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2007/03/31

(社説)イラク派遣法は、妥当だろうか


政府は、イラク復興支援特別措置法改正案を国会に提出した。イラクで輸送業務に当たっている航空自衛隊の活動を2年間延長する。今国会で成立させなければならない。イラク復興支援特別措置法を2年延長する改正案が、国会に提出された。この法律に基づいて4年前、まだ戦火のやまなかったイラクに自衛隊が派遣された。昨夏に陸上自衛隊が撤収してからはあまり話題にならないが、いまも航空自衛隊の隊員約210人が残る。彼らはクウェートの米軍基地を拠点に、3機のC130輸送機を使ってバグダッドなどのイラクの都市との間で輸送業務にあたっている。7月で期限切れとなる特措法を延長し、この業務を続けられるようにしようというわけだ。

31日;朝日社説(2)イラク特措法―派遣の延長に反対する  http://www.asahi.com/paper/editorial.html
『西欧勢は減り、主力は東欧や旧ソ連諸国に移ってきた。そんななかで、先進民主主義国の日本が部隊派遣を続けることは、国内外で猛烈な批判を浴びるブッシュ政権にとって心強いことに違いない。3機の輸送機は対米支援の象徴としての意味合いがますます大きくなっている。 大規模戦闘が終了したあとの戦後処理は混迷を極め、いまのイラクは内戦同然の状態にある。中東地域は不安定さを増すばかりだ。この4年を踏まえて、小泉前首相の戦争への支持表明や自衛隊派遣の妥当性を議論しなおさねばならない。 米国では、イラク駐留米軍に撤退期限を求める補正予算案が上下両院で可決された。この戦争は誤りだったという認識が社会に広がり、真剣な見直しの論議が進んでいるのだ。
   特措法の延長幅を、なぜ2年もの長期にしたのかも説明を聞きたい。与党のなかにも、長すぎるとの声があった。出口戦略はあるのだろうか。 隊員たちの安全は引き続き、大きな気がかりだ。これまで事故や攻撃がなかったのは幸いだが、イラクの空港に着陸する自衛隊機は、ミサイル警戒で急旋回を強いられることもあるという。
 困り果てているイラクの人々を手助けする方法はほかにもある。国内外の避難民支援もその一つだろう。何が何でも自衛隊の派遣にこだわる姿勢は誤りだ。

31日;毎日社説(2)イラク派遣延長 改めて支援の大義を示せ http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070331k0000m070180000c.html
『こうした局面の変化を踏まえ、政府は現状の活動の成果と内容を明らかにし、改めて派遣の論拠を国民に説明すべきだ。国民の理解が派遣延長の前提であることは言うまでもない特措法には人道復興支援と多国籍軍の輸送など安全確保支援が定められている。ただ活動内容を定めた基本計画では、安全確保支援は人道復興支援に支障を及ぼさない範囲での活動とされている。これに照らせば活動内容の順番が逆になっているとも言えるだろう。人道復興支援だからこそイラク派遣を支持したという国民も多いはずだ。政府は安全上の理由から多国籍軍に関する輸送内容など詳しい説明をしていない。活動内容をはっきりさせなければ自衛隊がイラク国民をはじめ日米関係、国際社会にどういう貢献をしているのか国民に説明できないはずだ。
 さらに国会審議では2年の延長期間の是非も詰める必要がある。しかし特措法の意義は、期限を区切って情勢に合わせた再検討をすることにある。なぜ1年ではいけないのか。国会承認の手続きをできるだけ回避するという狙いがあるのなら、筋違いだ。米英ではその点の論議が進むが、日本では本格的に取り上げられていない。米国に頼る情報収集のあり方など、今後の国家戦略を立てる上でも検証は不可欠だ。 民主党は延長に反対している。十分な審議時間を確保し、国民が延長の是非について判断材料を持てるような国会にすべきである。

31日;読売社説(1) [空自派遣延長]「イラクの混迷を放置できない」
  http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070330ig91.htm
『空自の活動を、マリキ首相は「主要かつ死活的な役割」と評価している。国連の潘基文事務総長が「職員及び貨物の重要な移動手段」と言うように、国連の活動を支える基盤ともなっている。政府は特措法に基づき、活動内容、実施区域を定めた基本計画を今後は、半年ごとに見直すという。イラクの治安や政治プロセスは不透明だ。状況の変化には当然、柔軟に対応する必要がある。政府は、改正法案の審議で、空自の活動状況はもとより、今回の派遣延長の目的や意義を丁寧に説明するべきだ。
 一方、民主党は、派遣延長に反対し、イラク特措法の廃止法案を国会に提出する。参院選でイラク支援の是非を争点化したいという狙いもあるのだろう。小沢代表は、イラク戦争を「ブッシュ政権のエゴイスティックな行動」と指摘し、「米国の過ちを正していくためにも追随しないという決断」が必要だと主張している。何もせずに傍観し、イラクが破綻するのを放置していいのだろうか。民主党は「国連平和活動への積極参加」を掲げている。アルビルは国連の拠点であり、空自の活動は国連の要請に基づいている。派遣延長反対は、民主党の主張とも矛盾しているように見える。今のイラクにどう向き合うのか、民主党の考え方を国会審議の中で明らかにしてもらいたい。

31日;産経社説(2)自衛隊派遣延長 イラク再建支援に不可欠
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070331/shc070331000.htm
『昨年8月、アナン国連事務総長は「(日本の支援は)国連イラク支援ミッションの機動性を高めている。継続的な支援を期待する」と、謝意を表明した。日本は国際社会の一員としての責務を果たしているのだ。 内閣府が昨年9月に実施した世論調査によると、イラクでの陸自の活動を評価した人は72%にのぼった。国際平和協力活動に取り組むべきだと答えた人は75%だ。バグダッドへの運航が危険を伴っていることは否定できない。これまで以上に安全確保策を万全にし、任務を全うして帰国するよう望みたい。 来日したイラクのハシミ副大統領が空自の活動を「イラク国民のために非常に有効な活動」と語ったことも真摯に受け止めたい。すきま風が指摘されている日米同盟関係の強化のためにも改正案の早期成立が必要である。

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