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2008/10/28

 シニアネット 『おいおい』    第773号

━━senior citizen net━━━━━━━ 2008/10/28━

    シニアネット 『おいおい』        第773号
 
━━━━━━━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━━

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山は暮れて野は黄昏の薄哉           与謝 蕪村

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1773年の作。山並みは黒々と暮れて暗くなってしまった。山裾の野には黄昏の淡い光が残って、ススキの穂が白く浮きあがっている。黒々とした山と残光残る薄野をコントラストにした。光の濃淡は、まさに墨絵の描き方である。
1776年に、<地下りに暮れ行く野辺の薄かな>と<垣根くぐる薄ひともとまずほなる>がある。山の上から裾野へ薄がひろがり、里の垣根にまで続いている。残光の白から次第に変わり、赤味にいたる。暮の光の色彩の変化の図である。この連作は、掲載の句と類想だが、イメージは異なる様に思う。大阪市出身。(1716-1783)。

┏━━霜降(そうこう)━━━━━━━━━━━━
  10月23日でした。12節気の1つ。「朝霜を見始める、秋気が去って冬の兆しあり」。24日は72候の「霜始降」(しもはじめてふる)「初霜が降る頃」である。28日は、「シグレ時施」(しぐれときどきほどこす)で、「時雨(しぐれ)がときどき降る頃」である。「立冬」の11月7日に向う。11月は、「霜月」でもある。

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(社説)円高と株安

円高と株安
株安と円高の動きは常軌を逸している。27日の日経平均株価終値は7162円と、実に26年ぶりの安値をつけた。円相場は先週末に一時1ドル=90円台に急騰するなど独歩高の様相だ。日本を襲う円高と株安の連鎖はどこまで続くのか。 こうしたなか、麻生首相が市場安定化策をまとめるよう指示した。「あらゆる手段を講じ、市場の安定化と金融機能の円滑化を図る」という。 政府は緊急市場安定化策の骨子を示したが、対応の鈍さが気になる。国際的な協調のもとで、市場の動乱を止める果敢な方策をもっと迅速に打ち出すべきだ。そこで、気になるが朝日と毎日の論調である。

28日;日経社説(1) 異常な株安・円高に迅速果敢な対応を
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081027AS1K2700427102008.html
『金融危機が日本経済にもたらす打撃は比較的小さいとみられてきた。日本を襲う市場の激動はまさに「傷の浅さ」が原因になった。高金利の新興国や中小国に集まった巨額の投資マネーが通貨不安などで一斉に巻き戻しを始めた。消去法の選択として、金融システム不安が相対的に小さい日本円に買いが猛然と集まっている。円高は日本からの輸出を不利にする。日本株が下げ止まらない。先週末には円相場が半日余りの間に14円もの幅で円高・ユーロ安に振れた。日経平均は、2003年4月のバブル後最安値を割り込んだ。主要国通貨の間でこれほど激しい相場変動が起きるのは極めてまれだ。急激な株安も企業や消費者の心理を冷え込ませ、実体経済の悪化をさらに進めてしまう。本来なら週明けの市場が開く前に対処策を公表するくらいの迅速さが不可欠で、実際に政府内でそうした動きはあった。
ところが麻生太郎首相が中川昭一財務・金融担当相らに市場対策の策定を指示したのは27日午前になってからだった。明らかに後手に回っている。市場安定化策の骨子には空売り規制の強化、金融機能強化法に基づく公的資金の注入枠の拡大などを盛り込んだ。銀行が保有株を投げ売りしないよう、02年に設立した銀行等保有株式取得機構が一時的に株を買い取る仕組みも復活させる方針だ。これ以外の政策も含め、市場の混乱阻止のために十分な手段を尽くしてほしい。予算措置や法改正が必要な項目もある。迅速に実現させるのが与野党共通の責務だ。
 なにより、国際的な連携による為替相場の安定が不可欠だ。主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁は円相場の過度の変動と、それによる経済・金融の安定への悪影響を「懸念している」とする緊急声明を出した。特定通貨への言及は異例である。時機をみて円売りの市場介入に踏み切るなど、市場への意思表示を一段と明確にすべきである。

28日;読売社説(1)バブル後最安値 与野党協力し対策実現急げ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081027-OYT1T00828.htm
『政府・与党と日銀は、金融機能の強化や景気にプラスになる政策を総動員し、「総弱気」にとりつかれた市場の不安解消に努めねばならない。緊急市場対策は、地方銀行などへの公的資金注入枠を当初の2兆円から10兆円規模に拡大する方向だ。株式含み損の拡大で自己資本比率が下がらぬよう、比率算出方法を見直す方針も入った。こうした金融機能の強化策は、金融システム安定や、貸し渋りの防止に役立とう。与野党が協力し、必要な法改正などを早期に実現してもらいたい。銀行等保有株式取得機構を通じた政府資金による銀行保有株の買い取りも再開する。政府と同様に買い取りの実績を持つ日銀も、協力すべきだ。買い取りの資金を追加する必要がないかなど、具体策の詰めを急ぎたい。
 これらの対策を打ってなお、株価の崩落に歯止めがかからぬようなら、緊急避難的に公的資金による株式買い支えを検討してもいいだろう。株安進行の大きな要因に円高がある。先進7か国(G7)は緊急の共同声明を発表し、急速な円高に対して協調介入も辞さない構えを見せた。それでも円高騰の流れは変わらなかった。「円の過度の変動」に強い懸念を示したG7が、円高阻止の協調介入に打って出るか、それとも「口先だけの介入」に終わるか、市場は注目している。
 急激な円高は、輸出産業に深刻な打撃を与えかねず、望ましくない。だが、通貨の強さは経済力のバロメーターでもある。世界の投資家が、欧米などより日本経済は強いと、評価している証左ではないか。円高で、原油などの輸入コストも下がる。痛みに耐えて産業の構造改革を進めれば、一段と強い日本経済を構築できよう。

28日;産経社説(1)証最安値 あらゆる市場対策をとれ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081028/plc0810280246003-n1.htm
『今回の市場対策の大きな柱の一つは、政府や日銀が、銀行保有株式の受け皿になることだ。株価の下落で評価損が膨らんで銀行の財務が悪化するのを防ぐため、保有株を早めに銀行の資産から切り離し、市場での株の売り圧力を弱める効果を狙ったものだろう。また、株式を持たずに売り注文を出す「空売り」について情報開示などの規制を強化して、投機的な売りを牽制する。金融機関や企業が保有する国債や社債などの有価証券の時価評価を一時凍結する措置も認めた。問題は、こうした市場対策に即効性があるかどうかだ。時価評価の一時凍結を株式にまで拡大する措置なども選択肢として検討せねばなるまい。
 株安の背景には、円の独歩高もある。投機資金が一斉に日本に流入しているのだ。日本は米欧に比べて経済の傷みは小さく、金融機関の経営も安定しているため、消去法で円が投資先に選ばれたというわけだ。だが、円高は輸出企業の業績を直撃する。特に、対ユーロでは急激な円高が進んでいる。これまで、米国向け輸出が落ちても、欧州向けの外需でカバーしてきただけに日本経済の悪化に懸念が強まり、株急落を招いている。
 このため、株暴落には円高防止対策も必要である。先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が27日の緊急声明で、市場介入などの対策に乗り出す可能性を示唆したのは意味がある。G7は、急激な変動には円売り介入の実施を躊躇してはならない。主要20カ国・地域が参加する緊急首脳会議が来月15日に米国で開かれる。欧州の首脳らはそこで、投機資金に対する規制や監督体制の強化を協議する意向だ。市場の動きは、グローバルにつながっており、一国だけの対策には限界もある。日本は、市場の激震を鎮めるために、国内対策とともに米欧との緊密な政策協調を図らねばならない。

