた。富山県高岡市生まれ。(1885―1968)。

┏━━ふみの日と一葉忌━━━━━━
  旧郵政省が「文月のふみの日」を制定したのは昭和54年(1979)。いつの日か、毎月23日を「ふみの日」となった。11月23日は、「いいふみの日」となり、それなりに意味を持たせてきた。電子メールの日もある。
 「一葉忌」でもある。明治29年(1896)に結核で東京都文京区の自宅で死去。享年24歳。近代最初の女流作家。東京都足立区の一葉記念館では、記念行事が行われる。代表作は、『たけくらべ』、『にごりえ』、『十三夜』など。5千円札で馴染みの顔。

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フィンランドに学ぼう

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━
 雑誌「ラジオ深夜便」12月号に、バイオリニスト新井淑子さんの「白夜の国フィンランドに暮らし
て」が再録。8月25日―28日の「ないとエッセイ」。福祉国家の魅力が語られた。国土面積は九州を
除く日本と同じ、人口520万人。歴史的には、国境を接する東西大国に翻弄された。11世紀以降500年
間スエーデンの植民地、19世初頭にはロシア帝国に割譲され。1917年ロシアから独立。名実共に独立
したのは1948年。
 女性が生き生きと働き続けられる国。国を挙げて子育てを支援。OECD加盟国の15歳対象の国際的な
学習到達度調査では、科学1位、読解力2位、数学2位で「学力世界一」。高齢者の可能性を育てる国
。消費税は22%だが、自然を大切にして、個人の可能性を重視する国。目標としたい国である。
http://www.nhk-sc.or.jp/radio/again/index.html#2
http://www.moimoifinland.com/

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(社説)年金改革案

年金制度改革
社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の年金部会が今後の年金制度改革について中間報告をまとめた。平成16年の制度改革で積み残された諸課題について、一定の方向性や問題点を整理したことは大きな前進だ。
 本格的な少子高齢化時代を迎え、さらに記録問題も加わって、年金への信頼感が大きく揺らいでいる。中間報告が国民的議論につながるよう期待したい。

23日;産経社説(1)年金制度改革 超党派の議論が急がれる
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081123/trd0811230320000-n1.htm
『基礎年金については、保険料と税金で財源をまかなう現行の社会保険方式の優位性を示した。全額税方式に移行すれば、巨額な財源が必要となる。現行方式を基本に改善へ踏み出すことにしたのは現実的選択だといえよう。優先課題としたのは、社会保険方式の弱点である無年金や低年金への取り組みだ。低所得者の国民年金保険料を所得に応じて軽減し税金で補助する制度や、所得の低い単身高齢者などの基礎年金加算などを有力策として掲げた。それでも実現へのハードルは低くない。例えば、加入者の所得を把握する仕組みが必要だ。税の補助割合の違いで新たな不公平感が生じる懸念もある。過去に保険料免除を受けた人への対応は、別に考えなければならない。
 働く高齢者の年金を減額する在職老齢年金の基準緩和も提言している。これに伴って増える必要財源を高所得の現役世代の保険料アップでまかなう考えも示した。これも保険料負担に見合う給付を受けられない高所得者の納得を得るのは難しいだろう。一方、基礎年金の受給資格期間の短縮や、保険料未納分の「事後納付」期間を延ばす案など、早期実現を求める声が強い課題への処方箋も盛り込まれた。いずれの改革案も解決すべき課題が多く残されている。年金部会には、引き続き細部についての検討を加えるよう求めたい。
 改革案にしても、実現には巨額の財源が必要となるのは同じだ。政府・与党内では消費税率を10%とする案も浮上している。今後は社会保障政策全体をにらみ、限られた財源の中で改革案に優先順位を付けなければならない。それには政治の決断力がなによりも欠かせない。国民生活の基盤となる年金制度の見直しは、党派を超えた取り組みなくして進まない。与野党が政治的思惑を乗り越え、同じテーブルに着くことが急がれる。

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(社説)若年者対策

若年者対策
 政府の教育再生懇談会の下に設けられた「子どもと若者総合支援勉強会」が、提言をまとめた。対象はニートなどのほか、フリーターや不登校の児童生徒、高校中退者ら、さまざまな問題や困難を抱えた青少年だ。ニートは62万人、フリーターは181万人、引きこもりも30万人前後に上るという。ニートや引きこもりなどを放置すれば、所得格差の増大や社会保障制度の不安定化を招き、国全体の将来が揺らぎかねない。行政機関や民間団体が多様な支援策を講じているが、関係機関相互の連携は密接とは言い難い。提言は、協力関係を強めると同時に、利用しやすい総合的な窓口を地方と国に設けるよう求めた。

23日;読売社説(1)若者自立対策 支援の輪から外さぬ工夫を
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081123-OYT1T00062.htm
『活力のある社会をつくるには、ニート(若年無業者)や引きこもりなどの若者への支援が欠かせない。政府は具体策を急がねばならない。特に市区町村単位の窓口には、あらゆる相談に対応でき、適切な関係機関につなぐ専門スタッフを配置することも提案した。的確な判断には知識と経験が必要だ。内閣府は、今年度から人材養成プログラムを試行している。支援を効果的に進めるには、こうした人材の育成がカギになる。
 提言は、問題への早期対応と継続的な支援の重要性も強調した。問題がこじれる前に手当てをした方が、解決しやすいからだ。若者の自立支援に積極的な高知県の場合、ニート、引きこもりの4割が不登校経験者だという。早期支援に果たすべき学校の役割と責任は大きい。小中学校の不登校は13万人、高校の中退者は毎年7万人余りいる。中退などで学校の目が届かなくなると、就労など自立のための支援をしにくくなってしまう。こうした若者は、自ら相談には来ない傾向が強いという。支援の輪から漏れてしまうことのないよう、支援者の方から直接出向くことも大切だろう。
 麻生首相は就任後の所信表明演説で、「困っている若者に自立を促し、手を差し伸べるための新法も検討する」と述べた。内閣府では、新たな法的措置も視野に、関係省庁との協議を始めた。首相は追加景気対策の中でも、年長のフリーターを積極的に雇用する企業への奨励金支給などを打ち出した。若者自身の意欲や努力を引き出すことのできるような実効性のある施策を、さらに検討してもらいたい。

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2008/11/22

シニアネット 『おいおい』  第783号

━━senior citizen net━━━━━━ 2008/11/22━

    シニアネット 『おいおい』        第783号
 
━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━

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真白な干大根の一日目           太田土男

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 沢庵漬にするために、10日間くらい大根を干す。収穫した大根の葉をつけたまま洗い干す。一束に束ねて葉を荒縄で縛り、木の枝や軒下の竿などに振り分ける。干し終えて第1日目は真っ白で重い感じがある。2日目、3日目と日がたつと大根が軽くなる。色も黄ばんで来る。10日もすると、くの字に曲がる。それ以上干すと、くにゃくにゃになる。
「専門は草地学。農林省東北農業試験場に就職。以降千葉、西那須野,筑波等へ転勤。牧場で生活する。牛に執して詠むことで独自の句風を確立。」(『現代俳句大事典』より)。神奈川県川崎市生まれ。(1937― )。 

┏━━小雪━━━━━━━━━━━
  11月22日は小雪。24節気の1つ。立冬から15日後。北国や山国では雪がちらつく季節。北日本以外の地方でも、雪も寒さもさほどではない気候である。しかし、今年は寒さが厳しくなりそうだ。これから次第に冬が深まり、雪が頻繁に降るようになる。

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(社説)海賊対策

海賊対策
朝日の論調が変わったのか。海賊対策には、自衛隊を派遣しろとは!?不思議なこともあるものだ。
アフリカ東部の国ソマリアの周辺海域で、海賊が各国のタンカーや貨物船などを襲う事件が頻発し、被害が深刻になっている。この海域はスエズ運河を経由して中東、アジアと地中海、欧州とを結ぶ海上交通の要路にあたる。国際機関によると、今年に入って起きた海賊事件は未遂も含めて120件を超え、35隻の船が乗っ取られた。日本企業が関係する船も4隻ある。最近も、サウジアラビアの超大型タンカー(31万トン)や、日本人が船長をつとめる中国の漁船が襲われた。海賊は乗っ取った船をソマリアの漁港に連れて行き、船主などに身代金を要求する。1件あたり約2億円といわれる身代金を支払うと1、2カ月後に解放され、人質に危害が加えられることは少ない。

22日;朝日社説(2)海賊対策―日本ができる貢献もある
http://www.asahi.com/paper/editorial20081122.html?ref=any#Edit2
『 90年代初めから内戦が激化したソマリアでは無政府状態が続き、海賊を取り締まる当局そのものが存在しない。さまざまな武装勢力が資金集めで海賊行為を働いていると見られる。この事態に、国連安保理は海賊対策のため軍艦や軍用機を派遣するよう国際社会に呼びかける決議を採択した。すでに欧米を中心に10カ国ほどが艦船を送り、警護や救出に当たっている。海賊は軍艦を避けるように、活動海域をアデン湾からケニア沖などへ移し、いたちごっこが続いている。
 多くの商船がこの海域を航行する日本もひとごとではない。海賊取り締まりにどんな協力ができるか、政府や国会で検討を急ぐべきだ。日本はマラッカ海峡の海賊対策で、国際協力の実績がある。マラッカ海峡の周辺国に対し、海上保安庁の巡視船の提供や共同訓練で支援した。ソマリアのケースでも、近隣のイエメンやケニアへの支援でこうした経験を生かせるはずだ。早く具体的な支援策を打ち出してもらいたい。
 海賊対策に限定して海上自衛隊を派遣できないか、特別措置法で対応する案も超党派の議員の間で浮かんでいる。この案は、外国船籍の船が襲われたときの対応や武器使用基準など、検討すべき課題も多い。 これらの海賊対策は、あくまで対症療法でしかない。根本的な解決策は、ソマリアの内戦を終わらせ、統治力のある政府を作り出すことだ。95年にソマリアでの国連平和維持活動が失敗に終わって以来、国際社会の関心は薄れていたが、再建に向けた支援を強化する必要がある。 海賊という「海」の問題は、無政府状態という「陸」の問題の解決なしには終わらない

