元旦の新聞の社説
シニアネット「おいおい」第355号より
◎元旦の新聞の社説◎
新年の新聞の論説は、新しい年の「展望」を論じた。5紙が「展望」に価値観の違いがにじみ出た。
「人口減少の問題」を読売と日経が取り上げた。読売は短期、日経は長期を展望している。朝日と産経が「日本と中国と米国」の関係を展望した。左派と右派の立場だけに、予測方向が全く違った。毎日は「ポスト小泉」の展望した。
読売社説)「人口減少時代へ国家的対応を 市場原理主義への歯止めも必要だ
前半 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060101ig90.htm
後半 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060101ig91.htm
『当然のことながら、人口減少社会で中長期的な財政・税収基盤を安定したものにするには、経済全般の効率化、労働生産性の向上を進めていかなくてはならない。短期的な利益を狙って会社資産を食い荒らし、長期的な企業利益を損なう。ひいては、日本経済の長期的な基盤全体を荒廃させる。経済の効率化、生産性の向上にはなんの貢献もしない。』『国際協力活動のあり方についての戦略的態勢も整える必要がある。いつまでも国際的責任から逃げていてはならない。最大野党の民主党も、内外にわたる国家戦略確立に向けて、大連立も辞さないくらいの責任感をもって取り組んでもらいたい。』
日経社説)人口減に克つ(1)成長力を高め魅力ある日本を創ろう
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20051231MS3M3101731122005.html
『人口減に克つために、日本は創造的改革をてこに新たな成長をめざさなければならない。働きがい、生きがい、育てがいがあり、世界からヒト、モノ、カネを引き寄せる。そんな「魅力ある日本」は成長を土台にしてはじめて創くられる。100年後の日本のために、われわれはいま何をすべきかが問われている。』
朝日社説)武士道をどう生かす 2006謹賀新年
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
『武士道で語られる「仁」とは、もともと孔子の教えだ。惻隠の情とは孟子の言葉である。今年こそ、大きな転換の年としたい。ことは外交にとどまらない。競争や自助努力が求められる厳しい時代だからこそ、一方で必要なのは弱者や敗者、立場の違う相手を思いやる精神ではないか。隣国との付き合い方は、日本社会の将来を考えることとも重なり合う。自分の幸せを、少しでも他者の幸せに重ねたい。「新年愉快」ならぬ「年中不愉快」が続いては困るのだ。』
産経社説)新たに始まる未知の世界 アジア戦略の根幹は日米同盟
http://www.sankei.co.jp/news/060101/morning/editoria.htm
『高坂正堯は、日本が《大声で明快なアメリカの普遍主義》と《長い歴史と巨大な量を背景とする中国の原理主義》に挟まれるであろう困難を予見していた。』『二十一世紀前半の世界における日米中のありようの一端を暗示している。だが唯一、高坂正堯が目撃できなかったことがある。それは、日本の声はもはや必ずしも小さくはないということである。驕らず、高ぶらず、確かな実績を重ねる日本でありたい。』
毎日社説)ポストXの06年 壮大な破壊後の展望が大事
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060101k0000m070079000c.html
『明治期の富国強兵は、独立を保つために強兵が目的で富国は手段だった。戦後強兵を断念、富国に専念した。目的と手段の同一化だ。それは効率はいいが価値観の喪失で、必然的にただ自分を膨らませてカエルのようにパンクしたバブルで完結した。今、小泉改革が進めるあらゆる既成秩序の破壊は、手段が目的になっていない。トラの威を借るキツネたちが価値観もなく威張り散らしていないか、よくよく見極めなければいけない。』
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