28日;朝日社説(1)市場パニックと総選挙―安定化策を総動員せよ
http://www.asahi.com/paper/editorial20081028.html?ref=any
『新・金融法により、株安などで自己資本が目減りした銀行や信金・信組などに対して素早く公的資本を注入し、自己資本不足による信用収縮を食い止める。注入できる資金枠を10兆円へ拡大するともいわれるが、枠に余裕をもたせておくことは大切だ。加えて、決算時に証券化商品を時価で評価する会計制度も見直す。商品がさらに下落する前に手放そうとすると暴落を加速する。時価評価でなくなれば決算に悪影響を与えないので、売らずに済む。証券化商品を多くもつ銀行は自己資本が傷つかずに済むので、貸し渋りの防止にもなる。
 時価評価を進めてきた欧米自身が、時価会計の一部凍結に動いている。会計原則を曲げるのは望ましくないが、パニックの連鎖を防ぐためには同調もやむを得ないだろう。 また、法律で定めるべき制度は、考えられる方策をすべて立法しておいた方がよい。必要になったときに立法するのでは遅い。あらかじめ制度を整えておき、発動するかどうかは状況に応じ判断するのが賢明だ。直面する市場安定化策の内容については、与野党で意見の違いも少ないだろう。
 金融機関の一時国有化を機動的に行えるようにする金融再生法の復活や、預金の全額保護がそれに当たる。 市場対策はスピードが命である。個々の策の効果は限られるが、できることからすぐ実行することだ。一方で、日本経済を力強くしていく中長期的な方策については、じっくり議論する必要があろう。為替対策では、異常な円高を抑えるため、主要国の共同声明だけでなく、協調介入へ踏み出すべき段階だ。

28日;朝日社説(2)市場パニックと総選挙―ずるずる先送りでいいか
『首相はとうぶん解散に打って出る気はなさそうだという受け止めが急速に勢いを増している。確かに、週明けの市場の動きは衝撃的だった。この危機的な状況に対して、考えられる限りの効果的な対策を素早く動員し、市場や国民の動揺を抑えなければならない。それが今の政治に求められる最優先課題だ。
 問題は、だからといって総選挙をずるずると先送りすべきかどうかということだ。 今回の経済危機や景気後退はそう簡単に出口が見えるほど生やさしいものではない。危機が深刻であればあるほど、民意に裏打ちされた正統性のある政権でなければ、本格的な対策や経済の立て直しはできない。総選挙に踏み切れば、むろん民主党に政権を奪われる可能性もある。 だが、政権担当経験の長い自民党こそがこの危機を乗り切れると首相が自負するのであれば、総選挙で民意の支えを得て初めてその責任を果たせるのではないのか。それが国際的な信用を高めることにもなるはずだ。
 いたずらに解散を先延ばしするのは、逆に、経済や国民生活を人質にとって政権の延命を図っているのではないか、と見られても仕方あるまい。 民主党も考えどきだ。解散先送りに対抗して新・金融機能強化法案の早期成立に協力しない構えも見せているが、ここは歩み寄ってはどうか。当面、必要とされる対策や法律の整備にさほどの時間はかかるまい。 総選挙で自民党と民主党のどちらが勝ったとしても、考えられる対策の中身に大差はあるまい。ならば、総選挙の期間中に緊急対応が迫られる場合に備え、連携して対処できる仕組みを両党を中心に作っておく手もある。

28日;毎日社説(全)バブル後最安値 政治不況を招いてはいけない
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081028ddm005070113000c.html
『 ◇一国の対応に限界◇ 東京市場での株価暴落の背景には、急速に進んだ円高がある。ただ、日本は単なる“被害者”ではない。円高は、超低金利の円を借りて、利回りの高い他通貨建ての投資商品で運用する取引が極端に膨らんだ末、これが逆回転し始めたことによる面が大きい。反動が始まれば一気に円高に振れる危険性は以前から指摘されていた。にもかかわらず、自民党政権は超低金利の長期化を望み、日銀も追従して円高に逆回転するエネルギーがたまるのを許した責任がある。
 日本がなすべきことは確かに山ほどある。麻生首相は、衆院の解散・総選挙より、金融危機対応を優先すべきだということだろう。「選挙をしている場合ではない」との意見が理解できないわけではない。世論調査でも「景気対策か、解散か」と問われれば「景気対策」と答える人が多いのも事実だ。だが、解散を先送りすれば、有効な対策が取られ景気が好転する保証があるだろうか。民主党が過半数を取れば政権は交代する。参院で民主党は単独過半数には至っておらず、他野党の協力を仰ぐ必要があるが、ねじれは基本的に解消する。いずれにしても政治は動く。
 ◇「政治空白」とは◇ 私たちは、これこそが、深刻な政治空白と考える。足元の経済情勢が日本の比ではない米国でも、何カ月もの時間を費やして国の将来を託すリーダーを選ぼうとしているのである。一企業の株価は将来の業績を先取りする形で動く。その企業の集合体である市場全体の相場は、時に過剰反応はあっても、おおむね日本経済の先行きを映す。景気がどんどん悪くなっている最中でも、これから何かが変わる、好転の可能性があると市場が察すれば、株価は反転するものだ。今、日本経済が必要としているのは、単なる株価対策ではなく、何かが大きく変わる期待を生むことではないだろうか。先送りした結果、経済の実態がますます悪化し、今以上に選挙どころではなくなる恐れもある。「急がば回れ」という。1カ月程度、衆院選の期間に使ったとしても、国民の信を得た政権が、この金融危機状況に対応することが、結果的に「政治不況」を招かない近道だ。

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2008/10/16

(社説)新聞週間


┏━━新聞週間━━━━━━━━━
 ◎新聞の存在意義は◎
15日から「新聞週間」が始まった。2紙が新聞週間に関して論説した。読売は新聞の信頼性について。毎日は行政の情報公開について。新聞の任務について、考えてみたい。