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(社説)インフルエンザ対策

インフルエンザ対策

厚生労働省の専門家会議が、これまでの政府の対策を大幅に見直し、改訂版としてまとめた。1人でも患者が出れば、発生地の都道府県内で学校や幼稚園などを一斉休校させる、といった踏み込んだ対応策を盛り込んだ。 休校は、これまで市町村単位で求めるとしていた。しかし、例年のインフルエンザ流行期でも、感染拡大は学校が起点となる例が多い。はるかに感染力の強い新型なら、市町村単位では拡大を防げないとの指摘があった。

22日;読売社説(1)新型インフル 対策見直しの実効をあげよ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081121-OYT1T00938.htm
『十分な備えなしに、新型インフルエンザには立ち向かえない。新型がいつ発生してもおかしくない、と言われて久しい。ところが、備えはできた、というレベルには達していない。より効果的な体制作りを急がねばならない。政府の現行の対策は昨春、内閣官房が13種類の指針にまとめたものだ。今回の改訂は、このうち9種類を対象としている。従来版は、早期の対応が主だった。改訂版は、早期の封じ込めだけでなく、感染拡大期、蔓延期など、発生期の全段階を通じた対応を記述している。感染が拡大した場合、入院治療は重症者に限る。軽症者は自宅療養を勧める。慢性病患者に対しては、電話で診療したかかりつけ医がファクスで、処方せんを送ることも認め、医療機関への患者の集中を軽減する。
 国民に、マスク使用などの「咳エチケット」を求め、約2週間分の食料、マスクの備蓄を推奨して外出を控えるよう呼びかける。
 疑問な点も少なくない。一例が抗インフルエンザウイルス薬タミフルの扱いだ。治療に役立つと期待されているが、異常行動などの副作用があるとの報告が数年前から続き、若者への使用をどうするか結論が出ていない。いつまで放置するのか。感染症対策は、発生時の臨機応変の対応が欠かせない。だが、こうした基本的な部分があいまいなままで、即時の判断、指示が出せるだろうか。
 対策の前線に立つ地方自治体の体制作りが遅れているとの懸念もある。予算や人員が足りない。そもそも平時から、医療水準の維持が困難な地域さえある。新型の流行は一種の災害だ。しかも、地震などとは違って、隣接の自治体などに避難できず、援助も期待しにくい。政府は早急に、地方の取り組み状況を把握し、どうやって体制作りを進めるか、検討すべきだ。

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ホームレス君の極楽

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━
  泉北高速鉄道の泉ヶ丘の駅前に常駐する若いホームレスの話である。今年の春頃から、バス停の
集中したベンチの上で生活を始めた。ビルの管理者は恒久的な鉄筋の椅子部分を撤去した。ホームレ
ス君はバス停のゾーンから追放された。
  追われたホームレス君は、自動販売機の集中した別の場所へ移動した。そこの木製のベンチに。
別のビル管理者はベンチを撤去した。駅前からベンチが消えた。高齢者の多い街にはベンチがなくな
るのは困る。最近は、くだんのホームレス君は、毛布に包まり、楽しい夢を見ながら通路で寝ている
。『警告。自転車・バイクは放置するな。』の看板の横で。人様は、放置自転車対策とは無関係です
よね。50メートル先に交番もある。

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2008/11/21

シニアネット 『おいおい』 第782号

━━senior citizen net━━━━ 2008/11/21━

    シニアネット 『おいおい』        第782号
 
━━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━

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力つくして山越えし夢露か霜か           石田波郷

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11月21日は波郷忌。忍冬忌、風鶴忌、惜命忌とも言う。結核で入退院を繰り返していた。昭和23年(1948)10月に第1次成形手術を受けた後の句である。仰臥で創痛の苦しみの句。あらん限りの力をつくした切ない夢から醒めたとき、その夢より現実に体力を使い果たした虚脱感が残る。
「力つくして山越えし夢」という世界と、「露か霜か」という現実の世界が、ドラマ性の強い次元を構成した。身体の冷えや病室の内外の冷たさは、「露か霜か」と窓の外への自問自答を引き出した。療養俳句という呼称を生んだが、3度に及ぶ手術は、「病雁」(1946年)と「惜命」(1950年)の句集に結実した。松山市生まれ。(1913-1969)。

┏━━「一休忌」━━━━━━━━━
  文明13年(1481)11月21日(旧暦)、臨済宗の禅僧一休宗純が87歳で死去。後小松天皇の落胤といわれる。大徳寺の住持となるが、僧侶の腐敗を憤り,奇行を続けた。詩・狂歌が巧く、書画もよくした。髑髏をもつけた杖を持ち、<正月は冥土の旅の1里塚目出度くもあり目出度くもなし>と詠いながら、京都の街を歩いたという。

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(社説)麻生総理の資質

麻生総理の資質
21日;朝日社説(1)麻生首相―言葉が軽い、政権も軽い
http://www.asahi.com/paper/editorial20081121.html?ref=any
このところの麻生首相の発言の迷走ぶりは見過ごすわけにはいかない。 一昨日、「(医師は)社会的常識がかなり欠落している人が多い。価値観なんかが違う」 。何を言いたくてこの発言になったのかよく分からない。首相の言葉の迷走で思い起こすのは、2兆円もの税金を投入する定額給付金をめぐる発言だ。「全所帯」が対象なのか、一定の所得以下の層が対象なのか。高額所得者に辞退を求めるのか。発言がふらつき、政府与党を巻き込んだ大混乱になった。 こうした重要な政策の方向性が、政府のトップである首相の発言で混迷するのは、「口がすべった」程度の話とは意味がまったく違う。
 まず、道路特定財源の一般財源化に伴い、1兆円を自治体が自由に使える交付税として配分すると述べたこと。そして、10年度からの郵政会社の株式売却について「凍結した方がいい」と明言したことだ。 自民党の有力道路族議員は「あり得ない。だれも守らない」と公然と語り、党幹部や閣僚から「言葉は大切だ、と申し上げねばならない」などと首相をいさめる声が相次いだ。麻生発言をフォローし、実現させようと党幹部や閣僚が動く態勢にもなっていない。 だれが政策づくりを主導しているのか。首相は最高責任者ではないのか。司令塔はどこにあるのか。そんな深刻な疑問を抱かざるを得ない。
 自分の人気の源は、華麗な家系らしからぬざっくばらんな語り口にある。首相はそう自信を持っているようだ。「サービス精神が旺盛だから」とも言われる。だが、無思慮に政策を語り散らしてしまっては、首相としての資質に大きな疑問符がつく。 自民党は、2代続けて首相が政権を放り出した後、なおも世論調査などでの「人気」にすがって麻生氏を後継に選んだ。そうした政権延命の手法の行き詰まりを思わせる事態でもある。国会は会期の終盤を迎えて与野党の対立が深まっているし、来月には予算編成や税制改正などで困難な利害調整が待ち受ける。首相はよほどの覚悟で態勢を立て直さないと、乗り切るのは難しいのではないだろうか。

21日;毎日社説(1):「医師は常識欠落」 麻生さん「失言」では済まない
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081121k0000m070166000c.html
『全国都道府県知事会議で医師不足への対応を問われた麻生太郎首相が「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医者の確保は大変だ。(医師には)社会的常識がかなり欠落している人が多い」と述べた。 麻生首相はさらに「(医師不足が)激しくなれば、責任はお宅ら(医師)の話ではないのか。お医者さんを『減らせ、減らせ』と言ったのは、どなたでしたかという話も申し上げた」と追い打ちをかけた。首相発言は医師不足の現状を打開する手がかりになるどころか、混乱をもたらすだけだ。こういう発言こそ「社会的常識」を欠いたものと指摘せざるをえない。
 麻生首相は同知事会議の後、記者団に「まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば、申し訳ありません」と釈明、発言の翌日、首相官邸を訪れた日本医師会の唐沢祥人会長に対し「言葉遣いが不適切であり、撤回したい」と陳謝した。一日で撤回に追い込まれるような発言は二度とすべきではない。医師不足を招いた歴史的な経過を踏まえて原因を分析し、具体的な解消策を示すのが政府の仕事である。麻生首相には発言を改めて謝罪し、医師不足対策の先頭に立ってもらいたい。妊婦が受け入れを断られて死亡した問題が起きるなど、医師不足の解消は直ちに取り組むべき問題だからだ。
  医師不足対策は緊急の課題である。国、都道府県、そして病院や診療所の医師らが足並みをそろえて動き出さないと、問題は解決しない。医師の理解と協力が何よりも必要なときに、あえて神経を逆なでするような不用意な言葉を投げつけてしまった責任は重い。

21日;日経社説(1)反改革を勢いづかせた首相の郵政発言
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081120AS1K2000520112008.html
『麻生太郎首相が昨年10月に民営化した日本郵政グループの政府保有株の売却を凍結すべきだと発言した。傘下の金融2社であるゆうちょ銀行やかんぽ生命保険は2010年度の株式上場が目標だが「株が下がっている時にしゃにむに売らなきゃいけないって、そんなあほな話はない」と語り、先延ばしを容認した。
 民主党と国民新党は郵政民営化の見直しとして日本郵政と金融2社の株式売却を凍結する法案を国会に提出し、衆院で継続審議となっている。民営化に反対する自民党内の勢力でも売却凍結を求める声が強まっている。首相発言でこうした「反改革派」が勢いづくのは間違いない。私たちは郵政民営化は景気動向にとらわれず着実に進めるべきだと考える。政府の信用を盾に巨額の資金を国民から吸い上げた郵政事業は、資金の出口となる財政投融資も肥大化させた。この仕組みを解消し、国民の金融資産を民間が有効に活用することは経済活性化に必要だ。行革徹底を主張する民主党が民営化見直しを支持するのも筋違いである。
 もちろん、政府保有株の売却は株式相場や民営化企業の経営状況を見極めて決めるべきだ。相場が低迷する時に無理して株式を売っても政府に入る売却収入は低水準にとどまり、民営化で生まれた果実を十分に国民に還元できない。新たな売り圧力として市況に悪影響も及ぶ。だが、1年以上も先の10年度の株式市況が予測できるはずもない。いま首相が売却目標の先送りに言及するのは、選挙目当ての軌道修正と受け取られても仕方がない。日本郵政が株式の早期上場を念頭にした中期経営計画の発表を遅らせるなど、現場も混乱している。これに限らず首相発言の軽さは最近とみに目に付く。郵政改革を進めるのか、止めるのか。態度を明確にしてほしい。