15日;読売社説(1)新聞週間 時代の羅針盤でありたい
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081014-OYT1T00606.htm
『国民が参加する裁判員制度の開始を来年5月に控え、報道のあり方を改めて考える機会となる。刑事裁判は、有罪か無罪かを的確に判断し、罪の重さに見合った刑罰を科すのが目的だ。これに対し、事件や事故の報道は、役割が異なる。事件などの背景にある問題点を探り、制度や法律に不備があれば是正して再発防止策にいかす。また、逮捕権などを持つ捜査機関が正しく権限を使っているか監視し、行き過ぎを防ぐことだ。
 読売新聞では3月末から、「事件・事故 取材報道指針」の運用を始めた。例えば記事の書き方では、捜査機関の情報とそれ以外の情報を明確に区別した。捜査側の情報は、裁判では被告側と対等な一方の主張にすぎないからだ。法曹界には、報道が裁判員に予断を与えかねないという懸念が強い。だが、国民の常識を反映させる制度の導入が、報道の自由を制約し、国民の知る権利を侵すことになっては、本末転倒である。予断排除は、まず法曹界自体が取り組むべき課題だ。とりわけ裁判官の役割は大きい。法廷の証拠だけで判断する重要性を、裁判員に丁寧に説明する責任がある。
 公正・公平な報道は無論、報道機関の責務だが、警察・検察と弁護士の理解、協力も求めたい。特に、捜査側の見方に偏らないためには、容疑者の言い分を速やかに伝えることが必要だ。弁護士には、弁護方針が固まらない段階で取材に応じるのは妥当ではないとの考えが根強い。しかし、バランスのある報道を強く求めてきたのも弁護士だ。日本弁護士連合会会長は9月、記者会見で「裁判員制度開始までに基本的な考えをまとめたい」と述べた。ぜひ実現してほしい。
 報道機関には、ネット社会への対応も新たな課題だ。東京・秋葉原の無差別殺傷事件では、携帯電話サイトに犯行予告とおぼしき大量の書き込みがあった。だが、本人の書いたものかどうか、確認作業が必須となる。読売新聞の世論調査では、新聞への信頼度は今年も8割を超え、ニュースの解説、社会の懸案の解決策提案という役割では他のメディアを引き離した。9割の人は今後も新聞が必要と答えている。政局や米国発の金融危機など、国内外の情勢は刻々と変わる。情報があふれ、社会が激しく変動する時代だからこそ、新聞は確かな羅針盤であり続けたい。

15日;毎日社説(1)新聞週間 情報閉ざす扉をこじ開けたい
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081015ddm005070105000c.html
『取材した相手がその20日後、3カ月後と、次々に亡くなってしまう。毎日新聞大阪科学環境部の大島秀利編集委員はショックと恐ろしさ、怒りがこみ上げ、「報道を徹底して続けていかなければ」と決意した。作業中にアスベスト(石綿)を吸った船員や国鉄職員らが30~50年後に胸部がんの中皮腫を突然発症する。病床での取材に彼らは「なぜ自分が」「石綿の危険性など知らなかった」と悔しがった。目に見えない石綿粉じんの被害にいつ、どこで遭ったかわからない人々が大勢いる。過去に石綿被害で労災認定された従業員がいる事業所の名前が公表されれば、新たな患者の早期発見や補償に役立つはずだ。
それなのに厚生労働省は、クボタの石綿被害が社会問題になった05年に事業所名を公表しただけで、その後は非公表に転じていた。厚労省が公表を拒んでいることを06年12月に報じた大島編集委員はその後、患者支援団体が開示請求して入手した黒塗りの情報リストを団体と一緒に分析し、事業所名などを割り出していった。07年12月、新たに520事業所で被害が出ていることを、一覧表などを付けて報道した。その約4カ月後、厚労省はようやく事業所名を公表した。一連の報道は08年度の新聞協会賞に選ばれた。大島編集委員は「同じテーマを繰り返し記事にしたことで新たな情報が寄せられた。支援団体と連携して、隠された情報を明るみに出すことができた」と語る。
 行政機関が、本来なら国民に公開すべき情報を隠そうとするケースが後を絶たない。行政機関個人情報保護法が施行された05年以降、プライバシー保護を理由に情報を出し渋る傾向がさらに強まった。ところが実際には、業界の利益優先や身内の不祥事隠しが狙いである場合も少なくない。情報隠しは政治家や企業の間にも広がっている。隠された情報を取材・報道によって国民の前に提示していくことが、メディアに課せられた責務である。中でも、読者からの信頼に長い間支えられ、さまざまな調査報道を手がけてきた新聞は、インターネット時代といわれる現代でも、変わらぬ重い使命を負っていると考える。15日から新聞週間。情報を閉ざそうとする厚い扉を粘り強くこじ開け、国民の知る権利に応えていく決意を新たにしたい

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シニアネット 『おいおい』 第772号(2008.10.16)

━━senior citizen net━━━━━━ 2008/10/16━

    シニアネット 『おいおい』        第772号
 
━━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━

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 秋晴や人がいゝとは馬鹿のこと    久保田万太郎

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昭和21年(1946)の作。前書きに、「人に示す。」とある。敗戦の1年後の作。「人がいゝ」ことで
「馬鹿」を見てしまったことがあるのだろう。具体的には分からない。かなり衝撃を受けている。「
人がいゝ」ことが「馬鹿」ということを「人に示す。」して、自嘲している。人の良さに付け込まれ
た自分の甘さを晒された。「秋晴」の明るさが、自分の甘さ加減を照らし出している。敗戦後のどさ
くさであるから、相当酷い目にあったようである。東京都生まれ。(1889-1963)。

┏━━「世界食糧デー」━━━━━━━━
●世界食糧デー(World Food Day● 国際デーの一つ。昭和20年(1945)のこの日に、国連食糧農業
機構(FAO)が設立されたことを記念して、1981年に制定された。世界中の人々が食糧不足に苦しま
ないためにはどうすればよいかが、テーマである。発展途上国などでの食糧不足や栄養失調、飢餓に
ついて考える日。
  ●ボスの日● 昭和33年(1958)10月、米国のパトリシア・ベイ・ハロキス(Patricia
Bays Haroski)が、会社を経営していた父のために、経営者と部下の関係を円滑にする日として提唱
し、アメリカ商業会議所に登録されたことが始まり。この日は仕事上のボスをランチに招待したり、
プレゼントを贈ったりする。日本でも1998年からデパート業界が実施している。日本では、定着しま
せんね。