21日;産経社説(1)道路特定財源 一般財源化の理念に戻れ
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081121/fnc0811210337001-n1.htm
『揮発油税など道路特定財源の一般財源化をめぐり混乱が拡大している。「生活対策」に盛られた「1兆円の地方移管」で道路族や地方が対立しているからで、ここは一般財源化の理念に戻って見直したらいい。
 道路特定財源はねじれ国会で混乱を極めた末、福田康夫前首相の決断で暫定税率を維持したまま来年度からの全額一般財源化が決まった。その具体策は年末に向けた税制改革に委ねられた。ところが、地方活性化を理由に麻生太郎首相の強い意向で1兆円を地方に回すことが生活対策に盛られたことから、税制改革そっちのけの混乱となったわけだ。全国知事会など地方は、すでに揮発油税から振り向けられている地方道路整備臨時交付金0・7兆円と1兆円を別枠とし、使途が自由な地方交付税として合計1・7兆円を要求している。景気後退による国の税収減に伴って減る地方交付税の穴埋めだという。道路族や国土交通省は地方道路整備臨時交付金に0・3兆円上積みした1兆円と解釈し、使途を道路整備としている。交付税にすると道路財源が確保できないとの思惑による。肝心の首相は見解を二転三転させるばかりだ。
  いまだにこれを特定財源とみている道路族はもちろん、地方の理屈も極めておかしい。道路財源の国税分は3・3兆円であり、地方に1兆円を回すだけでも一般財源化の理念実現は困難だろう。地方は国と違って基礎的財政収支が黒字であり、使途自由の財源が要るなら地方の道路特定財源を一般財源化すれば済むはずだ。仮に1兆円を地方に回すなら、せめてその分を本来の地方交付税から差し引くのが筋だろう。 このままでは民主党だけでなく、産業界や国民の間でも暫定税率廃止論が再燃しかねないのではないか。首相は改めて一般財源化の理念を想起することだ。

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麻生首相の日本語力

┏━━身辺雑記━━━━━━━━
「未曾有(みぞう)」、「頻繁(ひんぱん)」、「踏襲(とうしゅう)」、「参画(さんかく)」、「措置(そち)」、「偽装請負(ぎそううけおい)」。高校入試試験の漢字問題ではない。麻生総理大臣の公式の場における誤読集。かつて、コメディアン出身の大阪府の知事は、演説原稿の漢字はすべてカナを振った。麻生総理の「日本語力」はどれくらいか不明だが、日本語能力が劣るのだろうか。
政策の内容や用語に対する理解度に支障が有るのではないか。出来るだけ短いフレーズにより説明していると言われる。短い文章で、難しい政策の内容が、説明できない場合がある。恥ずかしがらずに、元大阪府知事の様に、漢字にはカナを振ったらどうだろうか。

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2008/11/19

シニアネット 『おいおい』 第781号

━━senior citizen net━━━━━ 2008/11/19━
 
   シニアネット 『おいおい』        第781号
 
━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━

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 づぶ濡れの大名を見る炬燵かな      小林一茶

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文政3年(1820)10月の作。「大名」は大名行列の略、大名は1万石以上を領有する幕府直轄の武士の総称。「炬燵」は、炉を切り、櫓を置き、布団を掛けた切り炬燵のこと。冷たい雨にたたかれ、ぐっしょり濡れた大名行列が表を通る。炬燵にあたりながら、戸障子の隙間からのんびりと覗き見をしている。
皮肉たっぷりだが、はっきりした反抗精神ではなく、皮肉り茶化したりする消極的な反発にすぎない。「づぶ濡れ」は一茶愛用の形容を雨の日の大名行列に用いて、いささか得意になっている。柏原は,加賀百万石の殿様が参勤交代にとまる宿場であつた。北信濃(長野県)柏原の生まれ。(1763-1827)。

┏━━一茶忌━━━━━━━━━
  旧暦11月19日は「一茶忌」。20歳のころ葛飾派に入門、6年の西国の旅から帰り、師の竹阿を継ぐが、宗匠として一家をなし得ず。知友をたよって転々流寓生活を送る。51歳で郷里に帰り、結婚して3男1女をもうける。子は次々に夭逝し、火災にあい家も失う。焼け残った土蔵で65歳の生涯を終えた。
 人間としての生活を投影して、野性的な生活派俳人として異彩を放った。俗語や方言を大胆に駆使した。生涯の句は2万句近い。

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(社説) 飲酒運転とひき逃げ

飲酒運転とひき逃げ

警視庁の幹部職員である警視が酒酔い運転の疑いで逮捕された。この警視は、警察署で交通課長を務めるなど主に交通畑を歩いてきた。06年に都庁に派遣された際は、福岡市でおきた飲酒運転による幼児3人死亡事故などを受けて、交通安全対策の責任者として飲酒運転撲滅キャンペーンの先頭に立っていた。

18日;読売社説(1)ひき逃げ多発 殺人につながる悪質な犯罪だ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081118-OYT1T00153.htm
『新聞配達中の16歳の少年が6キロ以上も車に引きずられて死亡した。警察は、飲酒運転していた男を自動車運転過失致死などの疑いで逮捕した。殺人容疑の適用も検討している。悪質な犯行には、厳罰で臨む必要がある。男は今年6月、酒気帯びで免許停止処分を受けていた。飲酒運転が常習化していた疑いがある。ひき逃げは全国で毎日、40件を超える。早期の救護があれば、助かっただろう命もある。
  この5年間で、警察が交通事故に殺人容疑を適用したのは、ひき逃げで被害者を引きずって死なせたケースなど29人を数え、殺人未遂は35人に上る。ひき逃げは、1990年代まで年間8000件程度だったが、2000年以降急増し、昨年も死亡ひき逃げ188件を含む1万5500件に達している。逃走の理由で最多の2割を占めるのは、飲酒運転隠しだ。酒酔い運転による死傷事故については厳罰化が進み、01年には、最高刑が現在20年の危険運転致死傷罪が設けられた。さらに昨年9月には、道路交通法が改正され、ひき逃げについても、最高刑が5年から10年に引き上げられた。酒酔い運転も3年が5年になった。死亡ひき逃げの場合、危険運転致死罪を適用せずとも、最高で従来の2倍の懲役15年だ。
 危険運転致死傷罪については、事故時に「正常な運転が困難」だったという酒酔い状態の立証の難しさが指摘されている。今後の見直し課題だろう。ひき逃げの急増に捜査が追いつかず、全体の検挙率は低下しているが、死亡ひき逃げの検挙率は9割だ。逃げ切れないということを思い知るべきだ。警察は、街頭の防犯ビデオの解析・活用など新たな捜査手法を確立していくことが急務だ。安全運転を心がけるのはもちろんだが、事故はゼロにはできない。ドライバーは、事故後の対応も心してハンドルを握りたい。

19日;朝日社説(1)飲酒運転―魔の誘い断ち切るために
http://www.asahi.com/paper/editorial20081119.html?ref=any
『飲酒運転の怖さと悪質さ。それを熟知しているはずなのに、なぜ悪魔の誘いを振り払えなかったのか。逮捕当時、足元もふらつくほどに酔っていたというから、なにをか言わんやだ。大阪で2件続いたひき逃げ死亡事件も、飲酒運転が呼び水だった。被害者を何キロもひきずって死なせるという、むごたらしい事件が話題になっている最中の、この不祥事である。大阪の事件では、いずれの容疑者も酒を飲んでいたから怖くなったという趣旨の供述をしているという。事故現場ですぐに通報すれば助かったかもしれない。にもかかわらず、被害者を引きずりながら逃げ続けた。殺人の疑いで逮捕したり、殺人容疑での立件を検討したりしているのは当然だろう。
 警察庁の06年のまとめでは、ひき逃げ事件の容疑者が逃走する動機は「飲酒運転」が最も多く、全体の2割を占めている。「飲んだら乗るな」のかけ声は、何度繰り返されたことか。 大阪の事件では、容疑者が過去にも飲酒運転で1年間の免許取り消しや、免許停止処分を受けている。永久に免許を取り上げていれば、尊い命は失われずにすんだのではないか。 このところ飲酒運転についての厳罰化は進んだ。しかし一連の事件をみると、まだ甘いともいえる。飲酒運転での免許停止期間を長期にしたり、悪質な場合は免許を永久に持たせないようにしたりするぐらいのことを検討してもいいのではないか。飲酒を感知すると車のエンジンがかからなくなる装置などの実用化にも、もっと力が注がれていい。もはや、かけ声だけではどうにもならない。あらゆる工夫が求められる。

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認知症

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━━
  私は、「認知症」の様な症状が目立ち始めた。同時に違う行動ができない。さっきやった行動を忘れる。18日22時、NHKの番組の「プロフェッショナル」で、認知症介護のプロの話があった。認知症の患者は苦しんでいる。心の中の悩みを聞いてあげることにより、心の悩みを晴らす事ができる。患者の心の中を見つめる。
 出来ることが少なくなるが、残された出来ることを楽しむことにより、生きがいを見つける。好きな音楽を聴きながら、読書をする老人。若い時に、夫と子供を失った人が、その悲しみに忘れようとしている。苦悩を見つけてあげて、それを癒す処置をとる。孫の話をすることにより癒される人もいる。「認知症」が理解出る良い番組だった。

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2008/11/17

シニアネット 『おいおい』 第780号

━━senior citizen net━━━━━ 2008/11/17━

    シニアネット 『おいおい』     第780号
 
━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━

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 洗い上げ白菜も妻もかがやけり      能村登四郎

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白菜を洗いあげたあと、妻のぴかぴかの笑い顔が素晴らしい。それをやさしく見つめている夫。心あたたまる風景である。「白菜」は、漬物にするのだろうか。一生懸命に育てたのだろう。洗いあげた白菜より、洗いあげるまでの努力に感嘆しているのだろう。今夜の鍋物の料理にするのだろうか。
最近は、キムチ漬けが人気をよび、1年中を通じて白菜の需要が多くなった。漬物の歯触り、鍋物のだしの含み加減が楽しめる。東京都生まれ。(1911-2001)。

┏━将棋の日━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  17日は、日本将棋連盟が昭和50年(1975)に制定した。八代将軍徳川吉宗が、この日を「お城将棋の日」と定めて、御前対局を行わせた史実に基づく。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%86%E6%A3%8B%E3%81%AE%E6%97%A5

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(社説)ネットから個人情報を守ろう

ネットから個人情報を守ろう
 子供の個人情報が漏れていたのは青森県八戸市、長野県飯田市など報道されただけでも10件以上に上る。米検索大手、グーグルが無償で提供するデジタル地図情報サービスを教師が誤って利用していたためだ。グーグルの地図では目的地の情報や最短ルートなどを自分専用の「マイマップ」としてサーバーに保存できる。その際、情報を公開するか否かを選べるが、教師は初期設定である「公開」のままにしていた。 都市部では状況がさらに深刻だった。グーグルは通りの様子を写真で360度見回せる「ストリートビュー」という新機能を8月から追加。名前や住所だけでなく、子供が住む家屋の写真まで見えたからだ。

16日;日経社説(2)ネットから個人情報を守ろう
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081115AS1K1400815112008.html
 『自分の子供の名前や住所がインターネット上の地図に目印付きで公開されていたら。そんなぞっとする出来事が全国各地で起きた。学校の教師が家庭訪問用に作った地図が外部から閲覧されてしまったのだ。ストリートビューはパノラマカメラを積んだ車が街中を走り、カーナビの全地球測位システム(GPS)情報を頼りに地図にはり付ける。米国では日光浴中の水着姿を撮影されたなどプライバシー侵害を指摘する声が高まり、明確に顔が写っている場合はぼかすようにした。
 問題はこうした新技術をどう活用するかだろう。デジタル地図や写真は現地に行かなくても周辺環境がわかるため、不動産案内や荷物配送などに役立つ。経済産業省にも問題を指摘する声が寄せられたが、「法律に違反しない以上、規制すべきでない」(情報経済課)という。今回の問題は教師のミスが原因だが、初期設定を「公開」にしているグーグルに対しても疑問を向ける声がある。無償サービスとはいえ、どちらを選ぶか確認を促すような画面の工夫が今後は必要だろう。
 一方、利用者も注意が必要である。最近はネット上で友人と情報交換するサービスが人気だ。日記代わりにネットを使う若者も多いが、情報が漏れる危険性を絶えず忘れてはならない。学校でも今後はネットの使い方を教えていく必要があろう。子供のほうが詳しいといわれるが、教師に対する教育も必要だ。今回の出来事はそれを端的に表している。

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(社説)高齢者犯罪

高齢者犯罪
ここで言う高齢犯罪は、高齢者を狙う犯罪ではなく高齢者が起こす犯罪を指す。昨年、一般刑法犯(刑法犯から交通事故関係を除く)として検挙された65歳以上の高齢者は約4万8600人と1988年のほぼ5倍に増えた。同時期の65歳以上人口の増え方は約2倍である。白書によると、罪を重ねた高齢者ほど独り身の割合が高く、親族との音信も途絶えがちだという。社会の高齢化の勢いをはるかに超えた急増ぶりに法務省は危機感を持ち、今年の犯罪白書で「高齢犯罪者の実態と処遇」を特集した。

16日;朝日社説(1)高齢者の犯罪―孤立させない手助けを
  何がお年寄りを犯罪に走らせるのか。今年の犯罪白書から二つの大きな要因が浮かぶ。 まず経済的な苦しさだ。お金と住む家に事欠いて、盗みに走る高齢者がいる。お年寄りは、働きたくてもなかなか雇ってもらえず、アパートも借りにくい。そんな暮らしにくさが、時に事件の引き金ともなる。 もう一つは社会での孤立だ。家族や地域とのつながりを失った高齢者は、追いつめられやすい。孤独や喪失感が募る。困ったことがあっても、だれにも相談できない。
 路上生活のはてに万引きや無銭飲食で捕まり、「刑務所なら寝床と食事がある」と語った70代や80代もいる。もしも誰かが親身になって相談に乗っていたら。そう考えずにはいられない。犯罪は社会を不安にする。犯罪が増えれば、それだけ多くの被害者が生まれる。塀の中の高齢化は、本人にとっても社会にとっても不幸なことだ。 高齢者の犯罪を防ぐには、摘発や防犯対策だけでは足りない。 かぎを握るのは、刑務所と医療・福祉関係者との緊密な連携だ。 受刑中から出所後の住まいや生活手段について、もっと手厚く相談に乗らねばならない。福祉担当者も加わって、職探しを手伝い、身よりがない人には老人ホームや更生保護施設を探してほしい。
 地域社会でもできることはある。民生委員だけでなく、住民もお年寄りが孤立しないよう目配りする。生活に困っていないか声をかけ、生活保護など福祉への橋渡しをする。NPOの力を借りる手もある。 手間はかかるが、高齢者の暮らしを安定させることで犯罪を防げるなら、世の中にとっても望ましい。日本社会の高齢化はますます進む。対策は待ったなしだ。

14日;日経社説(2)高齢犯罪急増をどう止める
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081113AS1K1300113112008.html
『 高齢犯罪の急増を押しとどめる奥の手・決め手があるわけでは、無論ない。白書から引けば、「福祉制度の拡充、住まいの場の拡充、就労支援、地域社会の協力などの取り組みと、刑事司法機関の取り組みとを密に連携させながら、社会全体で対策を講じていく」しかあるまい。警察による犯罪抑止策や治安対策、刑務所での矯正教育など「刑事司法機関の取り組み」だけで問題が片づかないのは、白書が試みた高齢犯罪の分析からも明らかだ。事件の訴訟記録を調べると「経済的不安」「疎外感・被差別感」「あきらめ・ホームレス志向」が罪を犯した背景に浮かび上がる、と白書は指摘し次のように結論づけている。
 「(犯罪を重ねる)犯罪性が進んだ高齢犯罪者ほど、社会的な孤立や経済的不安といった深刻な問題を抱えており、このことが高齢犯罪者全般の主な増加原因である」。刑務所では、増え続ける高齢受刑者をどう扱うかの配慮に追われ、高齢受刑者の特性に合わせた矯正教育まで手が回らないのが現状といえる。食事や歩行など日常の生活に介助が要る人も多く、そこまででなくても体の動きが年齢相応に緩慢で他の受刑者と集団行動ができない例はいくらもある。いま3つの刑務所で高齢者専用のバリアフリー型収容棟を建設しているほどだ。法務省の調査によると、満期出所した65歳以上の受刑者の約7割が5年以内に再入所する悲しい現実がある。これもまた、高齢犯罪の増加を止める対策を社会全体で講じる必要を訴えている。

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2008/11/13

(社説)定額給付金

┏━━定額給付金━━━━━━━━━━━━
 ◎「定額減税」の迷走の果て◎
政府・与党が決めたのは、「1人1万2000円、65歳以上と18歳以下は8000円加算」の給付額と、「下限1800万円」という所得制限の目安だけだ。最大の焦点、所得制限とのかかわりはどうなったか。 与党の合意文書にはこう書かれている。「各市町村が実情に応じて決定する。所得制限を設ける場合の下限は、所得1800万円とする」 何のことはない。所得制限を設けるか、設けないか。強制的に制限するのか、自発的な受け取り辞退を求めるのか。制度の根幹にかかわるこうした点について、判断をそっくり各市町村に任せたのだ。

13日;朝日社説(1)定額給付金―ふらつく麻生政権の足元
http://www.asahi.com/paper/editorial20081113.html?ref=any
『 何とも場当たり的で、無責任な政策というしかあるまい。自治体には困惑が広がっている。支給基準をどう定めるか。住民にどう説明するか。予想される窓口の混乱を抑える手だては。これらの問題を政府与党が真剣に考えた形跡は乏しい。
  文字通り二転三転の末に、政府与党がたどり着いた折衷案が「自治体丸投げ」だった。定額給付金は2兆円もの巨費を投じる政権の目玉政策である。所得制限を行う場合の事務手続きの煩雑さは想像できたはずだ。首相が緊急に必要だと思うなら、制限にこだわらず実施する手もあったろう。制限するなら、野党を説得し、きちんと法律を通して実現するのが筋だった。首相にはどちらの道をとる覚悟もなかったと考えざるを得ない。
 そもそもこの給付金の実現には、補正予算以外にも法律が必要になる。本来なら国債残高を減らすのに使う財政投融資特別会計の金利変動準備金を、給付金に回すための法律だ。 今後の国会審議を考えれば、給付の仕方がまとまったからといって、首相のめざす年度内支給がすんなり実現するとはかぎらない。この構想は、いよいよ支離滅裂なものになっている。発足間もない政権の統治能力そのものが問われる事態だ。

13日;読売社説(1)定額給付金 迷走の末に地方丸投げとは
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081112-OYT1T00771.htm
『さんざん迷走したあげく、こんな中身では、国民も素直に喜べないのではないか。 これでは、実際にお金を配る実務を担う市町村の現場は、混乱が避けられまい。財源を手当てする補正予算や関連法案の国会審議も難航が必至で、「迅速な景気てこ入れ」のための年度内給付も怪しくなった。政府・与党はこの際、制度設計を、根本からやり直すべきだ。所得制限を設けるかどうか、いつの時点の所得を基準にするかなどは、給付金を支給するに際しての重要なポイントだ。その判断を市町村に丸投げした。多くの市町村が申請通りに支給する公算が大きい。所得制限など、あってなきがごとしだ。
 社会保障をはじめ、ほかにも予算不足に悩む重要政策が多い中、乏しい財源をこのような形で配っていいのだろうか。当初は「全世帯が対象」と明言した麻生首相も、党内の声に押され、「高額所得者には辞退してもらう」などと軌道修正した。ところが、閣内からさえ「辞退というのは制度ではない」との指摘があり、結局、高額所得者の扱いを市町村に委ねる中途半端な手法を取らざるを得なくなった。
 選挙対策として華々しく打ち出し、詰めは衆院選の後でやればいい。そう考えていたが、解散先送りで予定が大いに狂った。「政局より政策」というのが、麻生首相が解散を先送りしたうたい文句だ。その結果、こんな政策が出てくるようでは、首相の指導力が問われよう。