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2008/10/11

(社説)金融不安

┏━━金融不安━━━━━━━━━
 ◎大和生保の破綻と日本の対策◎
 金融市場の混乱で債務超過に陥った中堅の大和生命保険が10日に更生特例法の適用を申請した。7年半ぶりの生保破綻が悪材料となり、日経平均株価は同日に一時、前日比1000円を超す下げ幅となった。終値も881円安の8276円と5年4カ月ぶりの低水準に急落した。
 昨年夏以降、米国のサブプライムローンの問題に端を発した世界的な金融危機の局面で、国内の金融機関が破綻したのは初めてだ。円高進行による企業業績の悪化を懸念した一般投資家の売りなどが連鎖している。株価暴落の世界的な連鎖が止まらない。大和生命は、経営規模が小さく営業職員の人件費などがかさんで高コストなため、高収益が見込める金融商品に積極的に投資してきたという。それが裏目に出たわけで、特異な事例とみることもできる。日本では不動産、建設分野で企業の破綻が相次いでいるが、それが上場不動産投資信託(Jリート)にも広がってきた。ニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生手続きの開始を申し立てた。優良な賃貸物件を多く持ち、債務超過に陥っているわけでもないのに、資金繰りがつかず、民事再生を申請するに至った。不動産市場は、外資が資金を引き揚げたことをきっかけに、急速に冷え込んでいる。

11日;日経社説(全)金融危機の予防へ日本も周到な備えを
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081010AS1K1000210102008.html
『●冷静な対応が不可欠●  大和生命は2001年に引き継いだ破綻生保の大正生命の分を含め、約18万件の契約を抱える。新たな引き取り手が現れない場合でも契約自体は多くの部分が保護されるが、貯蓄性の高い商品を中心に、保険金や年金の一定割合の減額は避けられない。大和生命は契約時に約束した運用利回り(予定利率)の高い商品も多く扱い、高収益の運用を迫られていた。サブプライム関連商品の損失に加え、急激な株安などで保有する有価証券の価値が急に下がり、9月末中間期で114億円の債務超過になった。いわば高リスクの経営が最近の市場混乱で行き詰まった特殊な例だといえる。金融破綻が続出する状況ではない。保険契約者や預金者、投資家や企業などの関係者も冷静に受け止めるべきだ。
  まず火元の米国や欧州の当局が、不安を取り除く決然とした危機対策を表明し、実行する必要がある。日本も主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議などの場で、そこを強く主張すべきだろう。ブッシュ米大統領は10日、声明を発表し、米金融安定化法の枠内で、大手金融機関の株式を買い取る形での公的資金注入が可能であることに言及した。英国は日本円で9兆円規模の銀行向け基金を創設して大手銀行に資本注入する考えを表明、フランスやイタリアも個々に同様の安定化策を検討中と伝えられる。日本は国際通貨基金(IMF)を通じて、金融危機に直面した新興国などに対して自国の外貨準備を融資する新たな枠組みを提案する。各国が知恵を出し合って協調し、市場の沈静化に努めるよう求めたい。
●地域金融に資本注入も●  日本の金融当局も油断せず、混乱の芽を早期に摘む予防策を周到に用意しておく必要があるのではないか。日銀は10日、短期金融市場に即日では史上最大額となる4兆5000億円を供給した。銀行間市場では外国銀行が高い金利での資金調達をなお迫られており、的確な対応だ。日銀は幅広い手段による潤沢な資金供給を続け、市場安定に努めてほしい。他の安定化策も考えるべきだ。例えば3月に期限が切れた、中小金融機関などに公的資金を予防的に注入する「金融機能強化法」の枠組みの復活も一考に値するだろう。第二地方銀行や信用金庫、信用組合など地域の金融機関が、経営体質の強化を目指して他の機関との合併や再編をする際に、公的資金で自己資本を増強するという内容だ。
 経営に問題を抱えた金融機関の延命策ではいけないが、条件や期間で一定の歯止めを掛けたうえで、信用悪化の危機を未然に防ぐべきだ。市場の混乱と景気の急激な冷え込みで、健全な中小企業でも資金繰りがかなり厳しくなっているとの指摘が多い。金融機関の安全網を総点検し、必要に応じて補強することを金融当局はためらわないでほしい。

11日;読売社説(1)金融危機波及 安全網の立て直しを急げ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081010-OYT1T00852.htm
『欧米で火勢を強めている金融危機が、とうとう日本に飛び火した。7年ぶりの生保破綻と株価急落で、日本経済の緊迫感は一気に高まった。追加的な景気対策と金融システムを支える「安全網」の整備を急がねばならない。日本の金融システムが受けている傷は欧米より浅く、重大な危機に瀕しているわけではない。ただし、「警戒モード」に入ったことは確かだ。金融不況時の厳戒態勢から平常レベルに戻った危機への備えを、もう一度固め直す必要はあろう。
 破綻した生保の加入者の財産を守る「生命保険契約者保護機構」への公的資金活用は、2009年3月末で期限が切れる。今年3月末には、中小金融機関に公的資金を注入して支える金融機能強化法が打ち切られた。どちらも、金融システム不安が沈静化して、必要性が薄れたとの判断からだ。だが、米保険最大手の実質国有化に続いて国内生保が倒産し、地方銀行などの財務も悪化した。状況が変化した以上、再考すべきだ。実体経済への手当ても急がれる。円高で輸出が低迷し、企業の収益は急激に悪化した。株安で個人の金融資産が目減りして消費は冷え込んでいる。不動産市況の悪化で、東京証券取引所上場の不動産投資信託が初めて破綻した。
海外経済の減速による外需の落ち込みに続き、設備投資、消費、住宅の内需も総崩れだ。民間の活力を引き出すため、投資減税や法人税率の引き下げなどが有効だろう。株式市場をてこ入れするため、今年末で期限切れとなる証券優遇税制の延長や拡充が求められる。ブッシュ米大統領は10日、金融機関への公的資金注入の可能性に言及したが、内容はあいまいだ。先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で各国は、米国に具体策の提示を求めるべきだ。

11日;朝日社説(1)株価暴落―不安の連鎖を断ち切れ
http://www.asahi.com/paper/editorial20081011.html?ref=any
『6年余の景気回復を支えた日本経済の強みと、陰で温存された弱みが同時に売られている。強みは輸出だった。しかし、一時1ドル=97円台に突入する円高と世界不況による業績悪化の予想で、自動車や電機など主力株が売り込まれた。弱みは、証券市場が海外からの投資に頼りすぎていたことだ。欧米の投資家は金融危機を受け、海外での資金運用を縮小し引き揚げている。そのあおりを東京がもろに受けた。 株と同様に外資依存で膨張してきた不動産市場でも収縮が止まらず、上場されている不動産投資信託(Jリート)が初めて破綻した。さらに、このリートや米国のハイリスク金融商品での資産運用が多かった中堅生保の大和生命が破綻に追い込まれた。高利回りの保険で資金を集め、高リスクで運用する無理な経営が、金融危機に直撃された。
不意を突かれた株式市場は不安感が頂点に達している。政府・金融当局は、まず不安の連鎖と増幅に歯止めをかけるよう、全力をあげなければならない。当局は金融機関の経営内容を、いまいちど総点検してほしい。同時に、破綻に備えて安全網を整備し直さないといけない。中小金融機関へ公的資金を注入するための「金融機能強化法」は、今年3月に期限が切れ失効している。生保への公的支援制度も来春で切れる。 これらの復活・延長などを盛り込んだ対応策を自民、民主両党が検討している。地方経済の不振もあって、経営が苦しくなってきた中小金融機関もある。取るべき対策を総まとめにして早急に実現させるべきだ。
主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれる。金融危機に対する主要国首脳会議(G8サミット)の開催も検討されている。日本の主要企業にも注文したい。たしかに世界不況は逆風だが、これまでの好況でため込んだ蓄積も各企業にはある。逆境のときこそ、それを次の成長のために使ってほしい。

11日;産経社説(1)東証暴落 党利党略排し危機回避を
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081011/stt0810110331000-n1.htm
『米欧の金融危機拡大が加速するなかで、すでに1万円を割った日経平均株価は終値で8276円と暴落し、大和生命は経営破綻した。今や日本自身の危機回避を考えなければならない事態だ。麻生太郎首相が実体経済への影響を考慮し、追加経済対策の検討を政府・与党に指示したのは当然だ。しかし、国会では解散時期をめぐる与野党の駆け引きが続いている。当面の総合経済対策を盛り込んだ補正予算案は、来週中に成立の運びだ。民主党が補正予算案の一定の効果を認め、賛成して早期成立に応じたためだ。しかし、新テロ対策特措法改正案の成立も容認するという方針転換の主眼は、首相に解散を迫ることにある。
  民主党が、米金融危機の日本への波及にどう対応するかも焦点の一つだ。「本格的な対策は、衆院選後の本格政権がやる」としている。民主党としての現状認識を明確にしておくべきだろう。一方、自民党など与党の経済対策の議論は、選挙対策とオーバーラップしがちな点が気になる。総合経済対策に入っている定額減税も、その規模や財源に関する十分な議論が欠かせない。中小企業の資金繰り対策は、有効な手段の一つとして要望が多い。
 自民、民主両党は、それぞれ金融危機対策の検討チームを設けており、証券優遇税制などの政策減税や地域金融機関の資本強化策といった共通項もあるようだ。追加対策に必要な法改正や予算措置を、政府がどこまで今国会で取り上げるのかは不透明な面もあるが、党利党略を排した議論を尽くしてもらいたい。補正予算が成立した後、麻生首相と民主党の小沢一郎代表が党首討論や党首会談を通じて、現状への危機認識を共有しておくことが先決だろう。

11日;毎日社説(1)大和生命破綻 日本も直撃した金融危機
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081011ddm005070003000c.html
『中堅生命保険の大和生命保険が更生特例法の適用を東京地裁に申請した。米国発の金融危機に伴い株価が暴落するなど急激な資産価格の下落によって多額の損失が生じたのが原因だ。大和生命の破綻が直接、日本経済全体に大きな影響を与えるというわけではなさそうだ。しかし、米国発の金融危機が原因で日本の金融機関が破綻したのは初めてのことだ。金融市場が凍り付き大混乱している米欧と違い、日本は比較的安定しているため、今回の金融危機を対岸の火事とみる雰囲気が日本にはある。しかし、そうした見方はやめるべきだ。
 株価の下落が続くと、大手生保も含め、多くの企業が株式の含み損を抱えることになる。また、米国や欧州の経済が後退し、実体経済の冷え込みが深刻化するのはこれからだ。新しい銀行の自己資本ルールが、これに拍車をかけていると指摘されている。保有資産を時価で評価し、損失が出れば、その都度処理する時価会計も、この傾向を後押ししている。
 銀行の新しい自己資本ルールも時価会計も、一般企業や銀行の財務の健全性を維持することが目的だった。しかし、市場が混乱し、リスク判定がしにくい状況下では、逆に、経済の混乱に拍車をかける要因となってしまう。経済の状況に応じて、ルールを柔軟に見直すことも重要だ。

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シニアネット 『おいおい』 第770号

━━senior citizen net━━━━━━ 2008/10/09━

    シニアネット 『おいおい』        第770号
 
━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━━━

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 思わざる山より出でし後の月        福田甲子雄

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昭和56年(1981)作。「後の月(のちのつき)」は陰暦9月13日の夜の月で、今夜が旧暦9月13日。「後の月」を祭るのは、日本のみである。中秋の名月(旧暦8月15日)と「十三夜」をめでる理由は、説得力ある説はない。夜寒さを覚える晩秋の冷ややかな月は、満月の中秋の名月とは別の趣向がある。意外と早い時間に東の空に昇る。旅先の月は、予期しない山の上から出て、澄んだ空に見える。左下が欠けた月が、満月にない情緒がある。甲斐の国に住み、風土性を生かした句が多いが、旅に出てもその視点は変わらない。山梨県南アルプス市生まれ。(1927-2005)。

┏━━十三夜(後の月)━━━━━━━━━━
  13日の月を、「後の月」とも十三夜とも言う。8月の名月の華やかさはないが、少し欠けたところこそが、良いという美意識がある。早い時間に昇る月を賞する。すでに肌寒くなり、月光がいよいよ澄み渡る。豆名月、栗名月、といい豆や栗を供える。

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2008/10/08

シニアネット 『おいおい』 第769号

━━senior citizen net━━━━━━ 2008/10/08━

    シニアネット 『おいおい』        第769号
 
━━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━━

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 そぞろ寒鶏の骨打つ台所      寺田寅日子(寅彦)

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「そぞろ寒」は、なんとなく肌寒く感じる寒さ。「そぞろ」は「すずろ」と同意で、なんとなく、それとなく、わけもなくの意味。人間の心理的な気分を内包する語である。鶏皮を「そぞろ寒」とも書く。鶏の骨をたたき音が、団子を作る音に「そぞろ寒」の感じを受け取ったのである。身のうちに深く覚える秋の寒さ。
物理学者。熊本の旧制高校時代に、夏目漱石に英語を学び漱石家の句会に参加した。東京帝国大学の物理学科を卒後した。寅彦は俳諧論に映画手法のモンタージュを比較し、連句の移りと変化を説いた。寅彦は、ノベール賞に沸く日本の物理学のルーツかも知れない。東京都生まれ。(1878-1935)。

┏━━寒露━━━━━━━━━━
  8日は24節気の1つの「寒露」である。夜露に寒い冷を覚える候の義。朝夕は肌にやや寒気を感じ始め、そぞろ秋も深まりゆく。虫の音も次第に盛りも過ぎて、芋、栗、柿などの秋の稔を迎える。収穫を祝う祭りの季節になる。
  