13日;日経社説(2);疑問だらけの定額給付金
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081112AS1K1200412112008.html
『定額給付金について、財政コストと比べた景気浮揚効果が薄いといった問題点を指摘してきた。今回の正式決定でも、問題は何ら解消されていない。苦しい国の台所から2兆円ものおカネをひねり出すなら、ほかに有効な使い道はなかったのか、疑問は募るばかりだ。自治体の事務作業の大きさなどを考慮すると所得で区分けするのは困難と見て、高額所得者には自発的に辞退を促すことにした。首相の発言が揺れたことや「自発的な辞退要請」という異例の方法が泥縄式に決まったことには首をかしげざるを得ない。高額所得者が本当に辞退するかも大いに疑問がある。それ以上に本質的な問題は、今回の定額給付金が何を目的にしているのかがよくわからないことだ。
 景気の浮揚策ということなら、ほとんどの世帯に広く薄く配る定額給付金の効果は小さいと言わざるを得ない。2兆円という貴重な財源を使う必要があるだろうか。経済悪化で苦しむ弱者対策というなら、なおさら対象が広すぎる。働く低所得者などの支援を狙いとした「給付金付き税額控除」という考え方が経済学者の間などでは出ている。景気は一層冷え込むことが予想され、財政政策も一定の役割を果たすことが求められる。だが厳しい財政事情を考えれば、おカネは有効に使うべきだ。2兆円の定額給付金は賢明なおカネの使い方とはいえない。

12日;毎日社説(1)定額給付金 支離滅裂な施策はやめよ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081112ddm005070103000c.html
『麻生太郎首相が年度内給付にこだわったためだ。これは連立与党、公明党の強い要望でもある。自民党は給付金の名称は、施しの意味合いが強いということで、変更を検討している。追加経済対策は「生活対策」と銘打たれているように、景気後退で苦しくなっている家計へのテコ入れが最大の眼目だ。これまでの景気拡大では、輸出業種を中心に大手企業は過去最高の収益となったが、賃金やボーナスなど従業員への配分は限定的だった。中小企業も下請け代金などを抑えられており、好況を実感していない。減税や給付金を実施するのであれば、そうした政策目的に合致していることが何よりも重要である。その上で、効果が期待できる方式でなければならない。この二つに照らし合わせて、今回の定額給付金は支離滅裂な制度である。与謝野馨経済財政担当相も指摘する社会政策的な生活支援制度という枠組みは、ばらまきの前に雲散霧消してしまった。
 財源措置は、本来なら国債残高を減らす目的に使われる財政投融資特別会計の金利変動準備金だ。麻生首相は赤字国債に頼らずに政策を実施するというが、実質的に赤字国債発行と変わりない。政策目的が不明確で、効果も疑わしく、財政にも負担をかけるような定額給付金は白紙に戻すべきだ。生活対策というのならば、低所得層などに対象を絞った減税や、大胆な非正規雇用対策を講ずるのが責任ある政治の務めではないのか。

13日;産経社説(1)定額給付金 誰もが納得する配り方に
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081113/fnc0811130311001-n1.htm
『肝心な点を詰め切れずにまとめた与党合意と言わざるを得ない。税金の使い道について政府が明確なルールを決めず、地方に任せるのは無責任すぎる。実施にあたっての細則はまだ何もない。給付を裏付ける補正予算や関連法案もできていない。到底、これで決着とはいかない話だ。問題点をさらに詰め、納得できる内容にすべきだろう。
 重要閣僚らが相次いで異論を唱えるような制度設計では、国会審議にも耐えられるだろうか。 加算条件となる18歳や65歳についても、いつの時点の年齢かは決まっていない。驚いたのは、給付金を返す人がいた場合、その分は事務費として市町村に与えるというルールだ。国費なのだから、余れば当然、国に戻すべきだ。市町村に丸投げする代償のように与党が考えているなら筋違いだ。給付金は衆院選対策の色彩が濃かったが、早期解散を先送りした以上、少しでも景気対策に役立つ方法を考えたい。

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シニアネット 『おいおい』 第779号

━━senior citizen net━━━━━━━ 2008/11/13━

    シニアネット 『おいおい』        第779号
 
━━━━━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━

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 赤く見え青く見ゆる枯木かな         松本たかし

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「枯木」は「冬木」とも言う。木の葉のすっかり落ちた落葉樹のこと。枯れ死した木ではない。春になれば芽が出て若葉をつける。枯木立とは、数本の枯木が立っているところ。枯木はその中の1本をさす。よく見ると幹の肌も光っ枯淡な味わいがある。水原秋櫻子の歳時記によると、「四季のうちでも最も奥深い沈潜した無限の美を堪へている。」
「赤く見え青く見ゆる」の表現は、枯れ木の美しさ、深さをうまく表現した。樹皮以外は色はないのに、作者は、色彩豊かな樹に見えたのだろう。「作者はこのとき、色の氾濫する絵画を描くようなあ感覚で枯木に色を塗りつけたのにちがいない。」(『日本の歳時記―30』 長谷川櫂 )。東京都生まれ。(1906-1956)

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2008/11/11

シニアネット 『おいおい』  第778号

━━senior citizen net━━━━━ 2008/11/11━

    シニアネット 『おいおい』        第778号
 
━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━

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 芭蕉忌を一日おくれてしぐれけり        加藤楸邨

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「芭蕉忌を一日おくれて」時雨が降る。芭蕉忌の日に、時雨が降るのは出来過ぎである。翌日くらいに時雨降るのが自然である。「しぐれ」は、曇っている時だけでなく、晴れていても急に雨雲が出て、しばらくの間パラパラと雨が降る。さっと上がることもある。関西では時雨がよくふるが、山が遠い関東平野では時雨の降ることは少ない。東京都出身。(1905-1993)。

┏━━芭蕉忌━━━━━━━━━━━━
  旧暦の10月12日。今年は11月9日であった。1694年10月12日に旅先の大坂御堂前の花屋仁左衛門の家で死去。享年51歳。丁度時雨の季節。芭蕉は数多くの対峙時雨の名句を詠んだ。時雨忌、翁忌、桃青忌、芭蕉忌という。時雨はその音に耳を傾けることが大事である。寒々とした時雨を華やかなものとして捉えなおしたのは、芭蕉とその門弟達である。

┏━━亥の子突━━━━━━━━━━
  陰暦の10月の亥の日(今年は11月7日)に行われる刈り上げの行事。西日本の農村で行われる。関東では、「十日夜」に対応する。子供の時、歌に合わせて縄で縛った石(「亥の子突」)で地面を叩いて、穴をほり家々を回る。縄が、よく切れる。その縄を補修しながら回った。亥の子餅をつくのは、亥が多産であることと農作業の神様が結びついたのであろう。田の神さんが山に帰る日とも言われる。土地を鎮める儀礼とも言われる。地中の害虫を駆除するとも言われる。

┏━━十一月十一日━━━━━━━━━━
 11月11日の記念日は、「電池の日」、「ピーナッツの日」、「ジュエリーデー」。しかし、どれもまことしやかな伝説がない。1が4つも並ぶ日なのに。日本乾電池工業会の「電池の日」は1987年に制定。電池の正極+と負極―を合わせて11月11日を記念日とした。

┏━━新聞休刊日━━━━━━━━
10日は「新聞休刊日」。最近の「社説」は低調で、取り上げたい話題もない。期待していた月刊誌「文藝春秋」も話題として取り上げるには、躊躇しているような低調さである。「おいおい」も休刊日にしたい位。
ショッキングがはしった。「肺がん」で、7日午後1時50分に筑紫哲也さんが死去した。好きなキャスターだった。同世代のせいか好感をもっていた。早稲田大学を卒業して、朝日新聞に入社。ワシントン特派員を経て、「朝日ジャーナル」の編集長。1989年よりTBS系統の「筑紫哲也NEWS」23」のメーンキャスター。
最近の講演会で、肺がんの手術の跡を、全裸になって示して、「癌は怖くない」、「癌は病気ではない」と講演した在りし日の姿が思い出される。早期発見だと言っていたが、手遅れだったのですね。

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2008/11/07

(社説)オバマ当選

┏━━オバマ当選━━━━━━━━━━━
 ◎米国が歴史的なChangeをするか◎
史上初めてアフリカ系(黒人)の大統領に選ばれた。イラクとアフガニスタンの戦争と金融危機。この「非常時」に、47歳の黒人大統領に米国の再生を託したのだ。歴史的ともいえるこの米国民の選択から二つの声が聞きとれる。ブッシュ政権のもとで分断された社会の再生への期待と、米国一極支配はもう終わりにしたいという思いである。米国という国のありようが変わるだけではない。世界との関係も新しい時代に入っていくのだろう。

6日;朝日社説(全)オバマ氏当選―米国刷新への熱い期待
http://www.asahi.com/paper/editorial20081106.html?ref=any
『 米国を変えたい。刷新したい。米国民のこうした思いが、一気に噴き出したような選挙だった。
■厚い壁を打ち破って ■  「米国の真の強さは、軍事力や経済的豊かさではない。その理想の持つ力なのだ」と、オバマ氏は勝利演説で語った。人種や性別にかかわらず、だれにでも機会は開かれている。そんな米国の理想を自ら体現してみせた自信がみなぎっていた。 そうした偏見をはねのけた末の、圧倒的な勝利である。キング牧師らが先頭に立った公民権運動から半世紀。肌の色にとらわれずに指導者を選ぶことを、米国民はついにやってのけた。 人種という壁が破られた意義は限りなく大きい。これからは女性やマイノリティーが大統領を目指すことが特別視されなくなり、社会の融和が一段と進むのは間違いない。オバマ氏勝利の背景には、ヒスパニックやアジア系などのマイノリティー人口の増加をはじめとする米国社会の構造的な変化がある。だが、まるで革命を思わせるこの大きな意識変化は、それだけでは説明できない。
■ブッシュ時代へ「NO」 ■ 今の米国社会には、沈滞した空気が漂っている。約8割の米国民が「米国は悪い方向に向かっている」と感じているという。軍事力と経済力で他国を圧倒してきた超大国が、自信を喪失している。 この閉塞感を打破して、新しくやり直したい。そんなリセット願望が若い世代を中心に共鳴し合い、雪だるま式に「オバマ現象」を膨らませていったのだろう。  「イエス、ウィー・キャン」というオバマ氏のメッセージは米国民を鼓舞し、前向きな挑戦への意欲を取り戻させた。
 オバマ氏を押し上げたもうひとつの原動力は、8年間のブッシュ政権に対する有権者の「ノー」だった。 「強い米国」を掲げて軍事力を強化し、「小さな政府」路線を進めたレーガン政権以来、30年近くにおよぶ新自由主義の挫折といっていいだろう。ブッシュ時代に露呈したその失敗は、共和党支持者をも失望させ、マケイン候補の大敗につながった。 「政府には果たすべき役割がある」と強調し、イラク戦争を批判したオバマ氏は、米国民の異議申し立てを鮮やかに代弁してみせた。
 ■米一極支配の終わり ■  だが、新政権を待ち受ける現実は厳しい。まずは米経済の立て直しだ。冷え込む景気や急増する失業、1兆ドル(100兆円)に達するとも見られる財政赤字はもとより、世界経済の混乱をどう収拾していくか。「強い米国」による一極支配の時代は、軍事と経済の両面で終わりを迎えている。米国が超大国であることは変わらないが、イラクとアフガニスタンはもはや一国では手に負えない。巨額の資金が一瞬のうちに世界を駆けめぐる金融市場の規模とスピードには、グローバルに対応するしかない。
 オバマ氏が国際協調の重要性を訴え、敵対してきた国との対話にも積極姿勢を打ち出したのは、その意味では時代の要請に応えるものだ。温暖化対策や核拡散の防止などの課題でも、米国を軸とした国際協力が欠かせない。 これからの世界が多極化に向かうとしても、米国の指導力が頼りにされていることに変わりはない。「米国の再生」を待ちわびているのは、米国民だけではないのだ。 オバマ氏は勝利演説で「私はみなの声に耳を傾ける」と約束した。世界の声に耳を傾けて、「信頼され、尊敬される米国」をよみがえらせてほしい。

6日;読売社説(全)オバマ氏圧勝 米国の威信は回復できるか
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081105-OYT1T00763.htm
『米国で初めての黒人大統領誕生である。オバマ氏は共和党の牙城でも着実に得票を伸ばした。人種の壁を超える新たな歴史を開いた、と言えよう。
 ◆金融危機克服に全力を◆ 米国はいま、未曽有の金融危機にある。イラク戦争以来、軍事大国としての威信も問われている。今回の選挙では、こうした米国の再生が大きなテーマだった。オバマ氏は、長い選挙戦を通じて「チェンジ(変化、変革)」を訴え続けた。弁舌能力を駆使した主張は、各層に浸透し、とくに若い世代を動かした。これから、オバマ氏が何を、いかにして「チェンジ」していくか、である。オバマ氏は、選挙戦で、「ブッシュ政権8年間の経済失政」を厳しく批判し、富裕層や石油企業などへの増税と中産層への減税によって「格差を是正する」と主張した。医療保険の拡充や雇用対策の充実など、大衆に受けの良い政策を打ち出した。しかし、喫緊の課題は、米国発の金融危機に歯止めをかけることだ。米国政府は、金融安定化法に基づいて、金融機関の立て直しを進めているが、危機が終息するメドはたっていない。
 ◆どうするイラク撤退◆  金融危機の拡大により景気後退局面入りしたとみられる米国経済の再生も急がねばならない。オバマ氏も公共事業の追加などを挙げているが、より具体的な政策の提示が求められよう。 貿易分野では、保護主義に傾斜しないか、という心配がある。 労組を基盤に持つ民主党は、上下両院で多数を制した。伝統的な保護主義が台頭しやすい環境だ。オバマ氏も北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓自由貿易協定の再交渉を主張している。「公正さ」を標榜するが、輸入規制につながる懸念がある。 外交・安全保障分野でも、次期政権の課題は山積している。オバマ氏は、イラクの安定を確保しながら、駐留米軍の戦闘部隊を就任後16か月以内で撤退させると訴えてきた。それをどう実現させていくのか。
 アフガニスタンでは、国際テロ組織アル・カーイダやイスラム過激派勢力が武力攻勢を強めている。反テロ戦争に比重を移す場合、治安部隊を派遣している北大西洋条約機構(NATO)や、復興支援を進める国連と綿密に調整しなければならない。政情不安なパキスタンやイランの核問題のほか、中東和平への取り組みも急務だ。オバマ陣営に集まったアジア外交のチームには中国専門家が目立っている。 中国との関係では、地球温暖化対策やエネルギー、食糧問題の対策上、緊密な協力は不可欠だ。2国間の戦略的対話はもとより、国連など多国間外交における米中協力関係を促進させるだろう。
 ◆日米同盟の再確認◆ 日本は、米国の政権交代を機に、対米関係を再調整し、同盟関係を強化しなければならない。オバマ氏は、アジア重視の姿勢を強調しているが、本人の口から日米同盟を重視するという声は聞こえてこない。麻生首相は、オバマ氏とできるだけ早期に会談し、日米連携の重要性を確認する必要がある。ブッシュ政権は先月、北朝鮮に対するテロ支援国指定を解除し、北朝鮮の核問題は、重大な局面にある。オバマ政権が、北朝鮮問題にどう対処するかは、明らかになっていない。日本政府は、オバマ政権の対処方針を踏まえて、核、ミサイル、拉致問題の包括的解決を図っていかなければなるまい。

6日;日経社説(全)歴史的な経済危機に挑むオバマ大統領
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081105AS1K0500205112008.html
 建国から230年以上を経て、米国の有権者は初めてアフリカ系市民をホワイトハウスの主に選んだ。歴史的である。それがゆえに期待と不安がある。オバマ氏は強い大統領になる一定の条件を満たしている。獲得選挙人数から見て地滑り的勝利である。ホワイトハウスの力が強まり、大統領の指導力に期待が集まる。
●保護主義に陥らぬよう● 「変革」を掲げたオバマ氏の主張は、必ずしも体系的政策ではない面がある。統合の機運がもたらしたオバマ氏のホワイトハウス入りが多民族社会の「分裂」を促す危険もありうる。来年1月20日に発足するオバマ政権の最優先課題は、金融危機からの脱却と経済の立て直しである。大手金融機関に公的資金が注入され、本格的な金融危機対策が動き出したが、解決にはほど遠い。多くの金融機関はなお住宅関連証券などの不良資産を抱えたままだ。10月に成立した金融安定化法は最大7000億ドルの公的資金を活用し、金融機関の不良資産を買い取ったり、資本を注入したりする権限を米政府に与えているが、いずれこれだけでは足りなくなる可能性もある。金融システムが安定しない限り経済の回復は望めない。次期大統領は必要なら追加的な公的資金の投入を含めた万全の対応をすべきだ。新政権の評価を分ける試金石になるのは、不況からの脱却にいかに効果的な手を打てるかだろう。
 今回の金融危機の傷は深く、不況は長引く可能性が高い。オバマ氏は大恐慌に直面した同じ民主党のF・ルーズベルト大統領を意識してインフラ投資など思い切った経済刺激策や雇用対策を実施する方針だ。危機克服に財政支出の拡大は避けられない。積極的施策は必要だが、効果が出なければ財政赤字膨張を背景としたドルへの信認低下につながる恐れがある。世界や日本にとっては、外に開かれた経済体制の維持も重要である。オバマ氏自身は「グローバル化に歯止めをかけるのは誤り」と考えるが、支持基盤の労働組合や民主党議員の間では自由貿易に異を唱える声が勢いを増している。地盤沈下が著しい米自動車産業への公的支援を求める圧力も高まっている。議会が保護主義的な立法に走らないよう、大統領の意思と行動力が求められる。足踏みしている多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)を前進させるうえでも、ホワイトハウスからの強い指導力が欠かせない。
●日本からの提案も重要● 日米関係に変化はあるか。米国は経済的に不安定な時期を迎えている。日本も新政権の対外経済政策を受け身の姿勢で見守るだけではいけない。経済の開放を進め、経済活動の障害を減らす日米自由貿易協定(FTA)の実現の後押し、エネルギーや環境面での協力強化の提案などが必要になる。日米同盟の重要性に対する認識はワシントンでは党派を超えてある。他方で中国の重要性に対する認識も一層深まっている。日中間で利害が一致しない問題が生じた場合、オバマ政権の立場は微妙になる。オバマ氏には、かつてケネディ大統領が醸した若さとカリスマ性が漂う。金融危機をきっかけに世界が苦しみ、超大国米国の立場の揺らぎが指摘される。オバマ氏が大統領として何をするかは、いま苦境にある米国が21世紀前半の世界でどのような存在になるかを決定づける。

6日;産経社説(全)】オバマ氏圧勝 信頼と指導力の回復を
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081106/amr0811060331011-n1.htm
『オバマ氏は米史上初の黒人大統領という歴史的意義を背負って、金融危機など山積する内外の重要課題に取り組むことになる。変革を通じた「強い米国」の再生を、国際社会の側からも積極的に支えていく工夫が必要になる。
 ■国民の再統合に期待■ 8年前、ブッシュ大統領は党派対立の克服と「思いやりの保守」を掲げて登場した。だが、米中枢同時テロ後の対テロ戦争やイラク戦争が思い通りに進まなかったこともあり、内外の批判を浴びた。ウォール街で火を噴いた金融危機は財政金融面でも世界の信頼を失うダメ押しとなった。 勝利演説でオバマ氏は「アメリカは一つだ。変革の時がきた」と訴え、党派対立を克服し、国民一人一人が愛国心や犠牲の精神を発揮するよう呼びかけた。世代交代を達成し、人種の壁も越えて指導者に選ばれたオバマ氏には、勝者も敗者もない国民の再統合と「協調の政治」の復活を期待したい。同じことは米国と世界とのかかわりについても言える。 オバマ氏は、対外関係では「新しいアメリカ」を立ち上げ、自立の精神、民主主義、自由、機会の灯を絶やさず、「平和と安全を求める人々を支持する」とも約束した。
とりわけ米国にとって当面最大の緊急課題は、世界を覆う米国発の金融危機の火を消すことだ。15日には主要20カ国・地域(G20)首脳の金融サミットが米国で開かれる。オバマ氏は次期大統領として出席し、国際社会に対して米国が責任ある対応を果たしていく姿勢を示してもらいたい。民主党政権には保護主義の伝統が目立ち、オバマ陣営も北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなどを掲げてきた。世界が内向きになりがちな時である。新政権が決して保護主義の誘惑に陥らないよう注文しておきたい。
 来年は冷戦終結20年の節目にあたる。世界は大きく様変わりした。イラン、北朝鮮など大量破壊兵器の拡散や疑惑、中東和平、気候変動、貧困など地球規模の課題に加え、国際金融システムの根本的見直しも俎上にある。安定と平和が定着しつつあるイラクからどんな形で米軍が撤退するかも重要だ。
■日本も戦略的に動け■  イラク、アフガニスタン問題にせよ金融危機にせよ、米国一国でなく、国際協調で取り組まねばならないことは言うまでもない。と同時に、米国が自信と信頼を失ったままの状態にあることは、世界にとっても、同盟国にとっても好ましいことではない。世界秩序についても「米一極」から多極化へ移るのか、それとも主権国家以外の多様な勢力が混在する「無極世界」となるのかが問われている。そんな時代に入っていることを忘れてはならない。アジア最大の同盟国である日本にとっても、オバマ次期政権とのかかわりはきわめて重要だ。中国やロシアとの関係、台湾、北朝鮮問題などに加えて、米軍再編を含む日米同盟をどう発展させていくかが大きな課題となる。
 そのためには、新政権の対アジア外交の形成プロセスに積極的にかかわり、日本の主張を反映させていく外交が不可欠だ。麻生太郎首相にも、そうした戦略的視野に立って積極的に動いてほしい。