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(社説)ノーベル賞

ノーベル賞
 米シカゴ大学名誉教授の南部陽一郎さんと、高エネルギー加速器研究機構名誉教授の小林誠さん、京都大学名誉教授の益川敏英さんのノーベル物理学賞の同時受賞である。 2003年から途絶えていた日本人のノーベル賞受賞者は、これで一気に15人となった。3人とも、研究対象は、物質を細かくした先の素粒子だ。

8日;朝日社説(1)ノーベル賞―紙と鉛筆、一挙に花開く
http://www.asahi.com/paper/editorial20081008.html?ref=any
『南部さんの受賞研究は「対称性の自発的破れ」をめぐる理論だ。自然界の根っこにあるしくみを理論づけたことで「粒子にはなぜ重さ(質量)があるのか」といった素粒子論の難題の解決に道筋をつけた。 小林さんと益川さんの研究は宇宙の対称性の破れに迫るもので、SFの香りがする。素粒子には、ふつうの粒子とそっくりだが、電気の正負などが逆の反粒子という一群がある。ところが、この宇宙はほとんどがふつうの粒子でできており、反粒子の「裏世界」は見あたらない。それはなぜか。この問いに向き合った。どちらも日々の暮らしには縁遠い。だが、人々の世界観を豊かにする。知的好奇心に根ざす純粋科学である。
 初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹さん、2人目の朝永振一郎さんに象徴される理論物理の伝統がある。「紙と鉛筆」の科学だ。3人はその継承者といえよう。こうした純粋科学も長い歳月を経て人々の生活を一変させることがある。今回、基礎の基礎といえる科学に一挙に賞が贈られることを喜びたい。南部さんはアイデアを畑違いの分野から得た。いま応用面でも注目されている超伝導の理論を素粒子論に生かしたのである。小林・益川理論の声価が実験によって定まったことも忘れてはならない。理論が予想する粒子は90年代までに見つかった。00年代に入ってからは精密な実験が理論を裏づけた。いずれも巨大加速器による実験で、費用面でも技術面でも一朝一夕には実現できない。科学には視野の広さと息の長さが欠かせない。3人の快挙はそんなメッセージを発信している。

8日;読売社説(1)ノーベル賞 知の伝統を引き継ぎたい
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081007-OYT1T00824.htm
『南部さんは、素粒子がどうして生まれてくるのかを考えた。何もないところでも、ぽんと生まれるというのが答えだった。その理由は、自然界では「自発的に対称性が破れる」ためだ。小林さんと益川さんは、粒子とその対になる「反粒子」に着目した。例えば、電子の反粒子は陽電子だ。両者がぶつかると光になって、消える。宇宙が誕生したころ、粒子と反粒子は同数あったと考えられている。粒子と反粒子は完全に対称ではないため、宇宙が成長するうち、反粒子が偏って消えることが多かったためらしい。このことから、素粒子の数や種類を最もうまく説明する理論を築き、素粒子の法則である「標準理論」の基礎になっている。
 素粒子研究では、日本から過去に、3氏がノーベル賞を受賞している。知の伝統が生きた。折しも今夏、フランスとスイス国境では、欧州合同原子核研究機関の大型円形加速器が動き始めた。質量の起源や宇宙の成り立ちを探究する。日本も建設に100億円以上を拠出しており、KEKや東京大から研究者約100人が参加している。ただ、心配なのは、近年、若者が物理学をはじめとする理工学系を敬遠していることだ。地味なうえ、実験で長時間拘束される。一人前になるには、通常、修士課程までで6年、博士課程までで9年かかる。その割に就職は厳しい。博士号取得者「ポスドク」の数は年々増え、すでに1万6000人を超える。これでは、理工系に進学しても将来の道を描けない。政府と大学は、科学者、技術者の育成システムの改革に取り組むべきだ。若者たちの科学への夢と期待が、今回の受賞決定を機に、少しでも膨らむことも期待したい。
8日;毎日社説(2)ノーベル賞 基礎研究が勇気づけられた
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081008ddm005070119000c.html
『日本の「お家芸」とみなされてきた素粒子物理学である。益川敏英、小林誠両博士の受賞の対象となった理論は、「CP対称性の破れ」と呼ばれる物理現象に関係している。この「破れ」は、私たちの世界が「物質」だけで成り立っていて、性質が反対の「反物質」が見あたらないのはなぜか、という疑問に答える考えだ。両博士は、この現象を説明するには素粒子のクォークが6種類必要だ、と提唱した。その後、クォークは次々と発見され、95年には六つ目のトップクォークが確認された。さらに、日本の大型加速器「Bファクトリー」は2人の理論の正しさを観測で証明した。
 南部陽一郎博士は、「自発的対称性の破れ」という概念を素粒子の分野で確立した。この世界の物質には質量があるが、それはいったいなぜか。根源的な問いの背景に、自然界の対称性が破れるという現象があると提唱した。この理論は、現在の素粒子の標準理論の基盤となっており、自然界に働く四つの力のうち三つの力を統一する理論の基礎につながった。
  ノーベル賞はこの10年で身近なものとなった。同時に目先の成果にとらわれない基礎研究の重要性もクローズアップされた。そうした中で気になるのは、日本の科学技術政策が経済偏重に向かっていると思われることだ。政府は科学技術を経済活性化の主要な柱と考え、大学の研究にも効率や応用を求めている。しかし、第一級の発見は経済効果を第一に考える環境からは生まれないはずだ。今回の受賞は60~70年代の業績に与えられたものだ。現在の研究環境はノーベル賞に結びつく人材を育てるにふさわしいか。今回の受賞をきっかけに改めて考えたい。

8日;産経社説(2)ノーベル物理学賞 日本の理論研究の底力だ
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081008/trd0810080320001-n1.htm
『日本初の受賞者、湯川秀樹博士の生誕101年にあたる今年、日本の基礎科学の研究力が正当に評価されたことを喜びたい。益川さんと小林さんは、物質の根源を探る素粒子物理学の分野で大きな成果をあげた。あらゆる物質は基本粒子「クォーク」で構成されているが、2人が研究に取り組んでいた1970年代の初期には、何種類のクォークが存在するのかもわかっていなかった。2人は、物質と反物質の差を示す「CP対称性の破れ」という現象によって、われわれの宇宙が存在していることに注目し、対称性の破れが生じるためには、物質を構成するクォークには、少なくても6種類が必要であることを示したのだ。 この「小林・益川理論」は、2人が京大理学部の助手であったときの共同研究だ。35年ほど前のことである。南部さんは、60年代に素粒子を扱う場の量子論で「対称性の破れ」という理論を提唱していた。
 今とは異なり、パソコンなどは存在しなかった時代の研究だ。まさに紙と鉛筆による研究で、現在の素粒子物理学の骨格をなす「標準理論」の一角を築き上げたのだから、その創造性は驚きに値する。巨額の研究費が投じられることが当たり前になりつつある今日の自然科学の在り方に一石を投じる受賞であろう。また2000年以降の日本人科学者のノーベル賞は、7人に達した。自然科学分野の若手研究者には、この快進撃を励みとして、ますます独創的な研究に取り組んでもらいたい。ただし、国が進める研究強化策では競争力を重視するあまり、若手研究者の身分が不安定になっている。当時のように研究に没頭できる環境も必要である。