6日;毎日社説(全)オバマ氏当選米国のチェンジに期待する 対立超え大胆な再生構想を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081106ddm005070085000c.html
『米国民の2008年の投票行動が「賢明な判断だった」と世界史に刻まれることを期待したい。8年間のブッシュ共和党政権の失政と混迷から米国を立て直し、健全な協調性と指導力を世界に改めて提示してほしい。 この選挙により、米国の何が終わり、何が始まろうとしているのだろう。
 ●ブッシュ路線不信● アフガニスタンとイラクの二つの戦争が際限なく続く。単独行動主義や独善的な外交により、米国への批判的な見方が世界に広がった。米国発の金融危機は、市場優先の行き過ぎた規制緩和への疑問につながった。 だが、単に共和党から民主党に8年ぶりに政権が移っただけではない。
 第二の答えは「レーガンの時代が終わったのかもしれない」という点だ。ルーズベルト政権以来のリベラル路線の行き詰まりを保守の側から打破したのが80年代のレーガン政権だ。国家ではなく、市場が問題を解決し経済を繁栄させる。その思想は米国だけでなく日本も含めた世界中で影響力を持った。だが、出口が見えない経済危機に世界中が巻き込まれたいま、レーガノミクスや新保守主義の限界が議論されている。公的資金を投入して金融機関を救済する解決策はレーガン流「小さい政府」の対極にある。
 さらに「米国の世紀が終わったのではないか」という第三の答え方も可能だ。米国型の自由競争や豊かな消費生活が世界に広がれば、世界は幸福になると米国人は発想し、20世紀を「米国の世紀」と誇った。その感覚は9・11同時多発テロ後も保たれ「長い20世紀」が続いていた。
  こうした三つの終わりないしは変化が同時に重なる節目に、米国人が見いだしたのがオバマ氏だ。ルーズベルト、レーガンに匹敵する歴史的な大転換をオバマ氏は実現するかもしれない。ただ、選挙戦を通してそのビジョンがよく見えなかったのは気がかりだ。米国政治の旧来の対立軸を超え、世界との行き違いを解消する大胆な再生構想を打ち出してほしい。
 黒人大統領は、いざ誕生してみると、文化革命とさえ表現できる驚きだ。数え切れないほど多くの白人が投票したから、オバマ氏はアメリカンドリームの体現者となった。オバマ氏が生まれた1961年は、南部では人種差別が合法化されていた時代だ。公民権運動の成果で制度としての差別はなくなったが、平等な社会とはまだ、いいがたい。
 オバマ氏は多文化の統合の象徴として自分の人生を語ってきた。人種間の対立や報復ではなく、憲法前文を引用して「より完全な連合」を呼びかけた。説得力ある雄弁を受け入れ、人種の壁を越えて支持した白人もいただろう。マケイン氏が苦戦になっても「人種カード」を切らなかったことも評価したい。 米国の原罪ともいえる奴隷制の歴史を直視し、人種対立が和解に向かう契機とするよう望みたい。
 ●希望作る民主主義● 日本にとっては、新しい日米関係をオバマ新政権と築く好機だ。経済危機がさらに深刻化し失業者が増えると、米国は内向きになり保護主義に傾く恐れもある。オバマ氏はそうした誘惑を排し、開かれた米国を維持するよう努めてほしい。大統領選挙は「4年ごとの革命」といわれる。オバマ氏は昨年2月の立候補表明時には国民の半数近くが「よく知らない」政治家だった。全米で組織した草の根ボランティアが戸別訪問や電話で国民一人一人に支持を働きかけた。有権者登録も選挙資金集めも史上最大のスケールで実現した。空前の政治参加の熱気を支えたのは、チェンジとリセットへの欲求だった。
同時に、理念の国米国が掲げる自由、平等、機会の保障といった価値観を共和党と民主党が共有していることも見逃せない。選挙で分裂しても基本理念の共有があれば、再出発できる。対立と一致を組み込んだ民主主義の強さの上にチェンジの希望が成立する仕組みを、米国民は世界に示した。

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2008/11/06

シニアネット 『おいおい』  第777号

━━senior citizen net━━━━━━━━━ 2008/11/06━

    シニアネット 『おいおい』        第777号
 
━━━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━━

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あたたかな案山子を抱いて捨てにゆく       内藤吐天 

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「あたたかな案山子」は、秋の日和の暖かさをいっぱいに受けた案山子の体温が伝わってくるようだ。刈入れの済んだ田の中に、無造作に転がされた案山子。古着を着せられたものか、マネキン人形なのか。用済みの案山子を「抱えて捨てにゆく」。秋の日をいっぱいに受けた乾燥した匂いとぬくもりが伝わる案山子。話しかけてくるようだ。どこへ捨てられるのだろうか。
「案山子」は「田の神」の依り代である。田の神様が山へ帰られると、田から持ち帰り案山子を庭先へ祀り、餅や大根を供える習慣のある地方もある。明日は「立冬」で、暦の上では秋も終わる。名古屋市立大学薬学部長を務めたこともある薬学博士。岐阜県大垣市出身。(1900-1976)。

┏━━“Change”━━━━━━━━━━
  企業の成果は収益。政府の機能は税金。非営利組織は人の変革。これが、ドラッガーの著書「非営利組織における経営」のマネジメントの目標である。オバマの”change“は、ボランテイア活動における「人の変革であり、社会の変革」である。単なる、変化ではない。「変革」であるから、痛みも伴う、失望もする、不安でもある。それを恐れず挑戦するアメリカの凄さに感服する。
 英語の辞書によると、3段階の意味がある。自然に変わることではない。勿論、両替したり、替地したり、乗り換えることでもない。改宗したり、転向したり、気持ちを入れ替えたりの意味だろう。組織とか、コミュニテイの変革とか、個人に関しては自己実現に近い。
 アメリカの社会を理解するには、ボランテイア活動を抜きにしては考えられない。オバマの経歴を見ても、企業の経験はない。「非営利組織」(NPOと行政)のみだ。ボランテイア活動が社会へのスタートである。ミッション(1つの合衆国)の実現に挑戦するニューリーダーに期待したい。

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2008/11/05

シニアネット 『おいおい』   第774号

━━senior citizen net━━━━━━━━ 2008/10/30━

    シニアネット 『おいおい』        第774号
 
━━━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━━━

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 次の間に人のぬくみや暮の秋         山上 樹実雄

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 平成12年作。「暮の秋」は秋の終わりのこと。暮秋ともいう、冬になって行く季節のさびとかわびの感情が生かされている。隣の部屋は、来客あっあらしく、「人のぬくみ」が残っている。夜寒の中にあたたかさを感じる。「秋の暮」は、1日の夕方と秋の終わりの意味がある。過ごしやすい季節の秋の過ぎ去ることに別れを惜しむ。いつか消えるのではなく、流れ去るから惜しむ。冬の到来を間近くに控えるこの季節の寒さの表現が美しい。
 作風は、「繊細な感受性により、自然がきわめて透明性のある、しかもどこか哀感をおびたものとして詠まれている。」(『現代俳句大事典』より)。「秋寒、そぞろ寒、やや寒、肌寒、うそ寒、朝寒、夜寒、かりがね寒、冷やか、身にしむ。」(『日本の歳時記ー28』より)。大阪市生まれ。(1931- )。

┏━━教育勅語━━━━━━━━━━━━━
  明治23年(1890)10月30日に発布された。明治天皇の名で国民道徳の根源、国民教育の基本理念を示した勅語。旧制国民小学校では、国の祝祭日に校長先生が朗読をされた。天皇制教育推進の主柱であった。昭和23年(1948)に国会で排除・失効確認を決議した。「教育ニ関スル勅語」が公式の呼称である

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シニアネット 『おいおい』  第776号 

━━senior citizen net━━━━━ 2008/11/05━

    シニアネット 『おいおい』        第776号
 
━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━

 夜を咳けば昼はねむりつ菊日和      水原秋櫻子

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昭和23年作。「よく風邪をひいた。熱は出ないのだが咳はひどい。夜中に眼がさめて、明け方まで咳きつづけるようなことも多かった。毎日寝不足で、何もする元気もなく、ただねむいだけである。(略)1日中訪れる人もなく、家族と住むだけのわびしい生活であったが、その頃の空の美しさはいまだに忘れることが出来ない。」と自選自解している。私ごとだが、10月は風邪をこじらせて、咳が止まらず難儀した。
庭に、菊の花が咲いていて、「(私の)家でも(菊を)作った。その花が良く咲いて、どれだけ心を慰められたか知れない。空もよく晴れて、久しぶりに菊日和という感じを味わうことが出来た。」ともある。東京都出身。(1892-1981)。

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(社説)田母神論文

田母神論文
 個人の歴史認識をもとうが、思想・信条の自由はある。立場が悪かった。冷静に考える必要がある。原文を一読下さい。

原文の紹介サイト
http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

 論文は、民間企業の懸賞論文に応募したものだ。「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」「我が国は極めて穏当な植民地統治をした」「日本はルーズベルト(米大統領)の仕掛け罠にはまり、真珠湾攻撃を決行した」「我が国が侵略国家だったというのはまさに濡れ衣である」。(朝日)
 戦前の日本による植民地支配や昭和戦争について、一貫して日本の立場を正当化しようと試みている。日中戦争については、「我が国は蒋介石により引きずり込まれた被害者」と主張している。だが、戦争全体を見れば、日本の侵略だったことは否定できない。日米戦争の開戦も「アメリカによって慎重に仕掛けられた罠」と決めつける。論文は、事実誤認や、歴史家の多くが採用していない見方が目立っており、粗雑な内容だ。もとより、歴史認識というものは、思想・信条の自由と通底する面があり、昭和戦争に関して、個々人がそれぞれ歴史認識を持つことは自由である。(読売)

2日;産経社説(1)空自トップ更迭 歴史観封じてはならない
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081102/crm0811020318002-n1.htm
『そうした論文を公表すれば、インド洋での給油支援を継続するための新テロ対策特措法の国会審議などに影響が出るのは明らかである。政府の一員としてそうしたことに配慮が足りなかったことは反省すべきだろう。だが第一線で国の防衛の指揮に当たる空自トップを一編の論文やその歴史観を理由に、何の弁明の機会も与えぬまま更迭した政府の姿勢も極めて異常である。疑問だと言わざるを得ない。
 浜田靖一防衛相は、田母神氏の論文が平成7年、村山富市内閣の「村山談話」以来引き継がれている政府見解と異なることを更迭の理由に挙げた。確かに「村山談話」は先の大戦の要因を「植民地支配と侵略」と断じており、閣議決定されている。だが、談話はあくまで政府の歴史への「見解」であって「政策」ではない。しかも、侵略か否かなどをめぐってさまざまな対立意見がある中で、綿密な史実の検証や論議を経たものではなく、近隣諸国へ配慮を優先した極めて政治的なものだった。その後、談話を引き継いだ内閣でも新たな議論はしていない。このため、与党内には今も「村山談話」の中身の再検討や見直しを求める声が強い。田母神氏の論文がそうした政府見解による呪縛について、内部から疑問を呈したものであるなら、そのこと自体は非難されることではないはずだ。
 政府としては、参院での採決の時期が微妙な段階を迎えているテロ特措法や、来月に予定されている日中韓首脳会談への影響を最小限に抑えるため、処分を急いだとしか思えない。テロ特措法の早期成立も中国や韓国との関係も重要である。しかし、そのために個人の自由な歴史観まで抹殺するのであれば、「言論封じ」として、将来に禍根を残すことになる。むしろ今、政府がやるべきことは「村山談話」の中身を含め、歴史についての自由闊達な議論を行い、必要があれば見解を見直すということである

2日;読売社説(1)空幕長更迭 立場忘れた軽率な論文発表
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081101-OYT1T00763.htm
航空自衛隊のトップという立場を忘れた、極めて軽率な行為だ。麻生内閣も、「植民地支配と侵略によって、アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」として反省と謝罪を表明した1995年の村山首相談話を踏襲している。浜田防衛相は、「政府見解と明らかに異なる意見を公にすることは、航空幕僚長として、大変不適切だ」と更迭の理由を述べた。
 論文の内容が判明した直後、迅速に人事を断行したのは、国会審議や近隣諸国との関係に及ぼす悪影響を最小限に抑える狙いもあったとみられる。しかし、田母神氏は自衛隊の最高幹部という要職にあった。政府見解と相いれない論文を発表すれば重大な事態を招く、という認識がなかったのなら、その資質に大いに疑問がある。論文には、集団的自衛権が行使できないとする政府の憲法解釈や自衛隊の武器使用の制約など、重要な問題提起も含まれている。だが、この論文の文脈の中で主張しても、説得力を持たない。
 こうした問題の多い論文の発表を、なぜ、だれもチェックできなかったのか。これでは、自衛隊に対する国民や諸外国の信頼が揺らぎかねない。防衛省は、今回のような事態の再発を防ぐには、制服組の自衛官の教育と人事管理を強化する必要がある。政治の文民統制のあり方も問われかねない。

2日;毎日社説(1)空幕長更迭 トップがゆがんだ歴史観とは
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20081102ddm005070003000c.html
 航空自衛隊のトップがゆがんだ歴史認識を堂々と発表する風潮に、驚くばかりだ。政府は戦後50年の95年8月15日、当時の村山富市首相が、戦前の植民地支配と侵略について「国策を誤り」「アジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」とし、「痛切な反省」と「心からのおわび」を表明した。歴代政府は、この村山談話を踏襲してきた。田母神氏の論文は、この政府見解を真っ向から否定するものだ。
 田母神氏は安倍政権の昨年3月に空幕長に就任し、福田政権の今年4月には、イラクでの空自の活動を違憲と判断した名古屋高裁の判決について、お笑いタレントの言葉を引用して「そんなの関係ねえ」と語り、物議をかもした。自衛隊内では、政治や安全保障に関してストレートな発言を繰り返していたことで知られていたという。このような人物がトップの組織では、同様の考えを持つ人が多数を占め、正論と受け止められているのではないかとの疑念がわく。
 歴史認識をめぐっては、過去、閣僚が植民地化や侵略を合理化する発言をし、辞任する事態が繰り返されてきた。麻生太郎首相も自民党政調会長だった03年、日韓併合時代の「創氏改名」について「朝鮮の人たちが名字をくれと言ったのが始まりだ」と語ったことがある。一方、安倍晋三元首相は、首相就任後に村山談話を踏襲する考えを表明したが、就任前は「適切な評価は歴史家に任せるべきだ」と、日本の戦争責任への明言を避けていた。首相就任前後の落差を本音と建前の使い分けと受け取る国民は多かった。こうした政治家の姿勢や言動が、問題の背景にあるのではないだろうか。
 
3日;日経社説(2)田母神空幕長の解任は当然
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081102AS1K0100101112008.html
 田母神俊雄航空幕僚長の解任は当然である。自衛官が心のなかでどのような思想・信条を持とうと自由だが、田母神氏の論文はウェブ上で公開されている。内容は政府見解に反する。放置すれば、政治家による軍の統制に抵触する結果にもなったろう。田母神氏を最優秀賞にした懸賞論文を企画した企業のウェブサイトには田母神氏を空幕長であると明記している。浜田靖一防衛相が「政府の見解と大きく異なり、不適切だ」と語り、麻生太郎首相が「もし個人的に出したとしても今は立場が立場だから適切じゃない」と述べ、解任したのは、適切な判断である。
 田母神氏は過去にも周囲を心配させる言動を重ねてきた。名古屋高裁がイラク派遣部隊の多国籍軍兵士輸送を違憲と判断をしたのに対し「そんなの関係ねえ」とタレントのギャグを使って反応した。東大五月祭での討論に招かれて参加し、やはり防衛省の首脳部を心配させた。田母神氏にすれば、今回の論文を含めてすべてが自身の信念に基づくものなのだろう。三自衛隊には四文字熟語を重ねてそれぞれの体質を冷やかす表現がある。陸は「用意周到・優柔不断」、海は「伝統墨守・唯我独尊」、空は「勇猛果敢・支離滅裂」がそれである。これが当たっているとすれば、田母神氏は典型的な航空自衛官だったのかもしれない。田母神氏は空自のエリートコースである戦闘機パイロット出身ではない。同期には「将来の空幕長・統合幕僚長」ともいわれたパイロット出身者がいたが、なぜか失速した。このために本来は適格とは思われていなかった田母神氏が選ばれた。

2日;朝日社説(1)空幕長更迭―ぞっとする自衛官の暴走
http://www.asahi.com/paper/editorial20081102.html
 こんなゆがんだ考えの持ち主が、こともあろうに自衛隊組織のトップにいたとは。驚き、あきれ、そして心胆が寒くなるような事件である。 一部の右派言論人らが好んで使う、実証的データの乏しい歴史解釈や身勝手な主張がこれでもかと並ぶ。空幕長は5万人の航空自衛隊のトップである。陸上、海上の幕僚長とともに制服の自衛官を統括し、防衛相を補佐する。軍事専門家としての能力はむろんのこと、高い人格や識見、バランスのとれた判断力が求められる。 その立場で懸賞論文に応募すること自体、職務に対する自覚の欠如を物語っているが、田母神氏の奇矯な言動は今回に限ったことではない。 4月には航空自衛隊のイラクでの輸送活動を違憲だとした名古屋高裁の判決について「そんなの関係ねえ」と記者会見でちゃかして問題になった。自衛隊の部隊や教育組織での発言で、田母神氏の歴史認識などが偏っていることは以前から知られていた。
 防衛省内では要注意人物だと広く認識されていたのだ。なのに歴代の防衛首脳は田母神氏の言動を放置し、トップにまで上り詰めさせた。その人物が政府の基本方針を堂々と無視して振る舞い、それをだれも止められない。
 国際関係への影響も深刻だ。自衛隊には、中国や韓国など近隣国が神経をとがらせてきた。長年の努力で少しずつ信頼を積み重ねてきたのに、その成果が大きく損なわれかねない。米国も開いた口がふさがるまい。 多くの自衛官もとんだ迷惑だろう。日本の国益は深く傷ついた。 麻生首相は今回の論文を「不適切」と語ったが、そんな認識ではまったく不十分だ。まず、この事態を生んだ組織や制度の欠陥を徹底的に調べ、その結果と改善策を国会に報告すべきだ。

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2008/11/02

シニアネット『おいおい』 第775号

━━senior citizen net━━━━━━━ 2008/11/02━

    シニアネット 『おいおい』        第775号
 
━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━━━

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 小春日の母の心に父住める        深見けん二

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「小春日和」のあたたかな気持ちの良い日です。ふとしたことで、母の心には今も父が存在して生きていることに気づきました。穏やかな日和の中、父への思いは、母を包んでいるのです。「母の心に父住める」が、母の心の大きな部分を占めています。風のない穏やかな温かい「小春日」が「母の心」を包んでいる。
 作風は、「もののあわれという俳諧の本質を忘れない。」(山口青邨)が、科学者としての目を常に厳格に持っている。高雅で格調高い写生句が多い。福島県郡山市生まれ。(1,922-)。

┏━━楓蔦黄(ふうかつきなり)━━━━━━━━
  11月2日、72候の1つ。「カエデやツタの葉が色づき始める頃。」。11月は「霜月」。定説は『奥義抄』。「11月(霜月)に霜しきりに降る故に、霜降月(しもふりづき)といふを誤れり」。別名、神帰月、達月、子月、復月、雪見月、神楽月、仲冬、短至など。7日が「立冬」、22日が「小雪」で、冬に向かう。立冬から立春の前日までを冬という。

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