8日;日経社説(2)素粒子研究の底力示す受賞
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081007AS1K0700407102008.html
『受賞理由となった成果は「対称性の破れ」と呼ばれる現象を説明する理論の構築。南部教授はその先駆けとして1960年代から成果を上げて素粒子理論をリードし、早くからノーベル賞候補と目されていた。「ひも理論」など時代を先取りする理論を提案するなど、その業績は世界から一目を置かれてきた。一方、小林教授と益川教授は「CP対称性の破れ」という現象を説明するいわゆる小林・益川理論を35年前につくりあげた。ビッグバン後に宇宙にあったとされる「反粒子」が消えた謎を解き明かす理論で、素粒子の基本粒子のクォークが六つあると予言した。当時はクォークが三つしか見つかっておらず、世界の反応は六つもあるはずがないと冷ややかだった。しかし、クォークは1990年代半ばに六つ目が見つかり、理論の正しさが示された。さらに高エネルギー加速器研究機構が大がかりな実験で「CP対称性の破れ」の検証に取り組み、理論が裏付けられた。
 1950年代に渡米して米国で名をはせた南部教授に対し、小林教授、益川教授は国内を中心にして研究してきた。両氏の発表論文は英文とはいえ国内誌だったので、欧米からは無視されたという。受賞にはその業績を紹介し続けたり、大掛かりな実験で理論を検証したりした多くの研究者の貢献がある。その意味で受賞は日本の素粒子研究者すべてに向けられたといってもよい。日本は6年前に物理学賞を受賞した小柴昌俊東大名誉教授が開拓したニュートリノ研究でも世界をリードし、素粒子分野で強みを見せている。素粒子論はいまは宇宙論とも絡み総合力が問われている。受賞を機にさらに研究に磨きをかけ、世界に貢献する成果を上げてもらいたい。


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2008/10/02

シニアネット 『おいおい』 第768号

━━senior citizen net━━━━━━ 2008/10/02━

    シニアネット 『おいおい』        第768号
 
━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━━━

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 暁烏文庫内灘秋の風             高浜虚子

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昭和31年10月4日作。金沢に五女高木晴子を訪ねる。晴子の夫高木餅花が日銀金沢支店長に赴任中。「暁烏文庫」は、石川県明達寺の住職(俳号は非無)が金沢大学へ蔵書を寄贈して出来た。浄土真宗大谷派の僧侶で、東本願寺の改革運動に参加した。明治33年頃から虚子宅の句会に出席し、時々虚子に宗教講話もしている。「内灘」は、金沢市に隣接する日本海の町。昭和27年に米軍に接収されて、昭和32年に基地返還された。
 81歳の虚子は、10月3日に金沢の卯辰山に登り、金沢大学の暁烏文庫を見る。盲目の暁烏敏は東本願寺の宗務庁長に推された。清々しい一生と交友の思い出に耽った。ここに伏線がある。暁烏は明治10年生まれ、昭和29年に死去。昭和20年頃盲目、昭和26年大谷派宗務総長。翌4日に河北湖を経て内灘へ来た。砂丘といえども不毛な荒地。米軍の試射場は、昭和32年に接収解除になった。「秋の風」に引きしまった緊張と移ろいゆくあわれが感じられる。
虚子は人間の営みを越える造花そのものを見ている。「心の生活は深く湛へたる潮であり、句は表面の波である。」(『句日記』の序文より)。松山市生まれ。(1874―1959)。

┏━━水始潤━━━━━━━━━━━
  10月3日。72候の1つ。「みずはじめてかる」。天地の水気がかれ始める頃。
10月は神無月。八百万の神々が出雲に集合して、留守になる月の意味。雷のない月とも新穀により新酒を醸成月(かみなしづき)の意味とも言われる。

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(社説)代表質問

┏━━代表質問━━━━━━━
  ◎議論が噛み合わない、論議を深めよ◎
国会の代表質問が始まった。総選挙をにらんで、駆け引きが始まった。異例の所信表明演説には、異例の代表質問で応じるということか。社説の論調は、いつものポジションに位置した。議論が噛み合わないと主張する読売と産経と日経。対立軸が見えたと主張する朝日と毎日。どちらの論調が勝つか。

2日:読売社説(1)国会代表質問 すれ違いに終わった党首対決
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081001-OYT1T00852.htm
『民主党の小沢代表は、自らの代表質問を「所信表明」と位置づけ、「民主党政権」が日本をどう変えるか、をもっぱら力説した。政策の「工程表」を示した。財源の裏付けがあいまいな点はあまり変わらない。一般・特別会計の年間純支出計212兆円を抜本的に組み替え、その約1割の20・5兆円を財源にする、という。しかし、支出の8割以上は国債償還、社会保障給付などで、削減は困難だ。民主党が政権公約を正式に発表する際には、こうした疑問に明確に答える必要があろう。
 小沢代表の代表質問での「所信表明」は、初めてではない。新進党党首に就任した直後の1996年1月にも、当時の橋本首相に対し同様の手法をとっている。一方で、麻生首相が所信表明演説で発した五つの質問に対しては、正面から答えなかった。相手の土俵に乗るのは得策でない。そんな判断が小沢代表にあったのだろう。だが、双方が互いの主張を一方的に述べるだけでは、議論はすれ違うばかりだ。自らの立場を明確にしつつ、きちんと反論し合ってこそ、聞き応えのある論議になる。
 小沢代表は、「野党に政権を渡し、総選挙を行うのが議会制民主主義の筋道」と早期の衆院解散を求めた。麻生首相は「確固たる政権担当能力を持ち、日本の未来に責任を持てるのは自民党だ」と切り返した。昨秋に大連立構想が頓挫した際、小沢代表が、民主党の政権担当能力に疑問が示されていると認めたことにも触れ、反論した。この日の党首対決は、全般的に“消化不良”に終わったが、まだ機会はある。来週は、補正予算案審議のため、一問一答方式の衆院予算委員会が開かれる予定だ。小沢代表が再び質問に立ってはどうか。麻生首相と、より深みのある論戦を展開してほしい

2日;産経社説(1)代表質問 党首討論で再び政策競え
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081002/stt0810020404004-n1.htm
『民主党の小沢一郎代表は同党が掲げる「国民の生活が第一」を具体化するマニフェスト(政権公約)の骨格を述べた。政権交代に向けた決意を示すねらいだ。しかし、小沢氏は首相が所信表明で問いかけた補正予算案への賛否など、多くの点について見解を示さなかった。小沢氏の後で質問に立った鳩山由紀夫幹事長が、政府の姿勢をただしたが、首相の答弁も型通りのものが目立った。党首対決がかみ合わず、議論の深まりにつながらないのは残念である。政権を競い合う突っ込んだ論戦がさらに必要だ。
 小沢氏は先月21日の党大会で明らかにしたマニフェストの骨格を改めて示した。これに対して中川昭一財務相は「民主党の主張は時々刻々と変容している」と疑問を呈した。首相が問いかけた論点のうち、小沢氏が見解を示したのは、外交・安全保障で日米同盟と国連のどちらを優先させるかだった。小沢氏は「日本の安全保障は日米同盟を基軸としつつも、最終的には国連の平和維持活動によって担保される」との見解を示し、「日米同盟と国連中心主義は何ら矛盾しない」と強調した。国連は現状では抑止力をもっていない。常任理事国の意見対立で国連が必要な措置をとれない場合もある。日本の安全保障を国連に委ねるのは非現実的だ。首相はさらに疑問をぶつけ、小沢氏や民主党は明確な見解を示すべきだ。政権を争うには物足りない論争だった。首相と小沢氏が一問一答で論じ合う党首討論も、ぜひ実現してもらいたい。

2日;日経社説(1)党首討論で麻生・小沢論争を深めよ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081001AS1K0100401102008.html
『小沢氏は首相演説を「唯一、具体的なものは民主党に対する誹謗中傷」と酷評し、「質問」には答えなかった。このままでは消化不良であり、党首討論で議論を深める必要がある。首相は「小沢代表が自らの所信を述べたことで、私の質問への答えとしたことは誠に残念だ」と述べた。そのうえで2008年度補正予算案への賛否、消費者庁法案への賛否、インド洋上での補給支援活動継続への賛否の3点について回答するよう改めて求めた。小沢氏は外交・安全保障政策に関して「日米同盟を基軸としつつも、最終的には国連の平和活動によって担保される」などの原則論しか示さなかった。私たちも給油延長法案への対応などを聞きたかっただけに、小沢氏の「答弁」は残念である。
 小沢氏は「総選挙の最大の争点はムダづかいを続ける今の税金の使い方を許すのか、それとも民主党を中心とする政権に代え、税金の使い方を変えるのかという選択だ」と強調し、政権公約の骨格を発表した。昨年の参院選の政権公約と比べると、4年間の工程表を示したのは前進である。しかしどのようなムダを削るのかは不透明で、より具体的な説明が求められる。財源問題では首相の説明も物足りない。民主党の鳩山由紀夫幹事長は定額減税や、2009年度からの基礎年金の国庫負担割合を2分の1に増やすための財源をただしたが、首相は「年末までに結論を得たい」などの答弁に終始した。
 小沢氏は衆院選前に、日本の針路について国会で十分議論するよう主張した。来週から補正予算案の審議が始まる見通しだが、これとは別に早期に党首討論を開催して、米国発の金融危機への対応などを含めて丁々発止の議論をしてもらいたい。党首討論は首相も望むところだろう。

2日;毎日社説(1)小沢氏質問 政策論争のたたき台とせよ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081002ddm005070100000c.html
『小沢氏は、政権公約に盛り込む政策実現のスケジュールや必要な財源の規模を語ったが、内容はまだ不十分だ。政策論争を進める「たたき台」と位置づけるべきである。小沢氏は代表質問で、民主党が公約に掲げる実施するスケジュールを3段階で示した。(1)09年度に8・4兆円(2)11年度までは14兆円(3)12年度に20・5兆円と必要な財源規模を4年計画で拡大すると説明。特別会計積立金など「埋蔵金」の活用や、独立行政法人の廃止、政府資産の売却などで捻出する考えを示した。
 同党の政権公約のアキレスけんとも目される財源問題の輪郭を示した点は前進だ。ただ、内訳などは依然として明確でない。特に「埋蔵金」は何をどの程度あてこんでいるか不明なうえ、新規政策への充当が好ましくない一時的財源だ。これでは財源の裏打ちができたとは言い難い。外交・安全保障は日米同盟重視と国連中心主義を「矛盾しない」と説明、国連重視の持論も展開した。では、アフガン支援問題などで日本は現実に何をすべきか。一方、首相は小沢氏が補正予算案への対応など自らの「質問」に答えなかった点に不満を表明。小沢氏に「速やかな衆院解散」を促され、「解散は私が決める」と応じた。
 それにしても、冒頭から民主党への挑発ばかりが目立つ自民党の姿勢は疑問だ。細田博之幹事長は首相への質問で、延々と小沢氏攻撃に時間を割いた。いくら選挙近しとはいえ、今国会での懸案処理を本当に考えているか、疑わしくなる。米金融危機のあおりで与党には解散先送り論が出るなど、国会の行方はまさに五里霧中だ。かと言って今後の論戦が「気もそぞろ」であってはならない。

2日;朝日社説(1)代表質問―対立軸が浮かんできた
http://www.asahi.com/paper/editorial20081002.html?ref=any
『なぜ政権交代が必要なのかを訴え、民主党が政権をとったらこうするという政策を並べたのだ。首相への質問はほとんどなし。小沢氏が語ったのは、先月の党大会で発表した政権構想について、どの政策をいつまでに実現するか、工程表を具体的に肉付けしたものだ。 来年度からガソリン暫定税率を廃止、11年度までに高速道路を無料化、12年度までに農家への戸別所得補償制度などの政策を順次実施する。必要な20.5兆円の財源は、補助金や特別会計の廃止などで国の予算を全面的に組み替えて12年度までに段階的につくりだす。
 ざっくりした数字をあげたに過ぎず、不明な点も多い。それでも、民主党の政策は財源があいまいだという与党の批判や、国民の不安に応えようという思いは伝わってくる。注目したいのは、小沢氏の次の問いかけだ。「無駄遣いを続けるいまの税金の使い方を許すのか、それとも、税金の使い方を根本的に変えるのか」 。確かに、首相の所信表明を聞いても、無駄やゆがみを重ねてきた自民党政権の税金の使い方を抜本的に改めるという意気込みはうかがえなかった。遅遅として進まない自民党政権の「改革」は枚挙にいとまがない。本気でこれらを実現するなら、政権を変えるしかない。これが小沢氏の主張の中核だ。
 だが、麻生氏ら与党側は、経済運営や安全保障、外交など日本が今、直面する難局を民主党では乗り切れない、と主張する。米国の金融危機が深刻化し、日本経済の不況感が深まっている中で、景気対策を強調するのも「今の危機」に対応できるのは自民党しかないと訴えたいのだ。 総選挙に向けて、対立軸のようなものが見えてきたのではないか。 与野党は来週、衆参両院で予算委員会の審議をする方向だ。補正予算案の妥当性を含めて、詰めた論戦でこの対立軸を鮮明に有権者に示してもらいたい。そのうえで一日も早く国民の信を問い、決着をつけるべきだ

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